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Justice 「公平性」
「えぇ? これがあの彼だなんて信じられない」
「信じて、本当に彼なの」
「ええ、でも、彼なのは分かるけど。でも、こんなの信じるのがとても難しくて。前は、あたしも彼にあんなに夢中になっていたんだけど、その彼が今は……」
「彼に夢中になっていた女の子はいっぱいいたわ。彼、スーパースターだったんだもの。彼がステージに上がれば、何千人もの女の子たちがキャーキャー叫んで、彼の気を引こうとしていた。それに、彼のスマホがハックされて、裸の画像が全部流出したら、さらにすごいことになってしまったもの」
「世界で最大のシンガーが、すごい巨根の持ち主だった、ってアレ? あたしも覚えているわ」
「でも、今のソレを見てみて。喜んで賭けてもいいわ。あれ、もう勃起すらできないわよ。それに、マリッサ様によると、去勢したらもっとちっちゃくなっていくんだって」
「その話、知ってるわ。でも、彼、こういう目に会うほどのことをしたのかしら? 彼が最低男だったのは知ってるわよ。芸能レポーターの顔をひっぱたいたりとかしたから。でも……どうなのかなあ……彼、今は奴隷になってるんでしょ? 本当の奴隷。まったく自由がないんでしょ?」
「そういうこと、マリッサ様に聞かれないようにした方が良いわよ。マリッサ様に、あなたが彼に同情してると思われたくはないでしょ?」
「ええ、でも……」
「マリッサ様は男ばかり『犬小屋』に飼ってるわけじゃないのよ。ていうか、元オトコのことね。オトコ以外にも女も何人か飼われてるのを見たわ。マリッサ様は公平性を尊重するから、性別によって差別しないっていつも言ってるの」
「でも、その同情的なオンナをどうやってマリッサ様は見つけるのかしら? 今してる会話、あなたとあたしだけの会話なわけでしょ? ちょっと待って……あなた、何で笑ってるの?」
「いや、何でもないわ。ちょっとあなたとの関係を変える時に来たかなって気づいただけ」
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