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Smile and be a good boy 「笑って、いい子になりなさい」

「大丈夫? 落ち着かないようだけど」

「だって、落ち着かないもん、エミリー。ボクは、いまだに、こんなの何もかもバカげてると思ってるんだよ」

「でも、しなくちゃいけないことなのも知ってるでしょ? 社内で出世したいと思ったら、図体の大きい毛むくじゃらのボーイフレンドを連れて歩くわけにはいかないの。そんなだったら、会社はあたしを受け入れないもん」

「分かってる。本当に。でも……まあ、何て言うか……いまボクはスパークリー・ドレス(参考)を着てるんだよ。髪の毛も長くして、お化粧をしてる。脚の毛も剃ってるんだよ」

「分かってるわ。あたしが、あなたが頑張ってきたことをありがたいと思っていないなんて思わないでね。大変だったのは分かってるの。でも、さっきも言ったけど、これは、どうしてもしなくちゃいけないことなのよ」

「ずっとそう言い続けているけど、キミは他の仕事を探そうともしないじゃないか。従業員の夫がどんな服を着るかなんか気にしない会社は、それこそ他に何千とあるよ。キミは、そういう会社に勤めてもよかったのに」

「ええ。でも、給料は半額でね。それに忘れないで。専業主夫になりたいって言ったのは、あなたなのよ? あたしは、あなたに外で働いてもらいたかった。でも、あなたは、頑として聞かなかったわよね? 自分を磨きたいと言って。その選択、あたしは文句ないわ。あたしの稼ぎで余裕でふたりの生活をやっていけるから。でも、これはあたしの仕事である以上、あたしはできるだけベストの選択をしたいの。そして、それが意味することは、あたしはあの会社で働くと言うこと」

「分かってるよ」

「じゃあ、どうして文句を言ってるの? こんなこと、問題でも何でもないでしょ?」

「キミにとってはね。でも、ボクにとっては、ボクの男らしさへの攻撃になるんだよ」

「男らしさでも有害な男らしさだわよね? あなた、これだけは覚えておいて。女性は、そういうドレスをずーっと着続けてきたの。いま、あなたがそれを着るのを拒否するなんて、しかも、あなたが男性だからって理由で拒否するなんて、どれだけ傲慢なことか分かる? それって、女性差別すれすれのことをしてるようなものよ」

「ストラップオンを使った時も、同じようなことを言っていたよね?」

「でも、あれについては、あなたも結局、大好きになったんじゃない?」

「何週間も、痛みをこらえ続けた後だけど」

「必要な代償だったわ。あたしが夫に、いまだにペニスを使わせてると知ったら、他の女たち何と思うか分かる? 会社中の笑いの種にされちゃうわ。そして、昇進は絶望的になると。そんなのイヤ。こっちの方がいいに決まってるじゃない。あたしはそう思う。だから、もう、いい子になって。さもないと、あなたにお尻を突き出させて、スパンキングしなきゃいけなくなるかもよ。そうなったら、そんな口を尖らせてなんかいられなくなるんだから」

「そ、そんなことは……」

「時には、夫を厳しくしつける必要があるものなの。ミス・カルバートがいつも言ってる言葉だわ。そんなにすねてばっかりいるなら、あたしもミス・カルバートの忠告に従うことにするわよ。さあ、そんな目に会いたくないなら、もう黙って、ニコニコすること。そして、完璧な良き夫のイメージに合わせること。いいわね。この件については、あたしとしては、話し合いは終わりにしたいものだわ」

「わ、分かったよ。いいよ。そうするよ」














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