「バースデイ・プレゼント」 第5章 original 第4章(2/2)の続き

店に入り、最初に僕の注意を惹いたのは、女性のマネキンだった。皮とビニールのボンデージ服に身を包んだマネキン。店に入る直前にドナが僕に言った言葉がスパンキングのことだったので、なかなか、タイミングが良いと思った。ドナに目をやると、彼女もそのマネキンを見ている。彼女は瞳にクエスチョンマークを浮かべながら僕を見ていた。いいんじゃない? 毒を食らわば皿までも。やるならとことん、だ。僕はにやりと笑って言った。

「さっき、僕にスパンキングするつもりだって言ってたよね。だったら、それをするのに適した服装をすべきじゃないのかな」

「ええ、私も同じことを考えていたの。悪い娘には、ちゃんと躾をする必要があると思うから」

カウンターから、端正な顔立ちの赤毛の女性が出てきて、僕たちに声を掛けた。

「何かお探しですか?」

彼女は僕の唇を見て、さらに視線を僕の爪へ落とした。彼女の美しい唇にうっすらと笑みが浮かぶのが見えた。

僕は、このような反応に慣れ始めていたと思う。僕も微笑を返した。

「妻が2、3探しているものがあるんです」 そう言って、ドナに目をやり、微笑む。

妻は僕を見て、媚びるような笑みを浮かべた。

「ええ、そうなの」 そして赤毛の女性に顔を向ける。「ピンクのネグリジェはあるかしら? 夫のビクトリアのサイズに合うような?」

店員は僕に顔を向け、頭からつま先までじっくりと見た。アーチ状にそろえた眉、グロスをつけた唇、はっきり分かるブラジャーの線、そしてマニキュアをした偽爪。彼女は、笑みを浮かべた。

「まさにぴったりのサイズがあると思いますわ、ミス・ビクトリア?・・・こちらに来ていただけます? 私の後について来てください」

彼女は店内を進み、多種多様なネグリジェが揃えてある一角に向かって行った。ハイヒールで歩いているため、彼女のヒップが大きく揺れて見える。

ついて行くと、彼女は振り返って僕を見た。

「あら、それはいけないわ」と、そう言ってドナを見て、微笑む。「それもお手伝いさせてもらってもよろしいかしら?」

妻も彼女に笑顔を返した。「ええ、お願いします。ビクトリアは、こういうことをつい最近、習い始めたばっかりなの」

「まあ、素晴らしいスタートを切ったようですわね。でも、その歩き方はもう少し練習しなければ。適切な靴が役に立つと思いますが、いかがでしょう?」

妻は微笑んで僕を見た。「仰るとおり」

「私、ジェニーと言います。ちょうどそのようなものがありますよ」

彼女は僕たちを靴が揃えてある棚のところに連れて行った。さまざまな、美しいスパイク・ヒールの靴が並べてある。僕の靴より、1サイズ半大きな数字が書かれている箱を取り出す。

「これが良さそう」

彼女は僕を座らせた。履いていた靴の紐を緩め、靴を脱がす。続いて、ソックスも脱がした。ジーンズの裾をふくらはぎの上までめくり上げ、椅子の横に置いてあった包みから、ふくらはぎまでの丈のストッキングを取り出した。

「足を出して、つま先を伸ばしてください」

この動作は、昨夜行ったことであることを思い出し、彼女に言われた通りにした。ジェニーは、濃茶のストッキングを僕のつま先にかぶせ、するすると巻き上げ、足からふくらはぎに掛けて、装着した。ふくらはぎ全体を撫でて、しわを伸ばす。もう一方の足にも同じことを行った。

「いらっしゃる前に体毛を剃ってていただいて、助かりますわ。時々、毛むくじゃらのままでいらっしゃる方がいるのですが、それより、つるつるになっている足の方が、ずっと素敵に見えますものね」

ジェニーは、箱から、ピンク色のハイヒールを取り出した。ヒール高10センチで、2本の長いピンクの皮紐がついている。それを僕の足に嵌める。そして紐を交互に交差させつつ、僕のふくらはぎを縛りながら上がってきて、ふくらはぎの後ろでリボン結びにして止めた。もう一方の足にも同じことを繰り返した後、箱から小さなクリップを取り出し、リボン結びのところを押さえた。さらに、クリップのところに繊細に作られたと思われる小さな金色の南京錠をつけた。同じことをもう一方の足にも行う。最後に再び箱に手を入れ、中から小さな金色の鍵を出した。その鍵を、ドナに渡し、ウインクして見せる。

「これは奥様へ。彼女の靴を脱がせたいと思ったときに使ってください」

ドナは嬉しそうな顔をして微笑んだ。「完璧だわ。そう思わない? ミス・ビッキー?」

僕は微笑んだ。確かに非常にセクシーだと思った。だが、一体、僕はこれからどういうことになるのだろう。

ジェニーは笑みを見せながら、僕のジーンズをいったん元に戻し、また、巻き上げて、大きな輪の形にして僕のふくらはぎのところから落ちないようにさせた。

「どう? さあ靴が履けたわよ。完璧に似合っている。そう思わない?」

そう言って、僕を鏡の前に連れて行った。

僕は、ハイヒールがふくらはぎからお尻にかけて下から押し上げてくる感覚にいささかショックを受けていた。バランスを保つため、自然と背中をまっすぐにしようとしているのに気づく。そしてその姿勢の結果、胸を前面に押し出す姿勢になっていた。

鏡の前に立つと、化粧が完全に施されていない点を除けば、かなりの見栄えだと感じた。実際、一度、自分の目を疑った程。その通りなのである。唇を舐めて湿らせ、横向きになり、ふくらはぎの後ろについている鍵を見た。鏡の中、女性と男性が混ざり合った人間の姿を見ながら、なぜか勃起してくるのを感じた。

彼女たちも、その小さな現象に気づいたようで、くすくす笑っていた。

「彼女、気に入ったんじゃない?」 ジェニーが笑いながらドナに話しかけた。

ドナは、嬉しさのあまり、ジェニーの美しい両手を握り、自分の胸に引き寄せて当てた。だが、自分のしたことに気づき、すぐ謝る。

「いいえ、ぜんぜん気にしなくて良いですよ。お2人ともとても素敵ですもの。お2人の喜びは全部、私の喜びでもあるんです」

妻が、ジェニーの瞳を覗き込み、少しだけ瞳を輝かせたのが見えた。頬を染めながら返事する。

「さあ、今度はネグリジェを見に行きましょう」

ジェニーが僕を見てウインクした。「さあ、今度は、あの歩き方をやってみましょう、さあ、ミス・ビッキー?」

ジェニーは店の前の方へ戻り、入り口の前で立ち止まり、ドアの鍵を下ろし、ドアとショーウインドウのブラインドを降ろした。

「もう閉店の時間なの。それに、これから他の新しいお客様が来ても、お相手は遠慮したい気持ちになってますので」

「あら、ごめんなさい。私たちもまた日を改めて来ることにするわ。あなたを待たせるつもりはなかったのよ」

「あら、違うの。あなたたちお2人のお相手をするのは嬉しいことなのよ。お2人がお買い物をする間、店を閉めて、ちょっとプライベートになれるのが嬉しいと思ってのことなのです。・・・では、さあ、歩いてみて、ビクトリア。こういう風に」

ジェニーは再び歩いて見せた。

僕はジェニーをまねようと、彼女の肉感的なお尻を見ながら後ろをついて元気に歩き出した。だがヒールのせいで、バランスが取れず、不安定になる。

ジェニーは店の奥まで行くと振り向いて、僕がよろよろと歩くのを見た。

「だめ、それじゃダメよ。元に戻って、もう一度やってみて」

元の位置に戻り、向き直して、もう一度歩き始めた。ドナとジェニーは僕の奮闘を見ている。

「まだダメね」 そう言ってジェニーはドナを見てつけ足した。「ちょっと、いいかしら?」

「ええ、ご自由に」 ドナは微笑んだ。

妻の返事を受けて、ジェニーは僕の腰を両手で支えた。

「さあ、まずはリラックスすること。体がガチガチになってるわ」

ジェニーが僕の後ろにいて両手で腰を押さえている。僕はリラックスしようとした。

「じゃ、今度は、腰を前後に振ってみて? 実際には踏み出さないで。片方の脚をちょっと前に出して、次に逆の脚を出す感じにしてみて」

腰を振ってみた。馬鹿になったような気持ちだったが、ともかく、この流れに合わせる。ジェニーに押さえられているので、まだ前に進むことはできない。

ジェニーはドナを見た。ドナは熱心に僕のところを見ている。

「ちょっと試したいことがあるだけど、構わないかしら? 彼女にかなり密着しなければいけないんだけど」 ジェニーは意味ありげに微笑んだ。

「もちろん。ひょっとすると私も学べるかも知れないわ。実は、私も、あなたのように体を振れないのですもの」

ジェニーは苦笑いをした。 「職業柄、覚えたことなんですよ。セクシーなアイテムを売りたかったら、ちょっとだけでもセクシーな立ち振る舞いができるようになっていると、いろいろ良いのです」

