「バースデイ・プレゼント」 最終章 original 第12章の続き

日曜日は、リラックスしながらゆっくり休んだ。その日は最後まで、ドナは、僕に女性化の要求は一切行わなかった。これは、ありがたかった。と言うのも、仮にセックスをしたいと思っても、できなかったと思うから。

二人とも遅くまで寝て、遅い朝食を取り、テレビを少し見て、それから友人と落ちあい、ハンドボールをして遊んだ。僕は、一日中、下着のBDVも含めて、普段の男性用の衣類を着ていた。ヒゲも剃らなかったし、汗をかいて汗臭かったままでいた。大方、以前の僕自身でいた一日だった。実際、2回ほどおならをして、ドナを嫌な顔にさせたりもしたのである。

ああ、確かに、ハンドボール仲間の友人に、誕生日に何をプレゼントされたかを訊かれたときは、ちょっと曖昧な返事をしなければならなかったのは事実だ。僕は、ドナが特別に優しくしてくれたよとだけ答えたが、友人は、言ってる意味が分かるよと言っていた。そして、その話題はそれだけでやめた。

月曜日になり、ベッドから降りて、引き出しから新しいBVDを出して、それを持ってシャワーを浴びに行った。だが、シャワーから出てくると、持ってきたはずのBVDがなくなっていて、代わりに、ピンクのパンティがカウンターの上に置いてあった。僕は、そのパンティを持って寝室に戻り、他の女性物の下着が入れてある引き出しに戻し、自分のBVDを出した。

「今日は、たくさん仕事があるんだよ。一日中、勃起したままでは仕事に集中できないよ」

「いつもそれを履いていたら、勃起はしなくなるんじゃない?」 

「ああ、でも、悪いけど、今日はそれをすることはできないんだ」 と答えて、僕はバスルームに戻った。ブリーフを履き、ヒゲを剃る。胸にも脚にも、ちくちくと毛が生えているのに気づいたが、気に留めている時間はなかった。服を着て、ドナに行ってきますのキスをし、コーヒーを入れたカップを手にして家を出た。

幸い、僕の車はバッテリーを交換するだけで直り、修理工場にはすでに車に乗れるようになっていた。その車でオフィスの前に乗り付ける。外から見ると、ゲイルが来ていて、僕に午前中の仕事をたくさん用意しているのが見えた。

彼女の姿を見ながら、ふと、週末の出来事を思い出した。ゲイルが、ベッドの上、僕の隣でその美しい体を縛られて、乳首はクリップで挟まれて、喘いでいる・・・。いやダメだ。仕事に集中しなければいけないのだ。

ドアを開け、オフィスの中に入ると、普段以上に強いゲイルの香水が僕の鼻についた。思わず、鼻孔を広げて、彼女の官能的な香りを吸い込んでしまう。

ドアを閉めた途端、ゲイルは僕を迎え、いきなり口にディープキスをしてきた。しかもキスをしながら、何か柔らかいものを僕の手に持たせてくる。僕はキスを解いて、握らされたものを見た。綺麗な、レースのビキニ・パンティだった。ゲイルがにっこり微笑んでいる。

「会社に来ようと家を出るとき、ドナから電話があったの。あなたが忘れ物をしたって。代わりに私のを貸してあげてって。それだと、あなたの素敵なお尻に良く似合うと思うわ。トイレに行って、それに履き替えてくださいね。醜い男性用のブリーフは私が預かります。夕方、お帰りになるときまで、私がずっと」

ゲイルはそう言いながら、僕の股間を擦っていて、僕はたちまち勃起してしまった。良識的判断力は、瞬時にして僕の頭から消え、気づいた時には、ゲイルに促されてトイレに向かっていた。トイレに押し込まれ、ドアが閉まる。

渡された愛らしいパンティをかざして見た。それから顔面に当てて、かすかな香水の香りを嗅いだ。もはや自分を抑えきれなくなってしまったようだ。直ちに、靴を脱ぎ、スラックスのベルトを緩め、下着と一緒に脱いだ。それから、興奮に震えながら、シルクの肌触りのレース・パンティに脚を通した。脚にはまた毛が生えてきている。パンティの中にペニスを睾丸を押し込め、心地よく収まるように位置を調節した。ただ、ペニスの先端がパンティの上から顔を出してしまい、さらに、その亀頭をきつく押さえつけているので、これはどうしようもなかった。こんな状態でどうやって仕事を続けられるか、分からなかった。

ちょうどその時、ドアが開いて、ゲイルが覗きこんだ。目を落として、僕の困った状況を見る。ゲイルは、にっこり微笑んだ。

「ちょっと困っているみたいですね。でも、これは対処できますよ」

ゲイルは、一旦、向こうに行って、オフィスの入り口ドアに鍵をかけ、またトイレに戻ってきた。そのまま、素敵なストッキングを履いた脚を曲げ、床に膝をつき、パンティの上から、硬直しきったペニスに唇を這わせ始めた。唇が上下に動き肉竿をしごき、時折、パンティの上から飛び出ている亀頭を咥え、吸い上げる。

フェラチオによる刺激に加え、パンティの滑らかな生地に睾丸と尻を優しく愛撫され、その感覚に、僕はたちまち射精に追い込まれた。ゲイルは、その瞬間を逃さず、ぱっくりと亀頭を咥えこみ、口で受け止めた。

ゲイルは、僕からすっかり吸い取った後、立ち上がって、微笑みながら僕を見た。僕は、次に何をされるか分かり、身構えたが、予想通り、彼女は僕にキスをし、次から次へと、口に溜め込んでいた精液を僕の口に押し込んできたのだった。僕の口の中に舌を突き入れ、中をかき回し、強引に僕に飲み込ませる。

以前は女性にこれをされたら吐き気を感じただろうが、今は、あまり嫌悪感を感じないようになり始めていた。それに、女性が男性にいつも期待されていることを僕にして見せているのだとも理解するようになっていた。ともかく、セックス自体は非常に気持ち良いので、これについてもあまり気にしないようになっていた。

「さあ、服を着たほうが良いわよ、ミス・ビッキー? それに、お客様たちに私たちの息の匂いを感ずかれないように、歯を磨いた方が良さそうね」

ゲイルはそう言って、オフィスのトイレに置いておいて日常的に使っている歯ブラシと歯磨きを僕に渡した。

彼女は隣のトイレに入った。彼女が歯を磨いている音が聞こえた。僕はパンティを履いたままスラックスを履き、チャックを上げ、ベルトを締め、それから靴も履いた。立ち上がると、ゲイルから借りたパンティが股間をきつく締め付けるのを感じる。それにスラックスの中、滑るような下着の生地の感触も。歯を磨きながら、今日は仕事に集中するのが大変になりそうだと思った。

ゲイルと一緒にオフィスに戻ったが、彼女は微笑んでいた。「いい感じ?」 と訊いてくる。

僕は、パンティを身につける感触の素晴らしさを言うのに、まさに、女性が使うような、その言葉を使おうと思っていたところだったので、顔が赤くなるのを感じた。

適切な言葉遣いをしなければと自制しながら、ゲイルに笑みを返した。

「ああ、実に、いい感じ」 と苦笑いしながら答える。

「良かったわ。言いつけを守らなくてお尻をスパンキングるのは、嫌ですものね? そうでしょう?」

僕はまた顔を赤らめた。どんどん事態が常軌を外れていく。家で女性化を受けるばかりでなく、今や、秘書もゲームに加わり、職場でも女性化を受けているのだから。ゲイルがとてもセクシーな女性であること、それに、僕やドナに優しく接している人であることのおかげで、僕は、彼女の言葉を訂正するといったバカな真似をせずにいられた。

今週は普通の状態に戻り、この女性的な物事は、一時、お休みになると思っていた僕だったが、しかし、今は、またもパンティを履いて、喜んでいるのである。ペニスがまた反応を始めているのを感じ、何とかして、このことを頭から消し去らなければと思った。

オフィスに戻り、デスクに座った。中央の引き出しを開け、目を落とすと、そこには黒いレース・ブラが入っていた。メモが添えられてある。

「良い娘ね。今度は、私のために、これを身につけて。お願い。愛を込めて。ドナより」 とある。

メモを改めて確かめると、どうやら、ファックスから切り抜いたものであるのが分かった。このブラジャーは見たことがなかったので、多分、これもゲイルのものだろうと思った。

僕はジレンマに陥った。このブラジャーを着たら、シャツの上から透けて見えてしまうのは確かだった。だが、ドナに言った約束のことも思い出す。仕方なく、僕はシャツを脱ぎ、ブラを逆向きにしてホックを留め、前向きに戻してから、ストラップに両腕を通した。ストラップの長さを調節して、胸にうまくフィットするようにする。その上にシャツを着ているところで、ゲイルがやって来た。

「とてもよい子ね、ミス・ビッキー。ドナも私も、あなたが従順なのを知って喜んでるわ。でも、そのブラだと、本当にシャツから透けて見えるのよね。そこでだけど、これをブラの上に着て、その上からシャツを着てみて」

ゲイルは僕に美しいシルクのキャミソールを渡した。肌色のキャミソールだった。その繊細な肌触りのランジェリーを手にし、頭から被った。するすると顔から胸へと流れるように滑り下る。整えると、さらさらした感じに収まり、黒いブラジャーを覆ってくれた。シャツを取り、その上に着て、ボタンを閉めた。鏡を見てみると、シャツの下、胸のところがかすかに盛り上がっている点を除けば、まったくブラは見えなかった。外からは見えないけれど、中で僕の胸をぴっちりと包み、すでに固くなっている乳首を擦っているのを感じる。

