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Skip to the good part 「前置きはいらないから」

「おい、おい、おい……まさかこんなことが……」

「あらあまあ、ゲイリーとはねぇ……。ねえ、ねえ、これ、すぐに片付けてしまえない? あたし、今日はあと4回はこういうことをしなくちゃいけないの。今日は、ジーナに大変な予定を組まれちゃったんだもん」

「な、何だって?」

「あんたが何を目論んでここに来たか全部知ってるわ。あたしにガミガミ文句言うんでしょ? 悪口言いまくるのよね? あたしを憎んでる理由を、何度もくどくど繰り返すんでしょ? あたしはあんたの奥さんと寝たと。違う? それとも、あんたを職場とかから追い出したとか? 自分でもあんたに何をしたか忘れちゃってんのにさ」

「お前は俺のフィアンセと寝たんだ。しかも結婚式の前日に!」

「あら、それね。ごめんなさいね。でも、それを胸の内から吐き出した後は、今度は、あたしがどんだけ変わったかをくどくど言うつもりなんでしょ? あたしが妻にホルモンを飲まされてたこととか、観ていたテレビにサブリミナルのメッセージを仕込まれてたこととか。なんでか知らないけど、あたしが知らない間に、頭の軽いエロ女みたいにしか見えない姿になっていたこととか。安心して、全部知ってるから。だから、そこらあたりの話しは全部すっ飛ばしてくれていいの」

「おまえ、前は……」

「それもすっ飛ばして! すぐに、あたしに無理やり下品なセックスをさせる段階に進んでくれない? とは言っても、別にあたしは無理強いされると感じないと思うけど? ジーナがあたしの脳に何をしたかは知らない。だけど、そのおかげで、あたしはこういう状況でセックスして喜ぶようになってるの。もちろん、あんたには理解できないでしょうね。あんたは、あたしが最初から本当はシシーだかオカマだったとかって思うだけでしょ? 本当はそうじゃないんだけどね。心理学と科学の結果。そんだけの話しなんだけどね」

「お、お前、喜んでやってるのか? 俺にはそんなふうには全然……」

「もちろん喜んでやってるわ。あたしを前屈みにして、喘がせてみれば? その瞬間、あんたにも分かるから。顔にぶっかけてもいいし、アナルに中出ししてもいいし、どこにでも、好きなところにぶちまけて。あたし、少なくとも2回はオーガズムを感じて、すっごく淫らな叫び声をあげると思う。で、あんたは、やり終えるとあたしに『俺は、お前がこういうエロ女だってことを、ずっと前から知ってたぜ』とか気の利いたこと言うんでしょ?」

「お前、なんでそんなことを言うんだ?」

「こういう面倒くさいところをすっ飛ばして、早く、やって欲しいことをやって欲しいから。だから、そういうことは飛ばしてよ。前置きなんかいらない。あたしに突っ込んで、ガンガン揺さぶって! 思いっきりぶちまけて! そうしたら、ふたりとも満足して終われるでしょ? で、あんた、どうすんの?」

「エロ女、ベッドに上がれ!」

「完璧! あんたにも、あたしにも、ベストの返事だわ」




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