Caption 50


List | |

シンディは僕の親友だった。もう何年も前から。女の友人がいる男ならたいていそうであるように、僕も友情以上のことを求めていた。ただ、僕は憶病すぎて、先に進めなかった。先に進むきっかけを失ってしまっていたと思っていた。僕は死ぬまでずっと彼女の「お友達」の状態のままなのだろうと思っていた。

そんな時、オマール・ベルがアレを放出した…あれが何であれ、僕は変わり始めた。僕はそもそも身体の大きい方ではなかった。165センチで体重も65キロくらい。だけど、たった半年で僕は157センチ、50キロになったのだった。そして僕の身体は男の身体でなくなったのは確かだった。腰は大きく膨らみ、ウエストは細く締まり、身体から体毛が消えてしまった。

でも、この身体の変化にはいいこともあった。シンディはいつも僕のそばにいて、サポートしてくれるようになったのだ。僕が変化を遂げていた時期ほど、僕と彼女が親密になったことはそれまで一度もなかった。

僕が変化し始めてから8か月後、シンディは僕に裸になってどれだけ変化したか見せてと言った。彼女は僕を言うとおりにさせるのに、あまり説得する必要はなかった。ただ一言、「裸になって見せてくれたら、私も裸になって見せてあげるから」と言うだけで充分だった。僕はすぐに裸になり、彼女もすぐに僕の後に続いた。

(少なくとも僕には完璧な身体に見えたのだが)彼女の完璧な身体を見ながら、僕はたったひとつのことしか考えられなかった……

どうして彼女を見ても僕は興奮しないのだろう? どうして僕のペニスは(確かに小さいんだけど)勃起しないのだろう? シンディは腕を回して僕の肩を抱き寄せ、僕も彼女のウエストに腕を回した。僕は彼女の豊かな乳房を見おろした。でも……何も起きない。ぴくりともしない。

言うまでもなく、このすぐ後、僕はぽろぽろ涙を流し始めた。シンディは懸命に僕を慰めてくれた。でも彼女は本当には分かっていない。僕はもはや男ではなくなっていたのだ。僕はboiになっていたのだ。boiは女性には惹かれないものなのだ(どんなに頑張っても)。

多分、これからもずっと僕たちは「ただのお友達」のままであり続けると思う。


List | |