「まあ、ずっと良くなったわね」 ゲイルはそう言って、軽やかな足取りでオフィスを出て、ドアを閉めた。

デスクに戻り、椅子に座りながら、僕は改めて、自分がドナみ見事に操られていると、むしろ感嘆した。ゲイルを助手に使い、見事に僕を操作している。

そして、書類を出すために脇の引き出しを開けて、僕は再び驚かされた。黒レースのガーターと黒シルクのストッキングが入っていたのだ。それを見て、どうしても身につけてみたくなってしまう。

椅子から立ち上がり、ゲイルが僕の姿を客に見られないにしているのを確認した後、僕はもう一度スラックスを脱ぎ、椅子に座りなおして、セクシーなストッキングを履き始めた。

だが、生えかかったすね毛がチクチクとするのを感じ、そこで履くのをやめた。この美しいストッキングに電線を走らせてしまうのはいやだ。そこで、ズボンを脱いだままで洗面室に行き、そこに常備してある電気かみそりを手にした。

トイレに座り、足をシンクに乗せて、毛を剃り始める。もう一方の足の毛も剃って、つるつるの肌にした。それから、また小走りでデスクに戻り、腰掛け、滑らかになった足にストッキングを履いた。この甘美な感覚に、またもや、ゾクゾクと興奮してしまう。

それから、また立ち上がり、後ろ向きにしてガーターを着け、ホックを留めた後、前向きに回し、腰のところに装着した。ストッキングを留めるタブがいくつか太腿に垂れ下がっている。前屈みになって、前部のタブにストッキングを留め、ずり落ちないようにさせた。後ろのタブにストッキングを留めるのには、ちょっとアクロバティックな姿勢にならなければならなかったが、何とか装着する。

脚にガーターとストッキングを装着した後、僕は、スラックスを履きなおし、ベルトを締め、靴を履きなおした。前にも感じたが、ソックスじゃなくストッキングの足を靴に入れると、ローファーの靴(参考)がゆるくなったように感じる。だが、それは我慢し、ソックスは履かず、書類入れの引き出しの奥にしまうことにした。そう思って、引き出しを開けて、僕はハッと息を飲んだ。

ヒール高13センチの黒いスティレット・ヒールがあったからである。これだけは職場で履くことはできっこない! ちょうどその時、ゲイルが、また、様子を見に来た。

「それは、帰宅する時に履くものよ、ミス・ビッキー。職場用ではないわ」

彼女は、そう言って、また、オフィスの表の方に戻って行った。一体全体、ゲイルは、どうやって、僕がヒールを見つけたのを知ったのだろう? 僕は困惑して椅子に座るだけだった。

だが、ともかく、僕は、あのハイヒールを履いてみたくて、堪らない気持ちになっていた。もし、お客さんが来たら、ゲイルが声をかけるだろうから、危険を察知できるだろう。そう思い、僕はローファーを脱ぎ、引き出しを開け、愛しいものに触れるような手つきで美しいハイヒールを取り出した。

ヒールに片足を入れ、ベルトを締めて、足に馴染ませた。それから脚を組んで、もう一方の足先にも履き、ベルトを締めた。両足を床に着け、立ち上がる。身長が急に180センチ以上になった気がした。足裏が急勾配で下がっていて、前のめりになりそうな感じにも。

試しに2、3歩歩いてみた。転ばなかったのに気をよくして、自分のオフィスの中を歩き回ってみた。歩くたびに、コツ、コツと音がする。

どうも歩き方がぎこちない。その理由を思い出し、ジェニーが教えてくれたように、腰を大きく左右に振りながら歩いてみた。すぐさま、腰を揺らすリズムに乗り、部屋の中を快調に行ったり来たりし始める。小鳥のように、両手を開き、指先が外側にむくようにさせ、腰を振って、ちょこちょこと歩く。

服装は男の服装なのに、ヒールを履いて歩き回っている。突然、自分がそんな格好をしていることに気づき、僕は素早くデスクに戻り、腰掛けた。

椅子に座りながら、ヒールをぬ剛をすると、電話が鳴った。いまの気持ちからするとちゃんとした男性の声が出るように注意しなければ。そう思いながら受話器を取った。

掛けてきたのはドナだった。

「お願い、まだ、それは脱がないで」

「何を脱ぐって?」 困惑しながら訊いた。

「そのハイヒールよ。デスクの左袖の一番下の引き出しを開けて見て」

そこを見ると、黒毛のページボーイ・スタイル(参考)のかつらと、口紅があった。

「お願いだから、ヒールを脱ぐ前に、そのかつらをつけて、口紅をして見せて」

「そんなこと、ここではできないよ。いつお客さんが入ってくるか、分からないんだから」

「お客さんなら、ゲイルが時間稼ぎしてくれるわ。お願い。私のために、してみせて」

僕がしていることを、どうしてドナに分かるのか、依然として不思議に思いつつも、僕はかつらを取り上げ、丁寧に頭につけ、形を整えた。それから、口紅を手に鏡の前に行き、明るい赤の口紅を唇に塗った。上唇と下唇に塗り、両唇を擦り合わせて伸ばし、軽く舐める。

これまではブロンドのかつらをかぶったことはあった。いま鏡に映る、美しい黒髪の自分にも、驚きの気持ちで見入ってしまった。鏡の中、黒髪の女性がセクシーに美しい唇を舐めていた。ハイヒールのために、セクシーに胸を突き出し、お尻をつんと上げる格好になっている。

うっとりとした気持ちで、僕はゆっくりとシャツのボタンを外した。キャミソールに覆われたブラジャーが見えてくる。ゆっくりと鏡から離れ、肩越しに振り返って自分の姿を見た。男物のシャツとスラックスを着ているにもかかわらず、鏡の中には、黒髪の魅力的な美女が見えていた。アイシャドウと長い睫毛をつけたら目のところがどんな風に見えるか、想像できる気がした。

僕は電話に戻り、受話器を握った。

「オーケー、いま、かつらをかぶって口紅を塗ったよ」

「分かってるわ、ミス・ビッキー。その黒髪と明るい赤の口紅だと、あなた、完全と言っていいほど素敵に見えるわ」

僕はあたりを見回した。ドナは、この部屋のどこかにいるのは確かなはずだ。だが、どこにも彼女はいない。

ちょうどその時、いつもならパソコンのところにつけられているウェブ・カムが場所を変えていて、僕のデスク回りばかりでなく、部屋全体を捉えられるところにあるのに気づいた。

そのウェブ・カムと電話の両方に視線を走らせた。電話の向こう、ドナが笑っているのが聞こえた。それに、ゲイルの笑い声も。僕はオフィスのドアへ行き、注意深く、外を覗いた。そこにはゲイル以外誰もいなかった。ゲイルは、受話器を持ちながら笑っていた。

僕は、ハイヒールを履いたまま、なよなよとした足取りでゲイルのデスクへ行き、パソコンの画面を見た。画面には僕のオフィスが映っていて、ディスプレーの隣の小さな箱には、ドナが電話を耳に当てたまま大笑いしている画像が出ていた。ドナとゲイルの企みの全体像がはっきり分かるにつれ、僕もつられて笑い出していた。

自分のオフィスに戻り、電話を取った。

「さぞかし面白がってるんだろうね。はっ! 実に面白いよ! でもね、君はすべてを見たわけじゃないんだよ。最後に笑うのは僕の方かもしれないんだよ、ドナ女王様」

ドナとゲイルは、二人ともまた笑った。

「あなたのコンピュータを見てくれる?」

画面には、トイレのドアのところでゲイルがひざまずき、僕の男性自身に奉仕をしている動画が映っていた。黒いパンティの中から飛び出ている分身を見ると、男性自身というより、女性自身と言った方がふさわしいかもしれない。僕は電話を置いて、ゲイルのオフィスに戻った。彼女のデスクには、僕のデスクにあったのに似たウェブ・カムがあってトイレの方向にレンズを向けていた。

「説明させてくれ」 と言いかけた。ドナはまた笑っていた。

「説明は必要ないわ。あなたは、私とゲイルが書いたシナリオ通りに反応したのよ。最高の女装役者を演じてくれたわ。あなたが家に戻ったら、ビデオを全部見せてあげる。・・・それはそうと、男性のお客様にデートに誘われる前に、かつらとヒールを外して、口紅も落としたほうが良さそうよ。でも、お願い。家に戻って来たら、もう一度、かつらを被って、ヒールを履いて欲しいの。それにトイレの戸棚にしまってあるお化粧道具も使って欲しいの。あなたのクローゼットには、ちょっとしたものがあるのよ。あれ、私、とっても気に入ってるの。じゃあ、バイバイ。それにゲイルも、バイバイ。ありがとう」

「どういたしまして」 と向こうの部屋にいるゲイルが言い、電話を切った。

僕は電話を置き、その後は、できるだけ普通に見えるよう振舞った。それでも、早く仕事時間が終わらないかと待ち遠しかった。仕事が終われば、再び、黒髪のミス・ビッキーに戻ることができる。

もう一度、洗面所に行き、そこの引き出しを覗きこんだ。化粧道具が完璧に揃っている。引き出しを閉じ、クローゼットに向かった。クローゼットの中、ラックには、美しい黒いドレスが吊るされていた。袖と首回りはレースの生地で、さらにドレス全体を覆うようにレース飾りがついている。裾は僕の膝上20センチくらいまでしかなかった。一体、僕に、こんなドレスを着ることができるだろうか?

