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Undercover 「潜行捜査」

「落ち着け、マイク。誰にも分からないって」

「だといいんだが」

「それに、どうしてお前がそんなに心配してるんだ? 潜入するのはお前じゃない。俺だよ。それに、こんなバカげた変装をしてるのは俺の方なんだ。俺が男だと連中にバレたら……」

「いや、バレないよ。お前の変装は見事だ。というか、その点が気になってるわけじゃないんだ。俺は、この作戦が失敗したらどうなるかと神経質になっているだけだと思う。あそこの中の奴らの中には、本当に最悪の連中がいる。そういうやつらがお前に近づいたら……そんなこと、想像すらしたくない。俺はお前も失うのは耐えきれない。カーリーが奪われた後だけに、なおさら」

「彼女も奪還するぜ。約束する。それに、俺だって、どこに潜入しようとしてるか、ちゃんと分かっているんだ。むしろ、その点が俺たちにとって有利になる」

「お前はそう言うけど、連中の誰かがお前の飲み物に何か混入したらどうなる? お前も彼女と同じ運命を辿ったらどうなる?」

「それはない。もし、奴らが俺に襲い掛かろうとしても、俺が本当は男だと分かったら、一気に興ざめするはずだし」

「そうなったらそうなったで、連中はお前を売り飛ばす代わりに、お前を殺すんじゃないか? どっちにせよ、俺にとっては、いい気持ちはしないよ」

「分かってる。でも、これはやらなくちゃいけないことなんだ。俺たちは、本当の女性を危険に晒すことはできないと判断した。で、お前を女装してみたが、お前は化け物にしか見えなかった。結果、俺だけが残ったということだ。それに加えて、お前はずっと俺を見守ってくれることになってるだろ? 何か起きたら、お前は警察を呼んでくれることになってる。警察が一気に突入して、連中の大半を逮捕すると。あるいは、すべてが計画通りに行くかもしれない。その場合は、何か役に立つ情報を見つけられるかもしれない。そうなったら、連中の人身売買ルートを入手できることになるんだ。そうなったら、お前の妹も連れ戻すことができるさ。絶対そうなる。大丈夫だ。それに、俺は、ちょっと怖い目に会っても、簡単にあきらめるつもりはない。お前もそうだろ?」

「ああ。分かってる。ちと、心配性になってるだけだ」

「俺も同じだよ。だが、これは遂行して見せる。さあ、もう、こんなこと話すのはもうやめにして、中に入って行こうぜ」




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