Caption 61


List | |

ランドルは恥ずかしがり屋だったことは一度もない。そもそもどうして恥ずかしがらなければならないのか? 彼は自分の身体をきちんとケアしていたし、しっかり鍛えてもいた。それに25センチ近くのペニスも彼に大きな自信を与えていた。そして、あの事件が起きた。

オマール・ベルが先行性のウイルスを世界中に撒き散らし、世界は変わり、白人男性を普通の男性から、小さく、柔肌で、女性的で、男性よりは女性と共通点が多い生物に変えたのだった。

その変化は最初、漸進的だった。身体が変化していると気づいた人はごく少数だった。しかし、そのすぐ後に、世界中が、白人男性というものは過去の遺物になり、その代わりに白人のboiが置き換わったと知ったのである。

ランダルにとっても、変化は他のboiたちと同様である。だが、彼自身の身体イメージは、現実の変化に追いついていなかった。彼は今だに自分の身体を男性的だと思っている。彼は今だに自分のペニスを誇れるモノだと思っている。そして、彼は今だに、女の子の前で裸で立つたびに、その女の子が彼のポーズを見て笑いを堪えるのに必死になっている事実を理解できずにいるのである。

だが、希望はある。いずれ彼は自分が男性ではないことを悟る時が来るだろう。いずれ彼は、自分がboiとなっている事実と折り合いをつける時が来るだろう。


List | |