ドレスを取り、自分の体の前に掲げ、鏡の方へ行った。本当に綺麗な服だ。どうしても、試しに着てみたくなってしまった。僕はドアのところに行き、そこから顔を出してみた。オフィスには、まだ誰も客はいない。

「ゲイル? もうちょっとだけ、お客さんが来ても、待たせておいてくれないか?」

「分かったわ、ミス・ビッキー! さあ、試着してみると良いわよ」

またも、ゲイルがウェブ・カムで僕のことを見ていたのに気づいた。

僕は、完全に化粧をしてから、ドレスを着たいと思っていた。まず、洗面所に行き、化粧セットを取り出し、自分のデスクへ戻った。椅子に座って、セットのふたを開ける。鏡の位置を整え、目の回りから化粧を始めた。

濃い目のアイ・ラインやアイ・シャドウを使って、ページ・ボーイスタイルのかつらと黒ドレスにマッチさせるようにした。目を整えた後、顔にとても軽めのパウダーを当て、頬骨には明るい赤の色をつけて肌の色を強調させた。何となく、これで、黒皮の首輪と乗馬ムチがあったら、ぴったりになるのではないかと感じた。

鏡の中の自分に、艶かしい顔を見せ、それから、ゲイルが見ているのを知りつつ、わざとウェブ・カムの前に立ち、シャツとスラックスを脱いで、脇に置いた。ハイヒールと女性用の下着だけを着けた格好で立ちながら、繊細な生地の黒ドレスを手にし、背中のジッパーを降ろし、足を踏み入れる。ドレスを手繰り上げ、腰を包み、両腕を優美な袖に通し、身体全体にフィットさせた。

しかし、背中に手を回したが、ジッパーに手が届かないことに気が着いた。

すると即座にゲイルがドアから入ってきて、僕に歩み寄った。

「お手伝いが必要のようね?」

僕はゲイルに背中を向け、ジッパーをあげてもらった。その後、彼女は僕を前向きにさせ、上から下へと全身に視線を走らせた。

「すごく綺麗よ、ミス・ビッキー!! さあ、見てみて!」

僕は鏡の前に戻った。無意識的に溜息をついていた。ひとりでに僕の両手は、身体全体を撫で始め、セクシーなドレスの、滑らかであると同時にしなやかな生地を撫でまわっていた。

僕の脚は、脚フェチの男が見たら喜ぶような形をしているし、ハイヒールのおかげで、ふくらはぎとヒップは挑発的とすら言えるような姿を見せていた。

僕の後ろにいたゲイルは、背後から僕に擦り寄ってきて、両腕で僕に抱きついた。片手で僕の胸を触り、もう片手をドレスの裾から中に入れ、股間へと這わせてくる。うっとりとした顔をして、僕の首もとにうなだれかかってくる。

その時、突然、オフィスのドアの方で、ハッと息を飲む声が聞こえた。鏡の中、ゲイルの向こう側に映る人影に目をやる。そこには、僕の顧客の一人である、女性が驚いた表情で立っていた。片手で口を覆っている。

「ほんとうにごめんなさい。外のデスクに誰もいなかったものだから、ひょっとして、アルアさんがここにいると思ったの。本当に、邪魔をする気はなかったのよ」

ゲイルは、素早く、平然とした表情に戻りながら、この女性が言ったことを理解し、答えた。

「こちらこそ、申し訳ございません。誰もいないと思っていたので。アルア氏は、ちょっと席を外しているところなのです。こちらは、私のルームメイトのビクトリアです。ご用件は何でしょうか。私にできることでしたら、お教えください。それとも、特に、アルア氏にご用事がおありだったのでしょうか?」

女性は、驚いた状態から少し回復したようだった。

「いいえ、この次の時まで待つことにしますわ。それに、あんなふうに割り込んでしまって、本当にごめんなさいね。ビクトリアさん? あなた、本当に素敵な人ね。私でも、ゲイルがあなたを愛しても、ゲイルのことを咎めることはできないわ。もっとも、私には、そういうタイプの関係は信じられないのですけどね。まあ、でも、こういうことは、その人それぞれのことですものね。ゲイル? アルアさんに私が立ち寄ったことを伝えてくださいね。電話してくれると助かるわ。ビクトリアさん、あなたに会えて良かったわ。本当に素敵よ、あなた。それに、そのドレスも素敵。じゃあ、また、ゲイル」

彼女はそう言って出て行き、僕たちは外のドアが閉まる音を聞いた。僕ははあっと息を吐いた。その時になって、ずっと息を止めていたし、わずかに震えていたことに気がついた。一気に疲れて、デスクに座り込んだ。あの女性が僕のことに気がつかなかったことが信じられなかった。

ほっとする間もなく、デスクの電話が鳴った。取ると、相手はドナだった。

「これって最高だわ!」 電話の向こう、ドナは興奮して叫んだ。「今のを見て、素敵なことを思いついたの。ねえ、今日はビクトリアとして仕事をしたらどうかしら? 別のオフィスからあなたの代理として来た人になるのよ。誰も気づかないだろうし、あなたも女性として過ごす練習もできるわ」

「ドナ! そんなことできないよ。まる一日、ビクトリアとして通すなんてできないし、第一、仕事にならなくなる」

「でも、ビクトリア? 鏡の前に戻って、自分の姿を見てみたら?」

僕は立ち上がり、鏡の前に戻った。鏡の中、女性らしい足取りと振る舞いで鏡に近づいてくる自分の姿が見える。確かに、僕の男性としての姿を仄めかすところはひとつも見当たらない。鏡の中、僕の前に立っているのは、黒髪の美しい女性だ。見たことがないほどセクシーなドレスに身を包んでいる。だが、確かに見た目では女性で通せるだろうけど、女性で、こんな服装で仕事をする人はいないだろう。少なくとも、僕の知る限り、そういう女性は多くない。

僕は電話に戻った。

「お願いだ、ドナ。こんなことをさせないでくれ」 

「あなた、とても綺麗なのよ。それに、仕事が終わった後、帰ってくるあなたを迎えて、とても素敵なご褒美を考えているの。それを思っていて。いまはもう切るわ。じゃあ、後でね」

ガチャリとドナが受話器を下ろす音が聞こえた。

ちょうどそのとき、別の客がオフィスに来たのに気づいた。ゲイルが出迎える。

「ジョンさん、申し訳ございません。アルアは出張で今日は大半、不在なのです。ですが、別の支社から代わりに派遣されたビクトリア・スミスがおりますが、もし彼女でよかったら」

ジョン・パーカーが、それでもかまわないと言うのが聞こえた。電話が鳴り、ゲイルが彼のことを告げた。

オフィスに入ってくるパーカー氏を出迎えるため、立ち上がった。少し震えていた。デスクの横を回って進み、握手をしようと手を差し出す。ふと、そのとき、こちらから握手の手を出すべきではないと思い出し、前に出した手を降ろしがちにし、指先だけを向けた。うまく間に合って、彼には奇異に思われずにすんだようだ。パーカー氏は僕の手を取って、握手した。彼の視線が上下に動き、僕の体を一通り評価した後、再び僕の視線に合わせるのを見た。

「スミスさん、あなたに会えて嬉しいですよ。今日はビックが外出していたのは、私には幸運だったようだ」

そのお世辞に顔が赤らむのを感じたが、すぐに回復させる。握手していた手を引っ込め、椅子に座るように促し、僕自身はデスクに戻って腰を下ろした。生足の膝が隠れるように、椅子をデスクに十分に近づけて座る。

「こちらも嬉しいですわ、パーカー様。今日はどのようなご用件で?」

ジョンは、かなり長い間、僕の顔や体を見ていたが、それを頭から振り払うようにして、仕事の話を始めた。一通り話しを聞いた後、その用件をすばやく処理し、対処した。ジョンは、用件が済み、立ち上がって帰ろうとしたが、ふと、振り向いて僕に言った。

「あなたの顔は、なんだか、とても見覚えがあるような気がするのですが。一度も会ったことがないのは確かなんだが。これからは、よく覚えておくことにしますよ」

「まあ、私は、あちこちに出向くことが多いですから、多分どこかで私のことを見たことがあるのでしょう。では、また。パーカー様」

オフィスを出て行く彼を見て、僕はほっとした。

デスクに戻ると、すぐに電話がなった。

「はい、もしもし?」 できる限りの裏声で電話に出た。

「えーっと、アルアさん?」 女性の声だった。

「申し訳ございません。今日は、アルアは外出しているのです。私はスミスですが、代わりにご用件を伺いますが?」

彼女の声をもう一度聴いて、彼女が、先ほど、僕とゲイルが一緒にいたときにやってきた女性であることに気がついた。エレンという名前だ。

「あの・・・ビクターさん、ちょっと伝えたいと思って。あなた、ビクトリアとなった姿、驚くほど綺麗だったわということ。もしかすると、もう二度と、ビクトリアとしてのあなたを見ることがないかもしれないと思って、ビクトリアに会えた機会があって私がとても喜んでいたことを伝いたいと思ったの。たとえ、偶然の機会だったとしてもね。それに、言うまでもないことかもしれないけど、私に関しては、あなたの秘密は安全だから大丈夫です。心の中にしまってますから。でも、これだけは言わせて。ミス・ビクトリア? あなたは、この都市に住む美しい女性たちに、新たに加わったことだけは確かだわ。では」

「ありがとう、エレン。私ビクトリアとあなたが出会った状況を考えると、そのお言葉、とても嬉しいわ」

「あら、あの出会いは完璧だったと思うわよ。それじゃあ、素敵な一日を送ってね」

そこで電話は切れた。受話器を置くと、すぐにまたベルがなった。相手はドナだった。

「君は僕を一日中監視するつもりなのかい?」

「だって、ひとつも見逃したくないんですもの・・・それで、彼女、何て言ったの?」

「僕と会えて嬉しかったということと、僕が美しかったということ、それに、この秘密は守るから大丈夫だと、そういうことを言っていたよ。もう僕は人をだますことはできないよ。このままだと、厄介なことになりそうだよ」

