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Truth 「真実」

「ああ、すごい」 思わず、喘ぎ声が出ていた。ゆっくりとあそこに押し入れらていく。いやでも彼のペニスを隅々まで感じされられる。「ううっ……」

いったん根元まで埋め込むと、彼は苦笑いし、指をあたし自身の小さな道具へと走らせた。「ほんとに、ほんとに小さいねえ。こんなだとは思ってもいなかった。あんだけたくさん女たちがお前に群がっていたから、俺はもっとずっと大きいと思っていたよ」

返事することすら考えなかった。確かに、言おうと思えば、ホルモン剤の服用と去勢のせいであたしの男性器が縮小したことを言えたかもしれない。前はずっと大きかったと。多分、少なくとも彼のそれと同じくらいの大きさだったと言えたかもしれない。でも、彼はそんなことは聞きたくもないだろう。さらに、元妻があたしの立場を明確にしていた。からかうときは例外として、男性だったころのあたしの昔の人生には触れてはいけないと。あたしは今はシシーであって、男ではない。そして、シシーは、ペニスがなんと小さいかと愛する人に言われても、侮辱された気持ちにならないものなのだ。

あたしは甘えた声を出した。「ああん……あなた、あたしの可愛いクリちゃんが好きなの?」

「クリちゃんねえ……」 彼はくすくす笑いに似た、鋭く息を吐くような声でこの言葉を発した。彼はあたしの男性器の名残ともいえるモノをしごき続けている。「その呼び方、いいな」

彼はゆっくりと引きにかかり、やがてその硬直したペニスが、慣れた動きで、あたしの中からヌルリと滑り出る。だけど、抜け出そうになるギリギリのところで、強く押し戻し、根元まで突き刺された。あたしは驚いて、小さく、甲高い女性的な声を上げた。彼は、そのあたしの反応を喜んだ。そして、引き続きあたしに出し入れを続ける。

このようなひと時では、容易に、行為に没頭し、我を忘れることができる。彼にセックスされている間、自分が貶められ、女性へと変えられてきた屈辱について何も思わずに済む。女装するよう妻に強制されてきたことを思い出さずに済む。いったん諦めた後、女装が新しい日常になったことも振り返らずに済む。妻に無理やり様々な屈辱的な行為を強制されたことも考えずに済む。屈辱的な行為を脳裏から消すのは、他のことより難しい。特に、今、あたしを犯している男性が、たった2年ほど前までは、あたしが常時イジメていた人だけに、なおさら。あたしは彼を、オカマとかシシーと呼んでバカにしていたのだった。だけど、最悪なことに、今はその立場が逆になっている。

あたしの昔の知り合いで、あたしのアヌスにペニスを入れた人物は、彼が最初ではない。すでに、かつての友人、かつての敵対者を問わず、何人かとセックスをするのを強制されてきた。数えきれないほど元カノがいたが、彼女たちにも、そのストラップオンで犯され、耐え忍んできた。でも、あたしは元妻のためにこんなふうに変わってきたのだ。そして、そんな彼女にとって、このようなことをいくらやっても充分ではないのだった。嗜虐的な趣味なのか、単に残酷な性格からなのか、あたしにはどちらの分類が正しいのか分からない。ともあれ、ラベル付けは重要ではない。本当に。いずれにせよ、あたしは、かつて自分自身を男性としていたすべてを失ってきた。しかも、自ら進んでそうしてきたのだった。すべて、彼女をハッピーにするために。

でも、これからも、あたしはこういうことを何度も何度も繰り返すと思う。というのも、いつも行為がすべて終わった後、あたしは自分から、自分はシシーなのと言い、その度に、正直に本心を口に出していると自覚しているのだから。




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