４月の陰鬱とした日のことだった。ジョンは目を覚ました。ベッドの中、隣には、親友であり恋人でもあるジャズが寝ている。

注意深く彼女から体を離し、背伸びをし、染みひとつない部屋を見まわした。自分は何て運がいいんだ。信じられない。子供のころからのあこがれの人であり、長年にわたる友人でもある、この町一番の美人とされているジャズとデートをし、そして、今は一緒に暮らしているのだから。そんな自分と言えば、なんの取り柄もない平凡な男だ。頬骨は小さく、あごも細い顔つき。ついでに言ったら、男のアソコについても大した代物じゃない。

これらを全部合わせて考えてみれば、ジョンがジャズと一緒になれたなんて、この世で一番運が良い男だと感じても当然だったろう。

だが、ひとつ、以前から際立って無視できずにある問題があった。それは、彼女の方は彼ほど一緒になれて幸せと感じていないこと。どんな類の行為であれ、彼と性行為をするのは、自分にはふさわしくないこととみなしていることだった。

ジョンは、半裸で横たわる彼女の寝姿を見て、朝立ちをしてる自分に唸った。この朝立ち、決して世話をしてもらえるわけがないと分かっていたから。ため息をつきながら、時計を見上げた。仕事に出る前に「お楽しみ」らしいことをする時間はないと知る。それは、とりもなおさず、今日一日ずっとムラムラした気持ちで過ごすことになることを意味していた。あきらめてシャワーを浴びに行く。

手短にシャワーを浴び、やっと落ち着いたと思ったら、ジャズがシャツとパンティだけの格好でバスルームに入ってきた。結局、またムラムラ感が戻ってしまったじゃないか。

ジャズはちらっとジョンのだらりと垂れたペニスを一瞥し、クスッと笑った。ジョンは、彼女のこの習慣を嫌っていると同時に、愛してもいる。当然、バカにされ侮辱されたと感じるのだが、一方で、彼の体はいっそう反応してしまい、彼が内心は従属的なことを喜ぶ性格であることを暴露してしまうのである。ジャズは、そんなジョンを無視し、下着を脱ぎ始め、ジョンが遠慮してバスルームから出ていくように仕向ける。そして、心安らかにシャワーを浴び始めるわけだ。

ちょっと勃起をしまい込むのに苦労しつつも、ズボンを履き、身支度をした後、ジョンは職場へと出かけた。彼は市内の保険会社に勤めている。職場は家からたった２０分の場所にある。

職場に向かいながら、彼は最近のジャズの様子を振り返った。昨日、ふたりは口論をした。ふたりが親密な行為をしなくなって３か月になろうとしている。そのことについての口論だった。ジョンにとって、その口論で一番ショックだったのは、ジャズが発したある発言だった。それは…

「あたし、あんたのちっちゃなおちんちんなんか拒否するわ！　やりたいと思ったら、他の男を探すわよ！」

この言葉は、他のどんな言葉よりも彼にはショックだった。だけど……だけど、そんなに腹立たしいなら、どうして、それを思い出しただけでズボンの中、アレが突っ張ってくるんだ？　ああ、仕事の時間だ。これについては後で考えよう……

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職場での、ストレスいっぱいの長い一日が終わり、ジョンは、いつもに増して、息抜きがしたくてたまらなくなっていた。残念ながら、家に帰っても、息抜き方法は自分の手を使うことしかないのだが……。

家に着くと、妙な声が寝室から聞こえてくる。ジャズの喘ぎ声だ！　この声、彼女がオナニーするときしか聞いたことがなかったが、でも、今は、いつもよりずっと激しい感じがする。

何が起きてるんだ？　それを思うと、いつものズシンと重い気持ちが腹のあたりにたまってくる。頭の中では、次々といろんな光景が浮かんできて、いっそう重苦しい気持ちになってくる。だけど、重苦しい気持ちになればなるほど、興奮も高まってくる。

ゆっくりと寝室に近づいた。頭の中で渦巻く想像だけでも、気が狂い叫びたい気持ちだった。

そして、彼は、寝室の前に来た瞬間、何かが後頭部を打つのを感じた。目の前が真っ暗になっていく。

そして意識が戻る。左右の手首と足首をザラザラした縄で縛られているのに気がついた。冷たい首輪にも気がつく。これは気のせいでは？　だが、目の前で展開している光景は、彼が想像したよりもひどいものだった。そこでは、彼の長年のあこがれである彼女が、四つん這いになり、怪物のようなペニスで貫かれ、嬉しそうな顔でこちらを振り返っていたのだった。相手の男は残虐な印象があるハンサムな男。さらには、この光景を撮影している男もいて、おそらく、この男がジョンを殴ったのだろう。

