「心が望むものをすべて」(第2章) Whatever Your Heart Desires Ch. 02 by AngelCherysse 第1章

人に訊かれたら、私は喜んで、私には壮大な計画があると答えただろう。愛する夫を可愛らしい性玩具のセクシー娘に変える1から10までの計画。だが正直言って、実際は、どこから手をつけてよいか、私自身、手探り状態だったのである。この話題は、不動産仲介業者の共同斡旋業務が預かる話題ではないのは当たり前だ。公立図書館に行ってもあまり役に立つことは得られないだろうとも思っていた。近くの書店に行っても、『男性を女性化する方法』という本は見当たらなかった。そもそも、はなから置いてあるはずがないと思っていた。ではあるが、私には次の資産があったのも事実である。


(1)私が心の底から敬愛してきた夫。その夫が、明らかに、長い間、女性化への強い欲求を心の奥に隠し、暖めてきたという事実。
(2)私自身が、その夫の欲求を、夫婦2人の喜びに変えるべく、2人で探っていきたいと思っていること。この私自身の気持ちは、このことが明らかになるまで、自分でも知らなかった感情だった。
(3)それを実行するに充分な財力。
(4)信頼できる友人たち。
(5)インターネット。
(6)本能。
(7)女性化にとって理想的とも言えるようなダニーの現実離れした本来の美しさと体格。

資産(1)と(2)は、もうすでに手元にある。必要に応じて資産(3)と(4)を加えていこう。資産(5)はまさに天の賜物だ。これよりも素晴らしい「図書館」と公共討論場は望めないだろう。あの最初の「覚醒」のあった日に続く何日間か、私はインターネット中毒者になっていた(もちろんダニーがいないときに限っていたが。どうしてもプライベートに調べる必要があった)。まず手始めに、ダニーがブックマークしていたサイトから始め、そこをベースにして私の知識を広げていった。ネットを徘徊する過程で、知り合いができ、友だちになることができた。男性、女性、その中間の人など様々な、知識豊富で経験豊かな人々である。その人たちは、この話題に関して、私よりもずっと多くのことを知っており、親切に教えてくれた。その人たちの意見を元に、私は、「ダニエル」を私たち夫婦共々楽しめるような性玩具のセクシー娘に変えるための大まかな方策を立案した。

彼女をセクシー娘に変えるという点も、すでに当然となっていた。どうして、ダニーを、私のような仕事に真剣で、冷静で、成功第一主義のキャリア・ウーマンに変えたいと思うだろうか? もう一人の私を作るなど、いかにつまらないことか! それに私たちは経済的にダニーの収入は必要としていないのも事実だった。もっとも、彼の気持ちが充実するような仕事を行う機会を奪うつもりは毛頭ない。私が求めているのは、私の自由時間を一緒に楽しめるような、明るくセクシーで、少し淫らな遊び仲間なのだ。一緒にいてセクシーに楽しめるような相手。もし、後になって、セクシー娘でいる方が、たまに雑誌の記事やエッセーを書くよりも恵みが多いと彼が納得してくれたら、何にも悪いことはないのじゃないか。ともあれ、さしあたりは、このことは差し迫った問題ではなかった。まだ分からなかった点は、どのくらいの頻度で「ダニエル」遊びを楽しむかということだった。月に2〜3回? 週末だけ? 週末に加えてウィークデーも毎晩? それとも終日? どこで「もうこれで充分」と線を引く判断は、私自身の本能に委ねることにしよう。もちろん、計画はどの部分も、状況に応じて変更可能にしておくこと・・・

いくつかの点は、簡単に進められるだろう。ダニーと私は、2人が関係を持った最初から、変わったことを好むと言う同じ嗜好を持っていた。ポルノの新作が出れば一緒に見て楽しんだし、「紳士の遊び場」にも一緒に足しげく通ったし、時にはSMクラブも2人で攻略したことがあったのだ。その結果として、私たちは、自分たちが望む「いやらしい女の子」について、どういう特質を持っているべきか、かなり明確なイメージを共有していた。その特質の大半は、私とダニーが属している日常的な保守的でホワイトカラー階級の生活様式に対して、正反対の価値観を表すものである。私は、私の新しい「ガールフレンド」に、そういった特質をいくらか盛り込むことを想像して楽しんだ。