ジェニーは僕の後ろに立ち、僕に擦り寄った。股間を僕のお尻に押しつけるようにし、後ろから両手を回して僕の胸を掴んだ。ジェニーが僕の後ろについた時、ドナがハッと短く息を飲むのが聞こえた。

「さあ、あなたの後ろで何か気持ちのいいことが起きてるフリをしてみて? そして、その気持ちいいことがずっと続いて欲しいと思っているみたいに腰を動かしてみるの」

ジェニーの腰の動きに同調するように腰を動かし始めた。それを見てドナが言った。

「どうやら、ビクトリアは、そんな『フリ』をしなくても良さそうね」

「そう、その調子よ。あなたのお尻に気持ちいいことをされていて、もっと、もっと、して欲しいと。そんな気持ちになって腰を振るの」

僕は低い唸り声をあげた。ピンクのハイヒールを履いて体を揺らす。同時に、わずかながら、後ろから擦りつけてくるジェニーの股間に押し返す動きもした。ジェニーは前後の方向で揺れていた。僕のお尻に股間を擦りつけ、両手で僕の胸を押さえている。指で僕の乳首をさすっている。

その時、ドナが僕の前に出てきた。僕の肩越しにジェニーを見た。

「私もお手伝いしてもいいかしら?」

「もちろん。ミス・ビクトリアは、あなたの彼女なんですもの」 ジェニーは前後に揺れながら、甘い声で返事した。

妻は僕の前に進み出て、下腹部を僕の勃起に押し付けながら、僕たちと一緒に体を揺らし始めた。両腕を伸ばして僕を包むようにしている。多分、後ろにいるジェニーの脇の下へ両腕を差し込み、僕たち2人を一緒に抱き寄せているようだ。

しばらく3人で一緒に前後に揺れていると、ジェニーが少し背を反らすのを感じた。その位置関係だと、妻の両手がジェニーの胸を触る位置に来ているように思った。なぜか後ろからジェニーの甘い溜息が聞こえた。それにドナの腕の筋肉が動いている。僕はハッと気づいた。ジェニーが体の位置をずらし、それに合わせてドナはジェニーの乳房を触っているのだ。

今度は、ジェニーは、僕の背中に覆いかぶさる形になった。ドナの手を彼女自身の胸と僕の背中の間に挟みつける形になる。そして顔を僕の肩に擦り付けている。

ドナが、ジェニーの目を見つめながら、ゆっくりと顔を近づけた。瞳に雲がかかって、口が半開きになっている。息づかいも荒い。充分近づくと、今度は、顔を傾けた。僕の肩先で、妻がジェニーの唇にキスをしている。間近に、女同士キスをしているのが見えた。

ドナは、先に車の中で僕にキスしたときと同じように、熱のこもったディープキスをジェニーにしていた。その間、恥丘を僕の勃起に押し付けている。僕は腰を突き出し、次にお尻を後ろのジェニーに突き返す動きをしていた。ドナの恥丘でペニスを擦り、ジェニーのうねる恥丘でアヌスを押してもらう。

この状況に、僕は非常に興奮していた。すでに、膝ががくがくになっていたのだが、さらに力が抜け、立っていられなくなりそうだった。

それを感じてか、ドナとジェニーはキスを解き、僕の体を支えた。なんとか立っていられるように回復するまで、3人とも、何も言わず、その場に立っていた。3人とも、口紅を塗った唇を半開きに、ハァハァと息を荒げ、霧がかかったような瞳で互いの顔を見た。

最初に、平静を取り戻したのはジェニーだった。

「うふふ。どうやら、彼女、コツを覚えたんじゃないかしら。どう思う?」

ドナも息づかいを平静にしつつ、同意した。どこかしら、物足りなそうな顔をしている。

「ええ、そのくらい体を揺すった方が良さそうね。もう一度、歩いてみせて? ミス・ビッキー?」

僕は、まずは勃起の位置を調節した。あまりにも位置の具合が悪くなっていたから。そして、ゆっくりと滑るように店の奥まで歩き始めた。たった今、行っていたように腰を揺らし、背中をまっすぐにして、胸を高く突き出すようにして歩く。

店の奥の壁に着き、戻るためにくるりと向きを変えた。僕を見ていたドナとジェニーの顔に、すっかり驚いている表情が浮かんでいた。自分のことながら、たった数分前までは、ハイヒールを履いて歩くのは、ほとんど不可能に思えていたのに、今は、それほど大変だとは感じられなくなっている。ドナとジェニーが駆け寄ってきて、僕に抱きついた。僕は、凄い勢いで抱きつかれ、まっすぐに立っているのが大変だった。

「ホント、びっくり!」 ジェニーは、僕の左右の肩を押さえながら腕を伸ばした。少し離れて僕を見て、言う。 「一度もハイヒールを履いたことがないって、嘘じゃないの? アハハ」

「昨日の夜までは、ほんとに」 少し照れながら答えた。今は、勃起が収まっている。

「え、ホント?!」 ジェニーは驚き、ドナの方に顔を向けた。 「それ、ホントなの? 昨日の夜が初めてって?」

ドナはにっこりと笑いながら、頷いた。昨夜、2人でちょっと遊びをしてみたばかりなの、と説明する。

ジェニーはにんまりとした。

「私も遊びが大好き。お2人に遊びのおもちゃを2、3お見せしましょうね」

ジェニーは、僕たちをランジェリー売り場に連れて行った。美しいピンクのネグリジェを取り上げ、僕に渡す。

「これはあなたにぴったりのサイズだと思うわ」

そう言って微笑み、また棚に振り返って、別のネグリジェを出し、今度はそれをドナの前に広げて見せた。妻の首元から垂らしてみせる。ネグリジェはドナの愛らしい胸の上に垂れ、僕も実に美しいと思った。

「普通は、ランジェリー類は誰にも試着させないんですが、今は店も閉めて、ここには私たちだけしかいなし、いずれにせよ、お2人には、気に入って買っていただけると思うので、どうぞ、それを試しに着てみてはどうかしら。とってもよく似合うと思うわ」

ジェニーは僕たち2人に、ピンクのガーターベルトとストッキングも手渡した。

「・・・それにドナ? あなたの靴のサイズは6よね?」

ドナはにっこり頷いた。ジェニーは一度、店内の向こうの方へ行き、僕のとまったく同じデザインの靴を持って戻ってきた。

「多分、お2人とも着替え終わるまで、ビクトリアにはいったん靴を脱がせた方が良いかも。・・・それから、お2人がお店に来たとき、あの女王様コスチュームを見てましたよね? 生身の人間が着るとどうな風に見えるか、見てみたいと思いません?」

ジェニーは、片手を腰に当てながらそう言って、微笑んだ。

「・・・そうすると買ってみる気になってもらえるかも知れないから。ちょっと高価なコスチュームですし」

ドナは問いかけるような目で僕を見た。僕は微笑み、頭を縦に振った。あの皮製の衣装を着たジェニーはどんな風に見えるだろうと想像していた。ドナはすぐに、ジェニーの方に向いて言った。

「ありがとう、お願いするわ」

「たいていのお客様も、そうおっしゃいます」 ジェニーは笑っていた。そして、ディスプレーから2つほど箱を取り上げ、それを持って店の奥へと歩いていった。突き当たりの部屋に入る。中から、彼女がハミングで With a Little Help from My Friends(参考)を歌うのが聞こえた。

ドナは僕の靴を脱がしてくれていた。鍵を外し、紐を解き、足から脱がすのに、少し手間取る。靴の次に、ハイソックス(参考)を降ろし、足から脱がした。立ち上がって、アイテムを手にしていると、ジェニーが店内に戻ってきた。

その服装は、黒革のビスチェ(参考)と非常に小さい黒のシースルー・パンティ。恥丘の上に小さな三角形を張りつけただけのように見える。黒革ガーターベルト。それに吊るされている黒いメッシュのストッキング。脚のふくらはぎの中ごろまで、黒革のブーツが覆っている。そのヒールは、少なくとも12センチはあるスパイク・ヒール。商品を照らすはずのディスプレー用の照明は、むしろ彼女の艶めかしい赤毛を照らしていた。その髪は両肩に広がり、胸の前に掛かっている。手には黒革の乗馬ムチ。自分の手のひらをピシャリと叩いて見せていた。

ジェニーは、僕たちの前に来ると、そこで立ち止まった。僕もドナも、驚きの表情を顔に浮かべ、口をあんぐり開けたまま彼女を見つめていた。

「さあ、お前たち! どうやら、お前たち2人に、私がちゃんと身だしなみを整える手伝いをしなければならないようだね」

ジェニーは笑みを浮かべながら、僕とドナのお尻をムチで軽く叩いた。僕もドナも、驚きのあまり何も言えずに、ハッと跳ね飛び、着替え部屋に急いだ。

着替え部屋に入る時、ジェニーはドナに顔を向けて言った。

「ビクトリアに身仕度をさせるのを手伝ってくれたら、お前の身支度も手伝ってあげよう」

ジェニーは僕には知られていないと思っていたようだったが、その時、ジェニーがドナにウインクして見せるのを僕は見た。

「それは素敵!」 ドナはそう言って僕のベルトのバックルを外し、ジェニーはシャツのボタンを外し始めた。ドナにジーンズを脱がされ、ジェニーにはシャツを脱がされる。僕は降ろされたジーンズから踏みでた。