「もう、ジョンをだましちゃったじゃない? ジョンは、エレンよりも、あなたのことはよく知っているのに、気づかなかったわね。女性には、男性より、観察力がある人がいるのよ。大丈夫、うまくやれるわ。じゃあ、またね、ビッキー」

受話器を置いて、今日の残りの勤務時間に備えて、身構えた。依然として、誰かが、僕が女装していることに気づき、すべてが明るみになってしまうのではないかと心配でならなかった。ドナやゲイルに説得されて、こんなことをさせられている、そんな自分が信じられなかった。だが、ともかく、始めてしまったことなのだから、最善を尽くすことにしよう。家に帰り、ドナを抱く時までの我慢だと。



彼女の側から

パソコンのディスプレーに出ているビデオカメラによる画像を小さくし、画面の隅に来るようにした後、私は、体を起こし、椅子の背もたれに背中を預けた。オフィスでのビクトリアが生き返った流れに、私はとても満足していた。ビックがいまや女性の衣服がもたらす感覚に虜になっていることが分かる。

誕生日にビックを驚かそうと決めた瞬間から、すべてがこんな展開を見せるとは。私はいまだに驚いている。ただの冗談を超えた、私たちがこれまでしてきたどんなことともまったく異なる楽しいものになるとは、夢にも思っていなかった。

でも夢ではない。ここにはビクトリアが映っている。女性になって仕事をし、クライアントたちと接しているビクトリアが。ばれないかと恐れながらも、美しい女性として十分すぎるほど通用しているビクトリア。そんな美しい女性に彼は変身している。そして、もう一つの驚きは、私自身がこれほど大胆な人間に変身していることだった。

数日前まで、私は、他の女性と愛し合うなど、たとえ、その欲望があったにしても、それを行う勇気など決してなかった。それに今になってから思うに、そのような欲望は、ビクトリアと一緒に見たビデオに触発されたものだったと思う。加えて、ビックの体毛を剃り、ネグリジェを着せ、メイクをしてあげ、その上で女性同士で愛し合うように彼と愛し合ったことも、女性と愛し合う欲望が出てきた要因になっているかもしれない。

これは一時的な現象だというのは確信しているけれど、私は、これほどエッチな気持ちになって、性的なプレーにのめりこんだことはなかった。エロチシズムに関わるすべての領域が一気に私の前に広がり、私を包み込んでいる。そして私はそれを喜んでいる。

他にどんなことが試せるだろう? そう考えていた私は、あるアイデアを思いついたのだった。

ハンドバックを手にし、家の外に出て車に向かった。屋外の冷たい風がスカートをたなびかせた。風が、ストッキングの上、素肌の太ももを愛撫し、下着の薄地の生地越しに私のラビアに吹き付けるのを受け、私はぞくぞくと体を振るわせた。

車に乗り込み、その数分後、私は「シンディのランジェリーと装身具」の前に来ていた。ウインドー越しにジェニーを見つけ、手を振った。ジェニーは嬉しそうに微笑み、ドアへ来て私を出迎えた。

ドアを過ぎると、ジェニーは私の両手を取って、私を抱き寄せた。そして、いきなりディープで、官能的なキスをしてくる。嬉しかったけれど、驚きつつ、私は素早く周囲を見回した。幸い、店内には客はいなかったし、他のスタッフの姿も見当たらなかった。

「ドナ、私、あなたとビクトリアのことばっかり考えていたのよ。いつになるか分からないけど、次のプレーのことを想像し続けているの。それにゲイルもあんなに綺麗でセクシーだし」

「今日、ここに来たのはそのことについてなの。ビックを女性化する実験での次の段階は何かなと考えているのね。夢にも思っていなかったんだけど、彼、女装することに楽しみを持ってきたし、ボンデージやスパンキングにも前向きな反応をしてきたわ。このような事態を新しくて楽しい方向で進め続けたいと思っているの。彼も私も楽しめる形で。それにもちろん、今や、あなたもゲイルもその重要な一部となっているわ」

私は、今朝の出来事や、ビデオカムのことについてジェニーに教えた。私とゲイルがビクトリアに仕掛けたサプライズの話しを聞いて、ジェニーは声に出して笑った。

ジェニーは、ちょっと考えた後、こう言った。

「ねえ、ビクトリアって、ディルドを入れられるのを楽しんでいるように思うんだけど、どうかしら? 私たちがアレを使ってあげるといつも喜んでいると思うの。きっと、犯されるのが好きなのよ。だから、あなたも、彼の女性化の遊びの一部として、彼のアヌスのことを上手く利用できるはずだと思うわ。ちょっと、いいもの見せてあげるわね」

ジェニーは、数々のディルドが置いてある一角に私を連れて行き、あるパッケージを手に取った。そのパッケージには、ペニスの形をしたプラスチック製のものが3本入っていた。どれも根元の部分は平らになっていたが、サイズは3本とも異なっていた。

「これはね、尻栓(参考)と呼ばれているものなの。要するにトレーニング用のプラグ。考えたことというのは、ビクトリアに、性的なことをしていない間も、これを着けさせるということ。これが入れられている間はずっと、彼、他のことを考えられなくなるし、性的にすごく刺激されっぱなしになると思うわ・・・」

「・・・一番小さいのから初めて、その大きさに慣れるようになったら、次に大きなサイズへと移る。このサイズでも大丈夫になる頃には、痛みや不快感なしでアナルを楽しめるのに十分なだけ拡張されていることになるはずよ・・・」

「・・・それに加えて、これがあると、ビクトリアは自分の体やアヌスを支配しているのはあなただということ、あなたを喜ばすための存在だということ、そして、そういう存在であることが彼女自身を喜ばすことになるということを常時、意識することになるわ」

私はそのパッケージを受け取り、彼女の後について別の所に行った。

「ゲイルがこの前、あなたの家に来たとき持ってきてたから、これは見た頃があるはずね」 と、ジェニーは乳首挟みを手にした。

「・・・これは調教と刺激の両方にとても役に立つわ。いったん、この味を堪能したら、誰でも、これが生み出す極上の痛みが欲しくて我慢できなくなるはず」

ジェニーは乳首挟みのセットを私に手渡した。もう1セットも手にし、それから尻栓のコーナーに戻って、もう1パッケージ手にした。それを持って私のところに戻ってきて、にっこり微笑んだ。

「ねえ、ドナ? ビクトリアの立場になって考えると、彼女は、あなた自身はしたくないようなことをさせられるのは嫌だと思うんじゃないかしら?」

その言葉を聞いて、私はアヌスがきゅっとすぼまるのを感じた。ビクトリアのためにと私に見せてくれた品々にあまりに関心を奪われていて、それが私に対して使われるかもしれないとは、まったく頭に浮かんでいなかった。

ジェニーは私の手を取って、裏手の試着室へと連れて行った。ジェニーは、尻栓のパッケージを開き、一番小さいのを取り、私の後ろに回った。スカートを捲られ、下着に指を掛けられる。それを優しく引き降ろしながら、ジェニーは私の耳元に囁きかけた。

「前のめりになって。そして、身から出たさびとして耐え忍ぶことね」

ためらいつつも前のめりになった。ジェニーは私のお尻の頬を左右に開いて、潤滑液がついていないままのプラグを私のアヌスに押し付けた。あそこを緩めようとするのだけど、反射的に緊張してしまい、プラグの侵入に抵抗してしまう。

突然、ジェニーは私のお尻をぱちんと叩いた。

「緩めなさい! この淫乱女! さもないと、お前の尻穴を引き裂いちゃうよ!」

お尻を平手打ちされ、乱暴な言葉を掛けられ、目に涙が溢れていた。それでも私は自分からプラグに向けてお尻を突き出した。排便をするときのようにして。すると肛門が緩み始め、それを受けてプラグが徐々に中に入ってくるのを感じた。

ふと、この前の夜、ジェニーがディルドで私のアヌスを犯したときのことを思い出し、だんだんと興奮してくるのを感じた。さらに前のめりになって、両手で左右の足首を掴んだ。

「ジェニー様、それを押し込んでください。心構えができました」

ジェニーはプラグを根元まで私のアヌスに押し込んだ。根元のところがお尻の頬に当たっているのを感じる。体を起こすと、いっそう、プラグがお腹の奥に入っている感覚が強まった。何とも不思議な感覚が体の中から生まれてくる。ジェニーは優しく下着を元通りにし、スカートを直してくれた。

「一日中、これをつけていること」

そう言いながら、ジェニーは私を前向きにさせ、ブラウスのボタンを外し始めた。ブラは外さず、優しい手つきで、ブラの中から私の乳房を引っ張り出した。片方ずつ、手で押さえながら、乳首挟みを付けていく。乳首を強くつねられた感じで、じんじんと痛みが広がる。ジェニーは、私が痛みに弱弱しい泣き声をあげるのを見ながら、きつく締め付けて、装着した。その後、ブラジャーを元に戻してくれた。

下半身はプラグで刺激され、同時に、左右の乳首は常時つねられたまま。私はほとんど何も考えられない感じだった。

「あなたに成し遂げられるだけの集中力があればの話だけど、仕事を命じるわ。これをビクトリアのオフィスに持っていって、彼女に装着すること。いいわね?」

ジェニーは私を抱き寄せ、キスをした。私も、信じられないほど興奮していて、彼女に情熱的にキスを返し、抱きしめた。ちょうどその時、ドアのチャイムが鳴り、来客が来たことを告げた。ジェニーはさっと私から離れた。