ダニーに、私たちが望む「いやらしい女の子」の特質を盛り込む。そのことですら結局は容易なことだと判明するかもしれない。第一に、ダニーは「正しい素質」を持っている(資産(7))。彼は「男の中の男」のイメージに合うためには、小柄だし、痩せているし、愛らし過ぎると言ってよい。だが、女性としてはまさにパーフェクトの顔立ちや体型をしていた。

それにSMクラブに通って分かったこととして、彼の中には、従属的なことを好む傾向が生まれかかっていることだった。以前、私は、遊び半分ではあったが、彼のそういう性質を察し、彼をMにしてSMプレーしたことが何度かあった。これからは、その「遊び半分」という部分は変えることになるだろう。もうちょっとだけ頑張れば、ダニーを、いくら可愛がっても飽きることがない性玩具のような女の子に変え、私も彼も楽しむことができるかもしれない。私はそう確信した。

このような話し方をすると、まるで、私が、ダニーに、後戻りができない形で永久的に女性化することをすでに納得させたように聞こえるかもしれない。今のまま、ただ女装遊びをするといったレベルに留まって続けることができるだろうか? 多分、それは可能だろう。だが、私は夫のダニーのことも自分自身のこともよく知っているつもりだ。彼も私も、そのような見かけだけの、偽物の雰囲気ににはすぐに飽き飽きしてしまうだろう。2人とも、妄想を形に移すことが好きなのだが、もっとリアルで、具体的な形での実現を希っているのだ。真に納得がいく形で、「夢の女の子」を肉付けして具現化するまでは、彼も私も本当の意味での満足は得られないと思う。

恐らく、非常に微妙な道を渡らなければならないだろう。そうなることがダニーが心から求めていることなのだ。私の持つ直感が、大きな声でそう叫んでいる。私は、彼が求めているものを彼に授ける立場にいる。支配的な立場だ。その立場にいると感じると、私は実に誇らしく感じられるのだ。あの日の夜まで、私は自分がこのような嗜好を持っていることを思いもしなかった。だが、一旦そういう性質が自分の中にあると知ると、それをもっと追い求めたくなっていた。

私の直感的な部分は、ダニーの真の願いを叶えてあげろと叫んでいるのと同程度に、注意すべきだとも叫んでいた。ダニーは、他の人々の反応を恐れるあまり、本格的に変身することを拒みたくなるかも知れない。つまり、彼自身の拒否反応もあるかもしれないが、それよりも他人の目を気にして拒否するかもしれない。だが、その不安は、まだ実証されたわけではなく、根拠がないものだ。私は心の底から、ダニーは他の者たちが息を飲むほど素晴らしい美人になると思っている。だが、そのことを彼に証明してみせるまでは、彼は信じようとしないだろう。

インターネットで、フェムドム(FemDom)と呼ばれる女性上位関連のストーリーを読み漁った。そして、そのようなストーリーの支配的な女たちが、自分の夫・恋人・愛人である男たちの感情についてまったくと言っていいほど無視したり、知ってて傲慢に対処したりすることに、心の底から軽蔑を感じた。ダニーは、私が愛している男性、いや人間なのだ。ダニーの心理的抵抗を打ち消すためにあのような嫌悪すべき傲慢な方法にでることは、気分が悪くなる思いだった。だが、それでも、彼の心が、それに私の心が、望むことを実現するためには、まさにそういうことを行わなければならないかもしれない。あのようなことをしても私自身はまったく喜びを感じないが、躊躇って行わないわけにもいかないだろう。