「まあ、綺麗なセットだこと!」 ジェニーは、僕のパンティとブラを見て言った。 「・・・でも、これも脱いでもらいましょう」

彼女は、僕の背中に手を回し、ブラのホックを外した。ドナは僕を見上げながら、僕が履いていた黒いサテンのパンティを降ろした。

「まずは、彼女にこれを履かせることにしましょう」 ジェニーはピンク色のパンティを手にした。

ドナはにっこりと笑った。 「彼女、これで今日、2着目のピンク・パンティになるわ」

ジェニーは、笑いながら、そのパンティを僕の脚に沿って引っ張り上げた。「でも、これは、前のピンク・パンティとは違うはずよ」

そのパンティは、股間の部分に生地がなかった。ジェニーはパンティの生地を伸ばし、僕のお尻の頬肉を覆った。だがアヌスの部分はまったく覆われていない。恥ずかしくなる。

恥ずかしがる僕を尻目に、ジェニーはガーター・ベルトとストッキングが入っている箱を開け、そのストッキングを僕に履かせ始めた。その滑らかな肌触りに、僕は全身を震わせた。

「彼女、ストッキングが好きなのね」 ジェニーはそう言って、ドナに微笑みかけた。

「ええ、ほんとにそうなの。昨日の夜も、今のようにぶるぶる震えていたのよ」 ドナは僕に顔を向けた。「そうでしょ?」

僕は昨夜のことを思い出し、また体を震わせた。ドナもジェニーもそれを見て笑い、僕は顔を赤らめた。

ジェニーは、次に、僕の腰の周りにピンクのガーター・ベルトを巻きつけ、装着し、ストラップの先にあるクリップにストッキングを留めた。

次に、僕に両腕を上げさせ、ファッショナブルなランジェリーを着させた。さらさらとした布が僕の胸と背中を覆う。

「さあ、見てごらん?」 ジェニーは僕を鏡に向かわさせた。

鏡を見て、息を呑んだ。夢のようだった。ふわふわとしたランジェリーが僕の胸の前から下がり、裾へと降りている。その生地が、シースルーのピンク・パンティを通して僕の勃起をさらさらとくすぐる。

「さあ、また靴を履いて!」

ジェニーは再び僕の前にひざまずき、ピンクのストッキングを履いた僕の足に靴を履かせた。今回は、ジェニーの、ビスチェの中から盛り上がる豊満な乳房を存分に眺めることができた。

靴に足を入れるとき、僕は、ジェニーの両肩をつかんで体を支えた。先にハイヒールを履いたときもそうだったが、このときも、ふくらはぎが持ち上げられ、腰が高く上がるのを感じた。ジェニーが、靴のレース紐をふくらはぎに巻きつけ、結びつける間、しっかり直立していようと努めた。ジェニーは、今度も、結び目に南京錠をつけた。靴が終わり、ジェニーが立ち上がるとき、僕は、両手を彼女の肩から滑らせ、ついでに間違った振りをして胸にも這わせた。

ジェニーは、ちょっと離れ、僕に向かって言った。

「まあ、なんてことを! 私のお許しなしで、こんなことをするなんて! これは罰としてスパンキングをすべきね! そうでしょ? ドナ?」

ドナは最初、びっくりした顔をしていたが、すぐに顔に笑みが浮かんだ。

「ええ、その通り。彼女、どのみち、私からもスパンキングの罰を受けることになっていたし」

ジェニーは乗馬用の鞭を手にした。僕は不安になった。

「後ろをお向き! 前かがみになって!」

「ちょっと!」 そう言いかけたが、ジェニーは僕の言葉をさえぎった。

「さあ、早く!」 反論を許さない声で命令する。

僕は、またも顔が赤らんだ。だが、このような服装をしている手前、ここで歯向かって大騒ぎをするわけにもいかない。仕方なく、後ろを向き、わずかに前のめりになった。

ピシッ!

鞭がお尻に当たった。強くはなかったが、それでも痛みはあった。僕は跳ね上がって、体を起こした。

「ちゃんと前のめりになりなさい、ミス・ビッキー! さもないと、本当に痛い目にあわせるわよ。悪い娘にはスパンキングをしなければならないものなの」

僕はドナを見たが、彼女は、まったくジェニーを止めようとしなかった。もっと言えば、鞭を打たれている僕を見て、目に、淫靡でセクシーな輝きを浮かべている。ドナが興奮しているのを知り、僕は、このプレーに合わせることに決めた。もう一度、前のめりになり、意識的にお尻を後ろに突き出すようにした。

「それでよろしい」

ジェニーは、そう言って、さらに3回、僕に鞭を振るった。

次第にお尻が痛くなるのを感じていたが、同時に、ペニスがみるみる勃起してくる。ジェニーはもう一回、叩いた後、ドナの方を向いた。

「あなたも、あなたの分のスパンキングをしたらどうかしら?」

ドナは鞭を受け取り、ためらいがちに一度、叩いた。

「ためらいながら叩いては、しっかりした立場を保てないわよ。本当に支配的な立場でプレーをするつもりなら、ある種、厳格な態度を取らないといけないの。さあ、もう一度、彼女にスパンキングしてみて!」

ジェニーの言葉を受け、ドナが再び鞭を振るった。恐らく、不慣れなせいなのか、かなりの強打だった。僕は痛みにうめき声をあげたが、不満の言葉は言わないことにしようと決めていた。2発目が来る。気づかぬうちに、僕は自分からお尻を突き出していた。尻肉を広げるようにして突き出し、獰猛に噛み付いてくる鞭の痛みを自ら受け入れる。

鞭はアヌスに直撃し、体の内部まで熱く燃えるような痛みが走った。この時には、すでに僕は性的に狂った状態になっていて、さらに鞭打ちを求めて、お尻を突き出していた。さらに、もう2回。鞭は腰の辺りを打ち続けた。お尻は赤く腫れ上がっているに違いない。やけどをしたように熱くなっている。

ジェニーが言った。

「そのくらいで十分かな? どう? ドナ? 彼女がちゃんと歩き方を覚えているか見てみることにしましょう。もし、ちゃんと歩けなかったら、そのときは、もう一度、彼女にスパンキングをしなければいけないわね」

僕は、背筋を伸ばして立った。着替え室の壁にある全身鏡に写る自分の姿を見て、うっとりとしてしまった。ピンクのハイヒール。皮のレース紐がふくらはぎに巻き付いて這い上がり、蝶結びに結んだところに金色の南京錠がついている。ピンクのストッキングは、同じくピンク色のガーターベルトに吊るされ、見るだけでぞくぞくする。ピンクのネグリジェは流れるようなフォームを描いて胴体を覆い、ピンクのパンティをかろうじて隠している。そのパンティはというと、猛り狂って勃起しているペニスとスパンキングを受けて赤くなったお尻をかろうじて隠していた。ネグリジェの中に空気をいれ、ふわりとさせてみた。指先を彩る薄ピンク色の爪。そして、アーチ状に切りそろえられた眉毛とピンク色の唇。かつらを被っていないところに目をつぶれば、鏡の中の女の子は、まさにどんな男も自慢げに抱き寄せたくなる可愛い女の子の姿だった。

僕は着替え室から歩み出た。ドナとジェニーも後ろからついて来る。そして、洗練された女性のように店の中を歩き進んだ。先にジェニーが僕と一緒に動いてくれた時にしたように、ヒップを左右に振りながら、店の入り口まで行き、振り返って、また戻ってくる。途中、綺麗なかつらを並べた商品棚を見かけた。立ち止まって、ブロンドのかつらを手に取り、頭につけた。頭を軽く振り、肩から胸元へと毛先がふわりと降りるようにさせた。

ジェニーとドナの方をしっかりと見ながら、2人のところに歩き戻った。ドナの瞳をまっすぐに見つめた後、ジェニーに顔を向け、両腕で彼女を包んだ。女王様姿のジェニーを抱き寄せ、ディープキスをした。挑戦的に舌を絡める。ジェニーもキスを返してくれた。その後、ジェニーは背を反らすようにして僕から離れ、言った。

「ビクトリア、そんなに急かさないの。まだ、ドナにネグリジェ姿になってもらわないといけないから」

ドナの方を向いたジェニーは、すぐにひざまずき、ドナの靴の止め具を外し、靴を脱がせ、さらにはソックスも脱がせた。立ち上がり、今度はドナのブラウスのボタンを外し、優しく両腕から引き抜き、脱がせた。

次に、ドナの体を引き寄せ、彼女の乳房と自分自身の乳房が触れ合うまでに近づける。両手をドナの背中に回し、ブラジャーのホックを外した。外されたブラがドナの体をゆっくりと滑り降りていく。ストラップが両腕をすべり抜け、愛らしい乳房が姿を現した。ジェニーは脱がせたブラを下に置いた後、手を伸ばしてドナの乳房に触れた。ドナは、女性に触られるという初めての経験に、本能的に引き下がった。