「一体何なんだ、ジャズ！」　ジョンは怒りに任せて叫んだ。とはいうものの、望まないのに勃起もしていた。

彼女を犯している男が言った。「お前、この女を満足させていなかっただろ。だから、この女、自分を満足させてもらえる男を探したってわけじゃねえのか？」　男はニヤリと笑った。「でもよお、あんたのソコをみると、そんなに怒ってもいないようだが？」

「ジャズ！」　傷ついたジョンが悲痛な叫び声をあげた。「なんでこんなことを！」

「あんた、あたしを責められるの？　そんな赤ん坊みたいなちんぽで何ができたのよ？　快感って言えるようなこと何もしてくれなかったくせに！」

彼女は喘ぎ声を漏らしそうになるのをこらえながら言った。長年にわたる恋人同士だった彼を裏切り、侮辱することにより、かえって快感を得ているように見えた。

「それに、これがあんたを興奮させているのも知ってるのよ。あんたが『ポルノハブ』でどんなのを見て、変態な欲求を満足させているか、あたし、知ってるんだから」

ジョンはどう反応してよいか分からなかった。激しく怒り狂いたいと思ったが、なぜか、怒ることができなかった。もっと言えば、目の前で展開している美しい光景を楽しみ始めている。

体を縛られ床にひざまずいている。子供のころから愛し続けてきた女性が他の男に犯されている。愛する女性が快感に喘ぎ悶える姿ほど美しいものはない。しかも、あの男の持ち物の硬さは！　ジョンは、自分では知らなかったのだろうが、たまたま都合よく脚の間に挟まっていた枕を相手に腰を動かしていた。どうしてそんなことをしていたか分からなかったが、どうしても、そうしないではいられない。

そんなジョンの姿を見て、ジャズはくすくす笑った。だが枕を相手に腰を動かせば動かすほど、気持ちよくなってくる。

カメラの男が、持っていたカメラをある場所に設置した。ちょうどジャズの局部が突きまくられる様子と、従属的な弱々しいジョンが枕相手に必死に腰を動かす様子を同時に収めることができる位置だった。その、痩せているがそれなりに逞しい一物を持つカメラの男も、この行為に加わりたいと思ったのだろう。それをジョンは思い知らされることになる。ジャズの体はハンサムな男に使われている。溜まりにたまったモノを出すにはジョンを使うしかない。

それに気づいたジョンだったが、時すでに遅かった。カメラ男はジョンの鼻をつまみ、息苦しくなったジョンは反射的に口を開いた。男はすばやくその機会をとらえ、ジョンの口にペニスを突き入れ、同時に激しく出し入れを始めた。

口に入れられたその感触にジョンは気が狂いそうになった。驚き、怒り、少なくとも吐き気を感じるはずだった。だが、実際は、ジョンは興奮しか感じなかったのである。あまりに性的に高ぶっていて、喉奥にペニスを突き立てられても、それを喜んでしまったのであった。そして、ジャズも、自分の彼氏が、生物的により優れた男に口を犯されているのを見て、いっそう興奮し、悩ましい叫び声をあげた。

その間、ジャズは、自分に打ち込み続けている男が急速にクライマックスに近づいてるのを感じた。低いうなり声をあげてることと、挿入してる男根がヒクヒク蠢いていることを感じていれば、それを察知しないほうがおかしいだろう。男は、射精が近づくのを感じ、カメラの男に言った。「この寝取られ野郎に、本物の男の樹液を注ぎ込まれるところを見せてやろうぜ！」

痩せ型のカメラの男は、その男の言葉を聞いて、ジョンの口からペニスを引き抜いた。ジョンは、少し名残惜しく感じたものの、やっと止めてくれたかと安堵した。だが、今度は、顔を無理やりに男とジャズがつながっている方に向けさせられた。まさに、明らかに優等男性であるアルファ・メイル（参考）が、征服した女にたっぷりと精液を注ぎ込む瞬間だった。それを見せつけられ、ジョンは圧倒的な敗北を感じた。意思も心も打ち砕かれる。自分は、このふたりの男たちより劣った地位にいるのだと認めざるを得なくなる。

しかしなぜか興奮が高まり、それに伴う快感も募ってくる。そんな感情を否定しようとあらがうものの、抵抗は無駄だった。腹の奥から屈辱感と劣等感がふつふつと沸き上がってくるのにも関わらず、彼は、この一瞬一瞬を喜んでしまうのだった。

自分は寝取られ男だ。ベータ（参考）であり、ここにいる優等な男たちの下にいるべき男なのだ。もはや抵抗はできない。たったいま自分の愛する女性を征服し、その体内に精子を注ぎ込んだ男が、そのペニスを彼の口に押し込んできても、ジョンは、抵抗することなく、ただ受け入れるばかりだった。この男たちのような、自分より優れた生き物には、精いっぱいのことをして尽くさなくてはいけないのだ。少しでも自分が彼らの役に立てることを示さなければいけないのだ、と。