*1950年代* モニカが受話器を耳に当てているとき、チャーリーがベッドに這いあがり、彼女の脚の間に入ってきた。モニカは、「ダメ、ダメ」と言いたそうに怖がる顔をしたが、チャーリーは、指でしーっと黙る仕草をしながら、亀頭を彼女の陰部に押し当てた。
……チャーリーは音を立てずに、あたしが夫と話をしている間、大きなアレをあたしの中に入れてくるつもりなのね……
意図を察したモニカは、急に、電話の声の調子を変えた。「ねえ、ジェフ? 今ベッドで素っ裸でいるの。あなたにオマンコやられるのを待っているの」
こんな露骨な言葉を使った後、モニカは横でクスクス笑う声を聞き、顔をしかめつつ見上げた。そこにはベッドで行わていることをすべて見ている夫の上司がいた。
彼の名はリチャード。このようなことをもたらした張本人である。彼は、仰向けに横たわるモニカがチャーリーに両脚を広げながら、電話で夫と話をするのを見ている。そして、彼女のバギナにはチャーリーの巨大なペニスが今にも入ろうとしている。
モニカと夫のジェフが、妻と夫の関係になってから電話で会話するのは、これが初めてだった。そうであるから、この会話はテレフォン・セックスにつながるのは当然だった。もし彼女だけだったなら、おそらくモニカは「あたしのアソコ」と言ったはずである。だが、チャーリーとリチャードも一緒にいて、自分を見ている状況であるためか、彼女はオマンコという言葉を使った。もちろん、ジェフ相手にこんな言葉を使うのは初めてのことだった。
時は1950年代。当時は長距離電話をするには交換手を通さなければならなかったし、電話代も高かった。ガソリンが25セントで3リッター買えた時代、最初の3分間の通話が1ドルもしたのである。
電話は普及し始めたばかりであり、モニカは通話料のことはよく分からなかった。夫からの電話はコレクト・コールだったので、通話料はさらに高いかもしれない。
通話料のこともあり、ふたりは速く済ませる必要があった。後で困らないようにするためには、モニカは夫に素早く射精してもらいさえすればよい。自分がイクまで待つ時間はないだろう。それに、そもそも、結婚して3週間しかたっていないので、彼女は夫との行為でオーガズムを味わった経験はなかった。実際に体を合わせての行為ですら経験がないのであるから、ましてや電話でイクことはあり得ないだろう。
電話の向こう、興奮した声が聞こえた。「僕は固くなってるよ。すごく硬くなってる。今から入れるね、モニカ」
「今すぐやって、ジェフ。あたしは準備できてる。入れて!」
その言葉と同時に、チャーリーが挿入してきて、彼女は目を丸くした。
「うぅぅぅっ! ああ、いいっ! いいわっ、ジェフ! あなたが入ってくるのを感じる。すごく大きいし、硬いわ!」
すごいなあ、と彼女の夫は思った。とても本当っぽい声を出してる。「中に入ったの、感じる? 気持ちいい?」
「ええ、感じるわ、ジェフ。あたし、仰向けで、あなたの顔を見つめているの。そうしながら、入ってくるのを感じてるの。気持ちいいわ、すごく気持ちいい!」
もちろん、モニカはチャーリーの顔を見つめていた。彼は半分まで挿入したところで、動きを止めた。モニカは、チャーリーが完全に覆いかぶさってこないように、少し彼の胸を押し戻すような動きをした。そうしないと、電話での会話が難しくなるからだった。
「ジェフ、もっと深く入れてきて。全部を入れてきて。全部、感じたいの」
「いいよ、モニカ。根元まで入れるね」
「ああ、ジェフ。すごく広げられていくのを感じる。ああ、いいわぁ」
本当に気持ちいいとモニカは思った。だが、その行為を行っているのは夫以外の男なのである。
最初は心配していたモニカだったが、夫の上司に見られながら、逞しい男に抱かれつつ、何も知らない夫と話しをするのが、これほどエロティックだとは思いもよらなかったのだった。
モニカがチャーリーの胸板を押し上げ、あまり近づかないようにさせていたものの、チャーリーはキスできるところまでは顔を近づけていた。彼がさらに顔を寄せ唇を合わせると、モニカは嬉しそうにそれを迎え入れ、静かに舌を絡め、彼の口を吸った。
「あなた、強く突いて」
ジェフは、妻の顔は見えないものの、声の調子から彼女が微笑んでいるのが想像できた。実際のモニカは、自ら両脚を持ち上げ、チャーリーの腰を包み込むように絡めたのだった。すでにチャーリーは根元近くまで挿入しており、ゆっくりと出し入れを開始していた。
「ジェフ? 今あたし、両脚を上げて、あなたの体を締め付けてるところ。いつもより、あなたのアレが大きく感じるわ。すごく深いところまで入っているように感じる」
彼女の声はとても興奮している様に聞こえた。「モニカ、そうだよ、いつもより大きくなっているよ。石のように固くなってる。モニカの方はどうしてる? 手を使ってる?」
「うん、使ってる。もっと早くして」
リチャードは時々、顔を近づけ、モニカとチャーリーの間を覗き込むようにしていた。モニカは、そんなリチャードのことは無視して、微笑みながら、受話器をチャーリーの耳元にも寄せて、ふたりで一緒に電話の会話を聞くようにさせた。そして、時々、キスを繰り返す。
突然、何の前触れもなく、モニカは下半身から強烈な快感が沸き起こってくるのを感じた。「ああっ、イクかも……」
電話を持つ手を少し緩め、モニカは1度だけ、腰を突き上げた。自分がイキそうになってることをチャーリーに知らせるためだった。それを受けて、チャーリーは少しだけ抽迭の動きを速めた。
電話の向こう、夫は、受話器から聞こえてくる声に艶がこもってくるのを聞き、自らも興奮した声を出し始めた。
「ああモニカ、君のアソコ、すごく気持ちいいよ。とてもキツク僕のアレを包んでくれているよ。ますます固くなってきてるよ。僕もイキそうになってる。速くしなくちゃね。もう少しでイキそうだよ。ああっ、あぁぁぁぁ……!」
ジェフは射精していた。
「あたしも。一緒にイクわ!」
モニカは、演技のつもりだったのに、実際に自分もオーガズムに達してるのを感じ、驚いた。だが、もちろん、実際に彼女を絶頂に導いているのは、チャーリーの巨大なペニスなのである。
チャーリーにとっては抜き差しの動きを始めたばかりであった。だが、モニカにとっては、夫と電話で話をしつつ、逞しい別の男性に貫かれているという状況のせいか、新記録と言える短時間でオーガズムに達したのだった。さらに、夫の上司が、たった1週間前に彼女を誘惑した張本人の男が、この場にいて自分の行為を見ているという点も、ゾクゾクするような興奮に寄与していたといえる。
ジェフは妻が達した声を聞いた。そして10秒ほどし、彼自身の呼吸も落ち着いたころに、驚いた調子で愛妻に語り掛けた。「うわあ、モニカ。君があんなに悶えた声を出したり、イクときの声を聞いたのは初めてだよ」
彼は自慢気に語り続けた。「今の僕の姿を見せてあげたいな。腹の上がドロドロになってるよ。胸の先まで飛んだのもあるよ。君も、僕とやってこんなに感じたことって、あるかな?」
モニカはまだ息を荒げていた。チャーリーがゆっくりと出し入れを再開していたせいで、声を落ち着かせることができなかったのだった。チャーリーの顔を見上げ、嬉し困ったような笑顔を見せつつ、受話器に話し始めた。「ジェフ? イクって声に出すの、実際に会ってる時より、電話での方が気楽にできるのよ」
モニカはチャーリーを見上げ、受話器を手で覆い「あなたってひどい人!」と囁いた。そして、手を受話器から離した後、夫に言った。「でも、ジェフ? もうすぐ3分になるわ。もう、電話を切った方がいいんじゃない?」
「いや、大丈夫だよ。3分の縛りは、公衆電話でないときは当てはまらないんだ。交換手が割り込んできて、いきなり切られたりはしないよ」
「あら、そうだったの。忘れていたわ。でも、これ、コレクトコールでしょ? お金がかかるのは変わらないわ」
「それもそうだね。じゃあ切るよ。おやすみ、モニカ」
「おやすみなさい、ジェフ。ちゃんとドロドロをきれいにしてから寝るのよ」
*****
*この1時間前*
モニカが、ラジオを聞きながらひとりカウチに座っていた時、階段の方からきしむ音が聞こえてきた。リチャードに違いない! 浮気をする罪悪感があったものの、これから行うことへの少なからぬ興奮も感じていた。
もう、アソコのひりひりした痛みは消えていた。だから、リチャードが自分にどんなことをしようと考えていようと、それに対する体の準備は整っていた。
この1週間前、リチャードは彼女の夫をシカゴに出張に行かせていたのだった。盗まれた車を彼に届けさせるという仕事である。そして、ジェフが出張に出たすぐ後に、彼はジェフの家を突然訪問し、モニカを驚かせたのだった。彼はモニカにある用件を伝えに来たのである。ジェフが解雇されないようにするためには、彼女の協力が必要であること。その協力とは、彼女自身を差し出すことであること、という話だった。しかし、モニカが納得するのに、数分もかからなかった。
*話はさらに、その2週間前にさかのぼる*
その2週間前、モニカはこっそりと両親の家を出て、友人の車に送られて60マイルほど離れたジェフの元に来て、治安判事の元、あわただしく結婚したのだった。モニカは、17歳の誕生日を迎える直前だった。だから、結婚してしまわないと、ジェフは法定上レイプの罪に問われ、彼女は家出少女とみなされてしまいかねなかった。モニカは治安判事に年齢を偽った。とはいえ、ほんの数日間だけの偽りだったが。
コレクトコールで両親に結婚したことを伝えた。そのおかげで彼女の両親は警察に捜索願をださなかった。電話の向こう、母親が涙ぐんでいるのは感じ取られたけれど、両親とも、モニカが幸せになることを願ったし、できることなら、秋には高校3年生になるはずなので、こちらの高校に編入するようにと、モニカに懇願した。
モニカは、学校は続けると約束した。
季節は真夏だった。だから、当面、モニカは学校に通わなくてもよい。ジェフも賛成してくれたので、秋からは地元の高校に登録しようと計画していた。
ジェフも19歳になったばかりだった。地元の大きな自動車工場の機械工の仕事を得ていた。ただ、後で分かったことだが、その工場は車の窃盗団のフロント会社でもあったのだった。盗難車をシカゴに運ぶ仕事が時々入る。仮に、ジェフがその仕事を頼まれ、それを引き受けた場合、彼は機械工の給与に加えて50ドル多くもらうことができた。
50ドルは、彼にとって、月々の家賃をはるかに超える金額だった。ジェフには、その額を稼ぐには、逮捕される危険を冒すことしかできなかった。
窃盗団は、シカゴにジェフが滞在するための安い部屋を提供した。車を届け、そこに1日滞在し、翌日にはバスで地元に帰ることができるはずだった。バスだと、すべてのバス停に止まって移動するため、5時間もかかるし、当然、仕事の時間には間に合わない。だが、その日の仕事の賃金を上回る額をもらえるので、何も問題はなかった。
新生活を始めたばかりのふたりには、カツカツの生活しかできなかった。家賃は払ったけれど、ジェフが失業したら、途端にふたりは路頭に迷うことになるだろう。
ジェフの上司のリチャードは、ふたりの結婚に新郎側の付添人として立ち会った。ジェフが治安判事に式のお礼を言い、代金の2ドルを払っている時、リチャードは新婦にお祝いのキスをしてもいいかと彼に訊いた。
ジェフはほとんど気にならなかったのか、軽くうなずいて、肩越しに手を振った。
モニカは、たった2時間ほど前にリチャードを紹介されたばかりではあったものの、気にせず、両腕を開いて招くリチャードの元に近寄った。彼が唇を少し開いたのを見て、彼女も唇を開いたのだった。
モニカは、軽く唇を触れ合うだけだとばかり思っていた。
だが、リチャードは、唇を強く押し付け、舌までも入れてきて、モニカを驚かせた。さらには、彼の手がどこにあるか周囲の誰にも見えないことをいいことに、両手で彼女の尻頬を掴み、揉んだのである。
彼はなかなかキスをやめようとしなかった。モニカにも、不自然なほど長いと分かる。舌を舐られ尻を揉まれながら、彼女は、突然、何か固いモノが自分の下半身に擦りつけられているのを感じた。
びっくりしてモニカは体を離し、リチャードを睨み付けた。そんなモニカを彼はニヤニヤ笑ってみている。彼女は、こんなふうにキスされたことがなく、体の中に走った感覚は、初めてのものだった。
このときのことをモニカはジェフに話していない。だが、その時すでに、彼女は、ジェフの上司が自分のことを狙っていると感じていた。そして、そんなことは決して許してはいけないと思ったのだった。
ジェフが仕事を始めてからまだ2週間であり、それまでは自分のアパートを借りる資金がなかったので、彼はリチャードの家に間借りしていた。しかし、2週目の賃金が得られたので、これで部屋を借りることができる。
一方、リチャードは、満面に笑顔を浮かべて、「今や花嫁となった彼女も来たことだし、ふたりでうちに間借りし続けていてもいいのだよ」と言った。
治安判事のところには、リチャードの運転する車で行った。式の後、3人は途中のレストランに立ち寄り、そこでリチャードは新婚夫婦に食事をおごった。その後、リチャードの家に戻ったわけだけれど、まだ日も高く、若いジェフとモニカは夜になるまで待たなくてはいけなかった。
4時間ほど経ち、ようやく、新婚のふたりがふたりっきりになれる時間が来た。リビングルームにリチャードを残したままで、ふたりだけ寝室に入り、初めてのセックスをするというのは、どこかしら、よくないことのように思え、ふたりはリチャードが就寝するまで、我慢していたのである。
新婚旅行をする時間もお金もないふたりは、リチャードの家の来客用の寝室で初夜を迎える他なかった。部屋には窓がひとつで、そこから差し込む月明かりを除いて、部屋の中は暗かった。初めてジェフの前に生まれたままの姿になり、自分の処女を捧げる。モニカは、不安の混じった期待に胸を膨らましつつ、壁一枚へだてた隣の部屋にリチャードがいることも気になっていた。
……あの人にこっちの様子を聞かれているかもしれない。そう思ったけれども、ジェフがズボンを下ろして堂々とした姿で立っているのを見て、すぐに隣のことは忘れたのだった。彼女は大人の男性の勃起したペニスを見るのは初めてだった。恥じらいからか、モニカはくすくすと笑った。
この時まで、ふたりがした性的なことと言えば、立って抱き合うか、車の中で座って愛撫しあう程度だった。ジェフはこの時まで待ち続けてきたのである。モニカ同様、ジェフも未経験だった。
「横になろう」
モニカが、初々しく美しい乳房を彼の前に露わにしたのは、この時が初めてである。ジェフは、その夢のような触り心地を喜んだものの、じっくりと堪能する心の余裕はなかった。前戯と呼べることはそれくらいで、他にはほとんど戯れることなくジェフはぎこちなくベッドに上がった。そこには、花を散らされるのを待つ美しい花嫁が、裸体を隠さず待っている。
モニカは、ジェフが避妊具を3パック買ったのを知っていた。一瞬、それをつけるつもりか訊こうと思ったけれど、すぐに、それはジェフに任せようと思い直した。
また、最初は、隣の部屋にリチャードがいるので、なるべく声を出さないようにしようと思っていた。だけど、式の時、リチャードが厚かましいキスをし、体を触ったことを思い出し、むしろ、自分の声を通して、リチャードに、自分はジェフの妻になったのであることをしっかり認識してもらうべきだとも、思い直していた。
初めての経験である。ジェフのそれは大きく感じられた。「ああっ!」 短かったけれど鋭い痛みが走り、モニカは叫んだ。思ったより大きな声になっていて、部屋中にこだましたように聞こえた。
「大丈夫?」 ジェフは、1回の突きで彼女の処女膜を破り、分身の大半を入れたのだった。モニカにとって、確かにジェフは大きく感じられたけれど、すぐにリラックスできるようになっていた。今のところ、ちょうどよい感じに収まっていると感じていた。
「痛かった……」 モニカは割と大きな声で返事した。もし隣の部屋でリチャードが聞いてるなら、ちゃんと聞こえるようにと思ったからである。「まだ痛いけど、もう大丈夫だと思うわ。続けて……」
「じゃあ、するよ。残りを全部入れるよ」
「ううぅぅぅぅ……んんん……!」 ジェフは13センチの根元まで埋め込んだ。
「大丈夫?」 と再びジェフは訊いた。興奮した声になっていた。
「大きいわ。でも、大丈夫だと思う。続けて」 この時も、モニカは比較的大きな声で返事した。もしリチャードが壁の向こうで聞き耳を立ててるなら、自分が誰の女なのか、彼にもはっきり分かるだろうと期待していた。
ジェフは動き始めながら、肌を合わせるようにしてモニカの体に覆いかぶさった。モニカにとって、男性の肌が自分の腹部から胸の肌と擦りあうのを感じるのは、これが生まれて初めてである。季節は夏で、夜だとは言え、部屋はかなり暑かった。肌を合わせて数秒もたたずして、重なり合うふたりの肌から汗が吹き出した。モニカには、その汗が自分の汗なのかジェフの汗なのか分からなかった。
ジェフは、自信がわいてきたのか、出し入れのストロークを次第に強くしていった。ベッドがギシギシと軋み音を出していたが、彼は気にしない。
一方のモニカは、この行為を楽しんではいたが、軋み音は気になる。……だけど、この音も隣に聞こえてるはず……。そう思ったモニカは、あえて気にしないことにした。
「んんん……ああぁぁぁ……」
「大丈夫?」 ジェフはまたも心配の言葉をかけた。
「うん、大丈夫。続けて……」
ジェフは出し入れを続けたが、一時、ペースを遅くした。「シーツに血がついたかなあ?」
モニカは、少しだけ快感を感じ始めていたのだけど、この言葉に、それが急に冷めていくのを感じた。「後でチェックできるわ。やめないで」
ジェフは一度彼女にキスをし、再び動き始めた。このキスは、ふたりがベッドに入ってから初めてしたキスだった。このキスがあって、ようやくにして、ふたりの行為がロマンティックなものになりつつあった。
その時までは、肉体的行為ばかりでロマンスの意味合いがなかったので、まさにそれゆえに、モニカは声を上げ続けていたと言える。だが、この後は、ふたりの親密な愛の交歓をリチャードに聞かれるのは避けたい気持ちがまさり、彼女は、できるだけ声を立てないように努めた。
だが、いかに努めようとも、くぐもった声は漏れており、壁を通って、隣の部屋にも届いていたのである。リチャードは、クローゼットの中に立っていた。この位置がふたりのベッドに最も近い位置だったのである。壁に耳を立てている彼には、すべてが聞こえていた。音を聞きながら、自慰をしていた。
ベッドが軋み音を立てていても、モニカの声を消すまでには行かなかった。とはいえ、軋み音は、ジェフが花嫁に行ってる出し入れのリズムを正確に伝えている。リチャードは、軋み音のリズムに合わせて右手を動かしていた。
ジェフはどのくらい持続したのだろうか。モニカに完全に挿入してから、おそらく3分程度だっただろう。突然、彼は、かなり大きな唸り声をあげ、溜まりに溜まったものを彼女の中に放ったのだった。その直後、彼は急に体から力が抜けモニカの上、ぐったりと横たわった。彼のペニスもゆっくりと硬さを失っていく。
モニカは夫の体にきつく抱き着きながら、ため息をついた。初めてのセックス。バージンの花嫁として夫の愛に誠実に応えたセックス。しかし、これはオーガズムに至ることはできなかった。至るも何も、それに近づくことすらできなかった。
行為を始めるときもそうだったが、行為が終わった時も、ジェフはキスをするのを忘れていた。半立ち程度に柔らかくなりつつも、時々、ジェフは腰を突き出し、残っているモノを最後まで注ぎ込もうとしていた。やがて、5分ほどした後、モニカが言った。「降りてくれる? きれいにしなくちゃ」
「そのままでいて。僕が電気をつけるから」
ジェフがベッドから降りるときも、ベッドはきしんだ。ジェフは、自分がモニカにしたことを見てみたいと思い、ベッドサイドのランプでなく、部屋の明かりをつけるために、ベッドから降り、壁のところに行きスイッチを入れた。
急に明るくなって、まぶしさにモニカは目を覆った。一方のジェフには、無防備に脚を広げたままのモニカの全裸が目に入った。
ジェフは彼女の体を見つめつつ、目にしているのが信じられない気持ちだった。モニカが魅力的な体つきをしているだろうとは思っていたけれど、この瞬間まで、どれほどの美しさなのか、彼は知らなかったのである。仰向けになっているにもかかわらず、張りを保ちつんと盛り上がる乳房。胸と下半身、興味を惹きつけるふたつの部分をつなぐウエストは、胸の大きさ、女性的な下腹部の丸みと比べると驚くほど細い。そして、彼女の最も大切な部分。今は血がついているものの、愛らしく見えた。たとえ写真でしかそれを見たことがなかった彼にも、そこの部分の愛らしさは明らかだった。
そして、ジェフは再び勃起してくるのを感じる。
「そ、そこ……血がたくさん出てる?」 モニカは、壁を隔てたリチャードに聞こえる程度の声で聴いた。そのリチャードは、ジェフとシンクロさせて射精していたのであるが、いまだ半立ちのペニスをしごき続けていた。
……くそっ、あの女、バージンだったのか。彼女の処女を奪えたとは、ジェフのやつ、運がいいぜ……
血が出ているかもしれないし、アソコの中も外も、濡れている感じがしていたので、モニカは、血がお尻や太ももの裏にまでついてしまうのを恐れて、脚を閉じなかった。大の字になって、乳房も局部も晒したままでいる他なかった。もちろん、それは、彼女の裸体を初めてまじまじと見るジェフにとって、大きな喜びでもあった。
確かに、彼女の下のシーツには血の染みができていた。ジェフは、気にすることはないと言ったけど、モニカはそうはできず、素早く立ち上がり、ベッドからシーツを引きはがした。浴室にもっていって、冷たい水で洗い落すつもりだった。
モニカにとって、今は夫になったとはいえ、男性の前に全裸で立ったのは、この時が初めてだった。変な感じがしたけれど、どこか、興奮するところも感じた。どうしてもジェフの股間に目が行き、凝視してしまった。ツンと立った男性器を初めて見た。その姿が素敵だとも感じた。
でも、その時モニカは、浴室に行くには、ドアを出て右に曲がり、リチャードの部屋の前を通らなければならないことを思い出した。それは避けたいと思った彼女は、ローブを羽織り、シートを抱えつつ、浴室ではなくキッチンのシンクで洗おうと、ドアの左に曲がり、キッチンへと行った。そして水を流し、血の付いた部分を揉み洗いしたのだった。
寝室に戻ったモニカは、乾かすためにシーツを椅子の背もたれにかけた。「あたしたち、掛け布のシーツに寝なくちゃいけないわね」
「ちょっと、垂れ流れているみたいだよ」とジェフは指さした。
ハッとしてモニカは下を向き、ジェフが出した白濁が太ももの内側を伝って流れているのを見た。モニカは初めて、セックスというものが、特に女性にとっては汚い結果になることもあることを学んだのだった。
ジェフが自分が出したモノで妻の体を汚したのを見て自慢気な顔をしているのを見て、モニカはため息をついた。彼が出したモノは、いま洗ってきたばかりのシーツにも染み込んでいた。モニカは、敷いたばかりのシーツを、再び取り上げ、今度は、それを使って自分の体をぬぐった。
そんな、脚を広げ、大切な部分をぬぐう姿をジェフは満足気に見ている。モニカは顔を赤らめ、目をそらした。
モニカは、またも、キッチンに行き、赤色の染みと白濁を洗い流した。寝室に戻るとき、自分たちの寝室のドアから1メートルほどしか離れていない右隣の、リチャードの寝室のドアをちらりと見た。
なんだかんだ言っても、知らない家で初夜を迎えているのである。モニカは前は真剣に考えていなかったが、部屋の配置がこうなっているとすると、バスルームに行くたびに、必ずリチャードの部屋の前を通らなければならないと知ったのだった。
寝室に戻り、ドアを閉めた。ベッドを見ると、夫は掛け布の上に仰向けになっていた。そして、右手には勃起したペニスを握っている。まるで、彼女に見せつけるようにして。
眠るときに何か敷くものが必要になるので、モニカは、掛け布は汚したくないと思った。今は夏で暑いので、掛け布は必要ない。モニカは、夫の勃起を見ながら言った。「このシーツ、濡らしたところはそんなに大きくないの。だから、もう一回するなら、乾いてるところに横になりたいから、畳むことにするわね」
そして、再び、新婚夫婦の愛の交歓が始まった。もちろん、リチャードは壁際に戻っていた。聞き耳を立てながら、ペニスをしごき続ける。
「うっ、うっ、うっ!」
ジェフは、この2回目の時は、より強く動き続けた。その動きの合間に、自分の恥骨を彼女の恥骨にぶつけるような動きも混じっていた。この動きは、モニカは、喜んでいなかった。陰部の、特に入り口周辺に、まだヒリヒリする痛みが残っていた上に、恥丘の方も同じように痛めつけられてしまう感じがしたからだった。
ただ、2回目の時は、ジェフもまずは優しくキスをすることを忘れなかった。多分、30秒は時間をかけたキスだった。
初めてのセックスから20分ほど後に始まった2回目のセックスは、手を使った前戯も加わり、初回よりはずっと長く続いた。その間、ずっとベッドは軋み音を鳴らし続け、ふたりの行為に聞き耳を立てている者にとって、より良い音響効果を与えたと言える。だが、この時も、モニカは多少快感は感じたものの、到底オーガズムに至ることなどできなかった。
ようやく、セックスが終わる。この行為にかかわった3人のうち、2人はオーガズムに達した。その2人はともに男性であるが、ふたりとも2回ずつ射精したのだった。
シーツには新しい染みができてしまった。大半は白濁だけど、少し赤いのもまじっている。また洗い流さなくてはいけない。それに加えて、モニカはトイレに行きたくもなっていた。今度はリチャードのドアの前を通らなければいけなかった。
「完全に乾いてしまう前に、バスタブの冷たい水で染みを何とかしなくちゃいけないの」 モニカはちょっと高揚感を感じた。夫に処女を捧げたことに加え、汚れたシーツを洗うことも、妻としての仕事始めだわ、と。
たった1時間かそこらの間に、夫から2回注ぎ込まれているので、彼女のアソコは充満状態だった。バスルームはひとつしかない。ローブを羽織ったものの、モニカはリチャードの寝室の前を通らなければならなかった。
この最初の夜は、汚れたシーツを抱え通り過ぎたが、幸いにもリチャードと顔を合わさずに済んだ。彼はすでに眠りについていたのだった。
だが、それからの毎日では、毎晩、時には明るい時も、彼女はリチャードの寝室の前を通らなければならないだろう。モニカは、行き来するときに、偶然リチャードが出てきて、顔を合わすことがないように祈る他なかった。このパターンは、続く二夜、続いた。
ジェフとモニカの夫婦生活について、ひとつのパターンが固まりつつあった。ジェフは先にベッドに入り、勃起した状態で待っている。彼の前でモニカは裸になり、そしてベッドへ這いあがる。そしてジェフは彼女の体を愛撫する。彼は忘れずにキスをすることもあれば、忘れてしまうこともあった。
口唇プレー? 話題になることはなかったし、多分、考えもしてなかっただろう。ジェフは、行為が始まって2分以内に彼女に挿入し、その3分ほどした後には、行為は終わるのが常だった。
「終わる」のはジェフに関してだけである。モニカには汚れたシーツを抱えて廊下を進まなければならなかった。だが、ようやくモニカも学習し、今は流れ出るかもしれない体液を捕らえるために、ベッドの上、体の下にタオルを敷くようになっていた。ジェフは、いまだにコンドームを使っていなかった。
ジェフの次の給料日まで、ふたりはリチャードの家にいなければならなかった。
*上司に裸体を見られた若妻*
結婚してから5日目のことだった。モニカは家にひとりでいた。その日、リチャードは仕事に出たものの、早めに帰宅したのだった。静かに家に入った。キッチンや居間にモニカがいないのを知り、彼は忍び足で廊下を進んだ。そして、モニカたちの寝室のドアが開いているのを見た。
リチャードは足を止め、今回ばかりはモニカが部屋から出てこないようにと願った。音を立てず、ゆっくりとドア陰から中を覗いた。途端に心拍が上がるのを感じた。モニカがいる。ドレッサーの前に座り長い髪にブラッシングをしているところだった。そして、彼女は裸だったのである。身に着けているものはパンティだけ。
彼の位置から、モニカの裸の背中がすっかり見ることができた。滑らかで柔らかそうな肌。細いウエスト。その下の割れ尻の谷間も垣間見える。そしてパンティと美しい脚。鏡を通して、彼女の愛らしい顔も見えた。そしてその下の……ああ見える! 他に類を見ない美乳!
……すごい、すごい、すごい! これは見ないわけにはいかねえ!……
リチャードが帰ってきたとは知らず、モニカはハミングしながらブラッシングをしていた。モニカは、母に、毎日100回、髪にブラシを通すと健康な髪の毛を保つことができると教わっていた。モニカはブラッシングを開始したばかりだった。時にはブラシを右手に持ち、時には左手に持ち替えて、ブラッシングを続けた。腕を上に持ち上げたままで、ブラッシングするわけだが、そうするたびに張りのある若々しい乳房が持ち上がることにもなっていた。
モニカは鏡に映る自分の姿を見続けて飽きることはない。豊かに育ったCカップの胸は、張りがあり、我ながら誇らしかった。腕を上げるたびに、ふたつの肉丘もつられて盛り上がる。彼女の乳房は、驚くほど細いウエストと相乗して、彼女に、古典的な女性美、神話的と言える砂時計を思わせる姿を与えていた。
モニカはハミングしながらブラッシングを続けていた。意識して回数を数えていたわけではなかった。ブラッシング自体が好きだったから。60回、70回、80回……。その間、リチャードは好きなだけモニカの美体を堪能することができた。
もういいかなあ……モニカはそう思い、ふと鏡に映る自分の顔から、鏡の隅へと視線を向けた。そこにはリチャードの姿があった。ドアの向こうからこっちを見ている!
