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No more secrets 「もう隠し事はナシ」

トランクス姿でベッドに横たわる彼を見て、あたしは、彼のことを、これまでの人生であたしが愛してきたどんな人たちよりも愛してると悟る。ケビンは、優しくて面白くて、少なくともあたしの目には、これまで会ったどんな男よりもハンサムだ。一度ならず、あたしは不思議に思ってきた。あたしのような人間が、どうして彼のような男とつながることができたのだろう? そして、その疑問を問うと、必然的に、彼があたしの秘密を知らなかったからだと認めることにつながってしまう。

でも、それも今日まで。あたしは誓う、今日からはすべてが変わると。彼を失っても構わない。そうなっても構わないと、心の準備ができている。もっと言えば、そうなってしまうのではないかと思っている。だけど、このまま嘘をつき通すことはできない。彼は本当のことを知って当然だから。だから、あたしは、覚悟の上で、タオル1枚だけの格好でベッドの脇に立ち、彼に話しかけた。「する前に、あなたに言わなくちゃいけないことがあるの」と。

「何?」 と彼は無邪気に笑顔で聞き返した。彼のこの笑顔、この後、急速に消えてしまうだろうな。あたしの脚の間にぶら下がってるモノを知ったら、あたしのことを女性だと思っていたのが間違いと知ったら、彼は……。

「このことをこれまで千回はあなたに言おうと思ってきたわ。それを分かって欲しい……」と、あたしはタオルの端を握った。「……ただ何も変わらないで欲しかったから、言えなかった。あたしは、あなたが求めるような人間になりたかったの。願うのはただ……あたしたちがこれからも……分かって……ただ、何も変わらないでほしいと……」

「ど、どうしたんだ?」と彼は、この状況の深刻さにようやく気づいたようで、体を起こした。「どんなことであっても、僕たちは大丈夫だよ。乗り越えられるさ」

「今はそう言ってくれてるけど……でも……ええ、すぐに分かるわ」 そう言って、あたしは目を閉じた。長い間、目を閉じ続けた後、深呼吸し、ようやく目を開いて言った。「ケビン、これが本当のあたし……。本当の姿を知った後も、あたしを愛してくれたらと願ってる」

あたしはタオルを開き、こわばった笑顔を繕って、「ジャジャーン!」と小声でファンファーレを鳴らした。

どんなふうになると思っていたのか、自分でも分からない。怒り? 確かに。驚き? それは確実。でも、あれはあたしが予想した反応じゃないのは確かだった。震えながら立つあたしを前に、彼はくすくす笑った。

そして片手を上げて、「ごめん。君にとって大変な瞬間だったのは分かるよ。別に軽くあしらうつもりはないんだよ。でも、君がどんな人だったか、もう何か月も前から知っていたよ。君も僕が知ってることを知ってたとばかり思っていたよ」

「え? なんて?」 タオルが床に落ちるのもそのままに聞き返した。「し、知ってたの?」

「休暇中に君のお母さんと会ったとき、お母さんは口を滑らせてしまったんだ。で、これが、僕たちがまだセックスしていない理由?」

あたしはうなづいた。「あたしを……あたしを嫌いになると思って」

彼は立ち上がって、両腕であたしの体を包んだ。きつく抱きしめながら「愛してる」と言ってくれた。そして、あたしのふにゃふにゃのおちんちんを握って「これもね」と続けたてくれた。

それこそ、まさにあたしが聞きたかった言葉。




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