オマール・ベルの世界 「気づいたのは、いつ?」


今から振り返ってみると、白人男性が、男らしいと言える存在だったなど思い出すことも難しい。だが、彼らが男性だったのは、それほど昔のことではないのである。たいていの人は自分がボイであることを完全に受け入れてきている。それは正しいことと言える……何だかんだ言っても、彼らはボイに他ならないのであるから。いろいろあれど、知る限り、彼らは今後もボイでいることになるのであるから。

変化は一晩で起きたように思えた。何が起きてるか誰もが理解できぬうちに、まさしく知らぬ間に、彼らは逞しい男性から、小柄で女性的なボイに変身していったから。とは言え、ある特定の瞬間を指摘できる女性も多い。世界が、そして白人男性がどんなふうになるか、その現実に目を開くきっかけになった、ある特別の出来事のことを指摘できる女性が多数いるのである。

そこで私たちは考えた。社会の様々な女性たちに、その時がどんな瞬間だったかを思い出してもらうのはどうだろうか、と。彼女たちが愛した男性は姿を消し、代わりにボイが出現したと気づいた瞬間のことを語ってもらうのはどうだろうか、と。その話は非常に興味深いし、良い情報にもなると思うからである。

続く話しは、そんな女性たちの話である。


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