「そろそろ、支払いを。それから仕事に行きなさい」

二人でレジに向かった。お尻のプラグがなるべくアヌスを刺激しないようにと、体を強張らせて歩いた。支払いを行い、その間、ジェニーは袋の中にアイテムを入れていた。彼女に笑顔でウインクをされつつ、店を出た。

ジェニーの店を出て車に向かった。車のドアを開け、買い物袋を放り込み、運転席に勢い良く座った。途端にお尻に入っていたプラグが奥まで押し込まれ、思わず腰を浮かした。

痛みが治まるのを待って、今度はゆっくりと腰を降ろし、プラグがめり込まないように重心を整えた。シートベルトを引っ張り、装着した。途端に乳首が痛み、悲鳴を上げた。胸の前に渡したシートベルトがブラの中の乳首挟みを擦りあげたのだった。

この時のショックで、思わず車のキーを床に落としてしまった。ぎこちなく体を前のめりにさせて、キーを拾い上げる。お尻を突き出す姿勢になるので、プラグがぐいっと奥まで入ってくるし、胸もハンドルに当たって、乳首を刺激し、つんつんに尖がっているような感じになる。体を動かすたびに、アナルと乳首を刺激されてしまう。

私は、いっそう注意深く動きながら、車のエンジンを掛け、ビックのオフィスへと向かった。

ジェニーのお店で買ったものを入れた袋を持ちながらオフィスに入った。ゲイルが顔を上げ、にっこりと微笑んだ。優雅に振るようにしてデスクの中から両脚を出し、立ち上がり、私を出迎えてくれた。両手を握りながら、私を近づけ唇にキスをしてくる。

でも、抱き寄せられた私は、胸が彼女の胸に当たり、小さく泣き声をあげた。

「あら? ドナ、どうしたの?」

「実はね・・・」 と私はブラウスのボタンを少しだけ外し、ブラを引き下げて、中の様子を彼女に見せた。

ゲイルは、びっくりして目を丸くさせた。

「いったい全体、どういうこと?」

「ジェニーが働いているシンディーのお店に行ったの。ビクトリアのために何かもっと良いアイデアがないかとね。そしたらジェニーがアイデアを出してくれて。そこまでは良かったんだけど、そのアイデア、ビクトリアばかりでなく私にも向けられたものだったの」

私はゲイルの手を取って、お尻に当てさせ、下着の中、プラグが入ってるところを触らせた。そうしながら、袋の中からプラグが入っていたパッケージを出して見せた。

ゲイルは、プラスチックのパッケージの中、プラグの一つがなくなっているところを見て、どういうことか理解したようだった。でも、私は、ゲイルの反応に驚かされた。

ゲイルは、パッケージから顔を上げ、私を見て、笑顔になった。

「ねえ、お願い、私にも試させて?」

ゲイルの美しい顔と、夢のような体を改めてまじまじと見た。もちろん良いわ、と思った。ビクトリアや私にとって良いことなら、当然、ゲイルにとっても良いことだから。

「そうねえ、こういうのはどう? 私がビクトリアを説得するのを手伝ってくれること。もしうまく行ったら、後で、あなたに私がこれを入れてあげるわ」

ゲイルはにっこりと笑った。

「じゃあ、取引ね」 と言って、別のパッケージを出し、包装を破って、一番小さいプラグを取り出した。

二人でビックのオフィスに入った。ゲイルは後ろプラグを握って隠していたし、私は乳首挟みを持っていた。

デスクから顔を上げたビクトリアを見て、私はハッと息を呑んだ。ウェブ・カムで見たときより遥かに美しい。女性っぽく、綺麗な脚を揃えて横に出し、立ち上がった。ハイヒールのおかげで、彼女の脚はいっそう美しく見え、品の良い女性のように見える。

ゲイルと私が近づくと、ビクトリアはくるりと一回転して、私に服装を見せた。でも、危うくバランスを崩しそうになり、あわてて体勢を整えた。

「とっても綺麗よ。でも注意してね。素敵な首を折りたくないでしょ?」

そう言って両腕を広げて彼女に抱きつき、彼女の向きを変えた。背中がゲイルに向くようにさせた。

「今日は、もう一つ、あなたを驚かせることがあるの」 そう言ってゲイルに合図を送った。

ゲイルは私の合図を受けて、ビクトリアのドレスの背中のファスナーを降ろした。ファスナーが降りたのを確認して、私は、ゆっくり、優しく、ビクトリアのドレスをブラジャーの下まで降ろす。それを受けて、ゲイルが背中のホックを外した。

彼女の乳首を指で優しくいじる。だんだん硬くなってくるのを感じた。キューっとつねってビクトリアの顔を見た。目に妖しい輝きが浮かんでいるのが見えた。

乳首がかなり大きくなったところで、手に握っていた乳首挟みを出し、片方の乳首に装着し始めた。

ビクトリアは目を丸くして見ていたが、締め付けをきつくしたら、女っぽい喘ぎ声を上げた。もう一方の乳首にも装着する。ビクトリアはそれをつけてもらうのを望んでいるようで、おとなしくされるままになっていた。私も、自分の経験から、あの痛みは絶品で、じんじんと快感が沸いてくるのを知っている。彼女もきっと同じ快感を感じているはず。

あまりきつくなりすぎないけれど、外れたりしない程度に締め付けた後、ブラジャーを元に戻した。外すときと同じく、ゲイルが後ろでホックを留める。ドレスも同じで、私がドレスを引き上げ、ゲイルがファスナーを留めて、元通りにした。

ビクトリアの表情から、乳首に与えられている痛みを彼女が喜んでいるのは確かだった。さて、次は尻栓の番。

「ビクトリア? 私の方に前かがみになってくれる? それからスカートを捲りあげて、お尻を突き出すの」

警戒心の色が彼女の顔に浮かんだ。彼女が断ろうとしているのが分かった。

「ビクトリア? 私を信じてくれる?」

「もちろん信じてるわ。知ってるはず、ドナ女王様」

「じゃあ、私の言うとおりにしなさい」 女性化した夫を見て、彼女のメーキャップをした目をしっかりと見据えながら、命令した。

ビクトリアは前かがみになりスカートを捲り上げた。セクシーな黒パンティとガーター、それにストッキングがあらわになる。

ゲイルは、ビクトリアのパンティを膝の辺りまで引き降ろし、尻頬を左右に広げた。ゲイルに尻栓をアヌスへ当てられたとき、ビクトリアはお尻を引っ込めたい様子を示したが、それでも我慢して、なされるがままの姿勢を保っていた。

ゲイルが徐々にプラグを押し込んでいくと、ビクトリアは美しい唇を半開きにして、ああんと溜息を漏らした。見ると、ビクトリア自身、お尻をプラグへ押し返す動きを始めていた。

やがて、尻栓のすべてが彼女の直腸に納まった。プラグをしっかり固定する。プラグの根元が、つんと上を向いた彼女の尻頬の間から顔をのぞかせていた。ゲイルは薄地のパンティを元通りに戻した。

「さあ、体を起こしてもいいわよ」

ビクトリアは体を起こした。プラグを嵌められたとき私が感じた、そして、今でも感じている同じ感覚を、彼女も味わっているのが分かる。私は、スカートを元に戻すビクトリアに微笑みかけた。

「とっても行儀良く、従順だったわね。そのご褒美に、あなたを驚かせるものを見せてあげるわ」

そう言ってブラウスのボタンを外し、ブラジャーを少し下げて、乳首挟みを見せてあげた。ビクトリアはにんまりと笑顔になった。

「ここのところにジンジンと痛みを感じているのは、少なくとも私一人じゃないということね」

「そればかりじゃないのよ」 と私はビクトリアにお尻を向け、スカートを捲り、下着を降ろした。彼女にプラグを見せる。

ゲイルはいつの間にかオフィスから出て行っていて、次に大きなサイズのものを持って戻ってきた。

「今度は私の番よ」と言ってビクトリアに微笑みかけ、尻栓を彼女に渡した。「・・・でも、その前にちょっと潤滑液が欲しいの。ビクトリア? あなたには、私に潤滑液を出させる道具があるはずよ」

ビクトリアは私の顔を見た。私は笑顔を見せ、OKのサインを送った。

私はゲイルの前に行き、ディープキスを始めた。キスをしながら、スカートの裾をつかんで捲り上げ、下着に包まれたお尻を露出させた。

一方、ビクトリアはゲイルの後ろにひざまずき、パンティを引き降ろした。ゲイルの完璧な美尻が姿を見せる。

ビクトリアはゲイルのお尻に顔を近づけ、舌を伸ばし、彼女のアヌスを舐め始めた。とたんに、ゲイルは喜びの声を上げ、私に強くもたれかかった。同時にお尻をビクトリアの口に突き出す。

ビクトリアは夢中になってゲイルの裏トンネルを舐め、吸い、さらに舌を尖らせて中をほじった。ゲイルが快感のあまり気絶してしまいそうになるまで、それが続いた。

その後、ビクトリアは立ち上がりながら、ゲイルの腰を掴み、自分自身のスカートを捲り上げた。それから下着を降ろし、片方の脚を抜いて自由になった。拘束を解かれた勃起が姿を見せた。