モニカは白いパンティだけの姿だった。慌てていたし、どうしたらよいか分からず、ハッと立ち上がったモニカは、両腕で胸を隠し、そのままリチャードの方へと駆け寄った。近すぎるとは思ったけれど、ドアを閉めるためには、そうする他なかった。そして、意識的に目を合わさないようにしながら、何も言わずドアを閉めた。リチャードの目の前でドアがバタンと音を立てる。
ドアを閉めた後、モニカはドアにもたれかかった。乱れた呼吸を取り戻そうとする。顔は火照っていたし、心臓が高鳴っていた。
結婚して5日目なのに、またもこんなことが! ジェフの上司は式の後、口に舌を入れ、お尻を揉んだのに、今は、ほとんど全裸に近い姿を見られてしまった。
モニカがドアを閉めようと走ってきたとき、リチャードはどんな顔をしていたのか? 彼は、いやらしい顔でニヤニヤして、モニカを見ていた。謝る言葉はもちろん、「おっと!」と言った当惑の言葉すら言わなかった。モニカは、なんだかんだ言っても、ここはリチャードの家なのだし、そもそも、ドアを開けっぱなしにしていたのは自分なのだから、リチャードを責めるわけにもいかないと思った。
リチャードがかなり前からモニカの裸身を見ていたことを彼女は知らない。しかし、鏡を通して露わな胸をしっかり見られていたのは間違いないし、立ち上がってドアを閉めに走った時、全身を見られたのも間違いなかった。加えて、ドアを閉めるために手を伸ばした時、右側の乳房は無防備になっていて、1メートルも離れていないところで、リチャードの目の前に胸をすっかり晒していたのも間違いなかった。
結婚式の時に不自然に濃厚なキスをされ、体を触られたことを、モニカはジェフに話さなかった。それと同じく、この時のこともジェフには黙っていた。
それから2日ほどの間に、何度かモニカはリチャードとすれ違ったし、キッチンテーブルで一緒に食事をすることがあった。彼女はリチャードに見られるたびに、顔を赤らめた。そのたびに、ジェフがそれに気づかないようにと願った。
実際、モニカの夫は、若いだけあって、自分の妻と自分の上司の間で、何か気まずいことが起きてることに全然気づいていなかった。リチャードはまだ29歳であるが、ジェフは19歳である。彼から見れば、リチャードは上司であり、仕事をくれたばかりか、住処も与えてくれ、さらには、仲人役も買ってくれて、新婦も一緒に住むのを許してくれた尊敬すべき大人としか見えなかった。
ある時、一緒に食事をしていたとき、リチャードがほのめかしたことがあった。「ちゃんとしたコネ」があれば、シカゴには、もっと良いペイの仕事があるんだが、とリチャードは言った。
「どうして、リチャードさんは、その仕事を受けなかったんですか?」 とモニカが訊いた。
「いや、俺もシカゴに行って、ちょっと仕事に関わったんだよ。だけど、ああいう大都会はどうも性に合わなくって」
だが、リチャードは、正確に事実を言っていたわけではない。彼は組織のために身代わりとなってムショ暮らしをし、そのことによって組織への内通者ではないことを証明したのだった。組織は彼にふたつ仕事を提示し選ばせ、彼は車関係の仕事を選んだのだった。
表向きは駐車場の管理という仕事だが、その裏で行っている仕事のおかげで今の自分があるとリチャードは力説した。「それにね」とリチャードはウインクして付け加えた。「こういう田舎だと、お偉いさんたちがうろうろすることもなくてね。何をするにもいつも監視されたらたまらんもんな」
それはそうかもしれない、とモニカは思った。リチャードは高級車に乗ってるし、家も、寝室がふたつあるアパートで、家具もちゃんと整っている。服はいつもいい服を着ているし、いつ夜遊びに誘われても問題ない様子で、充分現金を持っている。
ただ、モニカには見えていなかったのだろうが、リチャードが乗っている「高級車」とやらは、駐車場から選んで盗んだ車なのだった。
そして、結婚してから最初の1週間が過ぎようとしていたとき、それが起きた。
その夜、ジェフは頑張った。その前日はセックスができなかったので、その挽回をしようとしたのだった。ジェフとモニカは、たった今セックスを終え、ベッドに横たわっていたところである。この時も、ベッドはギシギシと軋み音を立てた。そして、この時もジェフの持続時間は、あまりにも短かった。
そして、この時も、後戯と呼べることはほとんどなされなかった。まだ若いモニカには、自分にとって何が不満かが分からなかったが、後戯こそ望んでいたことだった。満足してぐったりと横たわる夫に、特に何か話しかけるわけでもなく、ただ「おやすみなさい」とだけ言う。そしてため息をつき、起き上がり、廊下に出て静かにバスルームへと向かった。
ジェフは多量に射精する。タオルを使うのは便利だけど、ちゃんと流さないと、事後、何時間かした後でもあそこから垂れ流れてくることがあった。だから、結局は、セックスの後にバスルームに行くのが、ほぼ、日常的になっていたのだった。モニカは、トイレの水を流すのが嫌だった。水を流す音をリチャードに聞かれると思ったからだ。
1時間も間を置かずしてトイレの水を流すとしたら、それはひとつのことしか意味しない。その1時間の間にセックスが行われたということだ。
リチャードは、モニカたちが来る前は、廊下に電気は点けず、トイレに行く時も暗闇のままで歩いていた。トイレには3歩くらい歩けば行けたからである。だが、ふたつ目の寝室は、リチャードの部屋よりもトイレからは離れていた。
「暗くて歩くとき困るだろうから、廊下の電気は点けたままにしておくよ」と彼はジェフたちに伝えた。だが、リチャードは別にジェフたちのために明かりをつけたままにしたわけではない。彼は、モニカが部屋の前を通るところを見たかったから、そうしたのが実情だ。
この日、リチャードは、いつものようにモニカが通るのを覗き見するつもりはなかった。彼は、モニカがバスルームから出てくるところを待ち伏せするつもりでいたのである。ペニスを握りながら、ふたりがセックスする音を聞いていた。隣から聞こえてくる音から、ふたりが行為を終えたの正確に知っていた。
*価値があることは、それなりに待たされるもの*
今夜は、ジェフが唸り声をあげるのを聞いても、リチャードは射精をしてはいなかった。少しだけ開いたドアの向こう、モニカが廊下を行くのを見た。そして、モニカがバスルームに入った直後、彼は自分の部屋から出て、バスルームへと向かった。彼はローブを羽織っており、腰のところは布紐で閉じてはいたが、ローブの下は素っ裸だった。
これまでの経験から、ジェフは、行為の後、ずっとベッドに横になったままでいる。リチャードにはそれが分かっていた。
モニカはかなり長い時間、バスルームにいた。
「ジェフにたっぷり注ぎ込まれたのかな? うへへ……」 リチャードは、そんなことを思いながら、音を立てずにバスルームのドアへと近づいた。廊下に立ったままではあったが、中から、モニカの排尿する水しぶきの音が聞こえてきて、彼はにんまりした。さらには、トイレットペーパのロールが回る音も聞こえてくる。脚を広げて股ぐらを拭いてるモニカの姿を想像し、彼はいっそう笑みを大きくした。
リチャードは、家の中に女性がひとり加わっただけで紙の消費量が大きく変わったことに気づいていたし、トイレットペーパーも新たに買い足している。だが、そんなことは気にならない。消費された紙の大半が、この家の中でセックスが行われていることの証拠と言えるのだから。むしろ、卑猥な想像の糧になることだった。
手をローブの中に入れペニスを握りつつ、リチャードはドアが開くのを息を殺しながら待った。
長い時間、無音状態が続いた。多分、もっと洗い流す必要あったんだろうとリチャードは思った。そして、2分ほどの無音の後、再びトイレット・ペーパーのロールが回る音が聞こえた。そして再び、無音になった。次に聞こえたのは、トイレの座席板がバタンと鳴る音だった。おそらく、モニカが立ち上がる時、尻頬に座席板がくっつく形になり、それが元に戻るときの音だろうと想像できた。
「うわっ、こいつは色っぽいぞ!」 リチャードは分身を撫でながら思った。水を流す音がするのを聞いたリチャードは、音を立てずに自分の部屋の前に戻り、モニカが出てくるのを待った。
これも、この1週間の経験から、モニカはトイレの流れる音が止むまでバスルームから出てこないことを知っていた。リチャードは自室のドアのドアノブを右手で握ったままでいた。その方が、わざとらしく見えないはずだと。たった今、廊下に出てきたところのように見えるはずだと。
「あっ!」
上手くいった。モニカには、リチャードが寝室から出てきたばかりのように見えた。特にドアノブを握ったまま、彼女を見て驚いたような顔をしていたから。彼のローブはゆったりとし、シルクっぽい布地のローブで、腰ひもで閉じているだけだった。廊下の薄暗い照明ではあったけれど、胸毛が露わになっているのが見えた。
「ごめんなさい」とモニカは小声でつぶやいた。彼女のローブはタオル地のローブで、下には何も着ていなかった。モニカは薄地のローブの前をしっかり引き締め、急いでリチャードの横を通り過ぎようとした。彼女が一番避けたいと思っていた事態が起きようとしている。
リチャードは、強引に手を前に突き出し、片腕で壁を突く形になって、モニカの行く手を遮った。モニカは立ち止った。小声以上の声を出したいとは思わなかった。夫に聞かれて、事を荒立てたいとは思わなかったから。幸い、ふたりの寝室はドアふたつ分離れたところにあったし、寝室を出るとき、ドアを閉めてきていたので、ジェフに聞かれる心配はなさそうだった。
「リチャードさん、何がしたいんですか?」 モニカは歯を食いしばり、鋭く言った。
「俺はお前たちのベッドの様子を何もかも聞いきたもんでね。ジェフが得ているモノをちょっと味見したくなったんだよ」
リチャードはさらにモニカに近寄り、ぐっと抱き寄せた。「結婚式の時も、我慢しきれなくなってお前にキスをした。お前の処女については、ジェフに譲ってヤラせてやったんだ。今度は俺が味見をする番だろうが?」
ジェフに譲ってやった…… その言葉がモニカの意識下にしっかりと植え付けられた。ある意味、リチャードはあたしを自分のモノだと言っているのだと。
「イヤ、できっこない。そんな……ジェフがすぐそこにいるのに……」
モニカは気づいていなかったが、リチャードを拒絶しようとしているにもかかわらず、この言葉は、夫が近くにいないならば、彼に従ってもよいと言っているように聞こえていた。「ノー」を意味したのに、「もしも」と条件を言っているような言葉を発してしまっていた。
「ちょっとだけだよ、ほんのちょっとだけだ……」
そう言ってリチャードはモニカにキスをした。キスをしながら、素早く両手を下に降ろし、彼女のローブを広げた。
乳房を見られ、触られると思ったモニカは、素早く、胸をリチャードの胸板に押し付ける格好になった。だが、その結果、リチャードは両手を自由に動かせるようになり、モニカの生肌の尻頬をぎゅっと握った。
すでに半立ちになっていたのだが、モニカがパンティを履いてないのを知り、彼のペニスは急速に硬直した。薄地のローブを着ているものの、それを除けば、素っ裸の男と女である。リチャードは、この時も舌を挿し入れた。モニカにとってフレンチ・キスはこれが生まれて2回目の経験だった。そして、このキスは、初めての時よりも長々と続いた。
最初の5秒ほどは、モニカも顔を離そうとしていたが、やがて体から力が抜けていき、彼に抱きすくめられるがまま、口を離そうとするのを諦めてしまった。その後は、自分から積極的にキスを返すことはしてなかったものの、もはや抵抗らしい抵抗はしなくなり、リチャードの舌を受け入れ、唇をむさぼられ、尻頬を揉まれるままになっていた。
手のひらに吸い付くような滑らかな肌。リチャードはその感触にうっとりとし、力を緩めた。それを感じたのか、モニカが振り切るようにして顔を離した。「リチャード、お願い……彼に見られるかも……」
この時も、モニカは誤解を招く言葉を使っていた。夫がいないときなら構わないと言わんばかりの言葉だった。
「もう一回だけキスさせてくれ。今度はキスを返してくれよ。1回だけ、ちょっと触りながら長くキスさせてくれ……」
すでに長々とキスをされてしまっているし、体も障られてしまっている。モニカは、これで済むなら、許しても仕方ないと思った。
そもそも、モニカは、むげに断ることができないとも思っていた。リチャードは夫の上司なのだ。それに、ここは、夫がいる寝室から数メートルも離れていない廊下なのだから、これより大変なことは要求されないだろう。そして、この人はこんなに頼んでいる。
妻なら誰でも、こういう状況では、要求に応じた方が良いと思うのではないか。それにモニカは、まだ幼く世間のことを知らなかた。リチャードの求めに応じる他にどんな方法があるか、彼女には分からなかったのである。加えて、彼女はこの行為にスリルを感じ始めていたのだった。
この場で大騒ぎをしたらどうなるか分からない。それは避けたいと思いモニカは諦めて、リチャードに唇を奪われるままになった。舌が口の中を這いまわるのを感じる。彼の両手がお尻の頬を撫でまわるのも感じる。
モニカは乳房を触られまいと上半身を彼に押し付けたままでいたので、リチャードは簡単に右手を彼女の体の前に移動することができた。
大切な部分にリチャードの手が触れてくるのを感じ、モニカは、ビクッと体を震わせた。
女の唇を奪った男が次に攻略するとしたら、その女の胸になるだろう。モニカは胸を守ろうとするあまり、下半身の防御をおろそかにしていた。そのおかげでリチャードは第2段階を飛ばして、直接、第3段階に移ることができたのだった。
モニカは、いきなり恥丘に手をあてられ、予想していなかった事態に驚いた。リチャードは、手を動かしたのと同時に腰を突き出してもいた。勃起の先端が、モニカの下腹部をなぞり上げるように動き、彼女のおへそに触れた。
モニカも、熱いモノが腹部の肌をなぞり上げたことに気づいた。
「ううぅぅ……」
声を出すまいとしていたにもかかわらず、キスをされ唇を塞がれているにもかかわらず、モニカは思わず声を出していた。
キスは続いた。リチャードの指は彼女の陰毛と戯れた後、陰唇の内側へと滑り込んだ。
……この何日間か、想像するだけの日々を過ごしてきたが、とうとう、この女の大切な部分に手をつけたぞ! いや、ただの「大切な部分」じゃない。最も大切な部分だ! しかも、濡れているじゃないか? お前はついさっき、バスルームできれいに拭ったばかりじゃないのか?……
いつの間にかリチャードのローブは前が開いていた。
モニカは、舌で口腔を探られ、体をまさぐられながらも、驚くほど固い熱い棒がへそのすぐ上の辺りに押し付けられているのを感じていた。彼女はリチャードという男をどことなく嫌っていたし、人間として信頼してもいなかったが、それにもかかわらず、なぜか体を預けてしまうのだった。
「ああぁっ!」 彼の指が濡れた狭い入り口を入ってくるのを感じ、モニカはまたも声を上げた。夫がベッドで待っている寝室から何メートルも離れていない廊下で、夫以外の男性の指で貫かれてしまっている。その貫いているものは、ただの指ではあったが、それでもモニカはすでに燃えあがっていた。
つい数日前に処女から女になったばかり。しかも、彼女を女にしたのは、普通サイズのペニスで、2分か長くても5分程度しか持たない代物。そんなモニカであるので、彼女のその部分はいまだ非常に狭いままであり、リチャードの指ですら、彼女には太く感じられていた。
「リチャード、お願い。あたしたちこんなことは……」
またも、モニカの言葉はリチャードを励ますことにしかならなかった。「あたしたち」ではなく、「あなたは」と言うべきだったのである。モニカ自身をこの行為の共犯者としてしまいかねない言葉の選択だった。
ジェフとのセックスから30分も経っていなかっただろうか。モニカは完全には満足していなかった。そういう状態は、女性に、ある効果をもたらすものである。モニカは自分からキスを返していた。そのキスは、いやいやしているという気持ちと、もっとしてほしいという気持ちが入りじまったものに変わっていた。
くちゃくちゃとした音が廊下に響いていた。キスの音と指の音の両方からの音だった。リチャードは、このままモニカを抱き上げて、この場で犯してしまおうかと思った。もし、ジェフが気づいたら、カネの話しを持ち出せば何とでもなるだろうと思った。
……このまま指でされ続けていたら、イッてしまうかもしれない……
モニカはオーガズムに達した経験はなかったが、それがどういうことかについて漠然としたイメージは持っていた。
……もし、このままリチャードにイカされてしまったら、彼はあたしを支配する力を持ってしまう。あたしは抵抗できなくなってしまう……ダメ、ダメ、それは絶対にダメ!…
リチャードがさらに進めようとし始める前に、モニカは顔を離し、下に手を伸ばし彼の手を掴んで、大切な部分から離させた。彼の手首を握った時、偶然に彼女の手首のところがリチャードのペニスを擦った。そしてモニカは、改めて、彼のソレがいかに固く、熱くなっているかを知ったのだった。
だが、その動きをした過程で、モニカはリチャードの体との間に隙間を作ってしまったのだった。当然、リチャードはそのチャンスを逃さなかった。モニカの局部から手を引き離されたものの、すぐさま、その手を彼女の左の乳房へと移動させ、さらにもう一方の手も右側の乳房へと動かした。乳房を両方とも手で覆っているリチャード。手のひらに当たる突起が、両方ともみるみる固くなってくるのを感じた。
胸を触られてしまっていることも、モニカにとっては、再びキスをする言い訳になっていたのかもしれない。リチャードは胸を愛撫しつつ、再びキスを求め、そして、彼女はそれを許したのだった。再びふたりの唇は重なり、彼の舌はモニカの口腔へと侵入した。
……彼にはすでにあそこを触られてしまっている。だったら、今更、胸を触るのを拒んでも、意味がないわ。実際、この前、あたしの胸は見られてしまっているんだから……
リチャードの愛撫を喜びつつも、そんなことをさせている自分を嫌悪するモニカだった。モニカは、濃厚なキスを受け止めつつ、何秒かリチャードに胸を触らせ続けた。興奮で胸が高鳴り息苦しくなるのを感じ、ようやくモニカはキスを解いた。
「もう十分でしょう、リチャード! お願い、もうやめて! 全部触って満足でしょう! あたしは部屋に戻らなくちゃいけないわ。そうしないと彼があたしを探しに出てくるわ!」
再び、モニカは間違った言葉を使っていた。これでは、彼女も共犯者であるような言葉だった。
モニカの不安がリチャードにも通じたのだろう。薄暗い廊下のため、モニカにはよく見えなかっただろうが、リチャードはにやりと笑っていた。「確かにそうだな。さしあたり今はこれで充分だ。ちょっと味見をしただけだがな」
……ちょっと味見?…… 生肌のお尻を存分に触り、1分以上も、アソコに指を入れて、1分近く、左右の乳房を触っていたのに? ……さしあたり今は?…… ちょっとした味見どころじゃない。キスのときに舌まで入れてきたのに?
モニカは、夫の上司が「さしあたり今は」と言ったことを、はっきり意識していた。
モニカが体を離した後も、リチャードはローブの前をはだけたまま立っていた。勃起したペニスが上を向いている。彼は、ひょっとしてモニカがこの一物をまじまじと見たり、あわよくば握ったりするかもしれないと期待していた。だが、モニカは、意識的にまっすぐ前を見たままでいた。視界の隅にソレが見えていて、興味も惹かれ、よく見てみたいとも思ったが、ここで、ソレを見たりしたら、まるで自分がソレを欲しがっているとリチャードが勘違いしてしまうかもしれない。
それでも、彼女の心の中、声が聞こえた。……すごく突き出ているわ。とても大きそうに見える……
リチャードはわざと前を広げたまま、ゆっくり堂々とバスルームへと歩き始めた。
モニカは逆の方向へとそそくさと進み、寝室に入り、静かにドアを閉めた。息を止めながらベッドへと視線を向けた。月明かりの中、ジェフが横になっているのを見て安心する。多分、彼は眠ってしまっている。
ベッドに近づきながらモニカはローブを脱ぎ裸になった。うつむくと、窓から差し込む月光に照らされた自分の体が、一部、光っているのに気づいた。ヌルヌルした感じの領域がおへそのところから胸の谷間に広がっている。それはリチャードの先走りの跡だった。
モニカは、ハッとして月明かりから逃れ、素早くジェフを見た。幸い、彼は横寝になっていて顔を向こうに向けていた。多分、本当に眠っているのかもしれない。モニカは、好奇の気持ちから、再び月明かりがあるところに戻り、自分の体を確かめ始めた。
リチャードはキスをしながら、自分の一物の硬さ、大きさを味わわせてやろうと、モニカの腹部に擦りつけていた。それにより、プレカムを多量に彼女の肌に刷り込んでいたのだった。モニカは、ジェフに見つかってはいけないと、タオルを掴んだ。
思っていた通り、ジェフはすでに眠りに落ちていた。モニカは、安心して、窓際に寄り、月光の中、もっと詳しく自分の姿を確かめることにした。
……ああ、すごい。リチャードは、こんなにたくさんあたしに塗り付けていたなんて! それに、アレ、すごく反り返っていた。彼のアレ、長いのね、多分……
モニカは、ついさっきの出来事を振り返ってみたいと思った。夫を起こす気はなかったので、できるだけ静かな動きでベッドに上がった。なぜか彼女は、タオルを手にしたものの、体をぬぐってはいなかった。彼女の下腹部にはリチャードのプレカムが擦り込まれたままだった。
隣で眠る夫の安らかな寝息を聞きながら、モニカはリチャードのペニスのことを思い浮かべていた。アレは大きそうに見えたけど、そんな彼とセックスしたら、どんな感じになるのだろう? これは、ただの想像よ。あたしは今は結婚してるの。もちろん、ジェフに隠れて浮気するなんて考えられな。もう2日ほどしたら、新居に引っ越して、ここを出ていく。それで、これはお終いになるんだから……
だが、彼女の両手は別の意思を持っていた。左手の指が1本、アソコの中へ滑り込み、同時に、右手も腰のところから腹部へと動き始めた。……良かった、大部分、乾いてる。……でも、まだいくらか、ヌルヌルしたのが残ってるみたい……
モニカは、湿っている部分を見つけると、そこを指でなぞり、その指を股間へと戻した。そして、ヌルヌルした指先で陰唇を左右に広げ、そこに塗り付けた。彼女はこの動きを何度か繰り返し、彼女自身、自分の分泌液で股間を濡らした。この日2回目のことだった。……ああ、これ気持ちいいわ、リチャード。あたしのこの状態、あなたにも知ってもらえたら……
隣の部屋、モニカの頭から1メートルも離れていないところで、リチャードも手を動かしていた。
淫らな妄想をしていた時間は5分程度だったかもしれない。リチャードの先走りの感触もその妄想に拍車をかけた。モニカは声を出さぬように努めつつ、生まれて初めてのオーガズムに達していた。そう、その通り、彼女にとって初めてのオーガズムだった。今まで、ジェフには彼女をそこに至らせることはできずにいた。
壁を隔てた先にいるリチャードにとっては、もちろん、これが初めてのオーガズムではない。だが、彼にとって、自慰によるオーガズムでは、最高と言えるオーガズムであった。記憶に生々しい乳房の感触、陰部の締まり具合、指に残る匂い。そう、リチャードはモニカの匂いを楽しみつつ自慰するために、この時ばかりは左手を使っていた。
生まれて初めての絶頂を経験し、モニカは仰向けで息を荒げていた。若々しい乳房が上下に隆起を繰り返す。だが彼女は罪悪感に襲われていた。とうとう絶頂を感じることができたのに、それは、目の前に寝ている夫のペニスによってではなく、記憶の中のリチャードのペニスによってであったから。
ある意味、モニカは、この時点で不貞を働いてしまっていた。……でも、実際に不倫する気はないわ。今は……。いや、これからもずっと。
隣の部屋では、モニカを不倫に誘い込むべく計画を練っている男がいた。どんな手を使ってでも、モニカを俺のモノにしてみせる。その目的の達成のための前段階としての計画も考えてあるんだ。
その夜、モニカは眠りにつけず、もう一度、トイレに行った。夫が眠る部屋を出るときは、静かに出たが、リチャードの部屋の前を歩くときは、わざと少しだけ足音を大きくして歩いた。モニカは、その足音をリチャードに聞こえてほしいと思っていた。
そして、リチャードは確かに足音を聞いていた。だが、彼はその足音はジェフだと思い込んでいた。モニカはすでに一度トイレに行ってるのだから、と。
モニカはトイレに数分間いた後、リチャードに聞こえるようにとトイレのドアを少しだけ開けて水を流した。この時の音もリチャードは聞いていたが、モニカだとは思っていなかった。そもそも、モニカが水を流すときは、ドアを閉めたままのはずだから、いま水を流したのはジェフだろうと。
モニカは、寝室に戻るとき、わざとゆっくり廊下を進んだ。その間、ずっとリチャードの部屋のドアを見つめていた。ドアが開くのではないか、少しだけ隙間ができるかもしれないと。だが、何もなく、モニカはかなりイライラした気持ちでベッドに戻った。
彼女は、リチャードが、またも「偶然」出てくるのを期待していたのだった。前に起きたこと以上のことをするつもりはなかったけれど、その気がないフリをしつつ、彼に体を求められるという状況は、どこかワクワクするところがあった。
加えて、彼女は、一夜のうちに2回目ということもあり、今度は彼のペニスを触れてみようかとも考えていたのだった。……それだけなの。キスをしながら触るだけ。
でも、それは今夜だけのことにするの。ちょっと気持ちが弱くなっている時にリチャードが付け入ってきただけのこと。今夜が終わったら、もっと気丈に振る舞うの……と。
*新居*
2週目の週末、モニカとジェフは新居に引っ越した。2階建ての旧家をアパートに改築したもので、ふたりの住居はその2階部分にあたる。決して広いとは言えなかった。窓の脇の壁に押し付ける形でダブルベッドがあり、広げるとベッドにもなるカウチがひとつ。反対側の壁に沿ってキッチンがあり、ベッド側の奥にバスルームがある。バスルームはわりと広くて、浴槽もシャワーもついていた。全体的に言って、バスルーム付きのワンルームのアパートと言ってよかった。
しかし、最近改装したばかりである点で、状態は素晴らしかったし、家主の老婆が言うには、モニカたちが住む前にはひとりしか住んでいなかったらしい。しかし、モニカとジェフにとって、一番の魅力は家賃が高くないという点であった。
ふたりの住居は2階であり、1階部分には家主が住んでいるので、ふたりは夜の9時以降は静かにする必要がある。そういう条件での賃貸だった。改装により、家主の婦人の部屋は壁の裏側になっていた。2階に上がるための階段とは壁一枚隔てただけの構造になっていた。
しかし、その階段は、玄関を入ったホール部分と直結していたので、家主がたまたまドアを開けたままにしていた場合を除いては、誰が2階へ出入りしるかは、家主に見られることはなかった。さらに、家主の部屋の窓からは駐車スペースも見えないようになっていたので、ジェフたちや来客が出入りするところも家主にチェックされずに済む点も、良いと言えた。
したがって、プライバシーの点でもこの借家はおおむね満足できるものだった。ジェフとモニカは、さっそく、階段の2段目と5段目が少しきしむのに気づき、2段飛びで階段を登り降りするようにした。そうすれば、遅く帰ってくるときなどに音を立てずに済む。
その週末、リチャードは仕事の関係で街を離れていたので、ふたりは自分たちだけで引っ越しをした。とは言え、ふたりはほとんど所帯道具を持っていないようなものだったので、引っ越し自体は大した仕事ではなかった。ふたりだけで引っ越しをしたのであるから、当然、リチャードはふたりの新居を見ていなかった。
新居に引っ越してから二日たった。リチャードはジェフにシカゴ出張を命じた。そして、その隙に、モニカだけがいる新居に突然訪れたのだった。
玄関先に現れた李チャートを見てモニカは驚いた。ホールで話すと家主に聞かれてしまう。それを望まなかったモニカは、そそくさとリチャードを自分たちの部屋へと招き入れた。それに、彼女は、リチャードは、新居を見に気軽に訪問してきただけだろうとも思っていたのだった。
だが、彼女は甘かったのである。リチャードは部屋に入るなり、すぐにモニカの体に触り始めたからである。微妙なタッチではあったが、しっかりと触ってきている。
結婚した日、自分はこの男に口の中に舌を入れられ、お尻を揉まれた。その後、彼のアパートに居候していた時には、胸をはじめとして、裸の体を見られた。そして、その2日後の夜、キスされたばかりか、お尻もアソコも胸も触られ、お腹にいやらしい体液を塗りたくられた。さらに、リチャードは知らないけれど、壁を隔てて彼から1メートルも離れていないところで、自分は彼のことを想像しながら絶頂に達してしまった。生まれて初めてのオーガズムだった。
そして、今のこの状況。これはこれまでとは違う。いまはモニカはひとりなのだから。ジェフが家に戻ってくることはないのを、リチャードもモニカも知っていた。夫に見つかるからヤメテという言い訳は、今は使えない。
