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The best of a bad situation 「悪い状況からでも最善を」

「服を脱げ、淫乱!」とチェイスが言った。チェイスはあたしの大学時代のルームメイト。今は何? あたしの上司? ご主人様? その両方?

「誰かに見られたらどうするの?」 あたしはオフィスの中を見回した。もちろん、その質問には意味がない。あたしには選択の余地がなく、彼に従わざるを得ないのだから。彼が返事をするのも待たず、あたしはブラウスのボタンを外し始めた。

「もう遅い時間だからな。誰もいねえよ。俺とお前だけさ、キャンディ」

あたしはトップを脱ぎ、床に放り投げた。そのすぐ後に、スカートも床に落ちる。そして、ランジェリーだけの姿で彼の前に立つ。黒とピンクのブラ、黒いパンティ、そして、それにマッチしたストッキング。セクシーな女の姿だとは自分でも分かっている。ただ、パンティの薄い生地を通して、あたしの男性のシンボルが見えていることを除いては。

あたしは、この自分の体のすべてを嫌悪している。かつて、あたしは、自分の肉体を誇りに思っていた。筋肉隆々の逞しい体を。何時間もジムで過ごし、自分の肉体を磨き上げていた。そういう男だった。でも今は? かつての逞しい筋肉は消え、全身が柔らかく、曲線だらけになってしまっている。この体を見るたび、吐き気がしてくる。もちろん、実際には吐いたりせず、吐き気を堪えながら、笑顔を取り繕う。チェイスが、そうしろと言うから。この悪魔は、あたしが彼のせいでこんな体になったことを、あたしが喜んでいると思いたがっている。

変わったのはあたしだけではない。彼も変わった。肉体に加えて精神も。大学時代、あたしが彼と知り合った時には、彼は痩せこけたがり勉だった。あたしは、ルームメイトとしてペアにならなかったら、決して彼に話しかけたりしなかっただろうと思う。だが、あたしは彼と無理やりペアを組まされ、友人同士とまではいわないものの、形ばかりの知り合い同士にさせられたのだった。

大学2年の時、あたしは彼のガールフレンドとセックスした。何の気の咎めも感じなかった。だが、彼女の方はそういうわけにはいかなかったようだった。彼女は彼にすべてを話してしまったのだった。そして、それ以来、すべてが変わってしまった。

チェイスはジム通いを始めた。自ら強いて、少しでも誇りを持てるように体づくりを始めたのである。そして大学3年までには、彼女を浮気しないようにさせることもできない、みじめなダサ男だった彼も、それとは正反対の、いっぱしの男に変身したのだった。

その間、あたしの方も変身していた。最初は、ほとんど気づかなかった。ちょっと筋肉量が減ったくらい。でも、変化が始まってすぐに、急速に変化が進み、完全な女性化へとエスカレートしていった。

もちろん、あたしは自分の体を嫌悪した。でも、何をしても、その変化は続き、最後にはすっかり女性の体になってしまったのである。毎日、女性化した体を鏡で見ていたにもかかわらず、あたし自身はそれを否認し続けた。目の前の現実を信じたくなかった。

そして、このことは精神的・感情的な影響も生み出した。それまでの自信が消え去り、その代わりに従順さがあたしの中心的な性格になった。誰かにこの体になったあたしを見られるのではといつも恐怖におびえていた。チェイスはそんなあたしの恐怖につけ込み、あたしが命令に従順に従うまで、執拗にあたしをイジメ続けた。最初は彼にビールを持ってくること程度だったけれど、すぐに、あたしの変化した肉体を最も効果的に露出するありとあらゆる下品な服装を着ることへとエスカレートした。正直、今は、その程度で終わってくれたらよかったのにと思っている。本当に。でも、その程度では終わらなかった。

初めて彼に強制的にフェラチオをさせられた時、悪夢だと感じた。2回目の時、少しは気が楽になったと感じた。そして3回目の時は? ごく普通のことのように感じられたのだった。当然のことのように。セックス自体も同じだった。何回かの行為の後は、当然の行為と感じるようになっていった。最初のセックスの後、彼が一日に2回はするようになるまで、そんなに時間はかからなかった。

こんなことは卒業したら終わるはず。あたしはそう期待していたと思う。そうなってほしかった。そうなった後の計画も立てていた。彼のところから逃げ、病院に行き、すべてを元通りにしてもらう。そして、元の自分自身を取り戻す。もう一度、男になるのだと。あたしは何て自分のことが分かっていなかったのだろう。

チェイスがどこに行っても、あたしは一緒について行った。あたしには選択肢がなかった。彼が命令し、あたしはそれに従う。そんな流れで、あたしは彼の秘書として働くようになっていた。そして、毎日、自分から彼のところに近寄って、前にひざまずき、太いペニスを口に入れる日々を過ごしている。夜の警備員がオフィスの中に顔を出して覗き込んでも、ほとんど気にしなくなっている。後ろから激しく突かれながら、淫らな叫び声を上げまいと堪えることもなくなっている。チェイスは、大きな声を上げる相手が好きなのだ。元に戻りたいと願う時期はとっくに過ぎ去ってしまった。そんなことは不可能なのだと、諦めてしまっただけかもしれない。あたしは、この悲惨な状況からも、できる限り良いことを、つまりチェイスを喜ばすことをしなければならないのだ。

そして、まさにその通りのことをして、あたしは生きている。














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