「注意した方がいいわね。さもないと、次にスパンキングされるのはあなたになるかもしれないから」

ドナは、その言葉に恥ずかしそうにしながらも、微笑み、再びジェニーのそばへと戻った。

「そう。それがいいわね」ジェニーが言った。

ジェニーは、次にドナのジーンズを脱がし始めた。ドナの前にひざまずき、両手でドナのヒップを撫でながら、ゆっくりと脱がしていく。ジーンズが、形の良い脚を伝って滑り降りた。ジェニーは、ジーンズを降ろすのに合わせて、手で肌の起伏をなぞった。ジーンズが床に降りるとドナはそこから歩み出た。それを受けてジェニーは脱がしたジーンズを脇に置く。

ジェニーはひざまずいたまま背筋を伸ばした。彼女の顔はドナの恥丘から数センチも離れていないところに来ている。次に彼女はドナのパンティに手をかけ、ゆっくりと滑り降ろした。ドナは、パンティからも足を抜きジェニーの前に立った。

ジェニーは、口を半開きにしてドナの恥丘に顔を近づけ、そこに優しく息を吹き掛けた。ドナが小刻みに体を震わすのが見えた。顔を見ると、口を半開きにして、瞳が淫らそうに輝いている。開いた口の中から舌先が顔を覗かし、唇を舐めるのが見えた。

ジェニーは両手をドナの後ろに回した。ジェニーの愛らしい手がドナの尻肉を押さえる。そして、自分の顔をドナの秘密の場所へと近づけた。鼻先をドナの子宮への入り口をへと近づけ、擦りつける。ドナは両膝をがくがくと震わせ始めた。ジェニーも興奮した溜め息を漏らし始めている。ジェニーの唇が開き、中から舌先が伸び、ドナの小陰唇を舐め始めた。ドナは、あっあっとうめき声をあげ、自分から陰部をジェニーの口に押しつけた。

次に、ジェニーは、ドナのお尻から両手を離し、ばんざいをするように両手を掲げ、ドナの乳房をつかんだ。ジェニーの舌先が、ゆっくりとドナの陰部から抜け出て、姿を見せる。その舌は、じわじわとドナの下腹部を這いながら舐め上がった。同時に体を起こしていく。ゆっくりと体を起こすのに合わせて、ジェニーの舌もドナの胸の谷間まで舐め上がってきた。ジェニーの舌が横へと方向を変え、ドナの乳首の片方を口に含んだ。官能的に舐め、優しく噛み、ドナの乳首を極上の勃起状態へと導いていく。もう片方の乳首に対しても同じ手順を繰り返し、そちらも同じく勃起させた。

ジェニーは顔を上げ、ドナの瞳を覗き込んだ。妻は、うっすらと曇った瞳になっていた。そして、2人の女による、ねっとりとした情熱のこもったキスが始まった。唇をドナの唇にぴったりと押しつけ、その口の中で2人の舌が絡み合い、スペイン風キャフェで見られるようなサンバのように踊り合っている。優しくキスを解いた後、ジェニーはドナの頬を優しくさすった。

「さあ、あなたにも服を着せてあげるわ」

ジェニーは後ろを向いて下着類を取り出した。再びひざまずき、ドナの足に、ピンクのパンティを履かせる。これも、股間の部分には生地がない。優しくドナの脚に沿って引上げていき、履かせるが、そうしながら意図的にドナの小陰唇に触れていた。

次にピンクのストッキングを取り出し、丸めた後、足先からするすると履かせていく。美しいドナの脚に手を這わせ、ストッキングのしわを伸ばしていく。別の脚にも同じようにしてストッキングを履かせた後、ドナの腰にガーターベルトを巻きつけ、ホックで止め、ストラップにストッキングを吊るした。

再び立ち上がり、ドナに両腕をあげさせ、ハンガーからネグリジェを取り、頭の上から被せ、降ろした。完璧といえる美しい乳房を覆い隠し、さらにその下へと降りる。ネグリジェのふわりとした裾は短く、かろうじてパンティが隠れる程度。ジェニーはドナの背中に手を回し、ネグリジェの首元の中に隠れていた髪を外に出し、自然に垂れるに任せた。ドナの髪が背中にふわりと掛かる。

ジェニーは、再びひざまずいて、箱の中から靴を取り出した。ドナに手助けし、それに足を入れさせる。その靴は、僕の履いている靴と同じで、ふくらはぎにレース紐を巻きつけるタイプだった。巻き終えた後、僕のと同じように南京錠で止めた。そこまで終えた後、ジェニーは僕に手を差し伸べて、ドナと対面させた。

「さあ、2人とも顔をこっちに向けて、鏡を見てみて」

僕たちは言われた通りに鏡の中を見た。昨夜、僕たちが見たのと同じことを、今度はピンク色のランジェリーで繰り返し、目にする。僕は、たった24時間の間に、これほどエロティックな出来事が僕たち夫婦に起きてきたことが、信じられない気持ちだった。

ドナは、引き寄せられるように僕に手を伸ばし、抱き寄せ、ディープキスをした。僕たち2人のグロスを塗った唇が重なり合い、互いに触れ合う。胸も触れ合っている。それに彼女の恥丘が僕の勃起に押し付けられている。

突然、ピシャリと叩く音が聞こえ、僕の腕の中、ドナがぴくりと跳ねた。片手を後に持って行って、自分のお尻を触っている。

「2人とも、私は、互いに触れ合って良いなんて言っていないわよ。お仕置きね。2人とも、前屈みになって、この椅子に両手をつきなさい!」

ドナは怖がる表情で僕を見た。僕は、大丈夫だと言った表情をして見せ、彼女を安心させた。2人とも前屈みになった。僕は、気づくと、自分からお尻を突き出して、鞭で打たれるのを待ち望む格好になっていた。妻も、その僕の姿を見て、同じようにお尻を突き出した。

ぴしゃり!

鞭が僕の敏感なお尻に振り降ろされ、僕は、堪えきれずに、喘ぎ声をあげた。

ぴしゃり!

今度はドナに振り降ろされた。「痛い!」 と悲鳴が漏れる。

「ふしだらな女ね! 声を出さないの。さもないと、次はもっと強く打つわよ」

2発目が振り降ろされた。ドナは喘ぎ声を出すまいとしているのが分かる。そして僕にも再び振り降ろされた。不意にうめき声が漏れ、同時に目から涙が溢れるのを感じた。妻を見ると、歯を食いしばって、鞭打ちを受け止めている。頬を伝って涙がこぼれているのが見えた。

僕もドナも、それから10発も鞭打ちされた。気がつくと、股間が快感と感じられる感覚で熱くなっているのを感じた。お尻とアヌスが痛みと快感で燃えそうな感覚だった。鞭を振り降ろされるたびに、無意識に、さらに後へお尻を突き出していた。妻を見ると、彼女も僕と同じことをしている。ジェニーに鞭打ちされ、痛みにお尻をくねらせながらも、自分から突き出している。打たれるたびに椅子の背もたれを必死に握って耐えているので、痛みを感じているのは確かなはずなのに。

「2人とも動かないで」

ジェニーはそう言って着替え部屋から出て行こうとしていた。「もう2人とも準備が整ったみたいだね」

僕はジェニーが何を言っているのか分からなかった。何の準備が整ったと言ってるのだろう? 

一旦、着替え部屋から出たジェニーが戻ってきた。パンティは脱いでいて、代わりに股間にダブル・エンダのディルドを装着していた。その双頭のディルドの片方は、装着具の後ろにカーブを描いて上がっていて、彼女のバギナの中に入っているのが見えた。ジェニーは、もう一方の頭にコンドームを被せ、その上から透明なジェルを塗り始めた。僕は、内心、驚きながらそれを見ていた。

・・・ジェニーはあれでドナにやるつもりでいる。

そう思いながら見ていると、ジェニーは僕の後ろに回ってきて、鞭打ちされて熱くなっている僕の尻肉を左右に広げ始めた。ヌルヌルになったディルドの頭部が僕のアヌスを割って入ってくる。

突然、ディルドがブーンと音を出し、力強く振動し始めた。それによってアヌスが急に大きく広げられていくのを感じる。ジェニーは、ゆっくりとその振動するディルドを僕のお尻に突き入れた。同時に、ジェニーは、僕の前に両手を回し、パンティの上から僕のペニスを撫で始めた。

とうとうバイブのシャフトを全部入れられてしまった。ジェニーはペニスから手を離し、今度は僕の両乳首をつまんだ。ネグリジェの上から、強く乳首をつねり、同時に前かがみになっていた僕の体を起しにかかる。バイブを入れられ、ハイヒールを履いたまま、直立の姿勢にさせられた。直立してみると、左右の尻肉がすぼまり、バイブを一層強く締め付けることになるのが分かった。ジェニーは、僕の体の向きを変え、ドナと対面させた。

