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Fetish Come True 「現実化したフェチ」

「ええ、そうよ。彼のちょっとしたフェチのことを知った瞬間、懲らしめてやることにしたの」

「でもどうして? どのみち、ホルモン投与でインポにしていたんでしょ?」

「もちろん、それはそうだけど。でも、あたしにとってこれは一種、権力の移動だと言わなかったら嘘をついてることになるかも。いろいろあるけど、かつての彼がどんなだったか覚えているでしょ? 大声で怒鳴るは、傲慢に振る舞うは。実際、彼、あたしのことを殴ったこともあるのよ。一回ね。あたしも彼も酔っていたし、あたしが最初に彼をひっぱたいたわ。実際、3回くらい殴った。でも、男が女を殴るのとそれとは違うでしょ? ともかく、彼のコンピュータの中にいっぱいあったファイルやら何やらを見た時、あたしが支配権を握るのに絶好の機会だと思ったわけ。彼、泣きそうになって懇願してた。強制女性化関係のファイルとかは全部、ただの趣味にすぎないんだって言ってた。でも、あたしには本当のことがお見通しだったわよ」

「それにしても、彼を娼婦にしちゃうの? ちょっとやりすぎじゃない?」

「最初はあたしもそう思ったわ。でも、彼があれほど好んで読んでいたストーリーの多くで、これこそが中心的なテーマだったのよ。自分の彼氏がそんなにも切望している種類の性生活をさせてあげるのが、付き合っている女性のしてあげることだと思わない? 少なくとも、そうしてあげようと思わないガールフレンドがいたら、そっちの方がおかしいわよ。そうじゃない?」

「でも、やっぱりやりすぎだと思うわ」

「やりすぎ? ねえ、頼むから、もっと分かってよ。まだ充分やってないの。彼の両親が、こんなふうになってる彼を見るまで待ってよ。そうなったら、どんなことになるか分かるわよね? 念のため言っとくけど、あの親たちトランプ支持者。彼がこんなふうになってるのを受け入れるわけがないでしょうね。しかも、今までのお忍びデートから進んで、こういうことをやっておおっぴらに生計を立てるようにさせたら、どうなるかしら? ああ、素晴らしいことになりそう。彼の友人たちにカムアウトしたり、ドレス姿で仕事に行かせたり。すごく面白いことになりそうだわ」

「なんだか、あなた自身、これをするのが一種のフェチになっているような口ぶりね」

「そうかもね。ある意味、これにハマってるのは白状するわ。人を支配するって、すごく中毒性があるのよ。家に帰ったら、彼の腰を掴んで、お尻の小さな穴に杭打機のようにガンガン叩きこんでみる? それより気分がいいことなんてないわよ。本当に」

「もう……もう、何て言ったらいいか分からないわ」

「他には何も言うことなんかないわね。全然。ただ、あなたなら、このちょっとしたショーを気に入るだろうなと思っただけ」






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