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Your truth 「本当のあなた」

「これが、あなたが望んだこと。それを忘れないでね」

「ボクはこんなの望んでいなかった、カルラ。ボクがこんなのを望むなんて、どうしてそんなふうに思ったんだ?」

「あなたのインターネットの履歴を見たから。あなたの好みを知ったから。女装とかあれこれ、あなたが投稿した書き込み、全部読んだわ」

「だからキミは勝手にボクに……あれ? 何だ? ボクは怒ろうとしてるのに。怒って当然だと思ってるのに。だって、目が覚めたら、いきなり自分が女になっていると、そんな感じなのだから。ボクは何もかも覚えている。嫌で嫌でたまらなかったし、それは今も変わらない。それなのに、なんでだ? 怒ることができない」

「ええ、それが催眠術。ごめんなさい。でも、あなたじゃ、思い切って飛び込むことができないと思ったから。だから、あなたの代わりにあたしが決めてあげたの」

「き、キミが……ボクの代わりに決めた? カルラ、ボクにはこんな大きなおっぱいができてしまってるんだよ。それに、ボクは……思い出した……ボクが知ってる人みんな、ボクはトランスジェンダーだと思っている。それに、ぼ、ボクは……セックスまでした。あの……あの……」

「あのジョナサンと。でしょ? あれ、あたしが設定したの、忘れた? こんなことを言ってあなたの気持ちが変わるか分からないけど、あなた、ジョナサンに抱かれて、ものすごく喜んでいたわ。他のことは全部忘れてしまっても、あの時のことはしっかり覚えてるんじゃない? あたしはそう踏んでるけど?」

「ぼ、ボクは……そ、それについては話したくない。僕はただ……ただ元に戻りたいだけだ。昔のボクに戻りたいだけだ」

「それは無理ね。でも、これがあなたの一番のお気に入りの願いだったでしょ? これこそ、あなたが日記に書いてたこと。あなたが、自分にはなれないって、あんなに嘆き悲しんでたわねぇ。あれ、なんて書いていたっけ? 確か、本当の自分? 本当に哀れをさそう言葉を綴っていたわ。自分は、それなりに見られる女にすらなれないって。まあ、それにはあたしは同意しなかったけど。実際、あたしが正しかったと分かったし。今のあなた、すごく綺麗だもの」

「ぼ、ボクはそんなつもりじゃ……あれは、違うんだ。本気で書いたものじゃないんだよ、カルラ」

「あら、それは残念だったわね。でも、今のあなたは、この姿なの。どうしようもないの。その姿が好きになれるといいわね」




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