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Closing the sale 「商談成立」

「もっと速く動いて」と、あたしの後ろにいるブレンダが猫なで声で言った。「ベラ、もっともっと速く!」

ブレンダは大嫌いだけど、それと同じくベラという名前も大嫌い。だけど、あたしは指示に従った。いつも必ず指示に従ってきた。激しく体を上下に動かし、下にいる男のペニスで自分を貫きつつも、あたしは、いま自分は別のことをしてるんだと思い込もうとした。あたしはこんなあたしではないんだと思い込もうとした。しかし、そうしようとしてうまくいった試しがないし、そうなってしまう理由はいくらでもある。ますます速さを増してあたしの中に出入りを繰り返すアレの感覚は無視しようとしても無視できない。胸にある大きすぎるふたつの球体が跳ね回る感覚も無視できない。そのどっちもそんなに悪い感覚じゃないと思うかもしれないけど、それに加えて、ブレンダがしょっちゅうイヤなことを言い続けていて、それも我慢しなければならないのだ。

「ご覧のとおりです。ベラは一級品でしょう?」

テーブルの周りを取り囲むように座ってる男たちが、何か口々につぶやいた。あたしはこの人たちを無視する。無視しなければ、泣き出してしまうから。彼らはかつてはあたしの仲間だった。いや、あたしの部下だった男たち。当時、あたしはこの会社のCEOだった。当時のあたしの秘書に罠をかけられる前の話しだけど。その当時の秘書が、ここにいるブレンダ様。今はあたしは彼女の奴隷になっている。女体化され、エロさ満載の肉体に変えられた性奴隷。

「ベラは職務に実に忠実です。驚くほど。決して何事も拒んだりしません。もちろん、何かするなという指示があった場合は別ですが」

「脚の間にぶら下がってるアレはどうなんだ?」と、あたしの後継者であるマイク・チャンバーズが訊いた。「アレには何かするのか?」

「お望みならば、切除できますが?……」

ブレンダがそう答え、あたしは喉から心臓が飛び出そうになった。あたしの男らしさの痕跡をこれからも使おうと思っているからではない。アレが勃起できたのは、もうずいぶん前のことになっていた。だけど、アレを失うことは、自分のアイデンティティに対しての最後の一撃になってしまうと思った。かつての自分が誰だったか、それを思い出させてくれるモノだった。それがなくなったら、あたしは完全にベラになってしまう。

「……ですが、あの小さなのを残しておくと彼女を従順にしておくのにとても役に立つと分かったのです」

チェンバーズは手を振って、それはどうでもいいと合図を送った。「どっちでもいいさ。ちんぽが2本あるわけでもないし、穴もふたつあろうがひとつあろうが、どっちでも十分だな。約束の値段で彼女を買うことにしよう」

「ありがとうございます。彼女を配送する前に、きれいにさせた方がよろしいでしょうか?」

チェンバーズは再び手を振った。「いや、そのままでいい。今日から働いてもらうからな。製品管理部っでちょっとトラブルが起きているんだ。その問題解決のために彼女には精一杯頑張ってもらわなくてはいかん」

「どうぞ何なりと」とブレンダは答えた。「ベラ! 今のお話し聞いたでしょう? さあ、立って! 何やってるの、バカね。服は置いていくのよ。すぐに仕事を始めなくちゃいけないんでしょ!」






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