モニカは抵抗した。だが、それは形ばかりの抵抗だった。リチャードが支配権を握っており、それをリチャード自身、知っていたし、モニカもそう思っていた。この男は、ジェフの仕事を意味していたし、ジェフとモニカの収入を意味していたし、ふたりの生活基盤そのものを意味していた。
……モニカ、あなたがしなくてはいけないことは……歩調を合わせることよ。そうすれば、ジェフの仕事の役に立てることができるかもしれない。もしかすると、お給料も上げてもらえるかもしれないの……
それでも、モニカは屈伏するまいと試みた。リチャードに抱きすくめられていたモニカだったが、何とかして体を振りほどき、ひとり、カウチに座った。背筋を伸ばして毅然とした態度を装った。
リチャードはカウチの後ろに回った。そして、何の前触れもなく、いきなり右手をモニカのドレスの胸元へ滑り込ませた。
さほど胸元が開いた服ではなかったが、彼の手はモニカのブラジャーの中へと滑り込み、生肌の乳房に触れていた。そして、すぐに乳首を探り当てられてしまう。彼女の乳首はすでに固くなっていた。
リチャードは前かがみになってモニカの目を覗き込んだ。「おや? 泣いてるのか? どうしてだ?」
「あたしは……こんなことを……こんなことをさせてはいけないの。間違ったことだわ。あたしはジェフを愛しているの。それはあなたもご存じのはず」
すると、リチャードは返事もせずに、さらに前かがみになって、モニカの左の首筋に唇を寄せた。右手は彼女の右の乳房を愛撫する。モニカは、自分が首筋にキスをされるのに弱いということに気づいていた。そうされると興奮が高まるのだった。夫との愛の営みの間に、それを知ったのだが、ジェフ自身は、彼女の体のそういう仕組みには気づいていなかった。
だが、リチャードの方は気づいたらしい。モニカの反応を見ながら、しきりに彼女の首筋にキスを繰り返し、乳房を愛撫し続けた。そして、モニカも、とうとう観念し、リチャードを引き寄せるようにして、カウチの前面に来させたのだった。
……モニカを陥落させたな。今夜はモニカは俺のものだ。そして、その後も……
それは真実だった。モニカはすでに、これは一回限りのことにはならないだろうと諦めていた。そして、どうせそうなってしまうならば、自分も楽しもうと決めていた。もしかすると、生まれて初めて男性の手でオーガズムに達せるかもしれない、と。
その時点から、ふたりとも素裸になるまで何分もかからなかった。モニカが、夫婦のベッドは神聖に保ちたいと言うと、リチャードはカウチの背もたれを引いて、ベッドに変形させた。
モニカは、リチャードがベッドに行き、枕をひとつ取って、ソファーベッドの方に持ってくるのを、目を丸くして見つめていた。彼が歩くとき、ペニスがまっすぐに立って前を向いていたからだった。
「枕はひとつだけ?」 彼女は彼の股間に目を釘付けにしたまま尋ねた。
「ああ、そうだ。お前のお尻の下に置くのさ」
「まあ……」 その答えにモニカは驚いた。ジェフはそういうことをしたことがなかったからだった。
*初めての他の男*
この少し前、ふたりが裸になる前、モニカはベッドの端に座り、リチャードが下着を脱ぐところを見つめていた。もちろん彼は完全に勃起しており、下着を脱ぐと、中から跳ね飛ぶようにして姿を現したのだった。
リチャードの家に間借りしていた時の、あの夜、彼はモニカの腹部にペニスを擦りつけ、一面に先走りを塗り付けた。そのことがあったからか、モニカは、そんなことをする男性器を見てみたいと好奇心に駆られていた。たいていの人妻は、誘惑され初めて不倫をするとき、たとえ興味があっても、相手の男性の性器をまじまじと見つめたりしないものだろう。だが、モニカは少女時代を終えたばかりの娘だった。純粋な好奇心からリチャードのペニスをあからさまに見つめていた。
部屋の明かりに照らされ、はっきりと姿が見えている。肉茎の太さ自体は夫のソレと同じくらいのように見えたが、頭部も含め、全体としては4センチは長いように見えた。
その先端部は、茎の部分に比べて明らかに幅広だと分かる。ゆえに、その部分を含めれば、ジェフのソレよりも太い印象があった。
まじまじと見つめるモニカを見て、リチャードは邪悪そうな笑みを浮かべた。
「俺のコイツ、気に入ったかな?」 リチャードは、サイズの点でモニカの夫に勝ってると期待し、誉め言葉を誘い出そうとした。
「え……ええ……」
「そろそろ、俺のコイツに触ってくれてもいいと思うんだが。何週間もお前のことを思って、ずっと立ったままになってるんだよ」
モニカはうなづき、右手の指を絡め、それを握った。ゆっくりとしごきつつ、じっくりと観察していると、丸まると太った亀頭が膨らんできて、握る手の先からはみ出てきた。
だがモニカは、まだ、リチャードが聞きたかったことを言っていなかった。
「俺のコイツが好きか? ジェフのと比べて、どうだ?」
リチャードは、常時、自己満足が得られないといられないタイプの男だった。モニカの口から、ちゃんと称賛の言葉を聞かぬうちは満足できないのである。ジェフと比べて自分の方が大きいとは分かっていたが、モニカの口からそれを聞かずにはいられない男なのだった。
「分からないわ。妻は、夫のそういうことについて言うべきじゃないと思うし」
モニカは社交のための言葉遣いを知らなかった。彼女が夫のソレについて何か言うべきではないのはもちろんであるが、それを言うなら、そもそも不倫など、すべきでないのである。
リチャードは、ジェフがモニカと結婚した後、ジェフと一緒に小便をしたことがあった。それは、ジェフの一物と自分のそれとを比べる良い機会になったのだった。
一緒に出張しており、ホテルの1室にふたりで泊まっていた時だった。同時に尿意をもよおし、ほぼ同時にトイレに入ったのだった。ふたりともどうしてもすぐに小便をせずにはいられず、仕方なく、ひとつの便器を間に挟んで、両側から小便をしたのだった。
普通の状態ならば、他の男のペニスをじっくり見るのは不自然であるが、この時は、小便を便器に命中させるため、ふたりとも下を向いていたわけで、リチャードは不自然さを感じさせることなく、ジェフのペニスを観察することができた。そして、勃起していない状態ではあったが、自分の方がジェフのよりも少し長く、亀頭も大きそうだと踏んでいた。だが、彼は、それをモニカ自身の口から聞きたがった。
1950年代の当時、男性はペニスのことを、よく「ピーター」と呼ぶことがあった。女性も私的な環境ではその言葉を使うことがあった。
「どうだ? 両手を添えて、ジェフのピーターとサイズを比べてみろよ」
モニカはためらわなかった。自分の指先からどれだけ超えるか確かめようと、彼女は左手の側面でリチャードの恥丘を押し付けるようにして、握り、さらに右手をその先に添えて、残りの部分を握った。
「こういうふうにしてジェフのを測ったの」
モニカはそんなことを言うべきではなかった。だが、彼女にとっては、こういうことは初めてのことだったし、しっかりと手に握ってる今となっては、夫のプライベートな情報を隠しても意味がないように思ったのだろう。
モニカは、くすくす笑った。
「あなたの…… あなたのピーターの方が彼のより長いわ。この茎のところが。ジェフのだと、握り切ったすぐ先に頭のところが出ていたけど、あなたのだと、まだ3センチくらいは余っている」
モニカは観察に夢中になって気づかなかったが、リチャードはマットレスに座る彼女に向けてゆっくりと近づいていた。ペニスの先がモニカの顔に近づいていく。
「……それに、ここのところが彼のより大きい……長さもあると思う。この頭のところ、ジェフのよりも少し長いし、大きいと思う」
モニカは亀頭を指で触れながら言った。この言葉が、リチャードをどれだけ嬉しがらせたか、彼女には分からない。
「じゃあ、俺のピーターの方が3センチかそれ以上、長いって思うんだな?」
「ええ。全体だと5センチくらい長いかな。それに、ここのところはずっと幅がある」 と、モニカはまたも指先で紫色の頭部を撫でた。
「ということは、俺のコイツはジェフのとは違った感じになるということだな。特に、お前の小さな穴に入っていき、そこを広げると、ジェフとの時とはずいぶん違うふうに感じるはずだ。ジェフが届かなかった奥まで行くし、ジェフよりもそこを広げることになると思うぞ。ジェフのピーターより俺のピーターの方が気持ちいいかもな。まあ、すぐに確かめることになるが」
「気持ちいい」という言葉を聞いて、モニカは心臓が高鳴るのを感じた。「でも、どうして、あたしの……あたしのアソコの穴が小さいと?」
「忘れたのか? 俺はもうそこを触ったことがあるんだよ」
「ああ、ええ。忘れられっこないわ」
モニカは熱く脈動するペニスを、もう一度、軽くしごいた。……ええそうね。これは違う感じがするかも。それは確かだわ。……そう心の中でつぶやき、彼女はぶるっと体を震わせた。
リチャードに諦めさせるための最後のあがきとして、モニカはひとつ真実を伝えた。「本当に、こんなことはしてはいけないわ。あたし、生理が来てないの。遅れているの。だから、多分、あたしは妊娠してると思う」
だが、これはリチャードを喜ばせる結果にしかならなかった。「妊娠してる? そいつはいい。だったら、ゴムをつける必要がないからな」
リチャードは、ペニスをさらに突き出し、彼女の口を犯すことにしようと考えていた。だが、今は、究極のエクスタシーが欲しくて、待ちきれなくなっていた。夢のような女の中に入れるという究極のエクスタシーが。
ある意味、モニカが妊娠したというのは都合がいい。だとしたら、ナマでやれるということだ。だが、都合が悪い点もある。というのも、モニカを自分のモノにしたとしても、じきに、彼女の体の線が変わってしまうからだ。
リチャードはモニカを抱くことを今夜だけのことにする気はさらさらなかった。何週間か、いや、何か月かにわたって、彼女の体をむさぼり続けるつもりでいた。しかし、妊娠したとなると、彼女の体を楽しめる期間は短くなってしまうだろう。
モニカは顔をしかめた。「ゴムをつけない? もし、実際には妊娠していなかったらどうするの?」
リチャードは笑い飛ばした。「お前は妊娠したと思ってるんだろ? だとしたら、ジェフはコンドームを使っていないということになるよな? 違うか?」
「ええ、使ってないわ。どうして使わないのか分からないけど」
「多分、お前といつまでも一緒にいられるように、お前を早く妊娠させたがってるんだろうな。それに、ゴムなしでセックスを続けてきたとすれば、お前が本当に妊娠したのはかなり確かと言える。だとすれば、俺はお前のまんこをナマで楽しめるわけだ。お前のナマまんこで俺のナマ棒がねっとり包み込まれる感じを楽しめるということだ」
リチャードは、なぜか先を急ぎたい衝動に駆られていた。だが、先を急ぐ理由はなかったと言ってよい。ジェフは何キロも遠くの街に出張中である。邪魔をする者は誰もいない。それにもかかわらず、彼は今すぐにでも、モニカの中に入りたがった。それに、この若妻の最も大切な部分に挿入したとき、彼女がどんな表情を見せるかも見てみたい。
リチャードは、ソファベッドの反対側にまわり、そこの小さなランプをつけた。モニカは、何をするのだろうという顔で、彼を目で追っていた。
これで、この小さなアパートの部屋の、ほとんどすべての照明が灯されたことになった。点いてないのは、バスルームの電灯と、一番大きな天井の明かりだけである。明るい電灯に照らされ、ミルク色の肌のモニカはいっそう美しく輝いて見えた。
リチャードは、すぐさまモニカをマットレスの中央に仰向けにさせた。モニカは、煌々と光る明かりの中、自分の裸を確かめる余裕すらなかった。リチャードが彼女の脚の間に割り込み、大切な部分にペニスを押し付けてきたからである。
モニカは覆いかぶさるリチャードを見上げた。いどみかかってくる彼を、優しく受け止める女の顔になっていた。
「このカウチ、真ん中のところがちょっとへこんでるの。だから、枕をあたしの下に入れてくれる?」
「まだだ。お前の旦那は俺のより短いとなれば、お前が俺の長いのをちゃんと受け入れられるか確かめてみないとな。枕でお前の腰を持ち上げるのは、それからだよ。ちゃんと受け入れられると分かったら、枕を敷いてやろう」
リチャードは、亀頭を彼女の入り口に添えたまま、両手でモニカの肩を押さえつけ、見下ろした。「こうなることを、俺もお前も、ずっと待っていたんだよな。違うか?」
この問いにイエスと答えるのを、リチャードは聞きたがっている。モニカにはそれが分かっていた。ここで嘘をついても、何の意味もないことも分かっていた。
「……うん、その通りなの。ずっと前から待っていた。あなたの家のあの廊下での夜から、ずっと……」
「もう待つのは、これで終わりだ」
その言葉とともに、リチャードはゆっくりとモニカの中に侵入し始めた。同時にモニカの脚が開いていく。
……うう、この感触! 夢のようだ! 3週間近く、この瞬間を待っていたが、とうとう、こうしてつながろうとしてる! しかもナマで!……
「お願い、キスして……」
「ああ、もちろん。忘れるわけがない」 リチャードは顔を近寄せ、唇を重ねた。舌先を延ばし、2センチ以上、中に入れる。同時に下半身でも同じく2センチほど、さらに侵入した。
目を閉じ、うっとりとしながらキスを受け入れるモニカ。彼女は、挿入が始まってからすぐに、リチャードのペニスが自分の陰部をこれまでになく広げていくのを感じていた。
「ああっ……ううぅ……ああ、大きい…………」
この言葉ほどリチャードを有頂天にさせる言葉はなかっただろう。彼にとって、サイズは非常に重要なことだった。この若い美女が夫として選んだ男よりも、俺は大きい。その言葉を、その女の口から聞いて、彼は自信がみなぎってくるのを感じた。
「大きいか? 気持ちいいか、それとも痛いか?」
「気持ちいい。ほんとに。見た時よりも大きく感じるの!」
「それもそうだな。お前は、まだ処女同然のまんこをしてるんだから」
不思議なことに、「ま〇こ」という下品な言葉を使われて、モニカはかえって興奮していた。
脚が広げられていくのにあわせて、唇も大きく開けていく。モニカは、口腔の粘膜をもっとなぶられたいと言わんばかりに、激しいキスを自分から求めた。
リチャードは先を急ぐ予定ではなかった。できるだけ挿入をゆっくり行い、この記念すべき瞬間をじっくり味わいたいと思っていた。だが、彼はずっと待ち続けていたのである。ずっと淫らな思いをし続けていたのである。本意ではなかったが、それも、構わない。彼は小刻みに突きを送り、やがて、完全に挿入を果たした。
モニカの艶っぽい声が部屋にとどろいた。……本当にジェフとは全然感じが違う。こんなに深いところまで来ている! それに、リチャードは体の動かし方も、手の使い方も、そして特に舌の使い方が、何もかもジェフとは比べ物にならない。
……あそこの中を擦る感じが、ジェフのとはまるで違うけど、それより、こんなに長いストロークで出し入れしてくるのに、抜け出てしまいそうになる気配が全然ないなんて!
ジェフはセックスの間、ほとんど何もしゃべらなかった。いや、「感じる?」くらいは言っていたかもしれない。だが、セクシーなことは何も言わないし、いやらしいことも何も言わなかった。
だがリチャードはその逆である。彼は腰を動かしながら、盛んに下品でいやらしい言葉を掛け続けた。ジェフのことをおとしめる言葉というより、むしろ、モニカに、夫以外の男に抱かれていることを、夫よりも経験があり、セックスが上手な男に抱かれていることをはっきりと認識させる言葉が多かった。
「ほら、分かるか? 俺がお前を突いてるのが分かるよな。お前の狭くてちっちゃなまんこを突いている。ジェフよりずっと深いところまでえぐってるだろ? 気持ちいいよな? 聞かなくても分かってる。お前の腰が勝手に動いてるのを見れば、感じまくってるのは明らかなんだよ。だけどな、やっぱりお前の口から言ってほしいんだ。俺のピーターはお前の旦那のに比べて、どんだけ気持ちいいんだ?」
モニカは答えたくなかった。
「いいから、言えよ。ジェフに比べてどうなんだ? えぇ?」
「いいわ。分かってるくせに。そんなこと言わせないで、お願い。こんなことして、ずっと罪悪感を感じてるんだから」
「お前が罪悪感を感じてるのは分かってるよ」 リチャードは、長続きさせるため、ペースを落とした。じっくり感触を味わうように、ゆっくりした動きに変わった。「だが、これは、これからも何回もやるんだよな? 続けるんだ。口に出して言えよ。これからも、俺に抱かれ続けたいって」
リチャードの動き方にモニカは驚いていた。途中なのに、動きを緩めたばかりか、今は止まっている。これはジェフでは考えられないことだった。ジェフはいったん挿入すると、射精するまでずっと動きっぱなしだったから。
「どうしてそんなこと? あたしがひとりになるように仕組んで、あたしを犯すだけじゃ足りないって言うの?」
「ああ、足りないな。今はこうして俺に抱かれて楽しんでるかもしれないが、これが終わったら、お前は確実に罪悪感に襲われ、これはやめたいと思うだろう。だから、俺は今ここで、お前に了解させたいんだよ。終わった後ではなく、今、お前にハメている間にだ。これからもこれを続けるってな。ちゃんと口に出して言うんだ。俺とのセックスはいいだろ? 今後も続けたいよな? えぇ?」
リチャードは、ここに至るまでずっと待ち続けていた。次の時も、こんなに待たされるのは、たまったもんじゃないという気持ちだった。だが、モニカは簡単には返事しなかった。
「どうなんだ? 言えよ!」
この間も、リチャードはゆっくりと出し入れを続けていた。なかなかモニカが返事をしないのを見て、彼は、力を込めた動きに変えた。決して早い動きではない。ひと突き、ひと突きに力を込めた動きだった。
モニカにとっては、すでに、ジェフの持続時間をはるかに超える時間、リチャードと交わっており、未知の世界に入っていた。優しい動きから、突然、強い突きを送り込まれ、罪悪感が脇に弾き飛ばされるのを感じた。がくんがくんと突きで体を揺さぶられつつ、頭の中、どうなるかを想像していた。
……リチャードが上司で、いつでもジェフを出張に送り出せるって状況なら、リチャードとセックスしてても大丈夫かも……
「ええ、いいわ。ジェフを出張させるときなら。だったら彼にバレないから。ええ、いいわよ。これ、続けても……」
だが、そう言ったとたん、彼女は罪悪感がどっとのしかかってくるのを感じた。
「おお、嬉しいぜ。じゃあ、決まりだな。これからはチャンスがあったら、いつでもお前と会うからな。そうとなったら、本気でお前をイカせることにしてやろう」
……あたしをイカせる? ああっとモニカは思った。それを感じてみたいと思っていたのだ。実際のセックスでは一度もオーガズムに達していなかったのだった。もちろん、それをリチャードは知ってるわけではなかったのであるが。
リチャードはゆっくりとだが、本格的に動き始めた。モニカにとって、すでに大きさや形からして、ジェフより気持ちよかったのであるが、リチャードは持続力の点でも上回っていた。
モニカが生まれて初めて男の手によりオーガズムに達するのは、時間の問題だった。そして、実際、さほど時間を経ずして、彼女は体をぶるぶる震わせ、大きなうめき声をあげたのだった。そんなモニカの淫ら姿を見下ろしながら、リチャードは余裕綽綽でゆっくり深く彼女をえぐり続けた。
あの廊下の出来事があった夜、モニカは、リチャードのことを想像しながら自分の手でオーガズムを感じたのだったが、その時よりもはるかに強烈なオーガズムだったのは間違いない。
そして、うぶで未熟なモニカは、リチャードの体にしがみつき、自分からキスを求め、そうすることによって、意識せずに自分の夫をおとしめた。「ああ、今の、あたし初めてだったの」
リチャードは、モニカが盛んに淫らな声を上げるように変わったこと、それに彼女の体からまるで汗のように粘液が噴出してくるのを感じていたが、彼女の言葉を聞いて、いったん出し入れの動きを止めた。
「初めてって、何がだ? イったのが初めてということか?」
「うん、そうなの。愛し合ってる時にイッタことがなかったの。一度だけ、自分の指を使ってなら、経験あったんだけど……」
リチャードは自尊心がむくむくと膨らむのを感じた。「それは、ジェフのが俺のより小さいからかな?」
モニカは肯定できなかった。「多分、彼はあまり長く持たないからだと思う。でも、ええ……あなたのアレの方が気持ちいいわ。多分……あなたの方がアレの動かし方が上手だからだと思うの……」
リチャードは、それまで女性経験は、2人の人妻も含め合計8人だった。だが、彼のペニスの感触やその使い方について、思っていることを、こんなにも隠さず言う女はモニカが初めてだった。
「それは、俺が年上で経験豊かだからだよ」
そして再びふたりは唇を重ねた。モニカはうっとりとした表情でリチャードの舌を受け入れ、同時に両腕、両脚で包みこむように、彼の体にしがみついた。
……モニカは、セックスで初めてオーガズムに達したと言ったが、多分、それは本当なのだろう。しかも強烈なオーガズムだったようだ。それに、この女はセックスについてしゃべるのが嫌ではなさそうだ……
そう思ったリチャードは、余裕のある出し入れをしながら彼女に「悪い言葉」を使わせてみようと思った。
「モニカ? お前、セックスについて話すの好きそうだな。だったら、俺が動いてる時に、言葉に出して言ってみるといいぞ。『あなたの大きなおちんちんであたしのあそこをヤッテ』とか、そういう言葉だ。多分、言ってるうちに、もっと興奮してくるはずだぞ」
本当のセックスに目覚め、好奇心に駆られたモニカにとって、その誘いを断る理由は見当たらなかった。彼女はリチャードの名前も入れた完全な文を使って、言われた通りに言葉に出した。
「ああ、リチャード。あなたの大きなおちんちんがあたしのアソコを突いてるの、とっても感じるわ。大好き。あたしの中に、すごく深いところに入ってるのが分かるわ」
「お前の旦那よりも気持ちいいんだろ? だったら、そう言えよ」
「どうして? 夫のことは言いたくないわ。どうして、あたしにまたそれを言わせるの? 夫のより気持ちいいって、何で言わせるの?」
「それはな、いったん、そういうことを言葉に出して言い始めると、腹の底から、お前の心が俺の心と一緒に堕落できるからだよ。お前は他の男と結婚してるのに、今は俺とセックスしてる。お前は俺と悪いことをやってるんだ。だから、いやらしい言葉を使って話せば話すほど、このセックスは下品になっていくし、そうなればそうなるほど、気持ちよくなっていくもんなんだ。それに、お前が話すのを聞くと、俺の自尊心がくすぐられて、俺のアレがますますそそり立ってくるんだよ」
リチャードは、話しながら、ゆっくり深々と抜き差しをしつつ、微妙に角度を変えながら動いていた。モニカはすでに何のためらいもなくなっていた。簡単に口から言葉が出てきていた。彼女の気持ちを素直に表した言葉だった。
「ああ、いいわ、リチャード。あなたのおちんちん、すごく気持ちいい。ジェフのよりもずっといいの」
「ああ、そうだろ? 分かってきたようだな。今度は、『ジェフとのセックスなんかより、ずっといい』とか、そんなことを言ってみろ。俺の尻を掴んでグイっと引寄せて、叫んでみるんだ」
モニカは、言われた通りにした。両手をリチャードの尻頬にあてる。突きを入れてくるときに、そこの筋肉が収縮するのを感じ、その動物的な動きをむしろ喜んでいた。さらに、そもそも、このような、いやらしい会話が嬉しくもなっていた。
「ああ、リチャード。そうなの、ジェフとのセックスより、ずっと気持ちいいわ。口に出して言えと言われて、そう言ってるのじゃないわ。本当に気持ちいいのよ。あなたのおかげで、あたしの中から本当の気持ちを出して、いろんなことが言えるようになってるみたい。本当のことが。ねえ、大きなおちんちんで、もっと強くやって!」
ここまで言われても、リチャードは完全に満足してはいなかった。もうひとつだけ、モニカに言わせたいことがある。
「じゃあ、今度は、旦那の上司とセックスするの大好きって言ってみな。さあ、言ってみろよ」
「どうして、リチャード? まだ、言わせ足りないの?」
「1回だけだよ、モニカ。お前がそう言うのを聞きたいんだ」 リチャードは、そう言いながら、腰の動きに力を入れ始めた。強く、深く突き始める。
「ああっ! ああんっ! い、いいわっ! あたしの夫の上司さんは、女の扱いが上手!」
「もっとだ、もっと詳しく!」
「ああ、リチャード。本当にセックスが上手だわ。だからこそ、あなたは上司になっているのね!!」
完璧だ! リチャードにとって、これ以上ない言葉だった。「いいぞ、モニカ。お前は最高だな。今度は、お前も腰を使うんだ。俺を愛してると、体を使って表すんだ」
「愛してるふうに? うん……こんなふうに?……」
モニカは言われた通りに、リチャードが強く突き下ろしてくるのに合わせて、自分も腰を突き上げ始めた。さらに、自分からも即興で、両脚を高々と持ち上げ、彼の腰を羽交い絞めするように交差させた。その体形になったことで、リチャードの分身は自由に根元まで挿入を繰り返せるようになった。
脚をその形にしたので、もはや両手で彼の尻頬を掴むことはできない。モニカは、代わりに、両手で彼の頭を掴み、自分に引寄せた。積極的にキスを求める行為だった。
さらに、もっと結合を深くしたいと言わんばかりに、言葉を続ける。「いつになったらお尻の下に枕を入れてくれるの?」
「今だよ!」
リチャードは体を起こし、いったんモニカから抜け出た。彼女を見下ろし、思わず笑みが漏れる。
……今や俺のオンナになったな。可憐で無邪気なモニカを、俺好みの淫乱女に変えてやったぞ! まだ17歳だが、すでに立派なオンナだ!
……今のモニカをジェフに見せてやれたらいいんだが。あいつに、なんてエロい女と結婚したか教えてやれたら、さぞかしショックを受けるだろうな。とは言え、ジェフには、モニカのこんな側面は絶対に分からないだろうぜ……
カウチのマットレスは中央部分が幾分へこんでいたので、枕をモニカの下に入れたことによってちょうどよい高さになった。
「あああぁぁぁ……リチャード、今はすごく奥に来てるのがはっきりと分かるわ!」
その日2回目のオーガズムは、そう遠くないところに近づいていたが、モニカはその前にリチャードに、あの廊下の出来事があった夜のことを告白したのだった。
「あの夜、廊下での出来事の後、お前は部屋に戻ってジェフの隣に寝ながら、自分で自分を慰めたんだよな? 俺のことを思いながら、な? お前、何てスケベな女なんだ?」
「そればかりじゃないわ、リチャード。もっと他のこともあるのよ」
いやらしい話をしながらのセックスに積極的になっていたモニカは、わざと途中まで話してリチャードの返事を待った。
「もっと他のことだと? 自分でしながらか? 話してくれ」
モニカはくすくす笑った。「あなたが廊下であたしを触った時、あなたあたしのお腹にヌルヌルしたのを塗りつけていたのよ。で、部屋に戻ったら、ジェフはベッドですでに眠っていた。あたし、窓からさす月明かりの元で、あなたが塗りつけたヌルヌルを見てみたの。てかてか光っていたわ」
「先走りか?」
「え、何?」
「そのてかてかしたやつは、俺の出した先走りってやつだよ。アレを入れるとき、女のアソコを守るよう分泌される液体だと思うが……」
「ああ、そうなの…… ともかくあなたの……先走りって言うの? それがあたしのお腹じゅうにべっとりついていたの。で、ベッドに横になりながら、それをいじり始めたのね……あなたの先走りを指ですくって、あたしのアソコの唇に塗りつけたりして……」
「本当に? うわっ、それはすごい! もっと話してくれ!」
会話をしている間も、リチャードは動き続けていた。とは言え、ゆっくりと優しい出し入れの動きだった。
「お腹のところ、あなたのヌルヌルがいっぱいついていて、あなたのことを思いながら、そのヌルヌルをいじったの……で、正直に言っちゃうと、こんなにたくさん出せるって、あなたのアレ、どれくらい大きいんだろうとか、もし、それを使われたら、あたしどうなってしまうんだろうとかって……そしたら、あたし、イッたの。生まれて初めて……」
「嬉しいよ、それを聞いて。で、ジェフはそのことを知らないんだな?」
「ええ、彼は眠っていたし。あたしも何も言ってないし。だって、初めてイッたのが、自分の指でだったなんて聞いたら、彼、イヤな感じがすると思うし」
「ジェフは、お前がジェフとのセックスでイッたことがないのを知ってるのか?」
「そんなこと聞かれないもん。彼がそれを気にしてるかも分からない。でも、それって、多分、ジェフはあなたほど経験がないからだと思う」
「この話、俺は嬉しいな。お前の旦那の上司で、旦那の代わりに、お前をイカせることができて嬉しいよ。お前って、俺の自尊心にとっては素晴らしい女だ。俺の言ってる意味が分かればいいが」
「うふふ。そして、あなたはあたしの体にとって素晴らしい男よ。あたしを感じさせる方法を心得ていて、あたしをイカせてくれたんだもの」
リチャードの心にとって、まさに天国に舞い上がるような気持だった。部下の若妻を寝取ったばかりか、その女が最高の顔と最高の体をした、最高の心の女だったから。しかも、そんな最高の女に、自分は、初めてのオーガズムを味わわせることができたのだ。彼女が夫として選んだ男よりも、大きな一物を使って!