「さあ、そこの淫乱女! ひざまずきなさい。何をすべきか分かるわね」

ドナは、従順に僕の前にひざまずき、僕の固く膨れた部分を吸い始めた。強烈な快感で、2分も経たないうちに、僕は射精しそうになった。すると、その間際で、ジェニーが手を出し、ドナの頭を後ろに押した。ジェニーは、妻の頭を後ろに傾け、顔を上げさせた。その妻の目を見つめながら、言う。

「そこまで。今度は、私の後ろに来なさい、ドナ!」

ドナは、僕がまだクライマックスに達していないのを知っていたので、怪訝そうな顔をしたが、ジェニーに言われたとおり、従順に彼女の後ろに回り、床にひざまずいた。

ジェニーは再び僕の向きを変え、先の椅子をつかんで体を支える姿勢にさせた。その僕の背中にジェニーが覆いかぶさる。前のめりになったので、さらにバイブが奥まで入ってきた。ジェニーがドナに命令する声が聞こえた。

「次にすることも分かってるわね。その素敵な舌を、今度は私に使うの」

後ろを振り向くと、ドナがジェニーのお尻の中にゆっくりと顔を埋めていくのが見えた。舌を突き出し、頭を上下に振りながら、ジェニーのアヌスを尖らせた舌で繰り返し貫いている。

「ああん、いいわあ・・・そうよ、上手よ!・・・綺麗な顔をしているのに、お尻の穴を美味しそうに舐めてる淫乱な女なのね、あなたは。私がいくまでやるのよ。その間、私は、綺麗な女の子になったあなたの可愛いご主人を、もうダメって叫ぶまで犯し続けてあげるから。もっと舌を使うのよ、淫乱! 奥深いところまで突き刺して。私をいかせて!・・・その素敵な指も使うと良いわ。指で私のバギナとクリトリスを擦るの。私がいくまで、するのよ! ビクトリアのペニスも握ってあげて。彼女もいかせてあげるの。・・・ビクトリア? あなたもお尻を私に突き返しなさい。自分でお尻を揺すって、私のペニスを貪欲に喰らってみせるのよ!」

ジェニーにアヌスを貫かれ、その僕の肉筒の中、ディルドが振動を続けている。さらに妻のドナは、薄ピンク色のパンティの上から僕の勃起を擦り、同時に舌を尖らせジェニーのアヌスの奥を突き続け、激しくジェニーのクリトリスを擦っていた。たまらず、僕はクライマックスに達し、射精した。へその下、パンティの中から頭を突き出したペニスの先端から、激しくザーメンが噴出し、僕の前にある椅子に降りかかった。

射精を終えた僕は、腰を前に出して押し込められているバイブから逃れ、ドナの背後に回った。僕と交代する形で、今度は、ジェニーが椅子の背もたれを握って体を支える。僕は床に膝をつき、パンティを履いたままのドナのお尻に顔を埋めた。スパンキングのせいで赤くなっている。

妻のアヌスに舌を突き入れ、中を掻き回した。ドナがジェニーにしてあげていることを、ジェニーに代わって、ドナにしてあげる。

やがて、ジェニーがうめき声をあげ、お尻をドナの顔面に突き返し始めた。今や、ジェニーは、僕にピストン運動するために腰を前へ突き出す必要がなくなっているので、自由に後ろに押し返すことができるようになっている。そして、ドナもうめき声をあげ、僕の顔面に愛らしいお尻を強く突き返してきた。僕は、できる限り激しく妻のアヌスを舌で突き続けた。

横に鏡があるのを知っていたが、その鏡を見ずとも、僕たち3人の姿がどのように映っているか、僕には想像できた。女王様の姿をした赤毛の美女が、アヌスを舌で愛されている。それを行っているのは、ピンクのネグリジェを着てハイヒールを履いた美しいブロンドの女性。そして、そのブロンドの女性自身が、同じピンク色のネグリジェを着て、ハイヒールを履いた別のブロンド女にアヌスを舌で愛されている。

そのような光景を想像していたら、突然、ジェニーが片手を椅子から離し、ディルドを握り、自分自身のバギナに差し込んだ。と同時にさらに強くお尻をドナの口に押し付ける。ドナも、それと同時に、開いている手を股間に移動し、自分でクリトリスをいじり始め、同時に、お尻を、探りまわる僕の舌へと強く押し付けてきた。そして、ジェニーとドナは2人とも、突然爆発するように体を痙攣させ、クライマックスに達したのだった。全身を硬直させた後、ぶるぶると小刻みに震わせ続ける。

クライマックスの後、3人は体を離した。

ジェニーは後ろに向き直って、ドナにディープ・キスをした。それから僕に手を伸ばし、僕の顔を、2人の顔に引き寄せた。キスを続けているジェニーとドナ。2人の重なり合っている唇に、僕も唇も混ざった。3人とも、舌を突き出しあって、絡めあい、それぞれの舌を別の2人の口の中に入れあって、3人の唾液を混ぜ合わせ、ねっとりとした3人キスを行う。ジェニーが、ちょっとだけ顔を引いて、言った。

「お客様、これらのアイテムは気に入っていただけましたか?」

ドナと僕は互いに顔を見合って、にんまりと微笑んだ。ドナが返事した。

「ええ、全部買うことにするわ。ディルドと鞭も一緒に」

「それは良かった。では、ラッピングをしますので、その間に、お2人は着替えてください」

僕とドナは再び着替え室に入った。ドナは僕を見て、僕の足元の靴に目を落とし、次に自分自身の靴を見た。

「いま着ている服の上からシャツだけを羽織って。もう時間が遅いし、ここは家からも遠くないから。この靴を脱いだり、着替えをしてムダに時間を使いたくないわ」

「そうかな、分からないよ。もし何かで止まらなければならないことになったら、僕は困ったことになってしまう」

ドナは僕を見つめ、近寄り、乗馬用の鞭を手に取った。

「今夜のあなたは一夜に受けるには十分スパンキングされてきたと思うけど? まだ足りない?」

僕は分かったよと同意し、ネグリジェの上にシャツを着た。ハイヒールを履いたままズボンを履くのはできないと思ったので、ズボンと靴とソックスは手に持って、姿勢を正した。

「それでいいわ」

妻は甘えた声でそう言い、彼女自身のシャツを取り、上に羽織った。それから残りの衣類を拾い上げ、僕に手渡した。

「私が支払いをして、買ったものを持っていくわ」

そう言ってドナは、ハンドバックを持って店の前のレジのところへ向かった。

僕もドナの後について歩いた。注意深く彼女の歩き方をまねる。ジェニーは、新しい女王様風の衣装、鞭、ブーツ、ディルドに皮のストラップなどの商品をすべて袋に詰め終えていた。

「いま身につけていらっしゃるガーターのセットのための包装紙も一緒にバッグに入れておきました。ひょっとして何かで必要になるかもしれないと思いまして。お買い求めになったものを、着たまま家に帰られるほど気に入ってくださったようですわね」

ジェニーは微笑みながら、レジを打ち、総額を出した。ドナはクレジットカードを出し、その後、受け取りにサインをした。ジェニーは、サインをした受け取りをドナから受ける時、少し長い時間、彼女の手に触れていた。

「また、あなたたちお2人の女性には当店に来てくださると嬉しいですわ。その時には、ぜひ、閉店間際の時間帯に来てください」

「ぜひ、そうします」 

僕が先導する形で、店の出口に向かった。ジェニーはドアのロックを外し、ドアを開け、先に顔を出して外を見た。

「危険はなさそうです」

ドナと2人、こっそりと外に出た。車につき、ドナが僕のために助手席側のドアを開けた。その時、車が1台、通りかかり、スピードを落とした。男たちが2人、僕たちに狼のような遠吠えをし、その後、スピードを上げ、通り過ぎて行った。

ドナは僕に微笑みかけた。

「私たち2人とも素敵に見えているということね、ビクトリア」

僕は車に乗り込み、抱えていた衣類の中に隠れるようにして座った。ドナは、商品の包みをバックシートに置き、運転手側に回り、乗り込んだ。車のエンジンをかけながら、僕の方を振り返り、改めてじっくりと僕を見た。

「今夜は、本当に信じられないような夜じゃなかった?」

「ああ、そうだね・・・でも、お尻がひりひりしているよ」

ドナはにっこり笑っていた。 「私も同じだわ。でも、その痛みを感じるたび、すごく楽しい経験だったことを思い出すわ」

家に着き、玄関前の通路に車を入れた。道路に車が走っていないのを確認する。幸い、近所の人たちも外に出ていなかった。僕は、再び、ドナが車のドアを開けてくれるのを待った。

車から出てハイヒールを履いた足で立った。ドナが荷物を取り出し、家の裏ドアを開けるのを辛抱強く待った。無事に家の中に入った後、滑るような足取りで寝室に急いだ。途中、靴を床に落とし、ズボンを椅子に置いた。ドナは荷物を降ろすとすぐに僕に抱きつき、対面した。シャツのボタンを外し、滑らすようにして僕の肩、そして腕から脱がしていく。そして、脱がせたシャツを椅子に放り投げ、今度は自分のシャツのボタンを外し、脱いだ。