下半身をゲイルのお尻に押し付けながら、今や充分に濡れた肉筒にペニスをあてがい、押し込んだ。ゲイルの方もビクトリアに押し返す。

ビクトリアは愛の道具をゲイルの肛門に完全に挿入した後は、すぐに激しく出し入れを始めた。まるで1ヶ月以上もセックスをしていなかったような激しい勢い。

私はゲイルにキスを続けていた。ゲイルは口を塞がれつつも、声を上げ続け、同時に、ビクトリアの道具に向かって腰を前後に動かしていた。そして、打ち込みを続けつつも、両手でゲイルの乳房を掴み、握ったり、離したりを繰り返した。

それがしばらく続き、やがてビクトリアは声を上げ、彼女の愛液をゲイルの裏トンネルに放出した。それを受け、ゲイルはぶるぶると震え、その後、ぐったりとなって私にもたれかかった。私にしがみつき、小刻みに震えた。

しばらく経ち、元気を取り戻したゲイルは、私を見て言った。

「もう、プラグを入れても大丈夫だと思うわ」

ビクトリアはまだ勃起したままのペニスをゲイルのアヌスから引き抜き、尻栓を手にした。軽く押しただけで、するすると入り、収まった。ゲイルはパンティを引き上げ、元通りにした。

「私やビクトリアのときより、簡単に入っていったようね」 私はゲイルに笑顔を見せながら言った。

ゲイルも笑顔を返す。

「ちゃんと潤滑を与えておくべきなのよ、ドナ」

「今なら、その意味が分かるわ。見たばっかりだから。この次には忘れないようにしなきゃ。ところで、いま、私、誰かにクライマックスにいかせてもらわなかったら、悲鳴を上げちゃおうかなって思ってるんだけど・・・」

それを聞いてゲイルは素早く私の前にひざまずいた。スカートを捲り上げ、パンティを降ろし、まさに私が望んでいることをし始めた。

ゲイルが素晴らしい口唇奉仕をしてくれている間、ビクトリアは私の後ろに回りこみ、私のアヌスからプラグを引き抜いた。そして、肛門が閉じる前に、ペニスを挿入し、ゲイルに行ったのと同じことを私にしてくれた。

叫びながら絶頂に達した。これより気持ちいいことなどない。そんな言葉が私の頭に響いていた。



ビクトリアの側から

どうしてよいか分からない。ドナは何もかも変えてしまい、僕たちの性生活を完全に支配してしまった。もっと言えば、気がついたら、ドナは僕の生活のすべてを支配してしまっていたと言える。僕の生活は、以前と比べ、まったく逆転してしまったのだ。しかも、たった1週間足らずで。

オフィスの中、椅子での座る位置をちょっと変えただけでも、アヌスの中、プラグが位置を変えるのを感じる。しかし、こんなことをされた今ですら、ペニスが勃起し、ひくひくと脈動してしまうのだ。乳首挟みにつままれた乳首はいくぶん麻痺しているが、それでも、ちょっと身体を動かすたびに、途端に両乳首は存在していることを主張し、意識を向けよと訴えてくる。

僕は立ち上がり、鏡に向かった。これが自分の姿なのかと唖然となる。いまだに納得し切れていない。

形の良い両脚を、ガーターのストラップにつるされたナイロン・ストッキングが優しく擦り、ぞくぞくと興奮が全身を駆け巡る。スカートを履いた脚の間は、妙に頼りなく、わずかな空気の流れだけで、パンティに包まれたペニスが愛撫され、絶えず刺激を感じる。

口紅を取ろうと身体を曲げただけで、またプラグが位置を変え、アヌスが刺激された。

口紅を手に鏡に向かい、塗り直しを始めた。口を半開きにし、上唇から始めた。リップを中央の右側にちょっとだけ塗り、輪郭を描き、唇の端へと伸ばしていく。左側も同じ手順で塗った。それから、下唇に移り、ちょっとだけ塗った後、上下の唇を擦り合わせるようにしてリップをまぶし、リップ塗りが完成する。唇が滑らかになった感触を味わった。

ドナとは、結婚前のデートの時に車の中でしたことがあった。だが、それ以外では、結婚前も後も、家の中か、あるいは旅行のときに利用したモーテルという二人だけになる場所でしか、性的な行為をしたことはなかった。

それが、突然、いまは職場にいると言うのに、そこで妻とセックスをし、秘書ともセックスをし、さらに妻も秘書とセックスをしている。しかも、僕は女性の服を着飾り、見事に女性に変身しているのだ。自分のことながら、自分はどうすべきなのか、さっぱり分からなくなっている。

内心では、こんな経験は、すでにかなり行き過ぎているとは感じていた。だが、同時に、自分がこの経験の持つ極度の性的興奮に魅了され、麻薬中毒者のように、いくらやっても飽きが来ない状態になっているのも自覚していた。

新しいことを経験するたびに、次の新しい経験を待ち焦がれる心境になる。そして、そのたびに抵抗感が薄まり、ビクトリアの役割を演じている自分を他人に見せてしまい、その結果、身の安全を大きく危険にさらすようになってきているのだ。

もう一つ、僕を悩ませていることがあった。それは、ドナが僕に見せてくれたネットでの体験談や投稿の内容だった。その内容を読むと、女性の格好をする男性の大半は、ホモセクシュアルかバイセクシュアルのいずれかであって、たいてい、男性に惹かれる者たちであるという事実である。だが、これは、断じて、僕自身の感覚とは異なる。どんな形であれ、他の男との出会いを求めるような欲求は自分の中にはない。

しかし、一方、ドナやゲイル、それにジェニーといると、自分は女性になっていて、ドナたちとレスビアン的行為に加わっているような感覚があった。しかし、僕が男であるのは事実である。だから、その行為は実際にはレスビアンではない。たとえ、女同士の行為であるにしても、少なくとも僕の側からすれば、レスビアンとは異なっている。

ともかく、この状況のすべてに僕は困惑していた。僕は一度もドナ以外の女性と浮気をしたことがなかったし、ドナも僕以外の人と浮気をしたことがなかった。なのに、今は、二人とも性的な行動を、他の女性二人と共同している。

さらにもう一つあった。前までは、僕たちの性生活には、支配・被支配の力関係はまったく関与していなかった。それが今は重要な一部になっている。もっと言えば、支配・被支配の力関係こそ、僕を興奮させている部分となっているということである。

これは、こういうことなのだろうか? つまり、ドナが支配的に命令を下してくるのであるから、それを受ける僕は、ノーマルなセックスから逸脱することへの責任を受けなくても済むことになり、様々な行為や状況も、自分自身で考えたことではないものとして、それに安心して身を任すことができる、と。まさにこれこそ、気になっていることなのかもしれない。

僕は、これまでずっと、自分の人生のほとんどすべてを自分でコントロールしてきたと感じていたし、夫婦の関係でもリードする役を担っていると感じてきた。だが、今は、自分の役割について適切と思われる言葉はというと、インターネットで知った、あの言葉だけである。つまり、パンティ・スレイブ(参考)という言葉。

パンティを履くことと、それを着たままセックスをすること。この二つが組み合わさった場合の何か分からぬものが、僕の心理に何かをもたらしたようで、非常に心の奥深い基本的な部分を変えてしまったようなのだった。ドナは、この性的ゲームが非常に深く僕に影響を与えていることに気がついているのだろうか? 今の僕は、女性の衣類を見ても、すぐに、自分が着たらどう見えるだろうかとか、どんな着心地なのだろうかとか、そういうことばかり考えるようになっているのである。

そんなことを考えていたとき、ゲイルがドアから顔を出し、僕のオフィスを覗き込んだ。また別の女性のクライアントが来たと言って、その人をオフィスに案内して来たのである。

僕は、先の顧客に行った時と同じように振る舞い、仕事を片付け、その客に、アルア氏は不在だが、仕事に関しては万事ご安心くださいと請合った。客が帰るときには、握手をしながら、感謝を述べ、いつでもお寄りくださいと伝えた。

その日も終わりに近づいた頃、ドナから電話が来た。

「ビッキー? ちょっとわくわくする知らせがあるの。でも、あなたが帰ってくるまでは、どんなことかは話さないわ。だから仕事が終わったら遅れずにすぐ帰ってきてね」

「こんな服を着ているのに、寄り道して帰れると思うのかい? 心配は要らないよ。まっすぐ帰るから」

僕とゲイルは、いつも通りの手順でオフィスを閉める作業を始めた。ただ、今日はハイヒールを履いて、ドレスを着ているという点が異なった。

オフィスを閉めた後、ちょっと外をチェックしてからオフィスを出て、車に乗り込んだ。こんな格好でアルア氏の車に乗り込むところを、隣でビジネスをしてる人たちに見られたらたまらないからだ。

車を走らせたが、やはりハイヒールだとペダルを踏む感覚が変だ。ともあれ何とか家にたどり着いた。車のドアを開け、両脚をそろえて振るようにして外に出し、車から降りた。何とか、何事もなく家にたどり着けたようだ。

ドナはこの日も部屋で僕が帰るのを待っていた。そして、この日も女王様の身なりをしていた。しかも、あの美しい両脚の間にはストラップオン(参考)が隆々とそびえ立っている。途端にペニスが勃起し始めるのを感じた。

ドナは木製の椅子を部屋の真ん中に移動していた。よく見ると、AV機器を置いてあるところのビデオカメラが、その椅子にレンズを向けているのに気がついた。椅子の4本の足全部にロープが結び付けられていて、背もたれには大きなタオルが掛けられている。

ドナは僕に歩み寄り、熱のこもったキスをした。二人とも口紅をつけているので、互いの唇が滑らかに滑りあい、実になまめかしい。

ドナはキスを終えると、僕の手を取り、椅子の後ろへ連れて行き、背もたれを腹にあてて前かがみになるよう命令した。

命令に従うと、ドナは僕の両手首にロープを縛りつけた。さらに後ろに回って、両足首にもロープを縛り付けた。事実上、手足の自由を奪われた格好になった。

「緩むかどうか、ちょっと試してみて」

両腕を強く動かしてみたが、ドナはしっかりと結んだらしく、全然ほどけなかった。さらに身体をうねらせてみたが、足首を拘束されているので、椅子から離れることもできない。