リチャードは、自分のペニスがそれほど大きなものではないのを知っていた。平均よりちょっと大きいくらいだ。この世の中には、自分のよりもはるかに大きな代物を持つ男はいくらでもいる。だが、モニカがそんな男と体を重ねる確率はほとんどない。だから、さしあたり今は、モニカにとって自分は王様でいられる。
モニカが若く、経験が少ないという点も、リチャードには嬉しい事実だった。そうなら俺がモニカを俺好みの女に育てることができる。だが、そうするためには、まず精神的にもっと彼女をコントロールできるようになる必要がある。
「モニカ? 俺のことをどう思ってる?」 リチャードは、一定のリズムで出し入れを続けながら、問いかけた。動きは続けているが、彼女をオーガズムに導こうとする動きではない。「気持ちの上で俺をどう思ってるんだってことだが? お前はジェフと一緒になった。なら、自分の夫を愛すべきなわけだろ? だが、ジェフとのセックスでは、お前は一度もイッたことがないのに、俺とでは、簡単にイッてしまった。だとすると、俺はお前にとって何なんだってことになるんだが?」
モニカはその問いがどんな答えにつながるか、分かっていた。答えは避けられなかったが、できるだけ先延ばししたかった。「どういうこと?……気持ちの上でどう思ってるのかって、何を訊きたいの?」
「俺を愛してるのかって訊いてるんだよ。お前がジェフを愛してるのは分かってる。だが、女が同時にふたりの男を愛することもあり得るのだよ。だから、訊いてるんだ。お前はどう思ってるのかって」
モニカは本心を打ち明けるのが怖かった。自分は若く、経験も豊かじゃない。そんな自分なのに、結婚してたった3週間で、夫以外の男に誘惑され、体を重ねてしまった。彼女は混乱していたし、今の自分の感情が本当の自分の気持ちなのか、自信が持てなかった。
「あたし……あなたを愛してるかも。よく分からないわ。あなたと一緒にいることに慣れてきてるのは本当。ベッドの中でも外でも。だから、ええ、そうかも。あなたを愛してるのかも……」 モニカはためらっていた。「……あなたは? あなたはあたしを愛してるの?」
おおっと、そう来たか!とリチャードは思った。彼はその問いにイエスとは言いたくはなかった。ある意味、モニカを愛してるのは事実だとしても、自分自身以外の人間で喜ばせてあげたいと思ったのが、ここにいるモニカが初めてだったとしても、それを口に出して認めるのは避けたかった。いまは、この女を支配することが目的なんだ。愛してるどうのこうのっていうのは、それを達成するための方法のひとつにすぎないのだ。
「俺もそうかも。お前のことが好きになってる。こういうふうにいつもお前と一緒になれるんならな。俺はお前と一緒に、こうしてるのが好きなんだよ。こういう気持ちになれるのは、お前だけだ。だからこういうこと、これからも続けような?」
モニカが返事をするまで、ほとんど間がなかった。「いいわ、そうしましょう! あたし、夫の上司とエッチするの大好き!」
それを聞いてリチャードは笑みをこぼした。同時に、前より力を込めて出し入れをし始めた。任務完了だな、と彼は心の中で思った。
さらにもうひとつ、枕がベッドから取られ、モニカの頭の下に置かれた。
何もはっきりしないが、リチャードがこの夜を最大限に利用しようとしてることは確かだった。彼は、この夜がふたりにとって最後の夜となるかもしれないと、そのつもりでモニカの肉体を堪能したし、彼女にも男との肉体的なつながりの喜びを教え込んだ。ふたりとも、身体的に疲れ切るまで、その行為は続いた。
リチャードは思った。モニカの反応からすると、本当に俺のことを愛してるのかもしれない。少なくとも、俺を愛してると思い込んでるのかも。リチャード自身は、モニカを愛してるとはっきりと言うことは一度もなかったが、そうかもしれないとほのめかしたり暗示したりする言葉は何度も言った。ひとえに、また、こういうふうにモニカと体を重ねる機会をもてるようにと思ってであった。
もちろん、リチャードは、この後もモニカの体を求めてやってくるのは、ほぼ間違いなかった。彼はモニカの住処を知ってるわけだし、リチャードは、ジェフを出張に送り出せば、いつでもモニカをひとりにすることができたからである。
彼はモニカを愛したのか? 確かに彼女と愛の行為をした。だが、それは本当の愛か? 彼の行った計略は、とても愛のなせることとは言えない。先のことを見据えての計略に満ちた行いだし、その一時、彼にとってモニカがいかに愛らしく見えたにせよ、本当に彼女ひとりに向けた情熱だったのかと言えば、そうとは言えない。リチャードの行為は、たったひとりの女性にむけての行為なら愛と呼べるかもしれないが、実際は、決してそうとは言えなかった。それに、そもそもモニカが妊娠していなかったら、リチャードはこういう行為をしていたかどうかすら、あやしかった。
ともあれ、その夜、ふたりはほとんど明け方までセックスを続けた。リチャードのせいで、モニカは、あそこがヒリヒリするようになってしまったが、でも、それと同時に、性的な意味での満足感を存分に味わうことができていた。生まれて初めてのオーガズムを彼によって味わうことができていた。3回はセックスで、あとの1回は、クンニリングスで。そのクンニの時のこと。
リチャードはというと、まだ、射精を我慢し続けていた。こんないいオンナ相手にして、すぐに出してしまうのはバカな男のすることだ。射精するときは、モニカを驚かし、彼女の記憶に残るような形を取りたかった。うぶなモニカを驚かすにはどうしたらいいだろうか? 考えたリチャードは69を教えてやろうと思った。
リチャードは仰向けになり、モニカを上に乗せた。
モニカにとって上になったのは、幸いだったと言える。リチャードのペニスを口に含むことにようやく慣れたと思ったら、突然、爆発的に射精が始まったのだった。モニカは、むせ返り、大半を吐き出してしまった。リチャードは、いざ出すときになったら、どれだけため込んでいたかをモニカに教えたいと、意識して精を溜め続けていたのだった。
たくさん出た。同じく溜め込んでいたジェフと同じくらい、多量に出てた。その多さにモニカがイヤな顔をすると、リチャードは高笑いした。
「まったく、お前は可愛いな。これからいっぱい学ぶことがあるぞ。とりあえず、俺の腹の上に吐き出してしまったのを、舌を使ってきれいに舐めとるんだ」
モニカは言われたとおりにした。それには、とりもなおさず、舌でかき集めたのを飲み下すことも含まれていた。リチャードは、モニカに、半萎えになったペニスから、ミルク絞りして、最後まで吸い取ることも教えた。もちろん、その時もモニカは出てきたのを飲み込まなければならなかった。
ようやく、モニカは最後まできれいにし、リチャードは、彼女の努力を存分に褒めちぎり、ベッドのシーツを使って陰毛にこびりついていた残りをぬぐい取った。
「バスルームに行ってタオルを持ってきたのに」とモニカは、リチャードがシーツを汚したのに少し苛立って言った。
「この方が、ずっと色っぽいんだよ。シーツを汚すのがな。お前、俺とイヤラシいことをして、燃えただろ? 本当に、イヤらしく下品になるともっと気持よくなれるもんだ。なんなら、俺がシーツに出したのを、そのまんまにすればいいんだよ。そのうち乾いてゴワゴワになる。ジェフが帰ってきたら、あいつは俺のスペルマの上で寝るだ。それ、どう思う?」
もちろん、モニカは、そんなことはできないと思っていたが、その場ではリチャードに合わせて、くすくす笑った。「それもそうね。でも、それなら、まずはこのカウチからシーツを取って、あっちのベッドに被せなきゃ」
リチャードはモニカが指さした方向に目を向けた。「ああ、そうだよ。あのベッドのことを忘れるところだった。それで? いつ、あの夫婦のベッドでお前を抱かせてくれるんだ?」
「ダメです。これからもあなたとするかどうかなんて分からないけど、もしするとしても、このカウチがあなたとのベッド」
とりあえず、今は、それでいいか、とリチャードは思った。すでに、これからも体を重ねることをモニカに同意させている。しかも、特にこっちから催促したわけでもないのにモニカは同意した。今回の主な目的は、そこにあったはずだ。多くを望めば、多くを失うものだ。
リチャードは、再び、モニカの口にペニスを寄せた。
「ほら、近くに来たら、口に入れるもんだぞ。どの女もそうするもんなんだ」
リチャードは、モニカにしばらくしゃぶらせ続け、再び勃起を取り戻した。この日すでに、モニカにセックスによるオーガズムを味わわせたばかりか、口を使った愛撫も、69も、ミルク飲みも教え込んだリチャードだったが、さらに進んで、もうひとつのことを教え込んだのだった。自分好みのオンナにするためには、アヌスでもつながれるような女でなくてはならない。
彼の意図に気づいたとき、さすがにモニカもあわてたが、リチャードはすかさず、どのカップルもやってる普通の行為だと嘘を言い、うぶな彼女を説得した。リチャードはモニカの処女を奪った初めての男になることはできなかったが、それ以外の行為については、すべて最初の男になりたがったのだった。
リチャードは、モニカをうつ伏せにし、下腹の下に枕を置き、尻を浮かせた姿勢にした。そしてワセリンを使う。彼がその部分に挿入を始めたとき、モニカは痛みを感じたが、それは最初だけで、予想外にわずかな痛みだけだった。リチャードは、亀頭部分が彼女の肛門の筋肉を通過するとき、できるだけ痛みを伴わないよう、力を込めて素早く通過したからだった。彼は、いったん、頭部を挿入できれば、肉茎自体はさほど太くないので苦痛はなくなると知っていた。
モニカの体を慣らすよう、リチャードは、しばらくの間、優しい動きを続けた。その後、彼はモニカの体を抱えたまま、左側を下にして横寝になり、右腕を彼女の胴体に、左腕を彼女の首に巻き付ける姿勢になった。背後から回した両手で、左右の乳房を揉みながら、ゆっくりとした動きでアヌスに出し入れを続ける。
そもそもアナルセックスをロマンティックな行為にできるかどうか分からないが、リチャードは、この行為をモニカにとってロマンティックなことに感じてほしいと思い、顔を彼女の首筋や耳にすり寄せ、情熱的にキスを繰り返した。
モニカは、男女がつながるべきところではないところを突かれているのに違和感を感じつつも、乳房を愛撫され、熱っぽく首筋にキスをされ続ける間に、次第に官能が高まってくるのを感じ、徐々に、悩ましい声を上げ始めた。このつながり方でも感じることができると思い始めていた。
一方のリチャードは、モニカのアヌスを犯しながら昔のことを思い出していた。リチャードがアナルセックスがリードできたのには、訳があったのである。実のところ、彼は10代の頃に、このような形で年上の男に愛されたことがあったのだった。その男は、その行為の後、お返しとして逆にリチャードにも同じことをさせた。もちろん今のリチャードはホモセクシュアルではない。だが、彼が当時その行為を楽しんだのは事実である。快楽があったのも確かだが、他にも、10代の若者であった彼のペニスの大きさが、相手の大人のソレと同じ大きさだと知り、自尊心が高まったことも関係していた。
10代の彼がそのようなことをされていたことは、誰にも怪しまれることはなかった。事は、リチャードの一家が家族全員で、彼の父親の旧友の家に遊びに来ていた時に起きた。その旧友宅に泊まっていた深夜、来客用の寝室のひとつで眠っていたリチャードのところに、その父親の旧友がやって来たのだった。
ある意味、変な話しと言えば言えなくもなかった。リチャードの父親は、その旧友のことをしょっちゅう自慢していたのである。「あの男は、今は別の町でスポーツのコーチをしているんだが、男の子たちを指導して、本物の男にならせ、ひいては勝利者にさせているんだ」と。
確かに、その人は、見るからに男の中の男のように見えた。しかも結婚もしていた。だが、その陰で、彼は少年たちを犯すのを趣味にしていたのだった。
「ううぅぅ……ああ、リチャード……すごく感じてきたわ……」
リチャードは、モニカがそういうのを聞いた。その言葉は、あの時、自分のアヌスを犯していた男に言いたかったが、あまりに恥ずかしくて、言えなかった言葉だった。その自分が今は、他の男の妻であるモニカに同じ形でつながっている。しかも、いま挿入し、突いているのは、自分の方なのだ。
「リチャード、感じるの。こんな感じになるなんて、思ってもみなかった」
「そうか。じゃあ、もっと気持よくしてやろう」と、リチャードはモニカの右脚を抱え上げ、自分の脚の後ろに回した。そして、右手を彼女の股間へと移動した。
アヌスを突くリズムに合わせて、クリトリスを愛撫する。彼を犯した男が、このやり方を教えてくれた。ぐいっと突かれるのと同時にペニスをしごかれると、快感が高まることを、彼は経験上知っていた。
首筋にキスをされ、乳房を揉まれ、クリトリスを愛撫され、同時にアヌスを犯される。モニカは、これらを同時に続けられ、バギナにまったく触れられていないにもかかわらず、実際にオーガズムに達した。この夜、彼女が都合5回味わうことになるオーガズムのうちの、3回目のオーガズムだった。
やがて、モニカはリチャードがアヌスに射精を始めたのを感じた。そして、彼女は、相手がゆっくりとした動きをする場合に限られるのだろうけれど、相手となってる男性の射精の勢いが、前の穴の時よりも、後ろの穴の時の方が、より明瞭に感じるものなのかもしれないと思った。
もちろんリチャードは最初からモニカのアヌスに射精するつもりだった。何と言っても、もし、女にとって一番の男になるつもりなら、何事についても、最初の男になる必要があると思っていたからである。
だが、モニカが驚いたのは、アヌスではなくバギナの方だった。リチャードのせいでモニカのあそこは若干、ヒリヒリした痛みを感じるようになっていた。彼のペニスがジェフのよりも長いからというよりは、むしろ恐らく、リチャードの亀頭がジェルのよりも太いせいによるのだろう。さらに、彼が、挿入をするたびにモニカが見せる反応を見るのを楽しんでいたせいでもある。
リチャードは、亀頭部分だけを使って出し入れをする動きを繰り返していた。入れるたびに、彼女の陰唇が広がり、亀頭部分に愛しそうにまとわりつき、包み込む感触がたまらない。彼女のその部分は、入れる時は、キツク閉じているのに、押し込むと、抵抗を諦めたかのように屈服して唇を開く。それなのに、抜くときは抜くときで、今度は名残惜しそうに抜き切るときまで離そうとしない。極上の感触だった。そして、モニカもその動きを喜んでいた。とは言え、かなり擦られ痛みが生じていたことは否めない。
リチャードは、内実、意図的に彼女に痛みを残すよう動いていた。明日になり、自分と別れた後も、モニカは、陰唇のヒリヒリした痛みを感じ、自分との行為を何度も反芻することになるだろう。それを狙っていた。さらに、多分、明日の夜になるだろうが、ジェフが戻り、モニカとセックスするときにも、この痛みを感じるとしたら、なおさら面白い。
リチャードは、モニカの中に入った回数でも、時間の長さでも、ジェフを超えたいと思い、盛んに抜き差しを繰り返したし、モニカの方も自ら腰を突きあげ続けた。ほとんど、つながりっぱなしでいたと言ってよい。
ふたりは、実際、結合したまま、うたた寝した。ふたつある枕のうち、ひとつは仰向けになってるモニカが使った。もうひとつの枕は、いつの間にか床に落ちていたが、リチャードは、それを拾うのもおっくうと感じ、モニカに覆いかぶさったまま、彼女の肩を枕がわりにして眠った。仮眠をとる間も、リチャードは、ほぼ勃起をしてる状態で、モニカの中に埋め込んだままだった。
もちろん、リチャードは目標を軽々と達成した。結婚してから3週間、その期間で通算してジェフがモニカの中にいた時間が計測できるとして、リチャードは、それよりも多くの時間をモニカとつながってすごしたのだった。しかも、たった一夜で。単に時間だけの話しではない。彼は、ジェフのよりも長く、亀頭も大きいペニスを使って、考えられるあらゆる方法でモニカの体を堪能した。
だが、モニカが一番楽しんだのは、彼のペニスではなく、むしろキスであった。実際、リチャードはジェフよりもキスが上手だったし、ふたりは、唇を重ねることができる体位でいるときは、ほぼいつも、キスをしていたと言える。
若く、未熟だったモニカは、キスを愛の行為であるとみなしていた。実際、初めてオーガズムを感じたのも、セックスをしながら、キスされたことが大きな理由だった。
オーガズムについて言えば、リチャードとの最初のセックスの後、モニカが彼に生まれて初めてのオーガズムだったと言ったことは、リチャードを大いに喜ばせ、彼の自尊心をとてつもなくそそり立てた。モニカは、最初は、自慰でオーガズムを味わったことを秘密にしておくつもりだったが、セックスの情熱に任せて言葉のやり取りをしているうちに、どうしても、それを秘密にしておくことができなくなってしまったのだった。
モニカは、あの「廊下での出来事」のことを再び話題にし、ひょっとしてリチャードが部屋から出てきてくれるかもしれないと、少し待っていたと言った。それを聞いてリチャードは「もったいないことをしたなあ」と笑った。「だけど、俺が知らなかったのは多分良かったかもな。知ってたら、お前にとって生まれて初めての本物の男とのセックスが、廊下で立ったままのセックスだったってことになってしまったかもしれないからな」
それを聞いてモニカは嬉しそうな顔でリチャードにしがみついた。夢中になって彼にキスを繰り返しながら、「いろいろ教えてくれてありがとう」と言った。本当は「愛してる」と言いそうだったが、それは口には出せなかった。
もし、その言葉を言っていたら、リチャードにとっては、その前の会話よりも嬉しいことだっただろう。実際、リチャードはその言葉をモニカに言わせようとしていたのだが、彼女は直接的には言わなかった。その言葉を言ったら、ふたりの関係は確定的になっていたと言える。
だが、言葉は別として、モニカの振る舞いの変化は、非常に明らかだった。嫌々してるようなそぶりは消え、もっと多くを自ら求める態度に変わっていた。リチャードの頭を抱きかかえキスしながら、しきりと彼の分身に向かって自分から腰を突きあげてくるようになっていた。たった一夜で、しかも、夫から車で4時間しか離れていない場所で、モニカは貞淑な新妻から、体を使われるのを喜んで求めるオンナへと変わっていた。
リチャードは、モニカをこれほどまで変えたことに有頂天だった。そして、この支配力を使って彼女を新しいレベルに押し上げようとした。
「モニカ? お前は、ジェフのアレを口に入れたこともなければ、アナルセックスもしたことがなかった。だが俺とはしたわけだ。だから、これは俺たちだけのことにしたいんだが、どうだ? 口でするのもアナルセックスも俺と一緒の時だけにするんだ。そうすると、俺とお前の間の特別なコトと感じられると思うぞ」
そう言った後で、今度は、自分がどれだけモニカを支配しているか、確かめる質問だ。「お前もそうしたいと思わないか? ジェフには口でやるのも、アヌスですることも許さないんだよ。どうだ?」
もちろんリチャードには、このようなことを求める権利などなく、どうするかはモニカの勝手だったが、彼女は一瞬もためらう素振りは見せなかった。「いいわ。ジェフには、これまでしたこと以外はさせないことにする!」 それほど彼女はリチャードに、いや、リチャードのとのセックスで得られる肉体的、心理的な快感に魅了されてしまっていたのだろう。
「約束するか?」
「約束する」
その返事を聞いた瞬間、リチャードは部下の若妻を完全に支配したと確信した。自分だけがモニカを相手にできる行為が確定した瞬間だった。と同時に、ジェフが、知らないうちに、「夫の権利」のいくつかを喪失した瞬間でもあった。
それから、しばらくしてリチャードは帰っていった。すでに、夜は明け、陽も高くなっていた。アパートの階段を降り車を出すとき、特段、音をたてないようにと注意する必要もない時間になっていた。
モニカは裸でカウチに横たわったままの姿でリチャードを見送った。疲労感はあったけれども、充実した疲労感だった。何もかも初めてのことだったので、自分の体がどうなったのか分からなかった。リチャードが帰った後、ぐったりとしたまま、手鏡を取り、自分の股間を見てみた。その部分は、リチャードのせいで赤く腫れあがっていたが、むしろ、そのような状態にされたことが嬉しい気もした。念のためにアヌスの方も確かめた。そちらは普通の状態だったのを見て、安心した。
モニカが罪悪感を感じたのは、ずっと後で、その日の夜、ジェフがシカゴから戻ってきて、彼女にカラダを求めてきた時だった。
あそこの唇のヒリヒリ感は残っていたが、ほとんど気にならない程度になっていた。それでも、ジェフが挿入してきた時にモニカが感じたのは、自分がいかに長時間、そして激しくリチャードにカラダをむさぼられていたかということだった。
モニカは、リチャードの大きな亀頭が出入りするときに感じたゾクゾクした気持ちは感じなかったものの、ジェフのペニスは充分に大きいと思った。ジェフがもっと上手だったらいいのにと思わざるを得なかった。
そして、それまでと同様、この日の夜もジェフは長くは持たなかったし、女を喜ばせる動きもしなかった。ジェフに愛されている間ずっと、モニカはジェフとリチャードを比べていた。リチャードのことを思い浮かべながら抱かれていたら、ジェフとのセックスでもオーガズムを得られるのではないか。彼女はそんなことを期待して、ジェフに抱かれながらずっとリチャードのことを思い出していたのだった。
モニカは罪悪感を感じていた。あんなにリチャードとのセックスに夢中になってしまったことに罪悪感を感じていたし、いつかまた機会があれば、リチャードを体を重ねるつもりでいることにも罪悪を感じていた。夫の上司と交わした約束通り、彼女は、ある種の性行為も、体のある部分も夫には許さなかった。それはリチャードが相手の時だけ許される行為であり、カラダだった。
「ねえ、モニカ?」と、早すぎる射精を終えて満足げに仰向けになったジェフは、モニカに言葉をかけた。「いつか僕がシカゴに出張に出たとき、僕の部屋からこっちに電話をしようと思ってるんだ。電話越しにセックスできるんじゃないかって……」
「電話でセックス?」
「うん。多分、すごく楽しめるんじゃないかって思うんだけど」
「そんなことしたら、すごくおカネが掛かっちゃうわ」とモニカが心配そうに言った。だが、すぐに彼女はクスクス笑った。「だけど、そもそも、うちは電話を引いてないわよ。ウフフ」
「電話会社は、初めての客には前払いをさせてるんだけど、でも、次の給料日の後なら、電話を引き込むことができるんじゃないかな。今度、確かめてみるよ」
モニカは、2回ほど公衆電話で実家の母に電話していた。だから、電話料金のことはよく知っていたし、長距離電話のことも知っていた。「でも、コレクトコールって言うの? それをするためにはオペレーターさんを通さなくちゃいけないし、おカネもかかるんでしょ? 料金はいくらくらい? 最初の3分に1ドルくらいなのは知ってるけど、それを超えたら、もっとかかるんでしょ?」
ジェフは笑って、モニカの胸に手を伸ばした。「その場合は、僕たち早く済ませなくちゃいけないね」 そう言って、優しく彼女の乳房を揉んだ。「早く済ませられる?」
「そうしなくちゃいけないわね」とモニカは笑みを浮かべた。だが、彼女は心の中でつぶやいていた。……ジェフはあたしがイッたかどうか気になったことがないの?……とはいえ、すべてのことにかすかに罪悪感を感じていたことも事実だった。
その2日後の昼、モニカは夫の職場である駐車場を訪れた。ジェフと一緒に昼食を取ろうと思ったからだった。リチャードの顔を見たモニカは、明るい笑顔で挨拶をした。その頃には罪悪感はほとんど消えていた。彼女の目は「問題はないわよ」と伝えていた。
ジェフは、モニカがリチャードに挨拶するのを見ていたが、ひとかけらも疑っている様子はなかった。モニカとリチャードは、ジェフの目の前で無言でメッセージを交し合っていたにも関わらず、彼にはまったく気づかないのだった。
モニカはまだ10代で、高校も卒業していなかったので、夏の間、仕事をすることはアルバイトとですら、ほとんど不可能だった。加えて、仕事に行くための車もなかった。モニカたちが住んでいる地域では、たいていの仕事は、街の中心部のオフィスかデパートが職場であり、そこに通うには車が必須だった。
そこで、モニカはたいていの日は、ラジオを聞きながら掃除したり、映画スターのゴシップや若者の恋愛事情についての記事が載ってる雑誌を読んで過ごしていた。そういう毎日は、すぐに退屈になるだろうとは分かっていたけれど、さしあたり今は、次にリチャードが来るときのことを想像して暇をつぶすのだった。
その翌日、ジェフが仕事に出た後、モニカがカウチに座って、ラジオを聞きながら雑誌を読んでいた時、誰かが階段を上がってくるのが聞こえた。……まさか、リチャードが来たの? だけど、ジェフがこの町にいる時に来るなんて、あり得ないはずなんだけど……
ドアをノックする音が聞こえた。彼女はサマードレスを着ていたが、ブラジャーは着けていなかった。でも、ドアの向こうにいる人が夫かリチャードなら、気にすることではない。……リチャードに違いないわ! モニカはワクワクした気持ちでドアを開けた。
「こんにちは」
ドアの向こうにいたのは、作業服を着た男だった。電話機を抱えつつ、帽子を脱いで挨拶してる。「下にいる婦人から、あなたのお部屋がこちらだと伺ったもので。ご注文の電話の設置をしにまいりました」
男は、一度モニカの胸元へ視線を落とした後、ゆっくりと彼女の顔へ視線を戻した。それを見てモニカは顔を赤らめた。リチャードが来たと期待し、乳首が硬くなっていたのに気づいたからだった。
「……でも、あたしたち電話なんか注文してませんよ。そんな余裕は……」
「もう支払い済みになってます。こちらが支払った方の住所です」
モニカは、多分ジェフが払ったのだろうと、男が出した書類を見た。だが、支払人は彼女の両親だった。注文書には伝言が添えてあった。「電話をつけてもらったら、電話してきてちょうだい。交換を通してコレクトコールでいいわよ。それに、連絡を取り合えるように、そちらの番号も教えて。いつかけてきてもいいから……」
「どちらに取りつけましょうか?」
「その色のしかないの? 黒だけ?」
「車に戻れば、赤と青の電話もありますよ。ご注文は黒電話だったもので。ですが、月々50セント追加料金をお支払いいただければ、他の色のに変えられます」
「あら、おかねがかかるの? だったら黒電話のままでいいわ」
「分かりました。それで、どこに設置しましょうか?」
「ベッドわきの、あのドレッサーの上にお願い」とモニカは答え、またも顔を赤らめた。ベッドのことを言った時だった。知らない男の人に自分たちのベッドを指さすのは、恥ずかしかった。このアパートの問題のひとつが、これだった。誰を招いても、自分たちのベッドを見せることになってしまう点。
この部屋には、実際、前に電話が引かれていたらしい。前まで住んでいた人たちが引いていたのだろう。その人たちは、電話をキッチンのカウンターに引いていた。
「だとすると、電話線をこっちまで伸ばす必要がありますね。でも、数分で済みますからご安心を。将来的にひとつの家に2台設置するのをお考えなら、月々たった2ドルで可能ですが?」
モニカは思わず笑ってしまった。「このアパートで電話を2台なんて考えられないわ。1メートルも離れていないところに、もう1台なんて、うふふ……」
彼女が笑った時に、胸が上下に揺れるのを、電話の男は見逃さなかった。
「分かりませんよ。友だちや親せきと会話するときのために2台欲しいというお客様も、割といるんです」
「なるほどね。でも、さしあたり、あたしたちは1台で十分だわ」
回線がすでにできており、壁の穴開け工事も不要だったので、電話機の設置自体はすぐに終わった。男が作業をしている間、モニカは、魅力的と言えるその男のところを見続けていた。彼の体を見ていた。
男性ふたりと経験を持ったばかりのモニカにとって、すべての男性が興味の対象になっていた。もちろん、セックスのためではないが、とにかく好奇心をそそられるようになっていた。
男はベッドに腰掛けるようにして作業していた。彼が座っている位置は、モニカが寝る時に、ちょうどお尻がくる位置だった。ジェフと一緒に寝る時、彼が右手を使えるよう、モニカは右側に寝る習慣になっていた。
今は夏の昼下がり。気温がどんどん上がっていた。電話の男は作業着を脱ぎ、シャツ姿になっていた。別に肥満体ではないが、彼はベッドに座ったまま、床に配線を固定するため前かがみになっていたので、ズボンの中から尻が少しはみ出ていて、尻の割れ目が見えていた。
それを見ただけで、モニカの心は、リチャードが敷いたレールに乗ってしまった。あのいち夜、カラダを重ね続けた結果、彼女の心にはしっかりと軌道ができていたのである。男性とふたりだけでベッドの近くにいることも相まって、彼女の心は、ほとんど自動的にセックスのことを思い始めていた。モニカはしばらく男の尻の割れ目を見続けた後、ベッドの反対側に回り、男の正面にくる位置に腰を降ろした。
電話の設置自体はすぐに終わったものの、電話会社から新しい番号の割り振りを待たなくてはならず、それは予想以上に時間がかかった。その間、モニカは彼に対面するようにカウチに座っていたが、ドレスの裾が膝上までめくり上がっていた。男はちらちら彼女のことを見ては、すまなそうな微妙な笑みを繰り返し浮かべていた。
ずいぶん待たされるのねと思いつつ、モニカは、男が目を離すのを待って、左側に体を伸ばし、サイドテーブルにあった雑誌を取った。その時、自然に脚を広げたのだが、それを受けて、スカートの裾がさらにめくれ上がった。
モニカは何気なく、その動きをしたのだが、そうしつつ、脚を広げた瞬間に男が視線を戻したことも充分知っていた。
彼は低い姿勢をしていたので、多分、脚の付け根まで見えていただろう。モニカは、それに気づきながら、少なくとも5秒くらいは、そんな脚を広げた姿勢のままでいた。その後、わざと雑誌の表紙を確かめ、興味がないようなフリをして、別の雑誌を取ろうと、また同じ格好になった。今度は前よりも脚を広げる形になった。
もちろんモニカは、この行為を意識してやっていたし、楽しんでもいた。初めての体験ということもあって楽しかった。自分は主婦で、立派な大人となって、自由に行動できている。そして、今は男性とふたりきりで部屋にいる。その男性は、自分に対して性的な想像をしてると知りつつ、そうしてる。
背伸びするようにして、別の雑誌を選ぶフリをした。わざと脚をさらに広げて。今度は、パンティがちらりと見えたばかりか、白いパンティだというのも見えていたはずだし、かすかに陰毛の影も見えていたはず。どのくらい見えているのか分からなかったので、モニカは、しばらくその姿勢のままで、何か特定の雑誌を選んでるフリを装った。これだけ時間をやったら、ちゃんと見えてるはず……そう思えるまで。
チラッと男に顔を向けたら、男は素早く視線を外した。「あら、いやっ!」と言いながら、スカートがめくり上がってることに初めて気がついたフリをし、つつましやかに、裾を元に戻した。もちろん、男は見てないフリをしつつ、ずっと見ていた。
テストの通話をした後、彼は紙にメモし、モニカに手渡した。「はい、これが新しい番号です」
「それに運がいいですよ、奥さん。今のところ、共同回線ではなく個人回線として電話を使えます。隣のブロックの人はできないんですがね。その状態がいつまで続くかは保証できません。誰かが後で回線に加われば変わります。ですが、今のところ、共通回線をお客様だけで独占してる状態ですよ」
「ということは、共同回線の安い料金のままということ?」
「そうです。今のところは。誰かが新たに加入するまで、この状態です」
「良いわね。ありがとう」とモニカは立ち上がり、彼から書類を受け取った。「電話をつけるなんて思っていなかったわ。これで、うちの親と話せるばかりか、夫が出張しでも、話せるようになる」
モニカの頭の中では、すでに、ジェフが出張したときに電話越しのセックスをすることも考えていた。誰に聞かれることもないと分かれば、気になることは、時間と料金だけとなる。
「ご主人は出張中なんですか? あなたのような美人の奥さんをひとりにしておくなんて、残念だなあ」 男はそう言いながら、またも、視線をモニカの全身に走らせた。そして、モニカも、脚の間が疼くのを感じた。いまや、お馴染みの感覚になっていた。
モニカは、自分がいかに危険な状態にいるかに気づき、顔を赤らめた。今だけではない、いつも危険な状態にいる。「あ、でも、そんなに長く家を空けてるわけじゃないんです・時々、半日程度、町を離れる感じ」
モニカは嘘をついた。こう言っておけば、多少は安全だと思ったから。半日程度と言えば、夜は独りではないと分かるはず。
男は何かうまいことを言おうと頭を巡らせた。この会話を何か性的なものに変えることはできないだろうか、と。「それは淋しいですよね。でも、ご主人が泊りがけの出張に出たときには、これからは電話があるので、ご主人とお話ししながら、ベッドですごく気持ちよくすごすこともできますよ」
モニカは顔を赤らめ、今の言葉の性的な面に気づいたことを示す言葉を言った。「ええ、そういうことがあったら、楽しいわね」
電話男は思った。電話の取り付け作業で奥さんしかいない場合が割と多いのだが、そんな場合、普通、電話をベッドサイドに置くということはない。これは稀有なチャンスかも。しかも、この奥さん、若いし、可愛いし、こんなに良いカラダしてるのは見たことがない。
他の主婦たちと会話してきた経験から、男はさらに性的な会話につながりそうな言葉使いをした。「ええ、料金がすごく高くなるのは残念なんですがね。話しの内容によっては、長距離電話でするには長くかかりすぎることもあるし……」
それはモニカも言いかけたことだった。彼女が思ったことは、夫婦の一方にとっては長くかかりすぎるかも、ということだった。
そういう返事をしていたら、この男が会話をリードする可能性が無限に広がったことだろう。だが、モニカが実際に発した言葉は違った。「でも、主人は泊りがけの出張はしないから、長距離電話の料金についてはあんまり心配しなくてもよいかもしれないわ」
心の赴くままに話しを進めたら、どこまで行ってしまうか、不安になったのだった。……いけないわ。あたし、知らない男性に何かエッチなことを告白してしまいそうになっていたかも。
カウチに座り、彼が働く姿を見ながら、モニカは夢想していた。男が情熱的にキスをした後、ドレスを脱がすのを。そして、乳房が露わになると、男は前かがみになって覆いかぶさり、乳首を口に含むのだ。
さらに、男のペニスについても思いを巡らしていた。あの作業着のズボンの中に、どんなものを隠しているのだろう? リチャードとセックスした間、彼はしきりに自分のペニスとジェフのペニスを比較していた。それに慣らされたモニカは、当然のように、他の男性を見ても、彼らのペニスについて想像してしまうのだった。
そして彼女はあることを思いついた。リチャードに教わった、口で男性を愛してあげる行為である。アレをするとしたら、そんなに時間はかからない。それに、ジェフとリチャード以外の男性のアレがどんなふうになってるのかも知りたい。リチャードには、夫にはフェラをしないと約束したけど、夫以外の男性に対しては、何も約束してないもの。
もし、モニカが彼のペニスを見ることができていたら、彼女は、リチャードばかりでなくジェフのよりも短いものの、ふたりよりも太いペニスがあることを知ったことだろう。驚くほど太いわけではないが、根元から先端にわたって全体的に太いペニスだ。それを中に入れられたら、恐らくモニカは目を丸くして驚いたことだろう。
モニカは、危うくフェラのことを言いそうになっていた。それを思っただけで、彼女の顔は真っ赤になっていた。男はモニカが顔を赤らめたのを見て、どうして赤くなってるんだと、いぶかしく思った。
電話会社の男は、ちょっと名残惜しそうにドアのところで立ち止まった。モニカは、特に何も考えず、手を差し出し、握手を求め、男はその手を握った。「ありがとう」とモニカは言ったが、男は単なる握手にしては少し長すぎる時間、彼女の手を握っていた。
モニカは、ドレスの薄い生地を通して、勃起した乳首が男に見えているのを、はっきりと自覚していた。
「こちらこそありがとう」と男は手を握ったまま答えた。「奥さんのおかげで、私の今日一日が明るくなりましたよ」
モニカは、危うく男を自分に引き寄せそうになった。本当に危なくそうしそうだった。何とか自制心を駆り立て、彼女は顔を赤らめながら手をひっこめた。「それじゃあ。本当にどうもありがとう」
モニカは男が階段を降り始め、いったん立ち止まり、こちらを振り返り、手を振るのを見た。男はしばらく彼女の全身を眺めた後、彼は再び階段を降り始めた。モニカはそれを見届けた後、ドアを閉め、溜息をついた。
あの人は、スカートの中、太ももの奥の下着のところまで全部見ていたはず。そこまでは、モニカは確信していた。
彼女が知らなかったのは、男が階段の途中、彼女を見上げた時、少し脚を広げて立つモニカの脚から、脚の付け根に至るまで、しっかりと見ていたということだった。部屋の奥から差す日差しを受けて、彼女の薄地のドレスは、半透明の状態になっており、男に彼女の下半身の輪郭をはっきりと見せていたのだった。
パンティの中、陰毛で盛り上がってる部分ですら見えていた。もし彼女がパンティを履いていなかったら、男は、彼女の陰唇の形も見ていたことだろう。
