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Work problems 「仕事の問題」

「なんか問題でも?」

「いや、何も? ボクは大丈夫だよ」

「何よ? 言ってよ。結局は話すことになるんだから、今ここで吐き出してしまったほうがいいんじゃない? 時間の節約にもなるし」

「分かった。職場の男たちの中に、ボクの髪の毛をバカにする人たちがいたよね? なんでもすぐにカッとなるのはバカだけど、これってちょっと……」

「その人たちはただ、あなたの髪の毛が豊かなのでやきもちを焼いてるだけよ。職場の男たち、すでにずいぶん薄くなってる人、半分くらいいるでしょ?」

「ああ、分かってる。でも、それだけじゃないんだ。どうやら、モニカが……あの、秘書たちのひとりだけど、知ってるよね?……そのモニカがボクの……ボクのピアスがシャツから透けて出てるのを見つけたんだよ。彼女に仕事の指示をしてる間ずっと、ボクの胸を見つめていたんだ」

「じゃあ、あなたも、女性が男たちに胸を見つめられるとどんな気持ちになるか分かったわけね?」

「すごく不快だった」

「大丈夫! そういう時は、こっちから胸を突き出して、にっこり笑うの。見たかったら、見せてやればいいのよ。それがおもてなしってこと」

「そ、そうかも。でも、その後、キャリングトンさんにオフィスに呼び出されたんだけど……」

「で?」

「何て言うか、キャリングトンさんはあからさまには何も言わなかったけど、多分、訴訟とかそういうことを怖がっているんじゃないかと。何度も、ボクの服装は適切じゃないとほのめかされていたし」

「スーツを着てたんでしょ? それのどこが不適切なの?」

「そのスーツが問題なんだって。男物のスーツじゃないって」

「あれはユニセックスよ。前にも話し合ったわよね?」

「ああ、でも……」

「それに自分に自信を持つことについても話し合ったわ。そうでしょ? あなたは、社内の他のマヌケたちより、ちょっと流行の先を行ってるの。それが、そんなに変? みんなはあなたを褒めるべきであって、あなたを何か悪いことでもしてるみたいな気持ちにさせるべきじゃないわ。半分本気で言うけど、今度あなたの会社に乗り込んで、そのキャリングストンってバカに、ちょっとガツンって言ってやろうか?」

「い、いや、やめてくれ。お願いだよ……やめて。ぼ、ボクは大丈夫だから」

「本当に? 無理しなくてもいいのよ……」

「本当に大丈夫だよ。ボク自身でなんとかするよ」

「分かったわ。でも、もし、また、あの人たちがあなたに何か言いだしたら、あたし、乗り込んでいくつもり。あたしの彼氏にいちゃもんつけといて、なに食わぬ顔でいるなんて、絶対に許せない!」




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