ヒールを履いたままなので、あまり踏ん張ると足が痛くなる。結局、腹部を椅子の背もたれに乗せて力を緩めざるを得なかった。そうなると、お尻を高々と突き上げて椅子に覆いかぶさる格好になっていた。

ドナが僕のドレスの中に手をいれ、乳首挟みを外した。

その途端、左右の乳首が燃えるように痛み出した。それまでは挟みに捕らえれ、いわば麻痺していたのだが、突然、血流が戻ったのだろう。そこの神経に火をつけられたように感じる。

ドナは乳首はさみを椅子の上に置き、僕の後ろに回った。ドレスのスカートを捲り上げ、僕の背中に掛け、それからパンティを膝まで降ろした。そしてテーブルに行き、潤滑クリームを取り、ストラップオンに塗り始めた。

手についたクリームをタオルで拭きながら、僕の後ろに戻ってくる。優しく尻栓を引き抜き、タオルに放り投げると、空洞になった僕の裏門にゆっくりとディルドを入れ始めた。

挿入される間、僕はあえぎ声をあげることしかできなかった。ドナは優しくディルドの根元まで挿入した。彼女の恥丘が僕の尻頬に触れるのを感じた。その部分がいっぱいに埋められた感じがし、今にもはちきれてしまいそうに思った。

ドナは、そのまま僕に覆いかぶさり、両手を前に伸ばして、敏感になっている僕の乳首をつねった。甘美な痛みが全身に走り、僕はうめき声を上げながら身体を捩らせた。

すると今度は乳首を離し、胸全体を優しく撫でながら、ディルドを引き抜き始める。先端だけが中に入っているだけになった。

そしてまたゆっくりと挿入を始め、同時に乳首をつねる。僕は全身を震わせて、それを受け止めた。それが繰り返される。

頭を振って悶えると、長い髪の毛が顔にかぶさった。甘美な苦痛と快感が交互に僕を襲い、僕は口を大きく開けて耐え続けた。何か心を落ち着かせるものを必死に求めて、無意識的に舌を出し、唇を舐め回っていた。ストラップオンのディルドが前立腺を擦り、ペニスがよだれのようにプレカムを出し、それがタオルにポタポタと落ちるのを感じた。

「ああん、ああん、・・・」

ドナは引き続き僕に出し入れを続けた。僕は、あまりの興奮に思わず声を漏らしていた。かすれたセクシーな女の声になっているのが不思議だった。

「あっ、あっ、あっ・・・」 ドナの方も声を出しているのが聞こえた。双頭ディルドの一方を僕に、もう一方を自分のバギナに入れているのだろう。その快感に声を上げている。

突然、下腹部が痺れるような感覚になり、僕は射精してしまった。持ちこたえることなどできなかった。

多量の白濁が噴出し、僕の愛液でタオルがびしょ濡れになった。それに、腰に巻いていた美しいガーターも汚してしまった。

ドナは、僕が達してしまったことにはお構いなく、狂ったように激しく出し入れを続け、下腹部を僕に叩き続けていた。すでに僕の乳首からは手を離し、両手で僕の腰をしっかり押さえ込み、ずんずんと打ち込み続けている。

射精の絶頂から落ち着き始めると、今度は、先の快感に反比例するように、苦痛が増して来るのを感じた。強引に出し入れを続けられる苦痛しか感じられなくなってきたのだった。

僕は腰を少し動かし、痛みを和らげようとした。すると、ドナは、僕の腰から片手を離し、いきなり僕の尻頬に平手打ちをした。本気でぴしゃりと叩いたようだ。

「ああ! 痛いんだよ! もう、いってしまったから、痛みしかないんだ」

「私はまだいっていないの。だから、じっとしてるんだよ」 ドナは息を荒げながら言った。ずっと打ち込みを続けたままだった。

「でも、ドナ、痛いよ」

「私に愛してもらいたいんだったら、この痛みを受け止められるようにならなければいけないんだよ。どうやら、苦情を言うお前を黙らせなければいけないようだね!」

そう言ってドナは僕から抜けた。一時的にせよ、ほっとした気持ちだった。ドナは僕から離れると尻栓を拾い上げ、それを持ってバスルームに行った。水道の水が流れる音が聞こえた。

1分ほどしてドナが尻栓を持って戻ってきた。別のロープを取り上げて、それを尻栓の後ろ側にある穴に通している。

ドナは尻栓を持って僕の前に来た。「口をあけるんだ」

それがどこに入っていたか知っているので、僕は口を閉じたままにしていた。

バチン!

ドナがいきなり僕を平手打ちした。思わず声を出し、その際に口を開いてしまった。ぐいぐい尻栓を口に押し込まれた。両手が縛られているし、舌で押し返そうにも力が足りない。

尻栓を咥えさせた後、ドナは僕の頭の後ろに通したロープを回し、結びつけ、その上から僕のかつらの髪を垂らした。

ドナは、ちょっと止まって僕の姿を眺めた。両手両脚を拘束され、尻栓の猿轡をされ、椅子に覆いかぶさる格好になった僕の姿。それを自分の作品に満足しているような表情をして見ていた。

さらに何か思いついたらしい。再びバスルームに行き、今度は黒パンティと黒サテンのスカーフを持って戻ってきた。予想したとおりだった。ドナは僕の顔にパンティをかぶせ、さらにスカーフで目隠しをしたのだった。スカーフも頭の後ろで結び付けている。

実際、この時点で僕は興奮ではなく恐怖を感じていた。あまりにも無力な状態にされていたし、ドナもあまりにも威圧的になっていたからだ。

突然、ドナは再び僕に挿入を始めた。僕は肛門に最大の力を込め、侵入に抵抗しようとしたが、それも敵わなかった。ぐいぐいと押し込められ、再び出し入れが始まった。双頭ディルドで僕を犯しながら、ドナ自身も喘ぎ声を上げるのが聞こえた。

突然、ドナが話し始めた。まるで、誰かに向かって話しているような口調だった。

「私は、淫らな気分になるといつも決まって、こんなふうに私の可愛い淫乱女を犯してやるの。身体を縛り付けて、アヌスを開かせ、ずんずん突きまくる。私がアクメに達して、愛液でびしょびしょにするときまで、がんがんやりまくるのよ。もし、身体をよけようとしたら、思いっきりひっぱたいてやる。苦情を言おうもんなら、猿轡を嵌めてやる。パンティを顔にかぶせて目も見えなくさせてやる。私のパンティの中に興味があるみたいだから、顔にかぶせてやるのがお似合いなのよ。もし、私がいく前に絶頂に達するなんて、レディにあるまじきことをしたら、当然、懲らしめてやる・・・」

「・・・そこで見ているレディの皆さん? あなたたちも、奥様やガールフレンドからこういうことしてもらえるのよ。ただ、あなたの小さな秘密を奥様に話すだけでいいの。奥様が家にいない時に、どんな服装をしているか話せばいいのよ。奥様の下着を着て、そのちっちゃなウインナーをどんなふうにいじってるか教えてあげればいいの。どうして、ドレッサーの引き出しから、いつの間にか下着がなくなったり、いつの間にか元に戻っていたりするのか、それを教えてあげればいいのよ・・・」

突然、ドナは演説をやめ、声を上げた。部屋に轟くような大きな声で絶頂を叫び、同時に強く僕に押し込んだ。そのあまりの強さに、僕は気絶しそうになった。

しばらく身体を強張らせていた後、ぐったりと力をなくして僕に覆いかぶさった。

どのくらい時間がたったか、ドナはゆっくりと意識を戻し始めた。そして、優しく僕から抜け出て、僕の両脚のロープを解いた。

さらに目隠しを取り、顔からパンティを外し、尻栓の結びを解いて、口から出してくれた。両手首のロープも解いた後、僕の手を取って、立たせた。

ドレスを捲りあげたままにするように僕に指示し、その間にタオルを畳んで、僕の腹からスペルマを拭い取った。見るとガーターに掛かったのは一滴ほどで、大半はタオルに掛かっていたようだった。

その後、ドナは僕の手を引っ張って書斎に行き、パソコンの前に連れて行った。パソコンの画面には、先の小部屋の椅子が映っていた。そして、その画像の下にメッセージが出ていた。

「ライブ・カム ビューアー数:33、458」

僕は画面を見てショックを受けていた。ドナは微笑みながら僕に顔を寄せ、情熱的にキスをした。

「ミス・ビクトリア! あなたは、今や有名人ね。たった今、あなたは33,458人の人の前で犯されたところ。その大半が男で、大半が女装好きで、全員あなたを見るためにお金を払った人たち。私たちの通帳には、昨日よりずっとたくさんお金が入ってるはずよ」

パソコンでのメール受信のシグナルがチカチカと光っていた。ドナはパソコンの前に座り、メールソフトを立ち上げた。すでに何百もメッセージが来ていて、さらに刻一刻と新しいメールが届いている。ドナは、最初のメールを開いた。ステフという名前の人からだった。

<<私の人生で、こんなに官能的で美しいものは初めて見ました。持っているもの全部捧げてもいいから、私もビクトリアになりたい。本当にありがとう。いま履いているパンティはもうびちゃびちゃになってしまって、着替えなくちゃいけないわ。それでは、親愛を込めて。ステファニ(スティーブ)より>>