電話会社の男が帰った後、モニカは受話器を取った。この地域は、まだ直接通話ができなかったので、交換手が出てくるまで10秒ほど待たなければならなかった。
「交換さん? 長距離通話をお願いします……」
モニカの両親が通話代金を払ってくれてたので、コレクトコールをする必要はなかった。
電話がつながり、モニカは母親と話しをした。両親とも元気だと知った。
長距離通話のことについて聞いたら、母親は、リチャードが出張したときとか、彼が電話をするなら、コレクトコールでしたほうがいいと答えた。というのも、ホテルの部屋からの電話は余計な料金を加算されるものだからと。でも、コレクトコールをするにしても、できるだけ会話を短く切り上げなくてはだめだとも。
ともあれ、モニカは、もうアパートにひとりきりで孤立することはないと思った。長距離電話をかけると分刻みで話しをしなくちゃいけないし、おカネもかかるのは事実だけど、ジェフがシカゴに出かけたときも、話しはできる。コレクトコールを使わない場合、公衆電話で25セント硬貨を山のように積み上げておくか、後からホテルにチャージされることにはなるけれど。
電話を設置した翌日、ジェフは再びシカゴ出張を命ぜられた。そして、再び、モニカは夜の間、アパートにひとりきりになる日が来たのだった。
階段のきしむ音を聞き、モニカはカウチから飛び跳ねるようにして、立ち上がった。リチャードがまた来てくれた! モニカは、彼が来たら、この前と同じことをするつもりでいた。もう抵抗したり、ためらったりはしない。あの電話会社の男の人のせいで、すっかり、その気になってしまっていた。ジェフは疲れていたのか、出張前夜に彼女を抱かなかったことも、モニカが高まっていた原因になっていた。
ドアの前、モニカはドレスの上のボタンを外した。胸の谷間が見えている。
ノックの音が聞こえ、わざと2秒くらい待った後、モニカはかすかに笑みを浮かべながらドアを開けた。だが、その笑みはすぐに消えた。「え? 何?」
ドア先にいたのはリチャードだったが、彼の他にもうひとり、男性がいたのだった。とても大きな体格をした男性だった。そびえ立つようにしてモニカを見下ろしている。リチャードよりも10センチ以上背が高い。
「モニカ、こちらはチャーリーだ」と彼の方を指さした。「彼はシカゴの有力者のひとりなんだ。チャーリーは、今夜、こっちに用事があって来たので、ついでに組織の一番新しい女性を紹介しようと思ったんだよ」
チャーリーという男は、すぐにモニカのボタンを外した胸元に目を向け、すぐに彼女の瞳に視線を移し、その後、彼女の背後の部屋の中へ視線を走らせた。
別に招き入れたわけでもないのに、チャーリーはモニカの横を通り抜け、何も言わずにずうずうしく部屋の中に入った。わずかな家具しかない部屋を見回し、彼は頷いた。「確かにな。これだと、生活を続けるには、ちょっと援助も必要だろう。このモニカって女が本当にいいオンナなら、2週間くらいで俺のシマに異動してもらうよう、取り計らってもいいぜ」
いつか、こういうことになるかもしれないとはモニカにも分かっていたが、今、ここでとは思っていなかった。シカゴに移るまではこういうことは起きないと思っていた。予想したより早く起きてると思った。
「あのベッドとキッチンのテーブルと椅子2脚以外には、持ってる家具は、このカウチだけなのか?」とチャーリーが訊いてきた。
「ベッド」という言葉を聞いて、心臓がドキドキするのを感じつつ、モニカは頷いた。「このアパートは家具が一部だけだなの。カウチとベッドと、テーブルと椅子。あとは冷蔵庫だけ」
チャーリーは微笑んだ。「ということは、自分のモノと言える家具はひとつもないんだな」
「ええ。まだ……」
モニカは、この男を注意深く観察した。ひとつだけ確かなことは、この人が魅力的な男性であるということ。それに加えて、妙に強い男っぽさもあった。モニカはあそこが疼き始めるのを感じた。
「あの……本当にあたしたちをシカゴに移してもらえるんですか? 給与も大きく上がると?……」 モニカはおどおどしつつ尋ねた。
チャーリーは大きな声で笑いだした。「なんでだよ、当たり前だよ、モニカちゃん。アハハ。俺にはできるぜ。もちろん、あんたの旦那さんは、今のまま、良い……労働者として働いてもらうのだけどな」
モニカは「ちゃん」付けで呼ばれ、ドギマギした。驚いたわけではなかったが。
「ええ、そこは分かっています。ミスター……チャーリーさん。ジェフはとても良い労働者としてお役に立つと思います。がっかりさせません」
そう答えながら、モニカは、すぐに「良い労働者」とならなくてはいけないのは誰であるかを知っていた。そう、多分これから数分も経たずして、「良い労働者」であることを示さなくてはならないだろう。
チャーリーはモニカを上から下までじっくり見た。特に胸のところを長々と見つめる。「で、お前はどうなんだ? お前も組織に忠実なメンバーになるのか? 中に入るつもりなのか?」
モニカはうなだれた。足元を見つめながら、小声で言った。「ジェフが出世するためなら何でもするわ。それに、シカゴに移りたいと思っているし」
「何でもする」という言葉で、彼女は同意を示したのだった。気持ちのことを脇に置いて、冷静に人間関係を考えれば、この男性は、自分の夫の上司の上司なのである。リチャードとの間で何らかの愛情があるとしても、それは、この男性との関係では当てはまらない。
チャーリーはニヤリと笑いながら、モニカに近づいた。そして、少し前かがみになり、彼女のドレスの裾を掴み、その後、急にすっくと直立した。モニカは驚いて跳ねあがった。男が直立したのに合わせて、スカートがめくり上がり、パンティもガーターベルトも、ブラジャーも露わになったのだった。
モニカはチャーリーを睨み付けたが、彼は優しそうな笑顔を見せた。彼のそんな笑顔を見たのは、この時が初めてだった。その顔を見てモニカは少しだけ安堵したと言える。ひょっとすると、この人も普通の人かもしれない。モニカも彼に笑顔を返した。
「そういう顔がいいな。あんたも分かったようだな。ジェフはちゃんといい仕事につけると保証してもいいぜ。さあ、両腕を上げてくれないかな?」 彼はまだドレスを握ったままだった。
その間、リチャードはカウチの方に移動していた。カウチに腰を降ろしながら、チャーリーが、バンザイをしたモニカからドレスを脱がせるのを見ていた。一時的に彼女の顔がドレスの陰に隠れる。再び彼女の顔が現れたとき、頬は紅潮していた。脱がされたドレスが椅子へと放り投げられる。モニカはうつむきがちに、視線で放り投げられるドレスを追った。
この展開は、リチャードの時と全く同じだった。チャーリーはリチャードを介してモニカへ接近し、数分も経たないうちに彼女は性的な行為を受け入れることに同意してしまったのである。そして今は、ブラジャーとパンティとガーターベルトの姿になって肌を露わにしている。
こういうことに慣れているのか、チャーリーは事を急がなかった。まずはじっくりとモニカの胸を見つめた。ブラジャーに覆われていはいるが、固くなった乳首は、締め付けているはずの生地の裏からはっきり浮き出て見える。チャーリーは乳房の下側に両手を添え、数回、ぶるぶると揺さぶった。
「いいねえ、じつにいい。早く、このブラを外して、中を見てみたいな」
そう言うとチャーリーはモニカの両肩を優しくつかみ、後ろ向きにさせ、ブラのホックを外し始めた。
背中でホックが外されたのを感じ、モニカは両腕を上げ、チャーリーが彼女の腕からブラのストラップを脱がすことができるようにした。その間、彼女はリチャードと顔を合わせていた。リチャードはモニカが両腕を上げるのに合わせて、彼女の乳房が同じ方向に持ち上がるのを見て、嬉しそうに微笑んだ。モニカは、そんなリチャードの笑い顔を見ていた。
モニカはリチャードから目をそらし、壁を見つめた。ストラップが両手をすぎた後も、彼女は両腕を上げたままでいた。チャーリーは、ブラを外した後、脇の下から手を差し入れ、乳房に触ってくるはずと思ったから。他の女の人の胸をじっくり見たことがないけど、ジェフやリチャードの反応を見ると、あたしの胸は男の人には魅力的に映っているのかもしれない。多分、このチャーリーという人も同じ。あたしの胸をすぐにでも触りたいと思ってるに違いないわ。
ブラジャーが床に落ちた。チャーリーはモニカを前向きにさせ、ぐいっと自分に近づけた。そして大きな両手でモニカの乳房を覆った。張りのある、グレープフルーツほどのサイズの乳房。その量感や張りに嬉し笑みを浮かべつつ、彼は指の間に乳首を挟み、コリコリと揉みしごいた。左右の乳首はみるみる勃起していく。
「おお、このおっぱい、いいなあ。実にいい」とチャーリーはつぶやいた。胸を揉まれ、モニカは屈服したかのように顔を彼の胸板に寄せ、両手を彼の胸に沿えた。
チャーリーは、この反応を見て、モニカが今の状況を受け入れたことを察知した。ここから後は、この女は俺のモノになったな。俺が望むだけずっと俺のモノだ。少なくとも、今夜、夜が明けるまでは俺のモノだな……。
「綺麗なおっぱいだな」 チャーリーはモニカの乳房を握り、乳首をいじりながら言った。モニカは彼の胸に両手を添えていたが、今は、肩に近いところに移動した。そして、再び顔を彼の胸板へと押しつけている。
チャーリーは、モニカとふたりっきりになれたらいいのにと思った。すでに、この女は俺と気持ちの上で「つながってる」と分かるし、もし、優しく愛しあいキスをするというルートを進んだら、この女は確実に温かい反応をするはずだと思えるからだ。単なるカラダだけの征服より、気持ちの入ったセックスの方が何倍もいいのは自明だ。
この可愛い人妻は、こんなにも無邪気な顔をして、こんなにも優しそうなのだが、この状況を理解し、それに合わせた行動をとるまで、1分ほどしかかからなかった。何て女なんだ。いや待てよ、ひょっとして、彼女は俺のことを魅力的と思っているのかも知れない。だからこそ、こんなに素直に俺の気持ちに合わせた行動をとってるのかもしれない。
モニカは夫のためになりたいと思ってる。ここがカギだ。これをできる限り楽しいことにするには、モニカに常時、夫のことを頭に浮かべておくようにさせることが必要だ。
それにリチャードがここにいて、俺たちのことを見ているのも厄介だ。これだと状況が一方向にしか行かない。このままだと、モニカは俺とセックスするにしても、愛し合う行為にはならない。ただの肉体の結合だけのことになってしまう。
チャーリーは念を押すために、再び、モニカの夫のことを口にした。
「ああ、ジェフならきっとシカゴでもうまくやれると思うぜ。さて、俺はこのベッドのカバーを剥がすから、その間、そこに立って待っているんだ。その後、そのパンティを脱ぐところを見せてくれないか」
リチャードの時は、モニカはカウチを使ったが、今回は、カウチにこだわることはしなかった。なんとなく、もし、このチャーリーという男性とイヤラシイことをしなければならないとしたら、ベッドで行いたいと思った。こんなに大きな体をしている男性だと、ベッドでないと思うように動けないかもしれない。
それに加えて、リチャードにちょっと仕返しをしてやりたい気持ちもあった。リチャードにはカラダを許し、気持ちを通じ合ったと思ったのに、彼は、この男性を連れてきてあたしの体を抱かせようとしている。あのベッドの上でこの男性に抱かれ、リチャードに見せつけてやろうと思った。
チャーリーはベッドのシーツを剥がすと、モニカの方を振り向いた。モニカは片手の指をパンティに引っかけて待っていた。
今夜はリチャードが来ると期待して、モニカは特別の下着をつけていた。黒のガーターベルト、白いパンティ、それに茶色のナイロン・ストッキング。この時代の貧しい若妻にできる、いちばんのセクシーなランジェリーだった。リチャードもチャーリーも、揃って彼女の姿を見つめた。
「これ、脱いでほしいの?」
チャーリーは愛らしいモニカの姿を堪能しながら、答えた。「ああ、そうだよ。それを脱いで、本当のお前を見せてほしい」
モニカは、ゆっくりとパンティを脱ぎ降ろし、そして、恥ずかしそうに顔を上げた。
「そこの毛を手入れしているようだね。綺麗だよ。じゃあ、今度はポーズをとって見せてくれるか?」
モニカが取ったポーズからすると、彼女にはモデルの才能があったのかもしれない。部屋にある唯一の窓のところに行き、少し誇らしげに微笑みながら、後ろで両手を組み、胸を前に突き出して見せた。中央時間帯でのサマータイムであるので、そろそろ夜の8時に近づきつつも、窓から夕日が差しこんでいた。
「すごい、信じられないよ。この娘は本当に美しい。こんな綺麗な女が、田舎の若者と結婚したなんて」 チャーリーはモニカの目を見つめ、言った。「君は大都会に行くべきだな。そこなら、君の女性としての真価をちゃんと認めてもらえるはず」
おだてられてモニカは微笑んだ。「あたし、まだ17歳なのよ。女性と呼ばれるなんて、まだ……」
……信じがたいとチャーリーは思った。まだ17歳で、これから知ることが山ほどあるわけか。ならば俺がたっぷり教えてやることにしよう……
チャーリーは、改めてモニカのカラダを眺めた。「きれいだなあ。君、本当にきれいだよ」
「ちくしょう! モニカがこういう格好して待ってると知ってたら、俺ひとりできたのに」とリチャードが口をはさんだ。
チャーリーはリチャードのことは笑ってやりすごし、モニカに話し続けた。「君はいつもガーターベルトとストッキングの格好でいるのかな?」
モニカは溜息をついた。「いいえ、今夜、リチャードが来るだろうって思って……」
「いや、俺は来たぜ、ちゃんと?」
またもリチャードが口をはさんだが、その口調は大人の男というより、不平を言う子供のような口調に聞こえた。モニカは優しい笑顔で頷いたが、目はチャーリーを見つめたままだった。
リチャードはカウチから離れたものの、立ったままだった。おそらく、立ったままでいた方が、裸になるモニカをよく見ることができると思ったからだろう。このアパートにはカウチを除けば、椅子は2脚しかない。その両方ともキッチンテーブルにあった。
「もう一度ポーズを取ってくれないか? 俺はこんなセクシーな女性を見たことがないんだ」とチャーリーが言った。
モニカは今度は両手を腰に当て、チャーリーの目を見つめながら、ちょっとふくれっ面をして見せた。明かりが差す窓を背に、ベッドの前、ポーズを取って見せる。前髪が顔にかかり、少し妖艶な雰囲気が出ていた。
……この女が17歳だなんてあり得ない……とチャーリーは思った。だが実際は、モニカは16歳から17歳になって、まだ数日も経っていないのである。
この肌はどうだ? 両腕から胸元にかけての、この健康そうに日焼けした滑らかな肌!
顔はどうだ? 可愛らしいく、若々しい。しかも、幼そうとも、ちょっと小生意気そうともいえる表情。この顔が快感を受けたら、どんな表情を見せるのだろうか?
そして、この胸はどうだ? 見事に育った豊満な乳房が、若干、左右外側へと顔を向けている。これほどの大きさなら、どんなに手が大きい男でも、手一杯になるに違いない。
ウエストはどうだ? キュッと狭まる腰と平らな腹。妊娠してるとは言え、まだ膨らんだ様子はまったく見えない。この腹が、そのうち、徐々に膨らんでくるというわけか。
さらに下へ移って、アソコは? 薄い茶色の毛に覆われた部分の魅力は言いようがない。実のところ、モニカは、まさにこの日、剃刀を使って、初めてその部分の手入れをしたのだった。この前、リチャードが来た時のことを思い出したからだった。彼女は中心部だけは残し、左右のサイドは綺麗に剃った。その効果は見事だった。リチャードも、モニカのその部分のこの姿を見るのは初めてだったし、もちろん、彼女の夫は見てもいない。
そして、モニカの美しい脚。まだ、黒ストッキングを履いたままで、パンティを脱いだ姿でのストッキングとガーターベルトが織りなすラインは、扇情的としか言えなかった。
そんな姿のモニカの横にはベッドがある。夫とだけ一緒になるべき夫婦のベッド。
モニカは、そのベッドに座り、片手で胸を隠しつつ、ハイヒールを脱ぎ始めた。ストッキングを脱ぐためには、まずはヒールを脱がなければならない。
「いや、それはそのままで」とチャーリーが言った。「女は、ヒールとストッキングをつけたままベッドに上がるのが最高にセクシーなんだよ」
モニカは、不思議そうな顔をしてチャーリーを見た後、ゆっくりと、その美肉のカラダをマットレスへと倒した。仰向けになりつつ、両肘で上半身を支えつつ、ゆったりと仰向けになる。チャーリーはすかさず、彼女の背に手を差し入れ、優しく枕を差し入れた。彼女の頭の位置に来るように、枕を入れる。モニカはそれを受けて、ゆったりと仰向けに横たわった。
チャーリーはモニカに体を寄せ、ゆっくりと太ももの内側を撫で始めた。モニカはそれを受けてぶるっと体を震わせた。だが、チャーリーは決してアソコには手を近づけない。
リチャードは、チャーリーが愛撫を始めると、タバコを取り出し、口に咥えた。
その間、モニカは掃除のことを考えていた。明日は、ジェフが帰ってきた時、何も気づかないように部屋をきれいに掃除しなければと。
リチャードはいったんその場を離れ、ベッドの後方に椅子を持ってきて、座った。チャーリーがモニカに少し脚を開かせるのを見て、彼は自分に見せようとしてると分かり、微笑んだ。
「そう、そんな感じ。もうちょっとだけ広げられるかな? 俺がプレーしてる間、リチャードによく見てもらえるようにね?……」
モニカは顔を紅潮させながら、頭をもたげ、ベッドの裾の方を見た。開いた脚の向こう、リチャードが座って、こっちを見てニヤニヤしてるのが見えた。
「リチャード、あなた……」と言いかけたが、今はチャーリーが主導権を持っているのを思い出し、チャーリーに問いかけた。「……リチャードは見るつもりなの?」
モニカは、今はチャーリーが中心人物なのであり、彼がすべてを決めるのだろうというのは分かっていたが、ふたりがどんなことを計画しているのか、まったく知らなかった。
チャーリーは明るい笑顔で答えた。
「ああ、そうだよ。リチャードに見せてあげるつもりだ。でも、彼はすでに君の裸を見ているだろ? だから、見せてあげても構わないんじゃないかな?」
「そうね……だったら構わないかも……」
モニカは優しくつぶやき、その後、チャーリーに指示されたとおりに、脚を広げ、ふたりの男に秘密の部分を露わにした。
露わになったモニカの陰部に目を落としつつ、チャーリーも優しい声で囁いた。
「多分、君のソコは俺が見たことがあるうちでも一番美しいモノじゃないかと思うよ」
その声には、ほとんど美をあがめる雰囲気すら籠っていた。チャーリーは、ズボンの上から自分の盛り上がった股間を撫でながら、モニカに囁き続けた。
「じゃあ、今度は、そこの唇を自分で広げてくれないか? もっとよく見たいんだ」
デートか何かで、モニカとふたりっきりでいて、セックスへと誘惑する過程だったら、このようなことを頼むことはなかっただろうとチャーリーは思った。少なくとも1度は体を重ねた後で、互いのことをもっとよく知り合った後でなければ、こういうことは頼んだりしない。だが、今は、この場にリチャードがいるのだ。むしろ、リチャードという観客がいることで、大胆になっていさえした。
それはモニカも同じだったかもしれない。ためらいつつも、両手を股間に持っていき、恥ずかしそうに、そこの唇を左右にゆっくりと少しだけ広げた。
またも彼女は顔を真っ赤にさせた。これをチャーリーのためにして見せていることも恥ずかしかったが、リチャードの見ている前でしていることも同じくらい恥ずかしかった。
すでにモニカの心の中では、リチャードは愛人という立場から、他の男性との行為を見る観客へと変わっていた。もはや、彼に感じていた、特別に親密な男性という感情は消えていた。
「もっと広げてくれる? もっとよく見たいんだ」
モニカは言われたとおりにした。チャーリーはそこの部分を見つめながら舌なめずりした。
「ああ、すごい! やっぱり思った通りだよ。これは、完璧に美しい! 間違いようがないよ。俺が見たなかで一番美しい逸品だ!」
そのお世辞に応えるかのように、モニカはさらに広げようと左右に引っ張ったが、それは無駄だった。
「もうそれ以上は無理だよ。それだけ小さくて締まりが良い穴だということ。最初にそこを破ったのが俺じゃなかったなんて、本当に残念だ。でも、それだけ小さいところを見ると、俺でも、ある意味、君の処女をいただくことになるかもしれないね。これを見てごらん」
チャーリーは横たわるモニカのすぐ近くに立ち、ベルトを緩め、ズボンを降ろし始めた。リチャードは目を見張り、モニカはハッと息を飲んだ。
それは、すでにトランクスの前窓から外に出ており、にょっきりと突き立っていた。まさに巨大と言える代物だった。リチャードのそれより5センチは長いし、太さも上回っていた。先端の大きなコブのような亀頭は、真っ赤になっていて、怒り狂っているように見えた。
モニカは恐怖と興奮が入り混じった目でそれを見つめた。頭の中で計算をしていた。……ジェフは多分13センチくらいで、リチャードは16センチくらい。でも、この人のは20センチ以上はあるかもしれない!……
リチャードはたばこに火をつけたが、その手は震えていた。チャーリーがモニカに話しかける声が聞こえた。
「心配しなくて大丈夫だよ、モニカ。怖がってる目で見ているようだけど、大丈夫」
そう言ってチャーリーはトランクスを脱ぎ、蹴るようにして脇によけ、モニカとリチャードの前に直立した。完全に素っ裸で仁王立ちしている。そのそびえ立つペニスを、リチャードとモニカのどちらがより熱心に見つめていたのか、それを答えるのは難しいだろう。
チャーリーはペニスを握り、何回かしごいてみせた。しごくたびに、亀頭を半分覆う包皮が剥けては元に戻るのを繰り返した。
「で、俺が知ってるところだと、君とヤル男は俺が3人目になるんだよね?」
「2人目だわ」とモニカは素早く答えた。
チャーリーは顔をしかめて、リチャードの方を見た。「2人目?」
「ええ。夫とは愛し合ったの。そして……」 モニカはちょっとためらったが、「そして、リチャードとはヤッたの」
「ああ、そういうことか」とチャーリーは笑った。「そういうことなら、それに合わせてあげるよ。俺の前には、君がヤッた男はひとりだけ。君が愛し合った男はひとりだけ。じゃあ、よく『3回目はヤミツキになる』と言われるけど、それはどうかな? 愛し合うにせよ、ヤルにせよ、どっちにしても俺とのが最高ってことになると思うよ」
「最高かどうかは分からないけど……」とモニカはチャーリーが見せびらかしているペニスを見つめながら答えた。「でも、あなたのが一番大きいわね」
チャーリーはモニカが恐怖を感じているのを見た。
「優しくするから大丈夫だよ。コレを何とか中に入れたら、すぐに、君は慣れるようになるから。その後は、コレを愛するようになるかもしれない。たいていの女はそうなったしね。俺の知ってる女たちは皆、コレが欲しいっておねだりするようになるんだ」
チャーリーはそう言いながら、もう一回、しごいたが、その拍子にプレカムが出て、とろりと一筋の糸になってモニカの左脚のすねに垂れた。
「あっ、ごめん。標的を間違えたようだ」 とチャーリーは笑った。それから、ズボンを拾い上げ、ポケットの中からコンドームを取り出し、包みを開けようとした。
「その必要はないよ、チャーリー」とリチャードは笑った。「言い忘れていたが、彼女は妊娠しているんだ!」
嬉しい話を聞いて、チャーリーはくすくす笑い、コンドームをポケットに戻した。「それはいい! 生肌でヤル方がずっといいからな。それに、ゴムを装着するのが大嫌いなんだ。俺にはきつすぎるんだよ!」
「まあ、そうだろうな」とリチャードはチャーリーの勃起を見つめながら答えた。
「ただ、ひとつだけ楽しんでることがあって、それは、ゴムをつけなくちゃいけない時に、女にゴムをつけさせることなんだ。さっきのゴム、包みを破いてしまったから、遊びで彼女につけさせるのも面白いかもな、アハハ」
この時も、モニカとチャーリーの関係はリチャードを介してだった。チャーリーとリチャードは、モニカをモノとみなしたような会話をしていた。チャーリーは、そういう会話をしてモニカがどう思うかを知っていたが、今はこれでも構わないと思っていた。時間が経てばいずれ、モニカともっと気持の上でつながるようになるだろうと踏んでいたからだった。
チャーリーは、何の予告もせずに大胆に手をモニカの股間に持っていき、手のひらで陰部全体を覆うようにして前後に動かした。親指では淡く茂る陰毛の感触を楽しみ、他の指では湿った陰部を上下になぞる。そうした後、いきなり、中指の先端を彼女の中に挿し込んだ。
「あっ!」 モニカは思わず息を飲んだ。
「きついな。本当にキツイ。このキツさ、俺も味わわないわけにはいかないな」
チャーリーもモニカも、興奮で心臓を高鳴らせていた。だが、見ているリチャードも、このふたりに負けず劣らず興奮していた。
彼は、チャーリーがベッドに上がり、モニカの脚の間に割り込み、いよいよ挿入の態勢になるのを、ドキドキしながら見ていた。チャーリーが孟狂うペニスをモニカの小さな割れ目にあてがうのが見える。それを受けてモニカが体を震わせた。未だ挿入してないソレは、入口に頭を寄せても、ビンっと跳ね上がり、入口に留まっていることはできない。跳ね上がると同時に、先走りがトロリと糸を引いてモニカの中心部に垂れ落ちるのが見えた。
今、ふたりが体を接している部分が何か所かある。まずは、入口と先端だけとは言え、性器が触れ合っている。ふたりの脚も接触している。モニカの太ももの内側と、チャーリーの太ももの外側だ。そして、彼の両手は再び彼女の乳房を覆っていた。
モニカは思った。チャーリーがあの大きなモノを本格的に挿入し始めたら、あたしたちは、もっともっと接触の範囲を広げていくことになると。それを恐れる気持ちはあったが、同時に彼女は激しく興奮していた。モニカは、自分でもなぜかは分からなかったけれど、チャーリーには、できることなら、挿入した後、唇を吸ってほしいと思った。キスしてほしいと。
「教えてほしいんだが、君は本当にまだ17歳なのか?」
急に言葉をかけられ、モニカは少し驚いた。「え、ええ……ついこの前、17歳になったばかり」
「そうか、俺には、10代の女とセックスするのは、本当に久しぶりだ。実際、最後に10代の女の子とセックスした時は、俺自身も10代だったが。アハハ」とチャーリーは笑った。
「ともかく、君は結婚してるわけで、法律上は大人と言える。だけど、まだ、こんなに若いわけだから、まだまだ、知っておくべきことがたくさんあるな。どうだ? いくつか技を覚えたいと思わないか? その過程で君を本当の大人のオンナに変えてあげられるかもしれない」
「あ、あたし……よく分からないけど、構わないと思うわ。先週は、リチャードからいろいろ教わったし……」 とモニカはリチャードの方に目をやった。
「ああ、リチャードからは話しを聞いてるよ。君は、本当にハメ甲斐のあるいいオンナだって言ってたよ。まあ、俺にも俺なりに君に教えてあげられることがあるけどな。心の準備はいいかい?」
この時まで、モニカは、リチャードとの間に精神的なつながりがあると思っていた。特に、リチャードに、口唇セックスとアナルセックスをふたりだけの行為にするよう頼まれた時、そういう心の絆ができたものだと思っていた。だけど、リチャードが別の男に、自分のことを「ハメ甲斐のあるオンナ」と言ったと聞いて、そのような気持ちが薄らいでいくのを感じた。
「い、いいわ……して?……」
そう言いながら、モニカは股間に手を伸ばし、チャーリーのペニスを握った。ふたりがしゃべっている間に、それは中心部から逸れた方向を向いていたのだった。
手の2本の指でソレを握り、その太さを実感する。モニカは心臓が高鳴るのを感じた。モニカは、注意深くその先端を自分自身の穴の入口へと導き、改めて仰向けになり、目を閉じた。
「ヤッテって、言ってくれるか? 自分の口でヤッテって」 前の時も同じだが、チャーリーは、もし、この場にリチャードがいて観ていなかったら、こういうやり方でモニカの体を奪うことはしなかっただろう・
「や……ヤッテ……。お願い。ヤッテほしいの……」 モニカ自身、これを待ち望んでいたように聞こえる声だった。
ゆっくりとチャーリーは挿入を開始した。それを受けてモニカは苦しそうな喘ぎ声や、小さな悲鳴を上げ続けた。リチャードはタバコをゆっくりと吸いながら、彼女の声を聞き続けた。チャーリーは頭部は入れたものの、さらに挿入しようと小さく突きを送るが、なかなか入っていかず、代わりに彼のペニスは中折れを繰り返した。
「ああ、ちくしょう!」 チャーリーは誰に言うともなく悪態をついた。「この女、本当にキツイんだ。デカいちんぽを持ってる者の問題がこれだ。女の中には、なかなか入れられない女がいる。どうやら、まず最初に、ちょっとこの女を広げておかなくちゃいけなそうだぜ」
そう独り言を言うなり、チャーリーは腰を引き戻し、下方へと体をずらし、モニカの陰部に顔を寄せた。そしてあっという間に彼女の股間に顔を埋めた。そこには彼自身が出した先走り液がついていたが、まったく気にしないようだった。
チャーリーはどこをどうすべきか、充分に心得ていた。モニカは、チャーリーの舌が仕事を始めるのを感じ、すぐに片手を彼の後頭部に添えて、それを享受した。
2分もかからぬうちに、モニカは悩ましい声を上げ始めた。腰が上下に波打ちし始め、腰を突きあげるたびに、チャーリーの頭を押さえる手に力が入った。チャーリーは、実に巧みにモニカを焦らし続け、オーガズムの寸前へと追い込んだ。それも一度に限らず何回も。その度、モニカが限界を超える直前で愛撫を止め、彼女は切なそうな声を上げるのだった。
それを繰り返した後、ようやくチャーリーは顔を上げ、激しく波打つミルク色の乳房の向こう、モニカの顔を見た。
「いまのはどうだ? これなら、がっちりハメてもらうカラダになってるんじゃねえか?」
モニカは顔を真っ赤にして、うん、うんと頷いた。そしてチャーリーの耳たぶを掴んで、引っ張り、自分の顔へと近づけた。
男の耳を掴んでセックスの態勢を取らせる。そんな切羽詰まった行動を見て、ふたりの男は、モニカが突然、性欲に火がついたように見えたかもしれない。だが、実際は、モニカの心の中では、チャーリーが挿入を試みた時からすでに体の炎は燃え盛っていたのだった。
ともあれ、モニカの乱暴な行為に笑いながら、チャーリーは再び彼女の上にのしかかった。美しく若々しい女体を見下ろしながら、ペニスを濡れて輝く女陰に注意深くあてがった。そして、その姿勢のまま、一度だけ根元から先端まで、ミルク絞りをするようにしてしごいた。鈴口から粘着性のある先走りが、一筋、とろりとにじみ出て、モニカのバギナに垂れ落ちた。
「俺のこいつが上手くお前のマンコにハマるように、もうちょっとヌルヌルを加えなきゃな。もうこれなら、お前は充分に濡れてるし、準備も良いな」 すでにチャーリーからは紳士的な言葉使いは消えていたが、モニカは全然気にしなかった。
チャーリーは再び挿入を開始したが、急に、気が変わったのか、モニカに指示した。
「お前が握って、自分で入れてみろよ」
モニカは素早く彼のペニスを握った。手は震えていたが、彼女自身はくすくす笑っていた。ちょっと引きつった笑いではあったが、彼女がその準備ができてることは、チャーリーにもリチャードにも明らかだった。
仰向けの姿勢では、それをするのが難しく、モニカは肩ひじをついて体を起こし、自分とチャーリーのつながるべき部分を見た。彼女はいきなり入れようとはせず、握った手を前後に動かし、しばらく愛撫しているように見えた。その一物の大きさ、能力を確かめているかのように、愛しいモノを撫でるような手の動きだった。
「すごく大きい……」 その声は優しく、その声音だけで、ふたりの男には、彼女が畏敬の気持ちを持ってそれを愛撫していることが分かるのだった。
モニカが優しくしごいている間に、チャーリーのソレの包皮はすっかり剥け、頭部が顔を出していた。これはモニカにとって新鮮なことだった。ジェフもリチャードも割礼しており、チャーリーのソレのような包皮を被ったペニスをいじるのは初めてだった。
ひとしきり愛撫を続けた後、モニカは、はあっと溜息をつき、再び彼のペニスを自分の陰部の入口にあてがった。そして、もう一度だけしごいた後、チャーリーを見つめた。
「ヤッテ……」 別に命じられたわけでもなく、自分からそう言った。「でも、優しくして……」
「こんな感じにか?」 チャーリーは落ち着いた動きで、腰をゆっくりと前に突き出した後、強く押し込もうとした。だが、今回も、彼の長いペニスは挿入することができず、曲がってしまう。
「くそッ、お前はキツすぎるだ。そのせいでちんぽが曲がってしまう!」
「ああぁ……どっちかというと、あなたが大きすぎるからだと思う。どんな女の人も、あなたにとってはキツイと感じるんじゃないかしら」
「アハハ、まあ、その通りだな。俺はこれまで何人か女たちのカラダを広げて楽しんできたものだし、その多くが人妻だったんだ。今度はお前の番だ。いったんお前が俺の体に慣れたら、どんな男を相手にしても大丈夫になるぞ……」
「……いいか、これを見ろ。今度はこうやって皮を被せた形で突き入れることにしよう。そうしたら、多分、皮が剥けるのに合わせて、するりと中に入れるようになるかもしれない」
そう言ってチャーリーは再び亀頭をモニカの陰唇にあてがった。「お前も両手で唇を左右に開いてくれ……そう、そうだ……その間に皮を被ったまま入れるから……ああ、いい。……いいぞ」
頭部に皮を被せたまま、チャーリーは、前よりも強く押し込んだ。今度もペニスが曲がり始めたが、それでも、何とか途中まで挿入することができた。太い亀頭全部が入りきったわけではなかったが、彼のペニスはモニカの穴を大きく広げていた。それを受け、モニカは大きなうめき声をあげた。
「あううううっ!……」
チャーリーは頭部だけを入れた状態でしばらく動かずにいた。これはリチャードもしたことだった。
そのリチャードはというと、ベッドの裾の椅子に座り、チャーリーの脚の間を通して、ふたりの結合部分を見ていた。モニカの陰唇が怪物の侵入を受けて、ピチピチになっている。それを目を丸くして見つめるリチャードだった。
この光景は、多分、リチャードがこれまでの人生で目にしたうちで最もエロティックな光景だったと言える。チャーリーの持ち物に激しい嫉妬を感じつつも、同時に邪悪な思いも浮かんでいた。……ジェフもここにいて見ていたらいいのに、実に残念だ。これを見たら、あいつのちんぽも俺のと同じくらい固く勃起しただろうな。
この時点で、モニカの頭の中からはジェフのことはすっかり消えていた。
「ちょ、ちょっと痛いっ!」
それまでチャーリーの背中に爪を立てていた彼女の両手は、すぐに、彼の腹へと移動し、突き押す形になっていた。歯を食いしばって圧力に耐えつつ、不安そうな顔で彼を見上げる。
チャーリーは自分の太い亀頭がモニカの膣口にどれだけ圧力を加えているか、充分に知っていた。むしろさらに奥に進んだ方が彼女にとっては楽になるのを知っていた。だが彼は、嗜虐的な気持ちもあり、さらに奥に侵入しようとはせず、そのままの位置を保った。リチャードが見ていることもあり、この状態を引き延ばしたい。
「すまないな、モニカ。こいつをお前に入れるには、太い頭のところでお前の体を慣らしておかないと無理なんだよ。だが、もう大丈夫だろう。お前のまんこは充分に広がったようだ。ゆっくりやってやるから安心しな」
……ああ、そうだよ、ゆっくりとな…… リチャードは、あの巨大なペニスがモニカの若々しい女陰をどれだけ広げていくのか、よく見ようと、椅子に座ったまま、前のめりになった。
チャーリーは、正座に近い姿勢で、モニカと結合する部分を見下ろした。ゆっくりと少しずつ埋め込んでいく。亀頭を収め、より細い部分に差し掛かった時、一時、動きを止めた。可哀想になるくらい陰唇の肌が張り切っていて、それが嬉しいほどにキツク締め付けているのを堪能する。この締まりの良さには、彼ほどの女性経験がある男でも、魅了されずにはいられず、その部分から目が離せなかった。
「ああ、間違いない。お前のまんこは、俺が味わってきたうちでも一番きつく締まりが良いヤツだぜ」
チャーリーはちょっとだけ腰を引き、モニカの両脚をさらに左右に広げつつ、再び前に突き出した。これにより、さらに埋め込む量を増やしていく。モニカはもう充分に濡れていた。そろそろ本格的にハメることにするか。
チャーリーは気づかなかったが、リチャードはすでに椅子から降りて、ベッドのすぐ後ろの床に座っていた。食い入るように顔を突き出し、チャーリーの尻の先を見ている。1週間前に自分でもモニカのアソコの部分を広げたものの、それ以上にチャーリーが広げようとしている。それをよく見るためだ。
モニカは一瞬首を上げ、チャーリーの脚の間の先に、リチャードの顔を見た。呆けたような顔をして、タバコを咥えたまま、自分とチャーリーがつながっているところを凝視している。だが、彼女はリチャードのことは無視することにした。いま意識を集中させたいのは、このチャーリーという男性のこと。リチャードには、むしろ部屋から出て行って欲しい。
いま欲しいのは、これ。チャーリーには、彼の巨大なペニスを、人妻である自分の体に何としてでも挿入しきって欲しいと思っていた。それを入れられた時の充実感を楽しみたかった。望むらくは、リチャードには嫉妬心で苦しんでほしいと、このチャーリーという男性をここに連れてきたことを後悔してほしいと、そう思っていた。
太い男根をさらに深く押し込めらるのを受け、モニカは顔を歪ませ、断末魔のような声を上げた。そして、自分の体に侵略を続ける男を見上げた。……入れてくるとき、せめて、キスしてくれたら、いいのに。そうしたら、少しは苦しさも和らぐのに……!
