オマール・ベルの世界 「気づいたのは、いつ?」


彼が変わったのにもかかわらず、前と同じでいようとした時が、気づいた時でしたか?

「ジョンはずっと前から女たらしでした。彼が浮気しまくっていたのは、私も知っていましたが、彼が私に提供してくれる生活のための代償だと諦めていました」とアンナは語った。「彼は金持ちで、権力のある男だったのです。ああいう裕福な生活を奪われるのが怖かったの」

「彼はラッキーでした。たくさんの男の人たちが、ボイになることと折り合いをつけようとして、仕事を失いました。でも、ジョンにはその問題はなかった。彼は適応し、さらにビジネスを広げたのです。でも、彼が諦めようとしなかったことがひとつだけあって、それは髪型でした。ショート・ヘアを続けることにこだわったのです」

「彼がアシスタントとして、背の高くて逞しい若い黒人を雇った時、私は何も考えませんでした。……ふたりのいるところに、うっかり入ってしまった時までは。ジョンは、まるでプロの娼婦のように、あのおちんちんにまたがって上下にからだを動かしていました。たとえ、ボイになっても彼は本当の意味では変わっていないように思います。彼は、以前同様、欲しいものを手に入れるために権力を使っている。でも、思うに、あの時が私が悟った時だったと思います」


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