ドナは、さらに何通か開いたが、どのメッセージもこれと似たものだった。僕は、言葉を出せず、ただ呆然と突っ立っていた。本当に、どうしてよいか分からない。ドナは、僕たち二人の間でのちょっとした遊びをポルノの世界に暴露してしまったのだ。しかも、僕に話すこともなければ、僕の同意もなしに。

これは明らかに度が過ぎていると思ったし、ここから踏み出すともう二度と後戻りできなくなると思った。

ドナはメールを読み続けていた。メールのメッセージからパワーを与えられているのだろう。そのパワーの虜になっている。

僕は静かに書斎から出て、寝室に行った。先ほど必死で耐え抜いたレイプで、アヌスが痛い。ドナが何をしているか知っていたら、決してこんなことに参加しなかっただろう。ドレスを脱ぎ捨て、靴も蹴飛ばし、下着を脱ぎ、かつらを外しながら、頬に涙が流れるのを感じた。

シャワーを浴びにバスルームに入った。手には新しいパンティを持っていた。僕の引き出しにあったBVDがなくなっていたからだ。シャワーを浴びると、体毛がちくちくするのを感じた。このまま生えるままにしておくと痒みが出てくる。僕は生えかかった体毛を剃り始めた。

だが、心の底では、この小さな実験はもうおしまいにすべきだと思っていた。あまりに短期間に、あまりに遠くまで来てしまった。

僕はクレンジング・クリームを使って、顔から化粧を落とした。身体を拭き、サテンのパンティを履いた。もちろん、BVDを見つけたらすぐに着替えると心に誓いながら。

寝室に戻り、ジーンズを出そうと僕の引き出しを開けた。だが、ジーンズはなくなっていた。引き出しの中、ズボン類といったら、土曜日にドーナッツ・ショップに行くとき履いた、黒のストレッチ・ジーンズだけだった。

ドナを呼び出そうとしたが、こんなパンティだけを履いた格好でドナと対峙するのは避けたかったので、仕方なく、それを履くことにした。履くときに、どうしても腰を女性っぽくくねらせなければならなかった。何とかしてボタンを留め、ジッパーをあげた。

Tシャツ類の引き出しを開けたが、やはり男物のTシャツはなく、その代わりに女性用のパステルカラーのミドリフ(参考)が2、3着入っていた。僕は一番上にあったピンク色のミドリフを取り、頭からかぶって、身に着けた。それを着るとき、乳首が擦れて硬くなるのを感じた。アヌスと同じく乳首もヒリヒリと痛み続けていたからだ。

ソックスの引き出しにも、あったのはピンクの縁飾りが付いたアンクレットだけだった。引き出しは開けたままにして、クローゼットに行った。普段、僕の靴が置いてある床には、代わりに、ドナが僕に買ったハイヒールとピンク色の女物のジョギングシューズがあった。僕の足のサイズだと見ただけで分かった。そのジョギングシューズを履き、引き出しからアンクレットを取り出し、足につけた。鏡を見ると、もとの自分の、多少、男性的な姿になっていた。ただ、化粧をしていないにもかかわらず、本来の自分より、柔和で女性的に見える。女物の服や靴などにより、一層、そう見えているのだろう。

僕は書斎に戻った。ドナはまだメールを読むのに夢中になっていた。すでにストラップオンは外していて、それは床に転がっていた。ともかく、この女王様風のコスチュームを着たドナはとてもセクシーだ。僕は、一瞬、気後れしてしまいそうになったが、気を取り直して言った。

「ドナ? ちょっと話しがあるんだが」

ドナは椅子に座ったまま、振り向いた。僕を見るなり、目を輝かせた。

「まあ、ビッキー! ずいぶん居心地がよさそうな服装をしているじゃない。私も似たような服に着替えるわね。その後で、何か食べる物を用意するわ」

「いや、違う。君は分かってないよ。いま起きていることについて話し合わなきゃいけないと思うんだよ」

ドナは、僕が怒っているのを悟ったのだろう。顔が曇った。

「どうしたの?」

僕はパソコンの画面を指差した。

「ドナ、ここまで行くと、もう、やりすぎだ。僕と君だけで、個人的にちょっとした性的なゲームを続けるのは、それでかまわない。だが、これはやりすぎだ。僕たちの行為をオンラインに流して、金儲けをするなんて。何千人もの人に、著しく個人的信頼を損ねかねない行為をしている自分たちの姿を見せるなんて。あのウェブ動画を誰が見てたかも、録画していたかも分からないじゃないか。たとえ女装していたとしても、僕に気がついた人がいるかもしれない。その人が脅迫とかをしてきたらどうするんだ」

突然、ドナの顔に恐怖の表情が浮かんだ。

「どうしたんだ?」 不安になって、訊いた。

「今日、早くからログオンしていた人なら、あなたに気づいた人がいたかもしれないの」

「どういうことだ?」

「今日一日の行動をウェブに流していたの。職場から家まで。ビックからビッキーに変わるところ全体を。だからこそ、夜までに、こんなにビューアーが増えたと思う。朝からどんどん増え続けていたし、メールも洪水のように入ってきたわ。私たちが普段していることを見たいとリクエストする人がたくさんいたので、私もその気になって、リクエストに応じてしまったの。地元の人が誰か見るかもしれないなんて考えてもみなかった。興奮状態に囚われていただけ。私のコントロールの元、あなたがミス・ビッキーに変身することで、あなたがもたらした興奮に囚われていたの。ごめんなさい、ビック。私、本当に台無しにしてしまったみたい」

僕は、唖然として、座ったままだった。

「あの・・・ビック?」

「ああ」 僕はつぶやいた。

「私、他に録画していたものもネットに流したの。どの動画にも、かなり膨大なダウンロード数があったわ。今日一日で、本当にたくさんお金が入ったわ。今日のところ、あなたはインターネットではスター状態よ。もし、悪いことになったら、本当にすまないと思うわ。でも、ちょっと様子を見て待っていたらどうかと思うの。ひょっとすると、何も問題ないということになるかもしれないし」

「ああ、でも、ひとつだけ問題がある。それは、この女性化のあれこれを続けることだ。僕は、もう十分だと思っているし、君もそうだと思う。前の生活に戻るべきだし、以前に僕たちが持っていたお互いへの信頼を取り戻すべきだと思う。君がこういうことを、僕に相談せずに行うなんて、信じられないよ」

ドナはおどおどした顔になっていた。

「あなたが恥ずかしがって、私がネット公開を試してみるのをやめさせるんじゃないかしらと思ったのよ。それに、どんな反応が返ってくるのか知りたかったの。本当にごめんなさい」

僕はちょっと考えた。それからドナにパソコンを使わせてくれるよう頼んだ。グーグルで「ビクトリア・アルア(Victoria Allure)」の名前を検索した。何ページ分ほどヒットした。おののきながら2、3ページ分チェックした。そのすべてが同姓同名のポルノ・スターに関係しているのを知り、ようやく、ひと安心した。もちろん、ウェブでビデオを見た人々が動画のコピーをばら撒き始めるには、まだほとんど時間が経っていないのであるから、大きな意味があるわけではないことは分かっていた。だが、少なくとも、知られずに済むかもしれないと期待することだけはできそうだった。

「オーケー、今のところは大丈夫みたいだ。でも、もうインターネットのビデオカムとか、女装した僕を撮影とかはダメだ。いいね。僕の服はどこにあるんだ?」

実のところ、女王様のコスチュームをしてるドナに、女々しい恰好をした僕がこんなふうに命令をするのは、ちょっと可笑しい気もしていた。

「2階の予備寝室のクローゼットにあるわ」

「よろしい。こういうのは全部、片付けること。それから僕の衣類は元通り僕の洋服入れやクローゼットに戻すこと。いいね?」

ドナは頷いた。目に涙をあふれさせている。

「ごめんなさい、ビック。このゲームの興奮に夢中になりすぎていたわ。あなたの服も、元通りの場所に戻すわね」

ドナは寝室に入り、すぐに、両腕いっぱいに女性の服や靴を抱えて出てきた。僕はパソコンに向かい、僕の側から見た話しを打ち込み続けた。それが終わった時には、1時間が過ぎていた。

立ち上がり寝室に行くと、僕の服は元通りの洋服入れに戻っていた。早速、女物の服を脱いだ。その服をベッドの上に並べた。履いていた女物のジョギングシューズも一緒に。

洋服入れに戻り、BVDを取り上げた。この数日、サテンの下着を着てきた後では、BVDのコットンの肌ざわりはごわごわしているように感じられたし、僕とドナのちょっとしたゲームがこんなふうに展開してしまったことに、少し後悔の気持ちが疼いた。だが、この件については決心を緩めず、すべて元通りに、自分でコントロールできるようにしなければいけないことも分かっていた。

着替えた後、キッチンに行った。ドナが食事の用意をしていた。

「僕のために買ってくれたものは、全部、捨ててしまったのかい?」 

僕はドナに後ろから抱きつきながら、問いかけた。

「実は、そうとも言えないわ」

ドナは、振り返り、僕の腕に包まれたまま、いたずらそうな笑みを浮かべた。

僕はドナから離れ、1歩、引きさがった。ドナは前進し僕に体を近寄せ、僕のTシャツの中に手を入れ、乳首をつねった。

「いつか、またプレーしてみたいと思うかも知れないと思って、全部、予備の寝室にしまったの。私の衣装も含めて。いいでしょう?」

僕は、さっき固めたばかりの決心がぐらつき始め、そして、粉々に砕けていくのを感じた。

「ああ、いつか、たぶん・・・でもビデオはもうダメだよ」



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