「あなたの靴の鍵を外してあげる。靴は脱いでもいいわよ。でも、他の服はそのままで寝ること。いいわね? ミス・ビッキー?」

僕は、ここでノーと返事したらどんなことになるのか思い出し、妻の命令に従った。ドナはにんまりと微笑み、僕の両腕を擦り、僕を引き寄せ、キスした。

「私、ここにいる新しい恋人が大好きになったわ、ビクトリア。これから楽しいことがたくさんありそうね」


彼女の側から

私は、ビクトリアに、スーツの下、新しいピンク色のパンティ、新しいピンク色のガーター・ベルト、そしてストッキングを身につけさせてから、職場に送り出した。彼は、ストッキングの上にソックスを履きたかったようだけど、私はそれを許さなかった。とは言え、私自身、夫が過剰なほど女性の服装になじんでしまうのも求めていなかった。何年も前は、女性は、公衆の場では足首さえあらわにすることが許されなかったのだ。その時代の女性が味わったことを、夫にも経験させいという意識が働いていたのだと思う。

私はさらに夫を説得して、ピンクのリップ・グロスもつけさせた。非常に薄くではあるが。彼には、もし万がいち誰かに気づかれて、何か言われたら、唇が荒れたので潤滑クリームを塗ったんだと言えばよいと伝えた。夫は、ピンク色の爪については、文句を言わなかったし、そもそも何も言及しなかった。非常に薄いピンク色なので、正直、夫自身、爪に色を塗っていること自体、忘れていたのではないかと思う。ただ、彼の本来の爪よりも広めに色を塗っておいた。

一つだけ、夫に言っていなかったことがあって、それは、パンティーをバスルームに持って行って、カウンターに置いてくる前に、それにちょっとだけ私の香水をスプレーしておいたことだった。同じ香水を私の胸の谷間にもスプレーしたので、もし夫が下着から出てくる女性的な香りに気づいたとしても、私からの移り香と思うようにさせた。あの香水は体温によって温まると活性化する香水である。だから日中、働いて体を動かし、体温が上がると、かなり香りが目立ってくるはず。

夫を送り出した後、私は、新しくコーヒーを入れ、コンピュータをクリックした。ネットに接続した後、私は、ビックがどうしてこんなに簡単に女装することを許したか、そのわけをもう少し調べようと思った。

夫が女装することで私たちが素晴らしいセックスを楽しめたということが、一番の理由である。それは分かっていたが、パンティを履きたがる他の男性がどんなことを考えているのか、それを読みたいと思った。Pantiesetc(http://www.pantiesetc.com/)というサイトに行き、ゲストとしてログインし、記事を読み始めた。

そこで読んでいろいろ知ったが、正直、私は驚いていた。確かに、まずは男性が好きな男性がいる。だが、その他に、隠れてパンティを履いている既婚男性や、女装の事実を妻に知られているものの、妻たちは知らないふりをしているような既婚男性が何人もいたのである。私自身、ビックが私のところに来て、女性の下着を着たいと告白したら、どう反応したか分からない。多分、多少、戸惑ってしまうだろうと思う。

読み進んでいくと、そういう男性の大半にとっては、妻に賛成してもらいたい、一緒に楽しんで欲しいということが、共通の望みとなっているのが分かった。だが、大半のそういう男性には、その望みはかなわぬことで、その結果、夫婦関係を保つために、妻の目を盗んだり、隠れてこそこそ行動したりする必要が求められる状況になっているのである。彼らは、何らかの点で、妻を裏切っているという、後ろめたい感情を持っているらしい。

私は画面から目を離し、顔を上げた。私と夫の場合、どのように展開してきたかを考えた。こうなる前に比べて、ビックと私の間の信頼要素は増えたという事実ははっきりしている。

実際の生活では、これまでの私は、いつも夫の判断を信頼し、リードを任せてきた。そして、思うに、性生活の方では、今回の件の後、夫は私を信頼し、リードを任せるようになっていると思う。少なくとも、夫がそう感じていると私は思っている。

私は、夫を女性に変えようなどとは思っていない。男性としての夫を愛しているのだし、心を寄せているのだから。ではあるが、この2日間の出来事で、きわどいことをしているという感覚や、性的にあぶなそうな味付けがあると、2人とも非常に興奮することを知った。たった2日間の間に、ビクター(ビクトリア)は5回もクライマックスに達したし、私も4回達したのである。そんなことは新婚の時期、毎日のようにセックスしていたときでも、ありえなかったことだ。

まあ、これはただのゲームなのよ、とそう思うことにした。ゲームだとすると、あっという間に決まってしまうババ抜きのようなゲームの場合もあれば、長くプレーできるモノポリーのようなゲームの場合もある。このゲームは楽しい。だから、モノポリーの方に決めよう、と。

私の心は、彷徨うように昨夜のことを思い出していた。なんと様々な出来事が起きたショッピング体験だったのだろう。ビクトリアがジェニーと行為をしたとき、私が嫉妬を感じなかったことに、我がことながら驚いた。嫉妬を感じなかったのは、多分、私自身があの行為で欠かせぬ役割を担っていたという理由もあったし、私自身、2人と同じくらい興奮していたからという理由もあったのだろう。

もう一つ驚いたことは、私にとって初めての、実際の女性との経験であり、その経験の間に、甘んじて行った数々の行為だった。正直に言って、私はこれまで、他の女性のお尻にキスをしたいと思ったことは、まったくなかった。ほんの少しも、そう思ったことはない。だが、ジェニーが主導権を握り、私に命令したとき、それを行うのが正しいと感じられたのだ。

セックスでは、様々なプレーをしようと決め、その成り行きを受け入れた場合、人は、どのような展開に導かれていくか分からないものだ。思うに、ビックに着飾らせ、気持ちの上で彼を女性とみなして、愛し合ったとき、私にとって、実際の女性との性体験に通じるドアを開いたことになったのだろう。私は、ビクトリアの肩越しにジェニーとキスをしたときのことを思い出し、次第に興奮し始めていた。

自分で自分を触り始めたとき、時間が来ているいることに気が付いた。ゲイルとお昼にランチを一緒にする約束があったのだ。ふと気がつくとゲイルの顔がジェニーの顔に置き換わっている。・・・ここで、やめなきゃ。じゃないと、私、自制できなくなってしまう・・・。

素早く、心の中、いろいろ想像することを禁止し、シャワーを浴びて、素早く着替えを済ました。多分、無意識的にだったと思うが、いつもよりセクシーな下着を身に付け、薄地のピンクと黒のブラウス、そして、身体をぴったりと包む生地のスラックスを履いた。昨夜、履いたピンクのハイヒールを眼にしたとき、「これもいいんじゃない?」と思った。スラックスの裾を捲り上げ、ハイヒールに足を入れ、素早くふくらはぎにレースを巻きつけ、結んだ。今日は、あの小さな南京錠はつける必要はないだろう。履いた後、スラックスの裾を元に戻し、立ち上がった。鏡に顔を向けると、そこには普段よりセクシーな私がいた。脳のなかで燃え続けている想いがあったせいか、普段よりセクシーな格好であっても、何の問題もないだろうと判断した。

ビックの職場の前に車を寄せた後、ミラーで化粧をチェックした。正面玄関からオフィスに入っていくと、ゲイルが顔を上げた。ドアを閉めるために、一回転して見せる格好になったが、ゲイルがびっくりして私の姿を見直していたのに気がついた。

そのとき気づいたのだが、明るい日光の中に立つと、側面から見た場合、薄地のブラウスを通して、胸とブラジャーのラインがはっきりと見えていたのである。私はドアを閉め、彼女のデスクの前に行き、デスクにもたれかかって彼女の両手を握った。挨拶のつもりで、彼女の手を揉む。

「ゲイル、あなたお腹がすいていると嬉しいんだけど。私、ペコペコなの」

彼女も私の手を揉み返し、微かに笑みを浮かべながら私の目をまっすぐに見た。

「私もペコペコ。すぐに出られるわ」

ビックのオフィスに行こうとしたら、中から彼が出てきた。私のブラウスとハイヒールを見て、夫の細く整えた眉が上がるのが見えた。私は、わざと、ふざけた調子で彼の股間に眼を落とした。夫が早速、勃起し始めているのが見えた。

「まあ、あなた。私、ゲイルとこれからランチに行くところなの。ちょっとしてから、後でまた来るわね」

夫は、私とゲイルが話しをすれば、多少は彼の気まずい状態も和らぐことになるはずと思ったらしく、こう答えた。

「今日は割りと暇なんだ。だから2人とも、ゆっくり好きなだけランチに時間を掛けても良いよ。電話の応答は僕がするから」

私は彼にキスをした。

「優しいのね。あなた、みるみる女性に対する思いやりが出てきてるように思うわ」

そう言って笑いながら、ゲイルと表ドアを出た。

近くの、割とよいレストランへ車を走らせながら、ゲイルと他愛無いおしゃべりをした。レストランに入り、飲み物を出された後、ゲイルが切り出した。

「あなたの、そのブラウスとハイヒール、素敵だわ。私、ピンク色ってとっても可愛いと思うの。ピンク色って人をとても女っぽい気持ちにさせると思うわ。私が言っている意味分かるでしょう?」

