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Gullible 「騙されやすい人」

「マリッサ、いったい何の話をしてるの?」

「なんてこと! どうしてこれが見えてないのよ? 気が変になる薬を飲んだみたいな気持ちだわ」

「錯乱してるような口ぶりだよ。自分でも分かっているよね? ボクが女みたいに見えるって? そんなのあり得ないよ。ボクを知っている人なら、誰でもボクだって分かるはずだよ」

「錯乱なんかしてないわよ。マジであなたを助けようとしているの。あなたは本当に……本気で言ってるのよ。……自分の姿を見てみてよ、アレックス。真面目に自分の姿を見てみて。誰にでも見えているのに、どうしてあなたにだけは見えないの?」

「誰にでも? キミの悪ふざけの話しをしてるの? ボクが頭がおかしくなってると思い込ませようと、ボクの友だちをみんな集めたことだよ(参考)。本当に頼むよ。ボクは騙されやすいタイプじゃないんだ。ボクが女になっているなんて嘘より、もうちょっと、信ぴょう性がありそうなことを狙うべきだったんじゃないか?」

「んもう! 本気で言ってるの? アレックス、あなたの胸を見て! おっぱいがあるのよ、おっぱいが!」

「確かに、ボクは、またジム通いを始めなくちゃいけないよ。たいへん、たいへん。みんな、太り出す時期を経験するものだよ……

「それに、あなたはお化粧までしてる! 髪も長くして! あなたが買ってきた服は、あなたが思ってるほど中性的なモノなんかじゃないわ!」

「そのことを言いたいわけだね? キミはボクの新しいスタイルが気に入らないんだ。分かったよ。本当に。でも、ボクはずっと前からファッションには気を使ってきてたし、それに……」

「いいえ、そんなことないわ! あなたは外見なんか気にしてこなかった! あなたもあたしも、知ってることじゃないの!」

「ちょっと気がふれたような口調になってる」

「あたしが? あたしが気がふれてる? ああ、なんてこと。あのねえ、ちょっと聞いて。あたしは、もう、何も気にしない。どんなことでも。もし、あなたが女になりたいなら、そうしていいの。あたしは、最善を尽くして、あなたを愛するし、支援するから……」

「ああ、そういうことか。ボクは前から考えていたんだ。あれについてだよ。ボクたちの関係をオープンにすることについて。というか、キミはずっと前から、3人プレーをすることについて話してきたよね? 自分でも知ってるだろ?」

「え、ええ……でも、あなたはいつも却下してきた。あたしが他の男と一緒にいるのを見るなんて吐き気がするからって……」

「でも、ボクはキミの夢を否定するなんて悪かったと悟ったんだ。ボクたち、そういう場をセットアップすべきだと思う。実際、すでに男性をひとり選んであるんだよ。君の職場にいるクエンティンのこと、覚えているよね?」

「いつも、あたしに言い寄り続けていた男のこと? あたし、あの人、大嫌い」

「まあ、これからは嫌じゃなくなるよ。2ヶ月ほど前に、偶然、彼と出くわして、それ以来ボクたちは友だちになったんだ。彼なら、ボクたちにとって完璧なんじゃないかと思うよ。何と言うか、ボクたちが地平線を広げるための相手として。どう思う? 彼ってキュートだよね? それに、賭けてもいいけど、彼のはすごく大きいはず」

「ど……どうしよう。分からないわ。本当に分からない。っていうか、もし、それがあなたがしたいことなら、多分、いいかも……」

「すごい! じゃあ、決まりだね。ボクが彼に電話して、家に招待するね? そして3人で最高の時を過ごすんだ! やる前から最高になるって分かるよ!」




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