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Pledge 「誓約者」

「ぼ、ボク……みんなに笑われる気がする」

「そこがポイントじゃないか。マジで言えば、これは恥ずかしい目にあわすのが目的なんだぜ?」

「分かってるよ。でも……でも、これってやりすぎだと思うんだよ」

「会員になりたくないのか?」

「もちろん、なりたいさ。知ってるくせに。実家に帰ってパパに会員になれなかったって言ったら、ボク、勘当されちゃうよ」

「そんなドラマのヒロインみたいな」

「あ、それってヒドイ言い方。ほんとにヒドイよ」

「どうしてもそう言いたくなってしまったんだよ。つか、俺が言いたいのは、お前が入会するには、この方法しかないということ。他の誓約者はみんな同じことやってるぜ? 男子学生クラブの会員の文字通り全員がやらなくちゃいけなかったことを、お前だけ例外でやらなくてもいいって言ったら、みんなにどう映る? 俺たちは、誓約者に女の子のような格好をさせ、1週間、俺たちに奉仕させることになってるんだ。これで世の中が終わってしまうわけじゃないし、みんなで大笑いするだけだよ」

「でも、その点が気になってるんだよ。キャル? いっぱい写真を見たけど、みんな、こんな感じじゃなかった。誰も、体毛を剃ったり、ウイッグを被ったり、お化粧したりしてなかったよ」

「みんな化粧はしてたぜ? 俺もやんなくちゃいけなかったとき、顔中に口紅を塗りたくったぜ?」

「でも、ボクの場合、本物の女の子のように見えてしまうんだよ! ぼ、ボクは女の子じゃない!」

「じゃあ、お前は、自分が可愛すぎるから怒ってるのか? マジで? 頼むよ、相棒! お前、どんだけ意気地がないんだよ」

「な、何? ボクは意気地なしなんかじゃないよ! ただ、みんなに誤解されたくなくって……」

「俺の目からすると、お前はとんでもない意気地なしのように見えるけどなあ。いいか、ただ流れに合わせればいいんだよ。これを変なふうにしようとするヤツは誰もいねえから。誓ってもいい。1年か2年したら、この時のことを思い出して、笑える時が来るんだ。お前も一緒にな。約束する」

「でも……まだ、何て言うか……ボクは……いいよ、分かったよ。どうとでも。もう、ブツブツ文句を言うのはやめる。さっさと片づけてしまおう」

「その意気だ。あと、忘れるなよ。夜までお前の使える単語の中には「ノー」の文字はないということ。誰に何を命令されても、それに従うこと。いいな?」

「う、うん……」

「よし。じゃあ、勇気づけに2、3杯ひっかけようぜ。その後で仲間にお前を紹介しよう。学生クラブに新しいシシーが入って来たぞって」




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