Caption 26


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スタンは著名な整形外科医だ。そしてアダム(スタンがいま淫らな淫乱のように乗っかってるオトコ)は、スタンの担当患者で、有名なスポーツ選手。

スタンは職業倫理に反するとは知っていたが、彼はアダムのことが好きだった。もっと言えば、もうちょっとそれ以上かもしれない。愛情と言ってもいいものだったかもしれない。

有名野球選手であるアダムが肘を痛め、手術の必要が生じたことがきっかけだった。手術前の何週間か、ふたりはしょっちゅういちゃついた。そして、手術の1週間後、アダムが予約されていた診察に来た時、彼はスタンをデートに誘ったのである。もちろん、スタンはそのデートを受けた。

それ以来、ふたりは離れがたくなった。それでも、依然として、スタンは知っていた。いかに自分の感情が本気で純粋なものだとしても、職業倫理に反した行動の言い訳にはならないと……。

思えば、かつてのスタンは女ったらしの医者で、次から次へと女たちを乗り変えた男だった。だがそれはグレート・チェンジの前のこと。そして、彼は、ひょっとするとグレート・チェンジは彼に起きた出来事で最も良かったことなのかもしれないと、自分で認めている。

彼は内面が空洞だったのだ。そんなわけで女たちを使い捨てのセックス玩具のように扱ってきたのだ。しかし、彼自身、男たちにそういうふうに扱われ(グレート・チェンジの後の1年ほどは本当にひどかったのであるが)それを経験した後は、彼は他の人とどう接するかについて新鮮な見方をできるようになっていた。それにこれまでの人生に対しての借りも返さなければと。

望むらくは、アダムが悲しまなければ良いのだが。


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