「ほうら、とうとう入ったぞ!」 とチャーリーは高笑いした。亀頭部分がすっかり入りペニスの中ほどまで埋め込まれたのを確認したのだった。とは言え、細い部分になっても、モニカの小陰唇がぴっちり張ったままでいるのは変わらない。
「ここまで入れば、後はずっと楽になるはずだ」
チャーリーは、再び、腰を引き、いったん亀頭だけが収まる状態になった後、小刻みなストロークを繰り出して、じわじわと挿入を続けた。そして、結果的に、前よりも深い位置へと侵入していく。
最初、モニカは、両手を彼の腹に当て、突き返すようにして進攻に抵抗していた。だが、いつの間にか、その両手はリチャードの腹部を離れ、腰へと動き、今は背中へとまわって、抱き着くような格好になっていた。モニカも、ようやく彼の分身を受け入れられそうだと分かったからかもしれない。後はキスだけ。いまキスしてくれたら、最高なのに。
リチャードは目をくぎ刺しにしたまま椅子に戻り、興奮した面持ちで、またタバコを吸った。彼は、チャーリーがモニカにしていることを見て激しく嫉妬してるのは確かなのだが、こんな素晴らしいショーを見逃すわけにはいかない。
「ああん……」
モニカがまた悶え声をあげるのを聞いてリチャードの顔がじわりと笑顔に変わった。改めて注意深く見ると、モニカの両脚が、小刻みに震えながらゆっくりと持ち上がり、チャーリーの逞しい腰肉を包み込む格好を取り始めている。
そして、驚くべきことに、チャーリーのぶらぶら揺れる大きな睾丸が、モニカの臀部をピタピタと叩いているではないか。
……とうとう、根元まで入れたのか!……何と言うか、すごいな……モニカはあいつを飲み込んだ。根元まで!……
とは言え、リチャードにはモニカの股間の様子は見えていなかった。チャーリーの睾丸で遮られていたからである。チャーリーは挿入をキメるとじっとして動かずにいた。
仕方なくというわけではないが、リチャードは視線をチャーリーの尻へと向けた。丸々と肉がついた逞しい尻肉。それを見つめながら、リチャードは、かつて、アナルを犯された時に感じた快感を思い出した。……モニカの代わりに自分がチャーリーの下に入って、あの男のペニスを突き入れられたらどんな感じがするのだろう……一瞬、そんなことを思うリチャードだった。
リチャードの心はそういう方向へ動いていた。チャーリーの尻を見つめていたとしても、それを犯したらどんな感じだろうと想像するのではなく、彼に犯されたらどんな感じがするだろうと、そちらに関心が向くリチャードだった。
当然のことではあるが、その時点でモニカはまったく別のことを思っていた。チャーリーの大きな体にのしかかられ、その巨根を根元まで埋め込まれ、受け止めている。
外からは見えないだろうが、チャーリーは彼女の中、埋め込んだペニスをピクピク動かしていた。その動きに反応して、彼女は、間断的に「あっ!」とか「うっ!」とか、短く喘ぎ声を出し続けていた。
実際のペニスの動きは些細なものかもしれないが、その巨大さもあって、少し動くだけでもモニカの官能に与える影響は絶大だった。まるで中で暴れ回っているように感じる。
「うううぅぅぅぅぅぅ……」 モニカが再び大きな声で喘いだ。
結合部分の緊張は極度に高く、痛みすら感じるほどだった。チャーリーにとっては軽い焦らしのつもりでペニスをヒクヒクさせているのだろうが、モニカにとっては、それを喜べる限界を超えた拡張を味わっているのは間違いなかった。
とは言え、モニカはいまだにキスを求めていた。……ここでキスしてくれたら、それに意識を集中できるのに……カラダにどんな痛みを加えられても耐えられると思うのに……
一方のチャーリーの意識は、モニカではなく、リチャードに向いていた。リチャードにもっと寝取られの感情を味わわせてやりたいと。もちろんリチャードはモニカの夫ではないのだが、そんなことはチャーリーの意識にはなかった。リチャードに対して男として優位に立つ魅力は絶大だった。
「リチャード? もっとよく見たかったら、俺のタマを持ち上げて、その陰で何が起きてるか見てもいいんだぜ?」
リチャードは、言われたとおりに、自ら進んで寝取られ男の立場を取り、チャーリーの巨大な睾丸に手を伸ばし、優しく持ち上げた。
チャーリーは、リチャードが睾丸を持ち上げたのを感じたものの、しばらくじっとしていた。しっかり見せつけたいと思ったからだった。彼は、その後、ゆっくりと動き始めた。一定のリズムでのしっかりした出し入れの動きだった。
モニカの陰唇は、チャーリーの巨根を受け入れてはいたが、挿入の動きに合わせて、一種、グロテスクな姿を見せていた。左右の花びらが中へと引きずられていっては、ヌルヌルと中から出てくる。チャーリーの動きに合わせてそれを繰り返していたのだった。最初、それを見たときは、信じられなかったが、やがて、女の陰部がこのような姿を見せるのは自然なことなのかもしれないと思い始めた。ともあれ、この光景を目にし、リチャードは激しく勃起するのを感じた。
一方のモニカは、ようやくチャーリーが顔を寄せてきてキスをしてくるのを受け、溜まっていたフラストレーションが溶けていくのを感じていた。キスされることにより、局部に広がる痛みも甘美な痛みに変わり、頭の中が真っ白になっていく。
モニカは、飢えていたように反応し、チャーリーの舌を夢中になって吸った。チャーリーは、ためらいつつ、キスをしたのだったが、モニカの予想外の情熱的な反応に驚いた。
その間、リチャードは、ふたりの結合部分を見つめていた。……よし、これでカラダの点では俺の期待した通りになってるぞ!
巨根男に犯されるモニカ……。挿入など無理と思っていたのに、やがて受け入れてしまう若妻。ココロは俺のものなのだが、逞しい男に抱かれてカラダが自然に反応してしまうんだよな、モニカ? ……最高だ。俺が見たかったのは、これだよ、これ……いいぞ、チャーリー! いいぞ、モニカ!……
そう思って浮かれていたリチャードだったが、顔を上げた途端、激しい嫉妬心に襲われた。チャーリーとモニカが、まるで恋人同士のようにキスしてるではないか! ふたりとも、ずっと相手の口を吸いっぱなしだ。モニカは口を吸われたまま、初めてのオーガズムに達した。声や体の緊張から、絶頂に達したのが分かる。だが、それで終わらず、口をくっつけたまま、またも、次のオーガズムに向かっているようだ。
リチャードは、ふたりの様子に驚き、体を起こし、改めてモニカの陰部を観察した。今や、リチャードはチャーリーの睾丸を持ち上げる必要はなくなっていた。モニカは、より深い結合を求めてか、尻を高く持ち上げ体を丸めた姿勢になっていた。この姿勢だと、チャーリーのペニスはまっすぐ垂直方向に打ち下ろす形になっている。
結合部分も見えるが、よりはっきり見えているのは、モニカの肛門だった。モニカの声の様子から2回目のオーガズムに達したのが分かる。そして、そのオーガズムに合わせて、彼女のアヌスが激しく収縮を繰り返すのが見えた。小さなすぼまりが、ヒクヒクと収縮を繰り返す。初めて見るその様子は異様だったし、興奮を誘うものでもあった。
……モニカは、俺とやったときより絶頂に達するのが早かったんじゃないか? 俺の時より、熱がこもってるんじゃないか?……
リチャードはどうしてもそう思ってしまうのだった。
その時、モニカが、切羽詰まって絶叫に近い声で叫んだ。「ちゃ、チャーリー! 今度は、あなた! あなたがイクのを感じたいの!」
モニカは舌を突き出し、乱暴とも言える動きで唇をチャーリーの口へと押しつけた。
チャーリーはいったん唇を重ねたものの、話しをするため、離した。「いいぜ、モニカ。俺の熱いのがお前の中をいっぱいにするから、しっかり味わえよ!……こいつをゴムなしでできて、俺は嬉しいぜ!」
そう言った直後、チャーリーは射精を始めた。激しく締め付けるモニカの女陰にミルク絞りされつつ、この日、最初の射精が始まる。モニカのアソコの部分は、文字通り、ミルク絞りをするとともに、強烈な吸引もしていた。それもあってか、チャーリーの射精の噴射も激しかった。
そして、絶頂感を伴った射精がようやく終わる。ふたりはしっかり抱き合ったまま、しばらくじっとしていた。やがてチャーリーは体を動かし始めたが、終わった後の彼の行為も完璧だった。モニカの献身をねぎらうかのように心を込めて優しく体を抱きしめ、キスをしたのだった。これこそ、モニカが切望していた行為だった。
セックスの後の愛の行為。この点で言えば、リチャードは夫のジェフより優れていた。でも、このチャーリーという人は、そのリチャードよりもはるかに優れた思いやりがある男性だった。硬さを失った後ですら、3分から4分近く留まったままでいて、余韻を味わう時間を十分に保ってくれたのだった。
この男性とふたりきりだったら、そのままでいて余韻に浸っていてもよかったかもしれない。しかし、この部屋にはリチャードもいて、今の自分たちを見ている。体を起こし、股間やシーツに付着したヌルヌルを拭わなくてはいけなかった。
ぐったりと仰向けになったチャーリーの横、モニカは起き上がり、シーツの隅を握って、股間をぬぐい始めた。驚くほどヌルヌルがあって、その量に驚く。
そして、その時。まさに図ったようなタイミングの良さで電話のベルが鳴った。
チリリリリン!
その音の大きさに、部屋にいる3人とも、驚いて跳ね上がった。電話機の底に音量調節のダイアルがあったが、その目盛りは最大に設定されていた。
「イヤッ! ジェフかも知れない。ママに電話のことを話したから」
モニカはパニックになって受話器を取ろうと体を起こした。幸い、チャーリーはすでに彼女の上から降りていた。
チリリリリン!
「ん、もうっ! お願い、静かにしていて!」
モニカはふたりの男たちにそう言い、受話器を取ろうと手を伸ばした。手を滑らせて受話器を取り損なったら大変なことになる。モニカは心配そうな表情を目に浮かべながら、音量レベルのダイアルを確かめた。
「この電話には、出ないとマズいの、本当に」
チリリリリン!
ふたりの男は、ニヤニヤしながら頷いた。セックスを終えたばかりで汗まみれで輝く美しい裸体。その裸体を隠すこともせず、あわててベッドの端に座り、電話をベッド際の小テーブルに置くモニカの姿は、彼らにとっては目の保養以外の何物でもなかった。
「もしもし?」
ついさっきまで彼女が経験していた興奮を考えると、これほど平静を装った声を出すにはよほどの意思のチカラが必要だったことだろう。
「ジェフからのコレクトコールです。通話を受けますか?」
「はい、もちろん」
思った通りジェフからの電話だった。モニカには、ジェフが何をしたがっているか分かっていた。でも、それに応じるとしても、ふたりの男たちに見られながらすることになるだろう。すでに体の関係を持ってしまったふたりの男たちに……。
「もしもし、モニカ? 電話に出るのにずいぶん時間がかかったね?」
「ああ、ジェフ。ごめんなさい。呼び出し音を最大にしていて、すごい音でビックリしてしまって。まずは音量を下げなくちゃいけなかったのよ。電話機の底にあるダイアルで変えるのね?」
リチャードがクスクス笑うのが聞こえた。……ああ、よりによってこんな時に電話してくるなんて。別の時だったらよかったのに……
モニカは困った顔をして、唇の前に指を立てて、男たちに「シーっ!」とするよう合図を送った。そうする間にもジェフはしゃべり続けていた。「僕、もういつでも、アレをシコシコできる状態になってるんだ。モニカが準備ができたらいつでもすぐに始められるよ。通話時間がもったいないからね?」
ジェフが話している内容は、リチャードとチャーリーにも筒抜けになっていた。ふたりともジェフの声を聞き、満面の笑顔になった。どうやら、これから面白そうな見世物を見られるようだ。
「シコシコする」って……モニカはジェフがそういう言葉を使うのを聞いたことがなかった。それに驚いたし、とても下品な言葉だと恥ずかしく思った。自分がついさっきまで何をしていたか、いまどんな格好でいるかなど、彼女の頭からは消えていた。
ともあれ、もう開始のスイッチが入っていた。モニカはふたりの男たちの様子を見て、これから何をするか、ちゃんと口に出して言わなくちゃいけないと思った。
「いいわ、ジェフ。セクシーなことを言うから、ソレをいじりながら聞いてね……」
ジェフとの間では、どういうことを言うか、すでに話し合っていたモニカだった。
「君もあそこを触ってね」
これにはモニカは驚いた、前もって話し合ったことではなかったから。
「あたしもするの?」
「そうだよ。僕と一緒にイッテ欲しいんだ」
こんな状況でオーガズムに達することなどできっこないとモニカは思った。だけど、ジェフが言うことも良さそうだとも思い、彼女はチャーリーたちの顔を見ながら、ベッドに仰向けになった。受話器は耳に当てたまま、枕を背に、ゆったりとくつろぐ姿勢に。
「ジェフ? いいわ。いまはベッドに仰向けになってる。あなたの声を聞きながらアレをするわ。ええ、そう。今は素っ裸になってるの」
チャーリーとリチャードは、実に楽しそうな笑顔になっていた。チャーリーは、これをもっと楽しいことにしようと思ったのか、再びベッドに這い上がり、モニカの脚の間に割り入った。そして、すでに勃起を取り戻してるペニスを彼女の陰部へと向けた。
モニカは恐怖に引きつった顔をした。「ダメよ、ダメ!」と訴える顔だった。だが、チャーリーはシーっと黙る合図を送り、同時に、ペニスの頭部でモニカのバギナをすりすり擦った。
モニカは股間へ目を向けた。ああ、すっかり立ってる! ものすごく固くなって!
……チャーリーは、あたしがジェフと話してる時に、あの大きなおちんちんを入れてくるつもりなのね……
彼女にはチャーリーの意図を理解したし、それに抵抗することもできないことも分かっていた。むしろ、そういう意図を察し興奮していた。
電話に話しかける彼女の声は、声音が変わっていた。
「ああ……ジェフ? これお金かかるから、速くしなくちゃいけないわ。あたし、今、両脚を広げてるわ。あなたの熱いアレがあたしのあそこに触れてるのを感じる。もう、いつ来ても大丈夫。あたしの中に入れて! 好きなように、突いてくれていいの……」
ジェフは耳を疑った。あのモニカがこんなことを言ってる。面と向かい合った時には聞いたことがない言葉だった。電話だからなのか?
「固くなってるよ! すごく固くなってる! 今から入れるよ!」
モニカは顔をあげ、嬉しそうな顔をしながらチャーリーを見つめた。
「ヤッテ! 入れて、ジェフ! あなたの大きなおちんちんをあたしの中に入れて! 大丈夫だから! あああ、そう、いい……。いいわ、ジェフ……あなたの大きなのがあたしの中に入ってくる……すごく大きくて固い……」
ジェフは、心の奥で思った。……モニカはわざと派手な言葉を使っているみたいだな。でも、大きなちんぽって……それってモニカには大きな意味を持ってるのか? 俺のはそれなりの大きさだけど、人から大きいって言われるような代物じゃないんだけどなあ……もちろん、モニカは俺のしか知らないわけだから、俺のちんぽのことを大きいって言ってるんだろうな……
「モニカ? 僕が中に入ってるの、感じる? 気持ちいい?」
「気持ちいいわ、ジェフ……」モニカは喘いでいた。「あなたのせいで、あそこがすっかり広がってるの。でも、気持ちいいの。感じるの……」
その時、モニカは、チャーリーが突然4本腕になったのかと思った。
一瞬混乱したものの、ハッとチャーリーの方に顔を向け、事情を理解した。リチャードがチャーリーの後ろについて、彼の後ろから手を伸ばしていたのだった。チャーリーの脇の下から手を伸ばし、今は、自分の左右の乳房をいじっている。
よく見ると、リチャードはすでに裸になっていた。彼のペニスもピンと突っ立っていて、自分の方を向いている。
どうやら、リチャードは、モニカが、電話ごしであれ夫ジェフとチャーリーを同時に相手する「3人プレー」に抵抗しないのを見て、この機会を利用し、「4人プレー」にもっていこうとしているらしい。
リチャードはモニカとチャーリーが抱き合うベッドの横に移動した。あれほどプライドが高く、何につけても自慢したがりのリチャードも、今は、チャーリーに自分の性器を見られても仕方ないかと思ったらしい。もちろん、チャーリーのペニスに比べれば、リチャードのそれははるかに小さかった。
知りゃーどは、ベッドの横、右手で自分のペニスを握り、左手でモニカの右側の乳房を触る。そうしながら、ゆっくりとしごき始めた。そのペニスの矛先はもちろんモニカの乳房であり、チャーリーの顔からも、そんなに離れているわけではない。
この状況、モニカは避けたかった。ひょっとしてチャーリーなら、ふたりの邪魔になってるリチャードを避けてくれるかもしれない。そう期待して、彼の顔を見上げた。でも、彼の表情は期待していたものではなかった。……別に何でもないだろ? そうとでも言いそうな顔をしている。この状況をじゅうぶん分かり、リチャードを遠ざける意思などさらさらないのを知る。
モニカは仕方なく、リチャードが乳房を触り続けるのを許したのだった。だが、彼女が見逃さなかったことがあった。それはチャーリーがリチャードのペニスを一瞥し、にやりと笑ったこと。その笑みの理由はモニカでも分かった。誰が見ても分かるほど、その大小の差は歴然としていた。
ただ、この関係を知ってモニカが非常に驚いたことは事実だった。
あのリチャードが……。とても堂々としていて、自信に満ち溢れていたリチャードが……。つい先週のことなのに、ジェフのペニスと比べて自分のペニスがどれだけ大きいかを、わざわざあたしに言わせ、大きいと聞いたら、あんなに喜んでいたリチャードが……。あれは浮かれていたから? そのリチャードが今は、どうしてもおちんちんを出して擦りたくなったのか、喜んでチャーリーに自分のがいかに小さいかを見せている。
モニカは改めて自分の状況を確かめた。あたし、自分がこんなことをしてるなんて、信じられない。
目の前にリチャードのおちんちんが来ている。彼は手であたしの胸を触ってる。右も左も、好き放題に揉んでいる。そして、チャーリー。ほんとにスーパーマンみたいな男! その彼の大きなおちんちんがあたしの中に入っている。動いていないのが、今のあたしにとっては幸いだわ。彼は、あたしとあたしの近くにあるリチャードのおちんちんを見つめている。なんだか冷静な目というか平然とした顔で見つめている……
「モニカ、手を使ってる? イッテ欲しいんだ」
「ああ!」
実際、モニカは夫のことを忘れていたのだった。急に電話から彼の声を聞いて彼女はびっくりした。……今はジェフのことに集中しなくちゃ。ここにいるふたりのことはできる限り意識から消さなくちゃいけないの!……
「ええ、ジェフ! 触ってるわ。たぶん、イケると思う……」
チャーリーは半分ほどまで挿入していて、さらに奥へと進んできていた。モニカは彼の胸板を押し返していた。このままどんどん来られると、のしかかられてしまい、電話を続けられなくなってしまう。事情を分かってもらいたいと思ったモニカは、電話をチャーリーの耳に近づけた。気づくと、リチャードも耳を近づけていた。3人で電話に耳を寄せている状態だった。
モニカにとって、リチャードが乳房をいじってることで興奮が高められていることは驚きだった。当時のこの地域の通念として、性愛は一対一のものであり、こういう形で快感が生まれることなどありえないものだったから。でも、リチャードのペニスがこんなにそばに来ているのもかからわらず、この3人の関係の中で、チャーリーが支配的な男性の役割を担っていることが、モニカには嬉しかった。
「モニカ? そろそろ根元まで入れるよ!」
「やって、あなた! あたしも手伝うから!」
「そうしてくれ、モニカ。全部入れるよ! モニカのすべてを感じたいんだ!」
もちろん、この会話をチャーリーは聞いていて、会話に合わせてぐいっと押し込んだ。モニカは、それを受けてうめき声をあげたけれども、予想ほどの大きな声ではなかった。彼女は、自由になってる手で、チャーリーが全部を一気に埋め込むのを阻止していたのだった。今の姿勢で一気に埋め込まれたら、自分がどうなるか分からなかったし、変に大きな叫び声を上げてジェフに聞かれるのは避けたかったのだった。
「ああ、すごい、あなたのおちんちん気持ちいい。深く入ってくるのを感じるわ」
モニカは猫なで声で演技しながら、チャーリーを見上げ、微笑んだ。それを受けてチャーリーは、小刻みに出し入れの動きに入った。当然、モニカは、はっはっと呼吸を荒げ始めた。
視界の隅で、リチャードがしきりと右手でペニスをしごいてるのが見えた。左手では相変わらず、右の乳房を揉んでいる。
「ああ、モニカ。その声! まるで、本当に君の中に入れてるような感じだよ!」
「あたしの中に入ってるのよ、ジェフ! 電話を通してでもちゃんと感じるの。こんな素敵な気持ち、一緒になってから一番かも。だから、お願い。ぐいぐい突いて! 好きにあたしを犯して!」
「モニカ! 俺…お前のおまんこ、すごく気持ちいい。俺、どんどん固く大きくなってるよ。イキたいなら、急いでね! 指をいっぱい使って。俺、ジワジワ盛り上がってくるのを感じてるんだ」
ジェフは切羽詰まった口調になっていた。モニカにも、彼の興奮が分かっていて、それを盛り上げるべく、悩ましい声を上げ続けた。
「早く切り上げなくちゃね。俺、もうすぐイキそうだよ……うあっ。あああぁッ!」 ジェフは、射精をした断末魔のような声を出した。
「あ、あたしもっ! イクぅぅぅぅっ!」
モニカも同じような声を出した。彼女の絶頂は演技ではなかった。ただ、それをもたらしたのはチャーリーのペニスだった。
リチャードも同時に射精に至っていた。ただ、彼は射精の瞬間、巧妙に矛先を変え、チャーリーの体にかけることだけは防いだ。リチャードの精液は、モニカの右肩から乳房にかけて降りかかった。右の乳房はほぼ全域、白い粘液で覆われた。
リチャードは下品な唸り声を上げつつ、腰をぐいっと突きだした。2発目をモニカの左の乳房にふりかけるためだった。
……ひどい人!