「ええ、その通りね」 私は、そう同意し、それから、思いっきり本題に飛び込むことに決めた。

「そういうわけで、私、今日は、ビックにピンク色のパンティとピンク色のガーターベルトとピンク色のストッキングを履かせたのよ」

そこまで言って、ゲイルの眼をまっすぐに見つめ、彼女の反応を計った。

「え、ほんと?」 にっこり微笑んで私を見ている。 「じゃあ、ご主人のピンクの爪や口紅とも良く合うはず。そうでしょう?」

私も笑顔を見せた。 「どうやら、私の言葉を聞いても、引いていないようね」

「全然、引かないわよ。性的なゲームなら1つか2つ、割と私も事情通なのよ」

「ええ? ほんと? まさかあなたもなの?」

私は驚いたフリをして見せた。ゲイルは私を見て、優しい笑みを浮かべた。手に持っていたティー・グラスをテーブルに置き、グラスで冷えたその手を伸ばして私の手の上に置いた。

「ええ、ほんと。ゲームは生活のスパイスになるもの」

私は、手を彼女に触れられたままになっていた。そして、チャンスが来たと感じ、思い切って言ってみた。

「じゃあ、一度、私たちのゲームにも加わってみない?」

手はまだテーブルの上、ゲイルの手に触れられたまま、私は体を起こし、少し不安を感じながらも、彼女の反応を待った。

ゲイルは、指で私の手を包むようにして握り、私の手を優しく揉んだ。

「実は、私を誘ってくれないのかなあって心配していたのよ。昨日は一晩中、あなたたち2人のことを考えていたの。あなたたちがしていることに私も加われたら良いのにって願ったわ。昨日、ビックが興奮していたのには気づいたんだけど、最初、なぜだか分からなかったわ。でも、彼がファイル・キャビネットの前で前屈みになって、パンティ・ラインが見えたとき、やっと分かったの。何かが起きているというのは推測できたけど、まさかあなたもかかわっているとは・・・夢にも思っていなかったわ。女性の下着を履いて興奮する男性はたくさんいるけど、それを知っている妻たちというのは、そうたくさんいるとは思わないもの。ネールをきれいに塗って、リップ・グロスをつけてシャツの下、ブラが透けて見える格好をした彼と一緒に外に出ていったあなたを見たとき、私がどれだけ驚いたか、想像してみて。あなたたち、一体、何をしているの?」

ゲイルに打ち明けようとした、ちょうどその時、婦人が一人レストランへ入ってきて、私たちの近くのテーブルに着いた。私は、その婦人に微笑みかけた。

「私たち、同じ場所で食事をするのが好きみたいね。まだ24時間たっていないのに、私たちが会ったのは、これで2回目」

彼女は、昨夜、夫と夕食を取ったレストランにいた夫婦の奥さんだった。彼女は、私のことに気がつき、少し当惑したような笑みを浮かべた。それからゲイルに視線を向けた。驚いたように眉を上げ、ゲイルにも微笑みかけた。

「それに、こちらの方は、あなたたち素敵なカップルが店を出て行こうとしたちょうどその時に、店に入ってきたお方でしょう? まあ、それにしても、ほんとに、世間は狭いこと」

婦人は私に向き直り、話を続けた。

「あのね、私、昨日の、あの会話について考えたの。そして、何か少し立ち入ったことなんだけど、あなたにいつか訊いてみようと思ったことがあって・・・」

私は、すぐに昨夜の会話のことを思い出し、彼女の質問の話題がどんなことか、察しがついた。

「ねえ、でしたら、こっちに座って私たちと一緒に食事しません? あなたが話したがっていること、大体、分かります。それに、実のところ、私とゲイルも、その話題について話していたところなの」

婦人は心配そうな顔になった。

「あら、でも、お2人、立ち入った会話をなさっていたのでしょう? 私、邪魔をしたくないわ」

「全然、そんなことありませんよ。お願い、一緒して。この話、私たち3人全員にとってとても興味深いはずだから」

こう返事したものの、自分でもその大胆さが信じられないほどだった。いま私は、自分の性生活について、2人の女性に話そうとしている。しかも、そのうちの一人は、わずかしか知らない人だし、もう一人はまったく知らない人なのに。

婦人は、私たちと同席することに決め、少し太めの体を滑らすようにして、私の右隣の椅子に座った。彼女が腰をおろす間、私は少しだけより綿密に彼女の姿を見てみた。顔は、多少、年齢を感じさせるものの美しいし、肌は若々しく、体も、少し大きいとは言え、均整が取れている。明らかに、若かった時には、ひと目を惹く美人だっただろうと思う。婦人は身を屈め、バッグを脇の床に置きながら、私の靴に眼を向けていた。実際、少し必要以上に私の靴を見ていたと思う。それから体を起こし、今度は、少し恥ずかしそうに、私のピンクのブラウスに目を向けた。

「あなたのお家族は、ピンク色がお好きのようですわね」 婦人は、微笑みながら言った。

彼女が気弱ながらも話題を切り出したのを受け、私は思い切って、その話題に飛びついた。

「ええ、そうなのよ。ビッキーも私も、ピンク色はとても刺激的だと分かったの」

婦人はにやりと微笑んだ。「そうね、ビッキーさんも、ピンク色がとても似合っていたもの」

そこでゲイルも会話に入ってきた。「ビッキーさんって?」

私はゲイルに顔を向けた。「あら、そうだったわ。まだ、そこまで話していなかったわね。ビッキーというかビクトリアだけど、ビックと呼ぶより、そう呼んだ方が私たちのゲームには合っていると思ったの。ちょっと口を滑らせちゃって、話す順序を間違えちゃったわね・・・」 

そのとき、私は、まだ自己紹介すらしていなかったことに気がついた。

「ごめんなさい。私の名前はドナ。そして、こちらがゲイル。ビックの秘書をしているの。そして、あなたは・・・?」

「ジェニーンです」 そう言って彼女は美しい手を私に差し出し、次にゲイルに差し出した。

「ドナ?・・・ビックはビクトリアになってどのくらい経つの?」

「本当のことを言うと、まだ48時間も経っていないの」

ジェニーンは呆気に取られていた。ゲイルの顔にも驚きの表情が浮かんでいた。

「でも、彼、女性のものを着けてひと目のつくところに出ていても、ほとんど快適って感じで振舞っていたと思うけど。私、もっとずっと前からだとばかり思っていたわ」

「まあ、でも、信じて欲しいんだけど、彼、全然、居心地がよかったわけじゃなかったのよ。彼をレストランへ連れ込むだけで精一杯だったのよ」

ジェニーンは、またも驚いた。

「ご主人のネイルやブラは、あなたが考えたことなの? 眉毛までシェイプされていたけど」

「ええ、私が考えたことは、私たちの遊びにちょっと危険なスリルを加えるという、ただそれだけ。多分、夫は、これまでの人生で、昨日の夜ほど顔を赤らめたことがなかったんじゃないかしら。うふふ・・・」

「じゃあ、ご主人が考えたことではないと?」

「ええ、実際、私の思いつき」

突然、ジェニーンが本当に訊きたい質問が他にあると思った。

「私に訊きたいことがあるとおっしゃってたけど、どんなこと?」

「ええ、ちょっとね。・・・でも、ご主人の女装が、あなたが考えたことだとすると、少し関係ないことかもしれないの・・・」

私は、今朝、読んだことのいくつかを思い出し、もう少し探ってみることにした。

「ひょっとすると、あなたの質問は、あなたが思っているよりも私たちに関係があることかもしれないわ。どうぞ、おっしゃって」

ジェニーンは、躊躇いがちに唾を飲み込み、話し始めた。

「ご主人が女性の物を身につけることについて、あなたがどう感じたか、それを知りたかったの。でも、あなたがそれにまったく問題を感じていないのは明らかなようだわ」

「ええ、まったく感じていないのは事実ね。私自身が率先して始めたことだから。2日前にビックの誕生日のためのビックリ・プレゼントとして、始めたの。実は、夫は、誕生日に、プレゼントとして、忘れられない性体験をしたいと言ったの。それについて、私はしばらく考えたわ。そして、彼を女性のように着飾って、彼を女性とみなしてセックスするという考えを思いついたの。そして・・・うまく行った。夫は、このことすべてにものすごく興奮して、このたった2日間で5回もクライマックスに達したわ。そして、ボーナスとして、私も4回、喜ばせてもらったの」

ジェニーンもゲイルも、驚いた顔で私を見ていた。

「冗談を言ってるんでしょう?」 とゲイル。

「全然・・・私たち、このことで、本当に『超』の字がつくくらい興奮してるの。実際、昨夜は、このおかげで信じられないような経験もしたのよ」

2人とも、つい最近、私とビックに会っているわけで、何のことか分からないような顔をしていた。

「昨日の経験については、家に帰る途中で、そのうち話すことにするわ。うふふ。もう少しあなたのことを知ってからね。で、ジェニーン、あなたの話に戻るわね。当ててみせましょうか? ひょっとして、ご主人、女性のものを着るのが好きなんじゃない?」

