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「隔離への順応」(13:終)

「あら、ほんと、あなた可愛いわよ。すっかりきれいになって」

「あ、ありがとう……」

「笑顔は、ヘザー? あなたがあたしにいつも言っていたことよ、笑顔は? 笑顔でいれば幸福になれるって。違う?」

「あたし……こういうの居心地が良くないわ、フランキー」

「フランキー様でしょ。ヘザー、どうやら垣根を作らなくちゃいけないみたいね。誰よりも、あなた自身がそれをきちんと理解すべき」

「で、でも、分からないんです。あたしは、ただ料理や掃除をするだけでよいと思ってて……」

「あなたはメイドなのよ。かつてのあたしと同じメイドなの。実際、あなたはこの状態を感謝すべきなのよ。あたしはあなたにメイド服を着せるつもりはなかった。それにあなたを本当の召使のように扱うつもりもなかったの。でも、そういうことをあなたはあたしにしたのよ。だから、正直言うと、あなたには、かつてのあたしと同じ境遇になってほしいものね」

「で、でも……あたしはこんな状態は……」

「あなたならできるわよ。事実を言えば、あなたには他に選択の余地がほとんどないわ。あなたの上司のちょっとした演説、業界じゅうに広まったでしょ? あの演説で、あなたが職を得る可能性は消えちゃったの。もうちょっと貯金しておけばよかったのに、残念ね」

「あたしには家族がいるの。友人がいるの。こんな状況を認めなくちゃいけないなんてありえないわ」

「うふふ。おかしい。みんな、あなたのことを嫌ってるわ、ヘザー。あなたはすべての人間関係を台無しにしてしまった。あなたのお母さまがあなたを助けることはもちろん、声を掛けることですら、ないんじゃない? そんなことがあったら、それだけでも、あたしはびっくりしちゃうわよ。ちゃんと現実を直視して。この状態は、すべてあなたが自分で招いたことなの」

「あんたなんか大嫌い……」

「どこに新しいことが? あなたはずっと前からあたしを嫌っていたでしょ? でもね、明るい側面もあるの。少なくとも、セックスなしで生活しなくてもいいの。あたしたち……というか、ポールもやりたくなる時があるし、それはあたしも同じだから。それに、可愛い奴隷女を使って遊んでも、あたしと彼の関係が脅かされないわけで、お互い安心できるでしょう? そんなわけであなたのメイド服が、服というよりエプロンに毛が生えた程度になってるわけ。それだとあたしたちふたりとも、気軽に触れるから」

「あたしは……こんなこと許さないわ……」

「あら、そうかしら? だって、あなたには選択の余地がないのよ、ヘザー。さあ、もう、仕事についてちょうだい。ポールとあたしは外に出てディナーを食べてくるわ。戻ったときには、家の中、チリひとつない状態だといいわね。それに、どうなるか分からないけど、あなたの仕事ぶりが良かったら、ちょっとしたご褒美がもらえるかもよ?」

「そんな仕事、あたしは……」

「ちゃんとするでしょ。これ以上、不平はなし。拒否もなし。言われたとおりに仕事をするか、この家から出ていくかのどっちか。それがあなたに与えられた選択肢。それに、ヘザー? あたしを試すようなことはしないこと。あたしは、あなたが服従しないのが分かったら、我慢する気はないから。即刻、首にするつもりだから」

「は、はい……フランキー様……」

「よろしい。大変よろしい。これは素晴らしい取り決めになると思うわ。今からでも、それが分かる」

おわり




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