モニカはそう思いつつも、再び自分自身のオーガズムに意識を集中させた。
モニカはオーガズムに達したが、チャーリーはまだ達していない。彼は悠々とした動きで彼女を刺激し続けていた。
ジェフはモニカが喘ぎ続けるのを聞いていた。おそらく30秒くらい経った後だろう。ジェフは不思議そうな声で語り掛けた。
「うわー、モニカ! 君がイクって言ったり、こんなにあえぐ声を聞くのは初めてだよ! 僕と同じくらい、これを楽しんでるのかな?」
ジェフの声は、チャーリーとリチャードにも聞こえていた。ふたりは、ジェフの言葉を聞いて、同時にニヤリと笑った。それを見て、モニカはちょっと顔をしかめ、「いやっ! そんな顔しないで」と言わんばかりに頭を左右に振った。
モニカは、たとえ声だけにせよ愛する夫がこの行為に関わることが、イヤだった。できればすぐに消えてほしいと思った。
いま、自分は他の男の一物を入れられている。夫の上司は、まだ、おちんちんを握って、胸の近くでぶらぶらさせている。しかも、その男が放った精液で、胸の辺りがドロドロにされている。このような姿で愛する夫の声を聞くのが、辛い。
「ええ、ジェフ。とてもいいわ。でも、もうそろそろ電話を切らなくちゃ……交換の人が出てくる前に……」
「交換は出てこないよ。これ、コレクトコールだから」
「ああ、そうね。そうだわね。コインを入れなくても話し続けられるのね……」
その間、リチャードはバスルームに行き、トイレットペーパーを1メートルくらい取って、戻ってきた。そして、少しおどおどした手つきで、まずは、モニカの肩にかかった自分の精液をぬぐい始めた。肩にかかったものが垂れ流れ始めていたからである。
体を拭かれながら、モニカはチャーリーの瞳を見つめた。チャーリーは笑顔で彼女を見下ろした。
「僕がいない間、どれだけ寂しかったか、教えてくれる? 聞きたいんだ」
「バカねぇ! あなた、今朝出発したばかりじゃないの」
「分かってるよ。でも、僕たち、明日の夜遅くまで、会えないわけだろ?」
チャーリーは、リチャードが丹念にモニカの体を拭くのを見て、相変わらずニヤニヤしていた。明らかに、チャーリーは、モニカとの間にリチャードが割り込んで、彼女の体に射精したことを気にしていない様子だった。
モニカは電話口に向かってクスクス笑った。「うふふ。でも、あなた、さっきとても激しくイッたみたいだったから、あたしに会うまでは我慢できるんじゃない?」
電話の向こう、ジェフがちょっと恥ずかしそうな声になって言った。「ああ、モニカ。本当にすごかったよ。僕が噴射するところ、君に見せてあげたかったよ。腹の辺り、一面にかかったんだから」
「うふふ。はい、はい! でも、もう切らなくちゃ。これ、あたしの親に請求が行くから、無駄遣いできないわ」
「そうだね。おやすみ、モニカ。愛しているよ」
「あたしも愛してるわ、ジェフ。体をちゃんときれいに拭くのよ!」
モニカは夫と話しながら、咎める目つきでリチャードを見ていた。彼は、またバスルームに行き、さらにティッシュ―を持ってきて、今は右側の乳房から精液をぬぐっているところだった。それが終わっても、左側の乳房がまだ残っている。
「ああ、そうするよ、モニカ。じゃあ、おやすみ!」
ようやく電話が切れた。多分、通話時間は3分ちょっとだっただろう。受話器を戻した後も、モニカはただ仰向けになっていることしかできなかった。まだ射精に至っていない大きな勃起が、いまだ、狭い陰部に入れられたままでいる。痛みはまったく感じなくなっていたが、充満感はすごく、いまだに中を広げられているのを感じる。ただ、それは、先に感じたオーガズムの余韻に浸るのには最適だった。3人が同時に達成したオーガズム。電話でのセックスで達した夫と、禁断のペニスによって達した自分と、その自分を見て達した夫の上司の3人。だが、あと一人はいまだ達していなかった。
「そっちのおっぱいを拭くには、もっと紙がいるな」
リチャードはそう言って、またもバスルームへ向かった。モニカはチャーリーの目を見上げ、小声で言った。「できればしばらくふたりっきりになりたいわ」
「なんでだ?」
「その方がもっとロマンチックだもの」
ちょうどその時、リチャードが戻って来たので、チャーリーは言葉で返事することはできなかった。その代わりに、笑顔になって、頷いて見せた。
チャーリーが余裕のある動きで出し入れを始めるのに合わせて、リチャードも再びモニカの体を拭き始めた。左側の乳房である。もちろん、単にぬぐい取るだけではなく、時々、寄り道をしてモニカの乳房を揉んだり、乳首をいじったりもした。
ようやくリチャードがぬぐい取るのを終えると、チャーリーは体を傾け、モニカに覆いかぶさった。
「お前、本当にいい女だぜ」
彼はそうモニカの耳に息を吐きかけるようにして囁き、やがて本格的に動き始めた。モニカはついさっきオーガズムに達したばかりであったが、早くも次の絶頂に向かって登り始めた。
リチャードがベッドの裾へと移動したのを見て、モニカは再び両脚を持ち上げ、チャーリーの腰に絡みつけた。こうすれば、自分がチャーリーによってどれだけアソコを広げられているか、リチャードによく見えるだろうと知ってのことだった。
ひとしきり力強い抜き差しが繰り返され、モニカはまたもオーガズムに達した。チャーリーは、今回も、射精を我慢しモニカを翻弄しようと思っていた。だが、思いのほか強い締めつけに会う。女に慣れているチャーリーではあったが、モニカの締め付けに堪えきることはできなかった。快感に導かれるまま、一気にスパートをかけ、そのまま射精に至ったのだった。
もちろん、生のままの射精だった。内部での噴出は、当然モニカにも伝わり、彼女はひときわ甲高い声を出して絶頂を告げた。というより、少し前からモニカは連続オーガズムの状態に入っていたようだった。
チャーリーは射精をした後も、挿入を続けたままでモニカを抱きしめていた。ピッチは遅くなったものの、ずっと出し入れを続けていた。今は、再び、ゆったりとした動きに戻っている。
その機会をとらえてリチャードは、ふたりのもとに戻ってきて、モニカに話しかけた。
「さっきの電話で、ジェフは、本当にお前がイッたと思ったのか?」
モニカは迷惑そうに顔をしかめた。「あたしがひとりだったら、あんな短い時間だもの。イクわけないわ。でも、ジェフはあたしが自分でするのを見たことがなかったから、彼は、多分、あたしがやり方を知ってると思っただけだと思う。だから、ジェフはあたしがイッたと思ったはずよ」
「でも、ジェフはお前をイカせたこともなければ、お前がイクところを見たこともないんだろ?」
「ええ、一度も」とモニカは頭を振った。
「なんか変だな」
「ええ、でも、本当にイッちゃったの。夫がイクのを聞きながら、あたしもイッたの。同時に……」 とモニカは、いまだゆっくりと動いてるチャーリーを見上げて、微笑んだ。「……同時に、この人の素晴らしいおちんちんでイカされてしまったんだもの」
リチャードは頷き、悲しそうな顔をして目をそむけた。「ああ、チャーリーの素晴らしいちんぽでな」
モニカは、リチャードが嫉妬を感じてるのを察知し、声に出さず笑った。チャーリーはモニカが笑ったのを体の振動で感じ、彼女を見下ろしながら微笑んだ。……モニカはリチャードに歯向かっているみたいだな。というか、見下してるのかも。これは面白くなってきたぞ。
チャーリーが面白く思うことはもうひとつあった。それは、リチャードのペニスを見て、自分の方がはるかに大きいことを知ったことだった。
ただ、チャーリーの思いは、リチャードの思いとは少し異なっていた。リチャードの方は、モニカとセックスをし、ジェフよりも先にモニカを絶頂に導いたことを誇りに、ジェフを見下す傾向があった。だが、チャーリーの方は、一種、ジェフに対して尊敬の気持ちを持っていた。ジェフという男の妻と今こうしてセックスしているわけだが、ジェフ本人には一度も会っていない。ただ、ジェフがこの女と結婚したということは、ジェフは、彼女を惹きつけ、幸せにすることができる能力がある男であることは間違いない。しかも、近々、子供も生まれると言う。そのジェフという男の子供だ。それはそれで、大した男と言えるかもしれない。
**********
それからすでに1時間以上はすぎていた。チャーリーはさらにもう1回、モニカに中出ししていた。その後、ふたりはひと休みしたが、それも束の間で、すでに再び体を絡ませている。今は、モニカは仰向けで、チャーリーは彼女の上に四つん這いになる姿勢でいる。ペニスが長いおかげで、別に彼女ののしかからずとも、この姿勢で充分深々と貫くことができる。リチャードはと言うと、相変わらず素っ裸のまま、ベッドの裾の床の上、正座する姿勢でふたりの結合の様子を見つめていた。
いつの間にか、チャーリーは、かなり下品な言葉遣いでモニカに話すようになっていた。
「やればやるほど、俺のちんぽが好きになってきてるだろ? 違うか? これだけは言っておくが、俺が帰った後、俺のコイツが欲しくて淋しくなるはずだぜ? シカゴに来る時は、到着と同時に俺とできるように、前もってウォーム・アップしておくといいぞ。どんなに忙しくても、すぐにしっかりハメてやるから、その点は心配するな」
「うん、そうする……」 モニカはそう言い、さらに自分から、こう付け加えた。「でも、あたしがシカゴに引っ越すまで待たなくてもいいのよ。いつでも好きな時にあたしに会いに来ていいわ。主人がいない時に限るけど……」
それには、リチャードが補足した。「その点は俺に任せておけ」
この夜、モニカは自分自身について新たに発見したことがあった。それは、チャーリーにイヤラしいことを言われると、自分はかえって興奮してしまうということだった。
「ああ、チャーリー、また来たみたい!」
チャーリーに話しかけられながら、新たな疼きが下腹部から広がってくるのを感じ、モニカは前もって彼に知らせた。彼に伝えたという安心感からか、その後は快感に没頭し、オーガズムへと突入した。大きな声でうめき、両脚を高々と掲げた。
初めての時には、巨大なチャーリーの一物をなかなか相手できな、かったが、もはや今は、その様子はまったく見られない。両足のかかとを彼の尻肉に食い込ませるようにして押さえつけ、彼をさらにより深くへと自ら導く。
最初からリチャードがいて、行為を見続けていたからかもしれないが、モニカはすでに控えめになったり羞恥の気持ちを表すことはなくなっていた。恥ずかしがっても、最後には淫らな姿を露わにさせてしまうのだ。だったら、最初から、すっかり気持ちを解放してしまっても同じなのだ。
モニカは何の抑制もせず、動きたいように動き、叫びたいように叫んだ。そして、むしろ、そのように心を解放したことにより、オーガズムを迎えるたびに、より深い官能を味わえるようになっていた。
この夜、何度目かのオーガズムがようやく終わる。モニカは全身から力が抜けるのを感じた。心地よい気だるさ。両手、両足をだらりとさせ、はしたないと思われることも構わず大の字になった。
股間のあそこ、その下のお尻、そしてベッド。そのいずれもがドロドロになっているのを感じた。モニカ自身が出した体液と、チャーリーが出した樹液が混ざって、びしょびしょになっているのを感じた。
とは言え、今回は、チャーリーはまだ射精をしていない。びっくりするような激しいイキ方をしたモニカを見て、しばし、ゆっくりとした動きをして、モニカの様子を観察している様子だった。
1分ほどした時、モニカが「トイレに行きたいんだけど?」と訊いた。
それを聞いてリチャードは思わずにんまりしてしまう。あれだけ成熟した体をしてるくせに、精神はいまだ幼い高校生のままに思える。まさに、そういうところが、このモニカという女が男たちを惹きつけるところなのだろうが……
「もちろんいいよ、モニカ」とチャーリーは笑った。「だけど、もう一発だけな。そしてらすぐにいっていいぜ」とチャーリーはまた激しい突きを送り始めた。モニカを見下ろしながらニヤニヤしてる。「だが、もう2発やってるから、すぐには出せねえんだ。分かるよな?」
チャーリーはさらに少しだけスピードを加え、奥深くを突き始める。モニカは、その突きの力に、突かれるたびにあっ、あっと声を上げ始めた。
ふたりが本格的な動きに入ったのを見て、リチャードも素早くふたりに近づいた。……おお、すげえ、この野郎、マジで打ち込んでるぜ!……
その通りだった。「分かるか? これが本物の男ってやつだ! しっかり味わえよ! 好きになってきてるんだろ? 分かるぜ。どんだけ、感じてるか、言え!」
「感じるわ、チャーリー。ほんとに大好き。いや、それ以上よ」 チャーリーに急かされ、モニカはそう答え、自分からも腰を使い始めた。
……これまで味わったうちで最高のおちんちん!……
チャーリーは、本当は、モニカにそう言わせたかっった。だが、ここにはリチャードがいて話しを聞いている。
いま、ジェフとモニカの夫婦のベッドは、信じられないほどの軋み音を立てていた。もちろん、ジェフとの愛の営みの時には、こんな音は鳴らなかった。
「いいか、モニカ? こういうのが本当のセックスっていうんだ」
モニカはうんうんと頷いて答える他なかった。
そして、やがて間違えようのない時が近づく。チャーリーの激しい打ち込みが最終段階に入ったようだ。驚くほどの巨体のチャーリーではあったが、その全力を使って小さなモニカに必死になって打ち込む。
3回に一回? 彼はそのくらいの頻度で乱暴に巨根を根元まで突き入れた。だが、驚いたことに、モニカはその突きを受け、奥までえぐられていても、耐えぬいていた。そればかりか、むしろ、それを嬉しく感じ、もっとしてほしいという顔をしているのだった。
ふたりのこの最終段階の結合のすべてを、リチャードは夢中になって見つめていた。特に、チャーリーの睾丸が突きに合わせてぶるんぶるんと揺れ、モニカの尻頬を叩く様子に魅せられた。……あの、ウブで可愛いモニカが、あんな怪物を根元まで入れられるとは! まして、あの太いのを!…… リチャードは、ただ驚嘆するだけだった。
この本格的な行為が始まってから、聞こえる声は、モニカの喘ぎ声とチャーリーの動物的な唸り声だけだった。だが、それを打ち破るように、ようやく、リチャードが声を出した。
「チャーリー! モニカにしっかり教えてやってくれ! 俺よりも、しっかり教え込んでやってくれ!」
リチャードは無意識のうちに、モニカに対する権益をチャーリーに譲ったのだった。
しっかり腰を使いつつも、リチャードの言葉を聞いて、チャーリーは内心、大笑いしていた。……アハハ、リチャードのヤツ、まるで自分の妻を寝取ってくれとせがんでるみたいじゃねえか……。
リチャードの要望に応えてか、それから数分間、チャーリーは直線的に突き入れることに加えて、左右、横から突く動きも交えてモニカを攻め続けた。
その動きはリチャードを楽しませるためだけではない。チャーリーは本能的に、モニカが、そういう刺激も求めていることを知っていたのだった。その突きを受けて、モニカは、この夜何度目かのオーガズムに達した。とは言え、前ほどの激しいオーガズムにはなっていない。すでに体力的に限界に近づいていたからである。
モニカが頂点に達して、全身を強張らせた後も、チャーリーはさらに3分、4分と、出し入れを続けた。やがてモニカはぐったりとなり、もはや自分から打ち返すことはなくなった。そろそろ、潮時か?
「モニカ、少し待ってやろうか?」
ぐったりとなっているモニカだったが、気持ちの上ではチャーリーを喜ばせてあげたがっているようだった。「あ、もう……もう、ダメみたい。疲れちゃって。でも、いいのよ。あたしにかまわず、やっていいの。動けなくてごめんなさい。でも、お願い、ヤッテて! やって欲しいの。あなたがイク時の感じ、大好きだから……」
「分かった。最後はいっぱいキスしながらやってやろうな!」
「き、キス?! ええ! キスして!」
チャーリーは、唇が届くところすべてにキスをし始めた。股間はつながったままだから、限られた場所ではある。だが、モニカには、それでも十分だった。まるで、モニカは、このキスによって生き返ったかのように、再び、腰を動かし始めた。両腕も再びチャーリーの体を包み込む。
チャーリーはモニカの耳たぶを甘噛みし、首筋を吸い、そして、何度となく、彼女の口へと唇を運んだ。ふたりの唇が重なるたびに、モニカは自分から舌を突き出し、彼を迎え入れた。
モニカがトイレに行きたがっているのを知りつつも、チャーリーは、できるだけ長く、彼女の吸い付くように締め付けてくる極上の蜜壺の感触を味わいたいと、彼女にかまわず出し入れを続けた。深々と全長を埋め込んだかと思うと、時々、腰を左右に動かし、側面をえぐる動きも加えた。その度に、モニカは驚いたように、淫らな声を上げ、チャーリーを喜ばせた。彼のペニスが長いせいか、斜めに突く動きをすると、モニカの内部でペニスが曲がり、新鮮な刺激を彼女にもたらす結果になるからである。
やがて、その時が近づく。
「いくぞ、モニカ! 無駄になる子種液だが、もう一発、たっぷりご馳走してやる!」
チャーリーのペニスがひときわ硬直を増し、彼はモニカに深々と突き入れた。長大なペニスのすべてがモニカの膣壁と擦りあう。ふたりの恥骨すらぐりぐりと擦りあっていた。
「あたしも! あたしもいく!」
疲れ切って、もうこれ以上、オーガズムは無理と思っていたモニカだったが、そんなことはなかった。いともたやすく、絶頂を迎えたのだった。しかも、これまでよりも大きな絶頂。達する度に、到達する高みが高くなっていく。
その時も、もちろん、リチャードは見逃さなかった。元々、極太のチャーリーのペニスがさらに大きく膨らみ、太さを増すのを見ていた。それが、あの可憐なモニカの陰部を最大限に広げている。チャーリーが射精した瞬間も、しっかりと確認できた。睾丸から陰茎の根元にかけて、尿道を覆う部分にあたる皮膚が一定間隔を置いて繰り返し隆起するのを見たからだ。この瞬間、あの内部では射精の痙攣に合わせて、多量の白濁がモニカの子宮に注ぎ込まれているのだろう。
チャーリーは動物が吠えるような声を上げていた。そんな声すら、多分モニカには甘美な声に聞こえているに違いない。断末魔の悲痛な叫びとも、歓喜に打ち震える叫びともとれる声を上げて、それを受け止めている。
すでに2回射精していたにも関わらず、チャーリーの射精は長時間続いた。今この瞬間、すでにモニカの子宮の中に芽生えているはずの新しい命は、チャーリーの放った白濁をこれでもかと言わんばかりに浴びせかけているのだろう。丸々と肥えた彼のペニスはいつまでも萎えることなどないように思えた。
モニカの悶え声は、すぐに小さくなっていった。しかし、これはオーガズムが小さかったわけでは決してない。むしろ、今回のオーガズムはそれまでで最高だったのだ。だが、いかんせん、彼女は疲れ切っていて、声すら出せなくなっていたのだった。
ようやく、最後に近づいてきたチャーリーは、最後の一滴まで絞り出しつつも、モニカに顔を寄せ、ふたりは再びキスを始めた。熱のこもったキスだった。
ふたりが情熱的にキスをするのは、これが初めてではない。だが、今回は、ふたりとも絶頂を迎え終えたところでもあり、優しく、愛情がこもった、ゆっくりとしたキスになっていた。ふたりとも、こうして体を重ねあうことができるのは、今日が最初で最後になると思っているようなキスだった。
リチャードはふたりの様子を見たり、声を聞きながら、相変わらず勃起を撫でていた。だが、今回のでは、彼自身は射精していない。チャーリーが帰って行った後にモニカを相手にするときのために取っておこうと思っていたからだった。
「ああ、モニカ、すごくよかったよ」
「あなたもよ、チャーリー。すごくよかった」
モニカは、この男性が好ましいと思った。愛とまでは言えないけれど、抱かれていて心地よい男なのは言える。たとえ、脚の間に入っているアレが、リチャードのより小さくとも、自分はこの男性が好ましいと思ったのではないかと思った。女を扱う術が優れているし、もし、リチャードがこの場にいて自分たちの行為を見るのでなかったら、チャーリーは、ずっともっとロマンティックに自分を扱ってくれたはずだと直感した。
生でセックスすることの長所は、セックス自体ではなく、その後の余韻の時間にある。チャーリーは射精した後もモニカの中に入れたままでいた。最良のオーガズムを得た後の女性を見れば、どんな男も心を掴まれるものである。チャーリーは、深々と挿入を続けたままでいたし、キスを続けていたせいもあってほとんど勃起は萎えていなかった。
行為の前のクンニリングスや愛撫を別にしても、チャーリーはすでに、2時間12分、モニカの中に入っていた。リチャードの記録を10分、上回っていた。モニカとつながっていた時間、および、彼女の淫らなバギナを堪能した時間を基準にすると、このふたりを上位2位である。3位は夫のジェフだが、メダルは取れても、記録的には遥か遠く、及ばない。
彼女の穴をどれだけほぐしたか、その過程で、性器同士でどれだけ摩擦を繰り返したかで言えば、もう、競争にすらならない。ましてや、彼女に与えたオーガズムの回数と強度についても同じで、競争にはならない。断トツはチャーリーであるし、2位はリチャードだ。ジェフがいる場所はないのが普通だが、出場者が3人である以上、仕方ない。彼は、2位には遥かかなたの第3位だった。
ただの3位ではない。そもそも、モニカを絶頂に至らせることができたかどうかを出場資格に据えれば、彼女の夫はそれすら達成できない、途中失格者にすぎなかった。
とは言え、モニカは、まだジェフを愛していた。愛の行為に入る前の前戯でも余韻の時の行為でも、どうしようもないほど未熟であっても、心の底から愛していた。モニカは思っていた。時間と経験だけの話し。いずれジェフも学んで、リチャードやチャーリーのようにあたしを扱えるようになってくれるはず。
余韻の時間は10分以上続いていた。知らぬ間に、モニカは抱いていたチャーリーの背中に両手の爪を立てていた。それと同時に、再び、両脚を持ち上げ、彼の胴体を包み込む姿勢になっていた。
「おい、おい……」とチャーリーは笑った。「俺、またすっかり勃起してるんだぜ? 今はやめた方が良いんじゃないか? さもないと、お前、いつまで経ってもトイレに行っておしっこできないことになるぞ」
チャーリーは横転して、ようやくモニカの体から離れた。巨大な亀頭がそこから抜ける時、モニカの陰唇はそれに吸い付いていたのか、ビンの栓が抜けるのに似た音がした。
ベッドの上、素っ裸のふたりが横たわっていた。チャーリーのペニスはいまだ固さを失っておらず、風にあおられる樹木のように前後に揺れていた。それを見たモニカは、横向きになり、恐る恐る、その丸太のような肉茎を握った。萎え始めているとはいえ、依然として、圧倒的な姿をしている。
モニカが握ったまま手を上方へ動かすと、先端から精液の大きな塊がドロッと出てきた。それを見たモニカは、ほとんど当然の行為と思っているかのように、ためらわずに顔を近づけ、先端を口に含み、出てきたものを飲み込んだ。さらに、もう一度ミルク絞りをし、長い肉筒の中に残っていたものを飲んだ。これはリチャードに教え込まれた行為だったが、彼女は習得したことをチャーリーにもして見せているのだった。
彼女は口唇愛撫はしないとリチャードに誓っていたが、それは夫との関係での話しと理解していた。今の相手はチャーリーなのだから構わないのだと。
「オーケー、ありがとう、モニカ。これで満足して帰られるぜ」 チャーリーは、モニカが再び仰向けになりぐったりする姿を見て笑った。チャーリーはベッドから降り、シーツの端を掴んで、ペニスをぬぐった。「俺も、さすがに出し切った感じだ。もう、シカゴに戻らなくちゃいけないからな」
チャーリーは小便をするためにトイレに行った。モニカもトイレに行きたかったのだが、疲れ切っていて、脚を広げたままぐったりとなっていた。目を閉じ、余韻に浸る。チャーリーがシーツでペニスをぬぐったところを思い出し、今日、洗濯したばかりのシーツだったわ、とぼんやり思った。
不思議なことに、チャーリーがシーツを汚したことが気にならなかった。もっと言えば、ジェフが帰ってきたら、このシーツを敷いたままのベッドに上がってきて、自分の隣に寝るのかも、と想像していた。それがどこかセクシーで、とても嬉しいことのようにも感じられた。もちろん、その前にちゃんと乾かさなければならないだろうけど。
でも、そういうことはやってはいけないとも分かっていた。何より、自分の体は汗まみれになっているし、チャーリーも汗をかいていた。このシーツはやっぱり付け替えなけばいけない。
チャーリーがトイレに行ったのを受けて、リチャードは、ベッドの横に来て、興味深そうに、モニカの体を見下ろしていた。モニカのあそこの部分がぱっくり口を開け、赤く腫れあがっている。こんな状態になるのも、さもありなんと思った。見ていたら、中からトロリと液が垂れ出てきた。このモニカの姿を見て、自分自身が数日前にモニカにしたことを思い出した。あの時も、最後はモニカをこういう姿にしたんだよな、俺も……と。
彼は激しく勃起していた。モニカのあそこがチャーリーの精液で充満しているし、チャーリーの後だと、自分は小さいとモニカは思うだろうとは思ったが、それでも、モニカを抱きたいと思った。この猛り狂ったものを彼女に突っ込み、ドロドロべたべたの中を突きまわし、モニカの悶え声を聞きながら、激しく撃ちだしてやりたいと。
その時、モニカは目を開けた。見ると、リチャードがすぐそばで、ペニスをゆっくり擦りながら、自分の濡れたアソコをじっと見つめているのに気がついた。最後にリチャードの存在を意識してから、ほぼ2時間は経っていて、その間、モニカははしたない姿を見せ続けていたわけであるが、この時になってようやく、彼女は恥ずかしいと感じ、素早く脚を閉じた。
モニカは、ゆっくりと体を起こし、ベッドから降り、トイレへと向かった。だが、、体に力が入らず、よろけそうになる。ちょうどその時、チャーリーがトイレから出てきて、倒れそうになったモニカを支えた。
「あ、ありがとう」とモニカは恥ずかしそうにうつむいた。そして、うつむいたときに、自分の股間から液が流れ出てるのを見て、思わず手で局部をおさえ流れ出るのを受け止めた。それが一層、彼女の恥ずかしさを強め、トイレへと急がせた。
倒れそうになるモニカをリチャードは助けなかった。彼はズボンを履くのに忙しく、モニカのことを気にしていなかったのだった。
モニカはトイレには入ったけれども、ドアを閉めなかった。チャーリーが出発しなければならないと言っていたのを思い出し、彼女は彼の方を振り返り、最後に一度だけと彼の持ち物を見つめたのだった。その後、彼の顔へ視線を向け、彼がそれを見ていたのを知り、恥ずかしそうに微笑んだ。そして、チャーリーのところにキスしに行く衝動を堪えつつ、静かにバスルームのドアを閉めたのだった。あそこから彼が出したものが流れるのを防ぎながらキスするのは、ぎこちないことになってしまうだろうと思ったから。
ドアを閉め、この数時間で初めてプライバシーを確保したモニカは、改めて鏡に映る自分の姿を見てみた。顔は赤らんでいて汗でテカテカになっていたし、髪の毛はべったりとして、一部顔に張り付いていた。胸の上まで鏡に映っていたが、胸元はピンク色になっていた。むしろ赤くなっていたと言った方が近いかもしれない。
便器に腰を降ろし、モニカは溜息をついた。……ああ、なんて夜だったの。あんなことをしたなんて自分でも信じられない。ましてリチャードが見てる前であんなことをしたなんて……。しかし、モニカは嬉しそうな顔をしていた。……でも、する価値のあったことだったのよ。ええ。夢のような素晴らしい愛の行為を経験したのよ……モニカは、チャーリーとの行為を愛の行為と見るようになっていた……それに、ジェフの出世の手助けもしたことになったし……。
すぐには小便は出てこなかった。何秒か待った後、ようやく出始める。出始めの小便が、今はすっかり敏感になっている小陰唇に触れるのを感じた。控えめに言っても大きすぎるといえるペニス。それにより2時間以上連続して信じられないほど痛め続けられたアソコ。トイレに小便が当たる音を聞きながら、チャーリーとのセックスを振り返り、モニカは自然と笑顔になっていた。
バスルームのドアの反対側では、事情はちょっと異なっていた。今夜の出来事はモニカにとっては非常に重大な出来事であったのだろうが、チャーリーにとっては、ただの、良いセックスにすぎなかった。いや、最高の顔と最高の体をした女との、最高のセックスだったかもしれないが、それでも、彼にとっては単なる肉体的な性交にすぎなかった。
チャーリーはにやりと笑いながらリチャードにウインクをした。「さっき彼女、俺のちんぽを見てたよな?」と、彼はリチャードに囁きかけた。
「ああ、俺も見逃さなかったよ。あんたが最初にベッド横に立った時の表情とは、えらい違いだったな。あの時は、モニカは怖がって、あんたの顔を見ることすらできずにいたのに」
「まあ、あの時に言っただろう? いったん俺とやったら、彼女はどんな男を相手にしても怖いものなしになるって。俺とお前しか知らないが、モニカは、こんな短い時間ですげえたくさん経験しちまったな」
思い出しただけで勃起してきたのか、まだ出きっていない精液が残ってるのを感じ、チャーリーはシーツを掴んで、もう一度、ペニスをぬぐった。
チャーリーは自分のペニスをリチャードが羨ましそうに見てるのを知っていて、よく見せられるようにと、わざと時間をかけた。尿道に残ってる精液を出すふりをして、包皮を引っ張り、亀頭を丸裸にした後、何度かしごき、その後、亀頭がほとんど隠れるまで包皮を戻す。一度小便をしていたにもかかわらず、わずかながら残っていた精液が鈴口から出てきた。
チャーリーはその先端部分をシーツでぬぐった後、ズボンを履きなおした。すでに萎えていたものの、この男の一物は確かに圧倒的だった。
チャーリーは身支度を終えると、リチャードのところに近寄った。リチャードは玄関ドアの近くにいた。モニカがいるバスルームからできるだけ離れた場所にいたかったからである。彼女には話し声を聞かれるわけにはいかなっかった。
リチャードは時計を見てチャーリーに小声でささやいた。「フレッド、2時間はとっくに過ぎてるな。カネの分は楽しんだんじゃねえのか?」
後から分かったことだが、チャーリーと言う名の男は存在しなかった。「チャーリー」というのは、リチャードの計画に合わせるためにフレッドが使った名前にすぎなかった。実際、シカゴにチャーリーというボスがいたが、リチャードは、モニカとジェフの前で、とりあえず口に出しただけの名前だった。だが、それ以来、リチャードは幾度となくチャーリーという名前を口に出した。
「まったくだぜ。最高だった」と実名をフレッドという男が熱っぽい声で囁いた。「お前の計画、うまくいったな。シカゴの有力ボスのフリをするのは面白かったぜ。それに、これは言っておきたいが、あの女のマンコは最高だ! あの女が経験した男がふたりだけだと言ってたが、今なら、その言葉、信じるぜ。それに、あの女、本当に可愛い」
そう言うと、フレッドはポケットの中から20ドル札の束を取り出し、リチャードに渡した。「100ドルだったよな?」 彼にとって100ドルは大金だったが、モニカは若く未熟だったにも関わらず、そのカネに見合う女だった。
「ヤリ終わったわけだが、この値段で今も満足してるか?」
「もちろんだぜ。モニカは、俺にとって、これまでで最高のオンナだとも言える。顔は可愛いし、カラダも最高なのは確かだ」
「喜んでいるようで嬉しいぜ。お前が次に俺の店に車を運んでくる時までには、もっと女を揃えておけるかもな。これに女を引き込む方法があるんだ」
「おい、お前、なかなかやるな」とフレッドは笑い、リチャードの腕を軽くパンチした。「だが、今回は、俺は別の運転手の代役だったんだ。普段はシセロとクリーブランドの間を動いてるんだよ」
フレッドはバスルームの方を見やった。そこのドアはまだ閉じたままだった。「今夜は、お前もモニカを抱くつもりなんだろ?」
リチャードはクスクス笑ったが、すぐに真顔になった。「まあな。ただ、お前のあのデカマラを見たときには心臓が口から飛び出しそうになったぜ。お前がモニカに挿し込んだ時の様子や、その後、何度も突きまくったのを見たから言うわけじゃないが、お前のせいで、せっかくのモニカのマンコも価値が落ちてしまったかもしれないな」
フレッドは笑った。「いいや、モニカは大丈夫だぜ。二日くらい休めば、元通りの締まり具合になるぜ」
「どうかなあ」とリチャードは答えた。「モニカの旦那は、明日、帰ってきた時、モニカとヤルかもしれないが、その時、モニカが結婚した時のウブな女の子じゃなくなったと気づくんじゃないかな」
「そりゃそうだな」とフレッドは口元を歪めた。「少なくともモニカが旦那を見る目は、前とは変わるだろうな。お前が言ってるのは旦那の方か? 旦那が、モニカのベッドでの反応から何かあったと思うということか? それとも、俺がみっちりモニカを抱いて、しっかりまんこをほぐしてやった後で、まんこの具合が変わって旦那が怪しむということか?」
「両方だよ。しばらくは、モニカの旦那には仕事をたんまり任せた方が良いな。疲れ切って、家に帰ってもセックスする気が起きないくらいにしてやらなきゃな」
その言葉に、ふたりの男は大笑いした。リチャードは玄関ドアを開ける時、口に指をあてて、フレッドに静かにするように指示した。下の階にいる家主の老女に気づかれないようにとの配慮だった。
フレッドが帰って行った後、リチャードは腕時計を見た。10時半だった。彼はタバコに火をつけ、バスルームのドアを見つめた。
モニカとフレッドの間に起きた様々なことが脳裏に浮かぶ。モニカをフレッドに抱かせるべきじゃなかったかもしれない。ふと後悔する気持ちがよぎった。その感情にはフレッドに対する嫉妬心も混じっていた。
リチャードは思った。この日の夜まで自分は王様だった。セックスについてモニカが知ってることのほとんどすべてを自分が教え込んだと言ってよい。旦那のジェフは女を喜ばす方法についてはまったくのウブなのだから。リチャードは、新しいことを教え込むたびにモニカが見せた反応が愛しかった。
そして、今夜、モニカはフレッドと体を重ねた。どう見ても、彼女がフレッドとのセックスを楽しんだのは明らかだった。自分は知らなかったが、フレッドは巨根の持ち主で、しかも、その道具の使い方を熟知した男だった。リチャードは、果たして彼にモニカを抱かせたことが良かったことなのか分からなくなっていた。
自分のモノでないものを100ドルで売ったなら、そいつは良いことだ。だが、モニカは俺のモノになっていたのだ。それをフレッドに奪われたような気持だった。ある意味、自分よりはるかに大きなペニスを持った男に最愛の女を寝取られた気分だった。
もはや、前の状態を取り戻すには遅すぎる。すでに行われてしまったのだから。とりわけ、たった1週間前に誘惑してセックスにこぎつけたモニカだったのだが、彼女はもはや、あの時のウブで可愛い女の子ではなくなってしまった。
モニカがトイレに入ってから長い時間が経っていた……多分、アソコからスペルマを洗い流しているのに違いないが、こんなに時間がかかるということは、よっぽど多量に中出しされたということか? ちくしょう、フレッドのヤツ、モニカを散々にヤリまくりやがって!
