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The help 「お手伝いさん」

「あら、結構、可愛いじゃないの。あんたの新しい服は、ベッドの上よ」

「ぼ、ボク……気が変わったんだけど……。こういうこと、もう、やめたいんだけど……」

「ここまで来て、今さら、あんたに選択権はないわよ。あなたをここまでにするために、いろいろしてきたわけで、その後となってはね、もう無理。ほら、手術とかホルモンとかいろいろ。それに、ループの気に入るような人、他にいないのも分かってるでしょ?」

「でも、ママ。これって、現実的すぎて。こんなふうになるなんて、ボクは……」

「もちろん、現実のことに決まってるじゃないの。どんなふうになると思ってたわけ? あんたは、私たちのメイドになりたいと思ってたんでしょ? そうさせてくださいって、頼んでいたじゃないの?」

「うん……だけど、ボクが思ってたのは、家の掃除をするとか、そういうことかと。何て言うか、何か決まった服装をしなくちゃいけないかも、とは思ったよ。でも、これって……その服を着たら、まるで女の子みたいに見えちゃうよ。メキシコ人のメイドみたいになっちゃうよ」

「そこが肝心なところじゃないの。私たちはずっと前からヒスパニックのメイドが欲しかった。あの人たち、真面目に働くからね。で、あんたの義理のお父さんが望んでいるのが、そのこと。私たちは、その点は変えるつもりはないわ。だから、あんたも、あの変な妄想を現実化して生きていけるんじゃない?」

「あれは、変な妄想なんかじゃないよ。ただ、ちょっと……」

「あんたは、ちゃんと仕事をすることを期待してるわ。それと、今後は、私のことをカレン奥様と呼ぶこと。お手伝いさんが、雇い主をママとかパパとか呼ぶのって、ありえないでしょ?」

「で、でも……」

「私とあんたの間だけで話せば、これって、まさに、あんたが最初から望んでいた関係じゃないかと思うけど? あんたがインターネットで読んでるストーリーについては、全部、知ってるの。私はあんたのことを十分理解してるつもり。でもね、あんたの義理のお父さんはねぇ。彼は、あんたのことを何とか男らしい人間にしたいと、それを教え込まないとダメって思ってるのよ。どうやってかは知らないけど、彼は、そう思ってるの。ともかく、これについては、これ以上話し合っても無駄ね。私たち、あなたを今の姿にするためにかなりおカネを使ってきたので、あなたには、ちゃんと働いて、それを返してほしいと期待してるのよ。そういうわけで、あの契約書にサインしたんでしょ?」

「分かってる。でも……」

「もう、でもはなし、アヴァ。いいから、あのメイド服を着て、仕事にかかりなさい。今すぐ! さもないと、お仕置きしなくちゃいけないわね。冗談と思わないように。結構、キツイお仕置きになるから。手加減ナシの」






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