「いいよ」 とハンターは言い、タオルの前を広げ、女性化したboiの身体を見せた。「嬉しいか?」
彼の姉のキャンディスはくすくす笑って言った。「何それっ…ちっちゃいっ。何と言うか、学校のロッカールームでboiを見たけど、でも……ただ、普通より小さいだけかと思っていたわ」
ハンターはタオルを閉じ、皮肉まじりの声で言った。「とても理解を示してくれてありがとう」
そして彼は立ち去った。後に黙ったままの姉を残して。
彼は自分の部屋にいた。ほぼ服を着終えたところだった。その時、ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ」
ドアを開けると、キャンディスがいた。ハンターが何か言う前に、キャンディスが一気にまくしたてた。「ごめんね。辛いのは分かるわ。大学に入った途端、こんなことが起きちゃって……」
「いいんだよ」とハンターは少し間をおいて答えた。「これに慣れなければならないとは知ってるんだ。こうなることを知らなかったわけじゃないしね」
その後、ふたりは長々と心のこもった話しあいをした。それは、それまで長年ふたりがおしゃべりしてきた、普通のおしゃべり以上の会話だった。後になって分かるが、この時の会話は、姉と弟という関係を超えた、生涯に渡る友情が生まれるきっかけになったのだった。
考えてみると不思議なものである。あの出来事、つまりグレート・チェンジは、ほぼ普遍的に恐ろしい犯罪と考えられているのだが、それが、ハンターとキャンディスの人生に、このようなポジティブな変化をもたらす結果になったのである。不思議と言えば不思議だ。
人生とはこういうものである。