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Unreachable Goal 「手の届かない目標」

「うわ……いくら洗ってもきれいになった気がしない。輪姦シーンは幾つもあったけど、いつも最悪。洗っても1週間はカラダにスペルマがくっついてるような気がするのよねえ」

「でも、あの人たちに囲まれてる時のあなたは、そんなこと気にするようには見えなかったけど?」

「演技よ、スカイラー。人から聞いたことあるでしょ?」

「まあ、たまたまだけど、聞いたことあるわ。それに、あなたがその件で荒れまくったということも知っている。でも、あんたさあ、なんでポルノなんかやってるの?」

「あんたと同じよ、カネのため。でも、長くは続けないわ。あたし、すぐに大ブレークするから。そうなったら、二度とこの手の仕事をやらなくても済むようになる」

「まあ、何とでも言えるわね。ここ、背中のところ見てみて。でさ、あんた、まだやる気でいるの?」

「何の話をしてるのか分からないけど? うわっ、あんたの背中のここ、アレが乾いてこびりついてるわよ」

「話題を変えないで。あんたが地元に帰ることについて話してるの。それにあんたのバカな計画についても」

「バカな計画じゃないから」

「あんた、本気で、自分は男だって人を納得させられると思ってんの? てか、まずは頭ごなしに否定されるし、その後もあれこれ」

「髪を切って、ゆるゆるの服を着れば、男として通せるわよ。あたしにはできる。パパもママもあたしが……生活のためにこれをしてるなんて全然知らない。他にママたちが知らないことと言ったら……」

「あんたがシーメールのポルノスターをやってること。確かに。分かるわ。でも、だからと言って、自分がトランスジェンダーだってことすら両親に言えないってことにはならないわよ。親はアレなの? トランスジェンダーを憎悪してるとか?」

「いや。それは違うわ。ただ……何て言うか……ちゃんと自立できるようになったら、元々の自分に戻るつもりでいる。そこはまったく変わらない。こういうこと永遠に続けるつもりはないの。いつでもホルモン摂取を止められる。そうすれば、普通に戻るでしょ?ちょっと待ってよ、あんた、なんで笑ってるのよ?」

「何でもないわ。本当に何でもない。良い目標ね。ほんとに。あんた、目標達成のため、ずいぶん頑張ってるみたいね。多分」








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