タイラー・チャスタング
元の身長:187センチ
現在の身長:160センチ
元の体重:109キロ
現在の体重:48キロ
元の競技:フットボール
現在の職業:女優
「本当はフットボールをしたいとは一度も思っていなかったの。単に上手だっただけ。それに、フットボールは目的のための手段だったから。分かるでしょう? グレートチェンジは、私に起きたことで最高の出来事だったわ」
グレートチェンジに関する話しは、適応不全に関する話しばかりというわけではない。このタイラー・チャスタングのように、グレートチェンジを良きことに捉えた者たちもいたのである。ご存知の通り、彼は国内で最も注目を浴びた新人だった。どの大学も彼を獲得しようと追いかけた。彼は自分の好きな大学を選ぶことができた。彼は、適正な年齢に達したらすぐに、NFLのドラフトで一番に選ばれるだろうと、誰もが思っていた。それほど彼は上手だったのである。
だが、その夢があえなく砕け散った。オマール・ベルが大気に生物エージェントを撒き散らし、世界の白人男性を白人ボイに変えた時にである。(少なくとも近い将来には)これに対する治療法はないと世界に知られ、女性的なボイたちをありのままの姿で世界が受け入れ始めると共に、タイラーのフットボール選手としての選手生命は断たれた。
だが、タイラーにはハリウッドでキャリアを積みたいという長年こころに抱き続けていた夢があった。もっと言えば、彼はフットボールでの活躍を利用して、俳優になるきっかけを得たいと思っていたのである。そこで彼は荷物をバッグにつめ、夢を抱いた他の多くの新人と同じく、ハリウッドに旅立ったのだった。
だが、時代はそう甘くはない。ボイが演じるような役柄自体、わずかだった。可哀想なタイラーは、夢をあきらめかけていた……
故郷に戻ろう。だけど、戻る前に、もう一度だけオーディションを受けよう。そう思って受けたオーディションだった。何と彼はそのオーディションで引っかかったのである。プロデューサがフットボールのファンで、タイラーのことを知っており、即決で彼をキャストに決めたのだった。それから後のことは、誰もが知る通りの、歴史となった。タイラーは、ハリウッドで最も人気のボイになり、次から次へと映画の主演を演じている。
この写真は、彼の最新作のスチール写真である。チアリーダたちが、邪悪な殺人鬼にストーキングされるホラー映画である。