そんなことを思いながらリチャードは、もう一服、タバコを吸った。頭の中、フレッドがあの逞しいペニスをモニカに使う光景が浮かんで消えなかった。悔しくもありエロティックでもある光景に、リチャードはどうしても苦々しい笑みを浮かべてしまうのだった。
モニカとヤレるのは、もう2週間くらいかなとリチャードは思った。そのうち彼女の腹が膨らんでくるだろうし、そうなったらモニカを彼女の実家に帰そうと考えた。旦那のジェフはどうするか? それについてはすでに計画を立てていたリチャードだった。
ギャング集団では、若いメンバーを犠牲にして逮捕させらせ、ちょっとだけ刑務所暮らしをさせることが標準的だ。締め付けたりせずとも、文句も言わずムショ入りして刑務を務めあげたら、一人前のメンバーとして受け入れらるという次第である。
リチャード自身、ムショ入りした経験があった。1年以上の刑期だった。リチャードは考えていた。間もなく、ジェフにその番が回ってくる、と。そうなったら、その間、自分はモニカを自由にできることになる。もしかすると、モニカを使ってちょっと小遣い稼ぎもできるかもしれない、と。
小遣い稼ぎ? その言葉に、リチャードはあることを思った。もっと外の世界に目を向けたら、妊娠している美人の10代の娘とセックスできるなら大金を惜しまない男たちがいるはずだ。妊娠してて中出しし放題の10代の娘を抱けるチャンスはそうあるものではない。ましてや、その娘が人妻だとしたら、もっと高値がつくだろう。
女は妊娠すると、腹が膨らんでくる前に、おっぱいが大きくなり、張りも出てくるものだ。モニカのおっぱいは10代の若々しい乳房だし、元々、大きく張りがある。だが、この1週間の間ですら、前よりも大きくなっているように思えるぞ。
モニカを使って荒稼ぎするなら、彼女の腹が膨らんでくる前に行動する必要がある。そのためには、しばらくモニカを常時、自分のそばに置いておくことにするか?
それは難しくはない。まずは邪魔な旦那をモニカから引き離すことだ。次にジェフがシカゴに車を運ぶ時、向こうのギャングどもへ古いモデルの車を注文させ、ジェフに配達させる。そして、警察に通報。シカゴのギャングどもは警察にわいろを贈って、ジェフを助けるように仕向ける、と。ジェフが出張に出た後で、モニカにシカゴの有力者が会いに来ると伝える、と。実際は、向こうのギャングたちだが。
その「有力者」のの中にはジェフのための「弁護士」と、警察とコネがある人物もいることにしよう。でっち上げる方法はいくらでも思いつくぞ。モニカは孤立無援になるわけだし、ジェフを拘置所から出すために必死になるだろう。何でもするに違いない。
******
バスルームの中、モニカは鏡を見つめていた。涙で化粧が乱れていた。「ジェフ、ごめんなさい。本当にごめんなさい。……貞淑な妻でいたかったのに。本当にそう思っていたの。でも、あの人たち、あたしにそうはさせてくれなかった。結婚して3週間しか経っていないのに、あたしは、もう他の男の人に抱かれてしまった。しかも、ふたりの人に」
モニカは、自分がしたことを振り返って、小さく身震いした。何日か前にリチャードとしたこと。それとほぼ同じことをチャーリーを相手にしてしまった。でも、チャーリーのペニスはリチャードのよりずっと大きかった……
最初は嫌だった。だけど、チャーリーにキスをされてからは……。チャーリーはキスが上手だった。キスされてるうちに、すぐに不快感は消えて行って、その代わりに快感が生まれてきた。そしてチャーリーが自分の中に入ってきた。それから何分も経たないうちに、自分はオーガズムに達した。その後は、ずっとイキっぱなし。あそこがヒリヒリし始めるまで、ずっとオーガズムが連続していた。いいえ、アソコが痛くなった後にも、最後にもう一度、激しいオーガズムを味わった。
チャーリーに抱かれた途中から、リチャードが見ていることも忘れてしまった。覆いかぶさるチャーリーの背中に爪を立て、歯を食いしばって、強烈な絶頂を何度も味わっていた。頭の中は真っ白になっていて、あの大きなペニスで中を突かれる快感だけに覆われる。
後になって思うと、自分が、あんな言葉を大きな声で言っていたことが信じられない。リチャードがそばにいて聞いているのを知っていたから、チャーリーの大きなおちんちんが気持ちいいなんて、言葉にしたくはなかった。でも、チャーリーにイヤラシイ言葉やエロティックな言葉をいっぱい吐きかけられてるうちに、知らないうちに、声に出してしまっていた。いや、むしろ、あの時は、愛し合っている最中に、ああいうことを言わない方が不自然なように感じていた。
モニカは、チャーリーに抱かれていた時のことを振り返り、思い出した。……あたし、彼の大きなおちんちんのことを、多分、10回は声に出して言ったかも。リチャードは、そのことを忘れないんだろうなあ……
チャーリーとは何度か体位を変えて交わった。姿勢を変えたときに、リチャードがベッドの周りを移動し、ゆっくりおちんちんをしごきながら、あたしたちを見ているのに気づいた。チャーリーが大きなおちんちんをあたしのあそこに突き入れるところを、彼はじっと見ていた。
最初は、リチャードにヤキモチを焼かせてはいけないと、チャーリーに抱かれる快感をあからさまに表すのを恐れていた。でも、ある時、リチャードは大きな車輪のひとつの小さな歯車にすぎないんじゃないかと思った。実際には、リチャードは小物で、あたしの上に覆いかぶさっている、シカゴから来た重要人物という、このチャーリーという男こそあたしが本当に気にかけるべき相手なのではないか、と。そう思った瞬間から、モニカにとって、本当の意味での快感が開始したのだった。
チャーリーが仰向けになったのを受け、モニカは彼の上にまたがり、再び結合した。後ろにリチャードがいて、自分たちを見ているのを知っている。すでにチャーリーの巨根によって肉体的な快感は発火していたけれど、それに加えて、今は、彼が有力者という尊敬の気持ちもあって、精神的な愛情も湧いていた。
キスが上手で、女の気持ちを分かってて、その上、逞しい体をした男。それに対して、あたしたちの行為をこそこそと見てる小物のリチャード。
モニカは後ろでリチャードが見ているのを知りながら、わざと背中を反らせ、お尻を突き出し、上下に振り続けた。そうやって、チャーリーの極太が自分の肉穴に出入りするところをリチャードに見せつけた。
やがて絶頂が近づく。モニカは思い切り尻を沈め、チャーリーの棍棒を根元まで飲み込み、同時に腹の底から出すような深い唸り声をあげて、絶頂を伝えた。
「イクっ!」
その言葉と共に、モニカは無表情になり、息を止めたまま、じっとチャーリーの顔を見つめた。何かにキバってる顔がしばらく続き、やがて、急に呼吸が戻り、柔和な顔になった。
「ああ……、良かった……すごく、良かった!」
そう言いながら、顔をチャーリーに近づけ、再びキスをした。キスをしている間、モニカは、腰を左右に振る動きを続けた。本能的に、縦方向だけでなく、横方向でも刺激してほしく、そう動いてしまう。
やがて、モニカは、転がるようにしてチャーリーの体から降りた。その時、リチャードが自分たちを見ているのを見たが、彼のペニスは依然としてツンと立ち、天井を向いていた。
……リチャードは、やっぱり、チャーリーのおちんちんにヤキモチ焼いてる。まあ、でもいいわ。あたしがチャーリーのおちんちんの方が好きなことを、あからさまに見せてあげる。思いっきりヤキモチ焼けばいいのよ。当然の報いだわ!
そう思い、モニカは、仰向けに大の字になっているチャーリーの股間に顔を寄せた。そして、うっとりとした顔で彼のペニスを口に含んだ。キャンディーを舐めるようにべろべろ舐めては、ミルク絞りをするようにして吸い上げる。それを繰り返し、やがてチャーリーは射精を始め、モニカはためらう様子もなく、彼が出した体液を飲み下した。
先週、リチャードは何の予告もせず彼女の口に射精し、その思いやりのなさにモニカは驚いたのだが、自分自身が進んでこの行為をするとはモニカ自身、思ってもみなかった。
実際、この行為はモニカが思いついたことではなかった。チャーリーが誘ったことであった。
「もし、してくれるならの話しだが、俺は女の口に出すのも好きなんだよなあ……」
「でも、あたし、アレの味、好きじゃないの」
その返事を聞いて、チャーリーはその気持ちも分かると頷いて見せ、仰向けになった。
「口を頭につけながら、優しくしごいてくれるだけでいい。やりたくなかったら、別に飲み込まなくていいから。でも、飲み下してくれたら、本当に嬉しいよ」
そういう言葉だけで充分だった。チャーリーは別に命令したわけではないが、そのことで、かえって、モニカはその希望に応じたい気持ちになった。なにより、このチャーリーという男性を喜ばせてあげたい。できるかどうか分からないけど、彼が出すモノを全部飲み下すことにしようと心に決めたのだった。
モニカには、セックスをしていた大半の時間、チャーリーのペニスが少し柔らかい感じがしていた。彼が完全に勃起していたと思えるときでも、それは変わらなかった。多分、あれだけ大きな肉塊を血液で満たし、固く勃起させるのは、血流の生理的な仕組みでは無理なことなのだろう。モニカはそう思っていた。
でも、その理論は間違いであることが判明したのだった。モニカが咥えたペニスが、射精の直前、信じられないほど固くなったのだった。
味は、モニカが思っていたほど悪くなかった。ただ、量が尋常ではなかった。リチャードの射精ですら、吐き出さなければ対処できなかったのに、それを上回る量で噴出してきたのだからたまらない。それでも、モニカは、ちょっと咽せる瞬間はあったものの、一滴残らず飲み下して見せた。
……リチャード、ちゃんと見てよね! あたし、チャーリーのを全部飲み下してるわよ! あなたも先週、彼と同じようにあたしを扱ってくれたら、同じように、全部飲み下してあげたかもしれないのに!……
ともあれ、モニカは肉体関係を持った3人の男性のうち、ひとりに関しては精液を味わい、もうひとりについては多量の精液を飲み下したのだった。残るひとりについては、ペニスに唇を寄せたこともないのではあるが。
リチャードにとって幸いだったことがあった。それはチャーリーがモニカのアヌスをやろうとはしなかったことだった。この点に関しては、自分の方が先を行ってると誇らしかった。
とは言え、チャーリーもモニカの肛門に指と舌を使っていたのも事実だった。一度、射精をしながら、チャーリーは指をモニカの肛門に突き入れたが、すでに同じようなことをリチャードにされていたモニカは、それをされても驚かなかった。
ただ、シックスナインをしていた時に、チャーリーが舌をそこに挿し込んできた時には、モニカも驚いた。
モニカは青いバスタオルを体に巻き付け、乳房の前で結んだ。ちゃんと胸が収まるか確かめ、彼女はバスルームのドアノブを回した。
ひょっとすると、チャーリーが待っていて、もう一回しようと言うかも。そう言われたらどうしよう……そうねえ、あたしは拒まない。優しくしてくれる限り、何回でも……
ドアを開けると、すぐ前にリチャードが立っていた。ニヤニヤして見ている。
「ずいぶん長かったな。物足りなかったのか? 中で自分であそこをいじっていたのか? それとも、緩んでしまった穴をジェフに気づかれないよう、締め付ける運動をしていたのか?」
そんな言葉を吐きかけられ、モニカは顔を赤らめた。リチャードは時々、本当にひどいことを言う……
「チャーリーは?」 とモニカは部屋の中に目をやった。彼が帰ったのを知ると、彼女の顔にはっきりと落胆した表情が浮かんだ。
「チャーリーはお前のパフォーマンスに実に満足していたぜ」
モニカは急に寂しさに覆ってくるのを感じた。……チャーリーは帰ってしまった。もう終わってしまったのね。…… うなだれて彼女は言った。「そ、そう……良かった。あたし、彼に喜んでもらいたかったから……」
リチャードはニヤニヤしながらモニカに近づいた。「あいつを喜ばせただけじゃないんじゃないか? お前自身、喜んでいただろ? あいつの上に乗って腰を動かしてた時のお前の顔、ちゃんと見ていたんだぜ?」
モニカはまたも顔を赤らめた。……それは否定できないわ。全部、リチャードに見られていたんだから。
「まあね。あそこがヒリヒリしだすまでは、気持ちよかったのは本当だもの」
ヒリヒリしてる。このことだけはリチャードにちゃんと伝えておきたかった。リチャードが、この後、セックスしようとしてくるのは分かっていた。挑みかかってきたら、もう一度、この言葉を言おうと思った。
突然、リチャードがモニカのタオルを掴み、ぐいっと引っ張った。彼女の裸体が露わになる。モニカは無意識的に片腕でふたつの乳房を隠した。
「あんなことをした後になって、今さら、俺から体を隠そうとしてるのか? えぇッ?!」
モニカはうなだれ、胸を隠した腕を降ろした。
「違うの……ただ……もう、今夜はこれ以上、したくないの。とても疲れてて……あそこもヒリヒリしてて……」
「まあ、そうだろうな。わかるぜ。チャーリーのヤツ、10発はやってったもんな。やるたびに、お前のアソコは広げられてしまって、今はゆるゆるだろう。それに、あいつは一回一回が、やたら長かったしな。いちいち、お前の中を散々掻き回しやがった……
「……お前があいつとやれたこと自体、いまだに信じられねえぜ。お前のまんこ、あんだけきつかったのを思うと、なおさらだ。あんなお前の姿をさんざん俺に晒して見せた後で、今夜は俺にやらせないわけねえよな。そうだろ?」
モニカはリチャードの目を見つめた。「手でだったら、やってあげらると思う」
それで許してもらおうと期待していた。ともあれ、チャーリーとのセックスの後では、リチャードとする気など起きなかった。
リチャードは笑った。「アハハ! 大丈夫だ、モニカ。今夜は許してやるぜ。お前、チャーリーのを飲み下しただろ。今夜はもうやれないなら、フェラで出すだけで許してやろう。またジェフを出張に行かせるから、その間にまた来るぜ。そん時に、みっちりお前をやってやる……。ひょっとすると、俺たちの組織から別の男を連れてくるかもな。また、重要人物が来るらしい。そいつも、お前やジェフの将来にいろいろ助けてくれそうな人物だぞ」
リチャードはすでにある人物を念頭に置いていた。2日ほど前、彼はとあるバーにいた。そこにアロンゾ兄弟が入ってきたのである。アロンゾ兄弟はリチャードを見かけると、さっそく、そばに寄ってきて一緒に飲み始めた。何杯か飲んだのち、彼らはリチャードにモニカについて訊いた。彼らは、リチャードの駐車場の前を通りかかったとき、モニカのことを見ていたのである。
「あの娘は、すごくウブなんだよなあ……」
そう言うと、アロンゾ兄弟は、抱かせてくれたらひとり当たり100ドル出すと言い出した。場合によってはもっと出すと。
割とケチで有名な兄弟だが、その彼らが、ひとり当たり100ドル出すとは。100ドルだけでもかなりの額なのに、それが2倍となる!
最初、リチャードは彼らが冗談を言ってると思っていたが、アロンゾ兄弟はしつこく食い下がった。
「あの女は、まだ17になったばかりなんだぜ」
リチャードは、そう言って、兄弟をがっかりさせるつもりだったが、逆効果だった。むしろ益々乗り気になってくる。
「しかも、人妻なんだ」
これも逆効果だった。
「人妻? だったら、なおさらじゃねえか。誰かの奥さんに突っ込んで、ヒイヒイ泣かすのって最高だぜ」
それから、3人はさらにもう一杯、酒をお替りした。リチャードはちょっと自慢話を始めた。
「実は、もう、あの女とやってるんだ」
「おい、マジかよ。どんなカラダしてるんだ? ベッドの中ではどんなふうになるんだ? あそこは締まりが良いのか? フェラはやるのか?」
問われるままに答えていると、兄弟はひとこと、「百聞は一見に如かずだよな」と言った。
リチャードはちょっとバラしすぎたかなと思った。ただ、アロンゾ兄弟がジェフにあることはないだろうし、この話がバレることもないだろうとも踏んでいた。
「多分、多分な。何とかできるかもな」と彼は言った。「いいか? モニカは純情可憐で、とても体を売るような女じゃねえんだぞ! なにしろ、まだ男はふたりしか知らないウブ娘なんだ。俺と旦那のふたりだけな。だけど、マジでカネを払うつもりでいるなら、それに、誰にも話さないと約束するなら、考えてやらないわけでもないぞ」
アロンゾ兄弟はひとり当たり150ドルに値段を釣り上げた。リチャードは、金額が上がったのを受けて、「後で知らせる」と返事した。
リチャードにとって、その額は確かに魅力的だったが、同時にそのバーでの噂話も気になっていた。アロンゾ兄弟が女を手荒に扱うという噂だ。アヌスとバギナを同時に犯すとか、女をロープで縛り、顔面にぶっかけるとか。そういう噂だ。
アロンゾ兄弟は大きな体格で、ふたりとも身長190センチはあるし、ひとりは体重90キロ以上だし、もうひとりは100キロは超えている。肥満ではなく筋肉による体重だ。シャツの胸元からはゴワゴワした体毛が顔を出していて、その様子から察するに、特に股間周辺を含む全身がどんな茂みになっているか、容易に想像できるだろう。兄弟がニュージャージのマフィアとつながりがあるという噂もあった。
それでもリチャードは、自分がそばについていれば、ふたりがモニカに度外れた行為に及ぶのを防げるだろうと思っていた。
いや分からないぞ。ひょっとすると、モニカはそういう手荒な扱いを好むかもしれない。これは、面白い実験になるかも。モニカが、あの荒くれ兄弟ですら、ちゃんと相手できるとなったら、いくらかモニカに何ドルかカネを出してやろう。そして、ジェフとの生活のためには、こういうこともするのが良い妻の務めじゃないかと言ってみるわけだ。あのウブなモニカのことだ、素直に頷くんじゃないかな。あの兄弟が300ドル出すなら、100ドルくらいモニカにやっても構わないか……。
そして、アロンゾ兄弟から申し込みがあった直後に、フレッドから再び申し込みがあった。偶然のことだったが、リチャードにとっては運が良い偶然と言えた。それというのも、もう一度、フレッドと会うとすると、その機会にモニカと3Pを試すことができるかもしれない。アロンゾ兄弟に先を越される前にヤレるかもしれないからだ。
リチャードは、すでにモニカに、ビジネス関係で、また客があるかもしれないと伝えていた。モニカは不安そうな顔でリチャードの目を覗き込んだ。「誰なの? チャーリーは、シカゴでジェフの上につくんでしょ?……」
「心配するなって……」とリチャードは話しながら、モニカの左側の乳房に手を添えた。「シカゴには有力な男たちが何人かいるんだ。チャーリーはそのひとりにすぎない。お前がどれだけイイ女か、いったん噂が出たら、後は引く手あまたになるもんだ」
噂が出たらという言葉にモニカは恐怖を感じた。「あたしのこと? あたしがイイ女って? ジェフはどうなるの? ジェフこそ、引く手あまたになるべきじゃないの?」
「ジェフのことは気にするな。ジェフはジェフで自分の仕事があるんだ。もっと仕事も増えるだろう。ともかく、お前はジェフの仕事を大いに助けてあげることができるということだ。俺たちのビジネスで頭角を現すには、ずいぶん時間がかかるもんなんだぜ? 俺には分かる。俺自身はひとりでやったんだが、ずいぶん時間がかかったからな。だが、ジェフにはお前がいて力を添えているんだ。お前とジェフのふたりなら、大出世できるぜ。ひょっとして、いきなりトップを狙えるかもしれない。俺を追い越してな」
リチャードは両手でモニカの乳房を揉み始めていた。
「どうだ? もっと高いポジションの男たちとしてみる気はないか? 上のポジションの男たちに、お前の上に乗ってもらうだけのことだが?」
リチャードは、自分で言ったジョークに自分で笑った。モニカは、不安と嫌悪を感じつつも、つられて笑顔になってしまうのだった。
モニカが微笑んだのを見て、リチャードは調子づいた。
「実は、とある兄弟がいるんだ。そいつらは、イリノイ州の西地区の大半を仕切っている。もし、その兄弟をお前の魅力で好きにもてなしてくれたら、俺にいくらか良いことをしてくれるはずだ。俺自身、ずいぶん前から、もうちょっと上の位置に着きたいと思っていたんだよ。なあ、いいだろ? 少し力を貸してくれるよな?」
「あなたに?」 とモニカは顔をしかめた。「あたしは夫になら力を貸すわ。でも、どうしてあなたに力を課さなくちゃいけないの?」
「まあ、ひとつには、お前の旦那に最初に仕事を与えたのが俺だということがあるな。それに、お前たちふたりに、良い仕事を手配しているのも、俺だ。もし、そんな俺の取り計らいに見合ったことをしてくれるなら、俺も、お前たちに、ちゃんとそれに見合ったことをしてあげると約束するぜ」
モニカはうつむいた。「あたし……あたしは、もう、あなたに借りは返したと思っていたけど……」
リチャードはモニカの言葉を無視し、彼女の弱みにつけいった。「それに……俺とお前の間じゃねえか。特別の間柄だ。俺の言ってる意味が分かるだろ?」 そう言って彼はモニカの唇にキスをした。
最初、モニカはかすかにではあるが抵抗した。だが、すぐに両腕でリチャードの体を抱き寄せ、情熱的にキスを返したのだった。モニカは、先週からのリチャードとの様々な出来事で、すでに非常に興奮していた。激しく舌を絡ませあいながら、気持ちが高まったのか、モニカはLの言葉すら口走った。Fの言葉がFUCKを表すように、Lの言葉はLOVEを表す。
リチャードはモニカの顔をまじまじと見つめ、「俺もだよ」と答えた。
……リチャードがあたしを愛している? たった一回のセックスでそう思うことなんて、ありえるの?……
自分で愛の言葉を語ったことも忘れ、モニカはリチャードの返事に驚いた。
夫と別れることなど考えたこともない。だけど、リチャードは、先週の一度限りのセックスでは満足していないみたい。もっとそれを超えたことを求めている様子。ひょっとすると、恋愛っぽいことを仄めかして、遊んでいるのだろうけど、よく分からない。
リチャードの反応に、モニカは頭の中が混乱した。今夜の出来事があったにもかかわらず、なぜか不思議に彼に惹かれている自分がいた。
ようやく抱擁を解かれたが、モニカは興奮して息が乱れていた。
「で、どうだ?……もし、その兄弟を連れて来たら、そいつらに、お前の素晴らしい体を見せて、ちょっと抱かれてやってくれないか?」
リチャードは少しいやらしそうな笑みを浮かべ、続けた。「まあ、ちょっと考えてみろよ。そいつらがお前の体をチェックするだろうが、その間、お前の方も、同時にちんぽを2本チェックして、比べてみることができるんだぜ?」
モニカはうつむいて、自分の足元を見た。体は疲れ切っていて、眠たくて仕方なかった。あそこもヒリヒリして痛い。完膚なきまでセックスされたような気持ちだった。こんな時に、男性ふたりとセックスすることを考えるなんて、考えることすらありえない。
モニカは、こんな話しから逃れるために、とりあえずリチャードに話しを合わせることにした。いつでも、後で気持ちを変えることができるから。「多分ね。多分、ちょっと新しいことになるかも知れないわね。同時にふたりの男性とするって……」
ただ、不思議なことに、モニカは、「同時にふたりの男性とする……」と言った時、体の中をゾワゾワと興奮が走るのを感じたのだった。
「そりゃそうだな。それに、お前もすごく楽しめるかもしれないぞ」とリチャードは笑った。笑いながらも、ペニスがヒクヒクするのを感じた。モニカが巨体の男ふたりを相手にしているのを見るのは、さぞかし刺激的だろう。あの兄弟に挟まれたら、モニカは少女のように小さく見えるはずだ。
フットボール選手並みの肉体をした、40過ぎの毛むくじゃらな中年男ふたりにもてあそばれる、無垢で愛らしい、まだ10代の人妻。すごい光景になるに違いない。
リチャードはアロンゾ兄弟のペニスの大きさは知らない。だが、どんな大きさにせよ、モニカが同時に2本のペニスを同時に突き出されてどんな反応をするかは、見モノになるのは確かだった。
場所はどこにしようか? まあ、それはモニカが決めてもいいし、アロンゾ兄弟が決めてもいいだろう。ともあれ、あいつらがデカいペニスを持ってると分かったら、本当に見ておく価値があることになるだろう。
かなりの確度で、乱交状態になるだろう。そうなったら、リチャードは自分も参加するつもりでいる。それは、アロンゾ兄弟に前もって了解を得ていた。アロンゾ兄弟は大物であり、最低でもひとりあたり150ドル出すと言っている。リチャードがプレーに加わっても、それは変わらないと言っていた。
「ある意味、お前はチャーリーを相手にしつつ、俺もお前とやりたいと思ってみていたんだから、男ふたりを相手にしたのと同じだよ。お前、俺に見られてて興奮してただろ? 違うか?」
行為が始まって数分もしないうちに、モニカは、リチャードが部屋の隅に座って自分たちを見ているのを気にしなくなっていたし、むしろ、それを楽しみ始めていた。ただ、理由は見られているということだけではなかった。モニカは、リチャードに嫉妬心を起こさせるために、チャーリーとの行為をわざと大げさに喜んでいるフリをした時もあった。もちろん、すべて演技だったわけではないが、演技をしていた時もあったのだ。
それに、後には、リチャードは、チャーリーが巨大な肉棒を突き入れるリズムに合わせて、ペニスをしごき始めていた。モニカは、それを見て興奮したことも思い出した。
「あなたが自分で擦ってるのを見たわ」
モニカは、リチャードに恥ずかしい思いをさせようと、そう言ったのだが、その効果はなかった。リチャードは、モニカには、見たことをあからさまに言った方が、面白いことになるだろうと思った。
「ああ、その通りだ。俺はしっかり見てたぜ。俺は、お前のキツい穴が、チャーリーのデカマラを突っ込まれて、すっかり形が歪んでしまってたのをしっかりと見てた。そんなことされながら、お前はエロい声を出してヨガリ狂ってたのも見てたぜ。いやあ、すごく興奮したぜ。だが、お前も、俺に見られて良かったんだよな? 違うか?」
モニカはこっくりと頷き、最初の頃は別として、リチャードに見られるのを気にしなくなったことを伝えたのだった。
「やっぱりな。そうだろ?」 とリチャードはモニカの左側の乳房に手を添え、むにゅむにゅ揉み始めた。「まあ、お前がアロンゾ兄弟の世話をしてくれると分かったことだし、アロンゾ兄弟やジェフのことはしばらく忘れて、俺とお前の間のことを話すことにしようか? さっき、お前、チャーリーのちんぽをしゃぶってイカせたよな? それ、どうやったか俺にも教えてくれるかな? ハメるのはその後でもいいから」
そう言ってリチャードは視線を下に向けた。モニカは彼の視線を追った。その先にはリチャードのペニスがツンと立ってズボンの中から顔を出していた。すでに完全に勃起していた。
「あたしの胸をいじったから、こうなってるの?」とモニカはイタズラそうな笑みを浮かべた。
リチャードもニヤリと笑った。「実際は、お前がアロンゾ兄弟とヤルことについて話し始めた時から、こうなっていたぜ。お前が男たちふたりにサンドイッチにされてるのを想像したら、こうなっちまったぜ。お前なら、絶対、喜びまくると思うぜ」
リチャードはモニカの手を取り、固い肉棒に導いた。モニカはゆっくりとしごき始めた。彼の勃起を触っていると、モニカは不思議な感覚が湧いてくるのを感じた。今はすっかりヤリまくった気持ちでクタクタになっているのに、それでもリチャードとのセックスで感じまくった記憶がよみがえってくる。加えて、彼との間にはロマンティックな感情もあった。
リチャードが自分のことを、本当のところどう思っているかは分からない。だけど、彼のことを喜ばせてあげたい気持ちはあった。ええ、いいわ! 求めに応じて、その兄弟とセックスすることにする! これはリチャードのためを思ってしてあげることなの! もしリチャードがあたしと男たちの行為を見たいと思うなら、さらには、参加したいと思うなら、その通りにしてくれて構わない。もしかすると、あたし自身もその行為を楽しめるかもしれない。
モニカは顔を上げ、リチャードに近づけた。気持ちのこもったロマンティックなキスをしたいと期待して。
だがリチャードは、そんなモニカの甘い感情を吹き飛ばすことを言った。
「お前、見知らぬ男たちとヤルのが好きなんだろう? 違うか? こんな結婚生活になるとは思っていなかったんじゃないか?」
モニカは、それを聞いて、急に罪悪感が噴き出してくるのを感じた。そう、確かに思っていた結婚生活じゃない。夫に隠れて浮気するとは、まったく想像すらしていなかった。今は、それよりもっと悪い状態になっている。結婚してたった3週間なのに、ひとりならず、ふたりの男性に体を許してしまったし、さらにほかの男性たちにも抱かれることになっている。耐えきれないほどの罪悪感が彼女の胸を締め付けた。
モニカの愛撫を受けて、リチャードのペニスから先走りが染み出てきた。リチャードは、その先端に触り、指先に先走りの体液をすくい取った。
そのヌルヌルした指をモニカの顔の前に持っていき、ゆっくりと彼女の口に入れた。モニカは、催眠術にかけられたような表情で、その指を吸い始めた。
「モニカ、次に吸うのは指じゃなく、本物の方な。思う存分、吸っていいぞ。そして、噴出してくるのを全部、飲み込むんだ。チャーリーにしてやったようにな!」
そう言いながら、リチャードはモニカの口にさらにもう1本、指を差しこんだ。チャーリーの巨根がそうしたように、モニカの唇を大きく広げる。そしてゆっくりと出し入れの動きを始めた。セックスの動きを真似るような動きで。
「チャーリーにしてやったように……」 リチャードは繰り返した。声に荒い息づかいが混じってくる。
モニカは、なされるがまま、リチャードの指を吸い、同時に彼のペニスをしごき続けた。リチャードのもう一方の手が脚の間に割り込んできて、指が濡れたあそこに忍び込んでくる。モニカは目に涙が溢れてくるのを感じた。