703 | 705




Forever and ever 「とこしえに」

「なんでキミがここに? どうやってここに?」

「そんなに驚いているように見えないけど」

「キミに起きたことについて話しは聞いている。でも、君はまだ私の質問に答えていない」

「あたしがなぜここにいるか知ってるはずよ。あたしが裸になっていることで、それがはっきりしないかしら? アダム、あなたのことが欲しいの。あなたもあたしのことが欲しいのを知ってるわ」

「知ってる? 前にも言ったはすだよ。私たちがしたことは間違いだったって。私は悔やんでいるんだ。でも、悔やんでいるのは、したくなかったことをしてしまったからではない。まだ若いキミに悪いことをしてしまったと悔やんでいるんだよ、レイン。あんなことが起きなければよかったのにと」

「あの出来事で、あたしは知りたかったことがはっきり分かることができたわ。それに、あたしは今は名前をリリスと変えてるの」

「名前はどうでもいいよ。ベロニカに見つかる前に、服を着てここから出て行って欲しい。誰にも変な勘繰りをされたくないから」

「変な勘繰り? どんな勘繰り? あたしたちが恋人同士だということを、みんなに知られたくないの?」

「私たちは恋人同士ではないよ。あれは一時の気の迷いだったんだ。しかも2年前の。あの日、私は酔っていた。そこにキミがやってきて……」

「そしてあなたはあたしを犯した。当時、あたしは18歳で、自分のことについて混乱していた若者。いや、多分、そんなに混乱していなかったと思う。あたしはあなたが通りを横切るのを見た瞬間からずっと、あなたのことが欲しいと思い続けていたの。あなたも同じく感じていたはず。今もそうでしょ?」

「そして、キミは戻ってきた。でも、何をしようと思って? 私と一緒になろうと?」

「あなたは自分はゲイじゃないと言っていたけど、あたしには、どうしてもそうとは思えなかったわ。少なくとも少しは違うんじゃないかと。でも、あなたは正直に言ったのだと、あなたのことを尊重したわ。だから、あたしの方が変わったの。あなたが欲しいと思えるかもしれないようにと、女性の姿に変わった。いえ、もっと変わってもいいと思っているの。そうして欲しいなら、あたしの小さなコレも切除してしまって構わないの。あたしは、きっとあなたにふさわしい女性になれるわ」

「わ、私にはできないよ。できないのは分かってるだろ? 私には家族がいる。生活がある。実際、私の娘はキミと同じ歳なんだよ!」

「でも、あなたはあたしのことを欲しがっている。あたしを切望している。アダム、正直に言って。あの夜のことを思い返したりしないの? もう一度、愛し合いたいと夢見たことがないの? いつの日か、一緒に愛し合いたいと? 隠さないで。恥ずかしがらないで。ただの男と女のこととして思い出してみて。あなたとあなたの女のこととして。あなたは幸せになる道を選ぶことができるのよ。それだけのことなの。他のすべては、なるべきようになるでしょう。大切なことは、自分が正直に望む道を選ぶこと」

「もし、選ばなかったら? みんなにあの出来事のことを話すのか?」

「もちろん、そんなことはしない。あたしはモンスターじゃないもの。あなたのことを愛しているもの。もし、あなたがあたしを拒絶するなら、幸せになることを拒絶するなら、あたしはあなたの元を離れて、精いっぱいに人生を歩んでいくつもり。今はあなたのことを話しているの。どの道を進むか、選んで」

「わ、私は……ああ……キミが欲しいんだ! ずっと前から、キミが欲しいと願い続けてきたんだよ!」

「分かっているわ。そして、さあ、今ここで、あたしを奪って。とこしえに、あたしを自分のものにしつづけて」














List