ジェニーンの顔から笑みが消え、心配そうな表情が現れた。

「ええ、そう。実は、結婚してからずっと・・・」

私はジェニーンの手を握った。優しく。

「で、ジェニーン、あなたはどう感じるの?」 彼女の夫の女装趣味が彼女にとって、とても重要なことであることを察し、優しさを込めて尋ねた。

「正直言って、私は、ずっと、夫の趣味を気持ち悪いと、もっと言えば、病的なもののように感じていて、基本的には、ただ無視して我慢し続けてきたの。夫は、ほとんどいつも、女性用の下着をつけているわ。彼は私に理由を説明しようとしたけど、私にはまったく理解できなかった。何か、夫とものすごい距離感ができてしまったと感じているの。特に、夫婦間の身体的な親密さの面では特に。私がいない時、夫が何をしているか全然分からない。夫は本当はゲイなのかどうかすら分からない。彼が私を愛してくれて、気遣ってくれているのは分かるの。他の男性ならやろうとしない細々したことをたくさんしてくれるわ。洗濯すら、喜んでしてくれる」

「ねえ、聞いて。あなたが私やゲイルより年上で、世代が別なので、物事に対して、私たちよりも保守的な見方をするのは分かるわ。でも、私、今朝ちょっとネットで読んで分かったの。男性は、どうしてパンティを履くかを訊かれると、答えとして、いろんなことを言うらしいのね。例えば、肌触りが良いとか、ブリーフだと擦れて痛いとか、そんなこと。でも、どんな説明をしようとも、本当の理由はと言うと、それは、パンティを履くことで興奮するということ。他の方法では得られないような性的な感覚を味わえるからというのが本当の理由。そういった男性の大半は、ランジェリーを着たままセックスをすることを思い浮かべただけで、すごく興奮して、無上の幸福感を感じるらしいの。それに、私自身の経験から言えるけど、それって、私たちの方から見ても、素晴らしい興奮材料にできるのよ。セックスとファンタジーが混じり合った興奮。私、人間がセックスから得られる快感の99%は、私たちの脳の産物だと信じてるから」

ジェニーンは悲しそうな眼で私を見つめた。

「肉体の快感であれ、精神的な快感であれ、そういう快感を味わったのは、もう5年も前になると思うわ。時々、映画を見たりして、興奮する時があるの。でも、もうずっと、何も行動につながらない」

私は同情しながらジェニーンを見つめた。彼女の手を擦りながら言った。

「ジェニーン?・・・きっと大丈夫。あなたからイニシアチブを取って、ご主人を女性化してみてはどう? そうすれば、また2人の間に興奮がよみがえってくるはず。ご主人にその気があるなら、あなたがすべきことは、そこにちょっとスパイスを仕込むことだけ。つまり、ご主人が何を着るか、いつ、それを着るかを、あなたが仕切ること。それから、セックス面に関して、命令と報酬のシステムを作ること。ご主人が、あなたが命令することに従わなかった場合の懲罰のシステムも、ね。本当のお仕置きでなくて、お仕置きのフリだけで良いの。軽くお尻をスパンキングするとか、ちょっとした小さなことでご主人に恥ずかしい思いをさせるとか、そういう類のこと」

ジェニーンの瞳が少し輝き、顔に小さな笑みが浮かぶのが見えた。

「でも、私にできるかどうかわからないわ。そういうのを好む性格じゃないし、それに私自身、もうセクシーじゃないと感じているから。もう、そういうことはすっかり卒業したと感じているから・・・」

「ジェニーン? 『自分から感じる』ということがキーワードよ。早速、お店に行って、自分が今25歳で、映画スターのようなルックスをしているとしたら買うだろうなと思う、そういうアイテムを買ってみて。そして、ご主人にも同じアイテムを買うこと。そういうアイテムに適するようにご主人の体の方を整えて、それから、実際に着せる。賭けても良いわ。そうしたら、ご主人に抱きつこうとすると、絶対、ご主人の勃起がお腹に当たって、なかなか抱きつけなくなるはずよ」

「ありがとう。あなたがおっしゃるとおりだと良いわ。少なくともトライしてみるつもり。試してみても困ることはなさそうだし、ひょっとすると、うまくいくかもしれないから」

「そうよ。ご主人が、とても美しい女性になれるよう、手伝ってあげて、その後、どんな変化がおきるか見てみて。私とビクトリアの場合は大興奮の結果になったわ。それに、ここにいるゲイルもちょっと私たちに手を貸してくれると思うし」

ゲイルは私に笑みを見せた。「任せておいて!」

ジェニーンは、少し不思議そうな表情を見せていた。

「あなたの生活について、こんなプライベートなことを他の人に知られて、嫌だなあと思うことはないの?」

私は、彼女の質問について正直に考え、ありのままに答えた。

「もし、1週間前に同じ質問をされたら、ええ、嫌だわって答えたと思う。でも、ビクトリアと私は、この2日ほどで、世界観が変わるような経験をした。だから、私の答えはというと、『ゲイルに私たちのゲームにまざってもらうのを、むしろ楽しみにしているわ』という答えになるはず。ビクトリアがいつもその気になっていて興奮状態を続けられるようにするためには、ゲイルの助けが必要で、その点で、彼女をあてにしているところがあるのよ。それから、どんなことが起きるか、それは誰にも分からないわ」

私はそう言って、ゲイルに目配せし、微笑んだ。ゲイルもにっこり笑い、口を挟んだ。

「まあ、個人的には、私は彼女たち夫婦のプライベートなことに邪魔する気はないの。でも、ゲームに混ぜてもらうというなら話は別で、なんか特別扱いしてもらっているような感じで、嬉しく思うわ。楽しいことがありそうだし」

「今ちょっと、良いこと思いついたわ。今朝、見ていたウェブ・サイトには、まさにこういう話題についての話し合いやストーリーを載せてる場所があるの。私たちのことも、事態の展開にあわせて、ストーリーにしてみるのは、どう? ゲイル、あなたは、あなたの眼から見たことを書いて私のメールに送って? 私はそれをまとめて、そのサイトの適切な場所にアップするわ。私も、ビクトリアに話しをするつもり。私が彼女を女性化してきたし、これからも続けるけど、その過程のすべてについてどう感じているか、聞き出して、ストーリーにしてみるの」

ゲイルは、先のことを想像して興奮しているようだったが、ジェニーンは不安そうだった。

「私、他の人に読んでもらえるほど上手に文章を書けないわ。まして、自分でもできるかどうかわからないことについて書くわけだから」

「ジェニーン? これまでこんなに長く夫婦生活を続けてきた粘り強さがあるじゃない? その大変さに比べたら、すごく簡単なことだと思うわよ」

「うん・・・で、どういう風に進めたら良いかしら?」

「想像力を使うの。そうしてこそ、これがクリエイティブになるし面白くなるから。まずは、あなたが第一段階に取り掛かるとき、私もその場にいさせてくれると嬉しいわ。ご主人の名前は?」

「フィリップ」

「あなたが、フィリップをフィリスに変える、その第一段階に取り掛かったとき、ご主人がどんな表情をするか、私に見させてね」

私は紙を取り出し、ゲイルとジェニーンのそれぞれにEメールのアドレスを書いて渡した。

「あら、ゲイル、もうそろそろ仕事に戻らなければならない時間ね・・・ジェニーン? あなたに会えて本当に良かったわ。あの質問を私に訊いてみようとしてくれて、とっても嬉しいの。上手くいくよう願ってるわ。ともかく、楽しむつもりで行うこと。それを忘れないこと!」

ジェニーンはにんまり微笑んだ。「ええ、ともかく試してみるつもり。やってみて失敗しても、何も問題ないし、うまくいったら、長年、疑問に思ってきたことの答えが出るかもしれないから」

「そう! 頑張って」 食事を終えた私たちは立ち上がり、私はジェニーンを抱きしめた。別れ際、衝動的に、もう一度、彼女を抱きしめ、頬にキスをした。

「きっとうまくいくはず。そのうちフィリスに会えるのを楽しみに待ってるわ」

「うまくいくかどうか分からないけど、他に知る方法もないから」 ジェニーンは、少し苦笑いをしていた。

車でゲイルをオフィスに送りながら、私は、レストランでの出来事を振り返った。オフィスの玄関前に車を寄せ、車を止めた。

「次の瞬間、何が起きるかさっぱり分からないわね? でしょう? ゲイル」

ゲイルは私の方に顔を寄せた。何が起きたか分からないうちに、私はゲイルに唇にキスをされていた。

「そうね、さっぱり分からないわ」

ゲイルはそう言って、脚を車の外に出した。

私は唖然として、運転席に座ったままだった。しばらく経ってから、笑顔になって、オフィスのドアを入っていくゲイルに、バイバイと手を振った。

「もう、ほんとに・・・次は何?」 そう独り言を言った。


つづく
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