「ダニー」と「ダニエル」。この2人が同時に存在できるものなのかすらまだ分からない。ともあれ、彼は今後も私と夫婦のベッドを共にし、一緒に愛をはぐくみ続けることになるだろう。だが、「彼女」が私たち夫婦の空間とは分けられた別の彼女だけの空間を持つことも必須事項だった。これは、特に、現実的に利便性を考えた上での事項である。女性が2人同じ家に住み、それぞれ着替えをしたり、出かける準備をしたりするには、男と女が同居する場合とは違った点で、どうしても別々の部屋が必要になるものだ。それに、もっとロマンチックな状況を考えると、二人の愛し合う女がそれぞれ相手が喜ぶような衣服を身にまとうとするなら、別々の部屋は絶対に必要になる。女になったダニーと女の私が愛し合う。これは私がずっと暖めてきたシナリオでもあるのだ。

その目的のため、私は来客用の寝室の1つを改造した。(何もダニーが女性化するからクイーンサイズというわけではないが)彼女のためのクイーン・サイズのベッド、ドレッサー、化粧鏡、そして大きな宝石入れ。それに加えて、小部屋サイズのウォークイン・クローゼットと彼女だけのバスルームを設けよう。部屋の装飾と家具は私が選んだ。柔らかな感じのパステル調の白みがかったライラックのような赤紫色を基調にデザインした。私が、彼女のために「生活のスタイル」を選んであげる。これはとても楽しかった。これから先ももっと選んであげようと今後のことが楽しみで仕方なかった。さあ、楽しいゲームの始まりだ!

別々の部屋にするという条件に関して、1つだけ例外を設けた。それは下着に関すること。もっと正確な言葉で言えば、ランジェリーに関すること。インターネットでの女性上位主義の知り合いからの情報で、女性化途上の男性を新しい立場に馴染ませ続ける方法として、その人に、できる限り女らしく可愛らしいランジェリーを常に着用させることが最も効果的であると知っていた。すべての人が同じく認めていたこととして、変身を開始する取っ掛かりとして、これが一番適切だとのことである。それに、確かに、彼女にランジェリーを着せることは、私にも楽しいことに思えた。まず最初に命令への絶対服従することを確実にするため、女性化を望む男性が身につける最も体に近い部分の衣服は、その人の支配者である女性(つまりダニーの場合は私)によって、厳密に、しかも細心の注意を払って監視され、強制されなければならないとのことだ。これは、私とダニーにとってまったく新しい経験になるだろうが、私は、その仕事をしっかりやってのけようと心に決めた。

実際、ダニーをランジェリーの買い物に連れて行くのは楽しかった。私たちは、数軒のお店をひいきにした。その中にはビクトリアズ・シークレットやフレデリックスが含まれる。ダニーには色やスタイルについては希望を言わせたが、最終的な決定権は与えなかった。今後は、彼は上にどんな服を着ようとも、下には女性用の下着を身につけるようにさせた。

この下着についての取り決めは、私たちにとって最初のテストであった。信頼関係を試すテスト、そして互いの意志を試すテストでもある。ダニーは、気が進まず、ぐずぐずするのではないか、弱音を吐くのではないか、あるいは私と口論することにすらならないか。私は、そのような事態を予想した。だが、私は自分の計画を遂行するのに必要なことはどんなことであれ確実に行う心積もりが完全にできていた。たとえ、そうするためには、女性上位主義の仲間たちが私にしきりに勧めていたように、彼を公の場で辱めたり、二人きりの時に彼にスパンキングを行ったりすることが必要になるとしても、私は実行するつもりでいた。もっとも、前にも言ったように、個人的にはそういうことを行うのは、心から嫌悪していたのは事実である。

幸いなことに、彼は、当初はやや恥ずかしがったものの、その後、容易にこの計画に従うようになってくれた。様々な店に行き試着室で試着をしては3時間も過した。お店の店員や私で、次々に陳列棚から持ってきては、彼に試着させた。どのお店でも、私は店員に彼の秘密を打ち明け、私の「ガールフレンド」を女性化する調教を行っているところなのだと伝えた。店員の何人かは、そういう女性化を望む男性をお客に持つのは初めての経験ではないと言っていた。そのような店員の誰もが、「ダニエル」のことを目を見張るほど素晴らしい素材だと褒めていた。磨き甲斐がある生の素材だと。

私たちは、ブラジャー、パンティ、ガーターベルト、キャミソール(参考)、スリップ(参考)、ネグリジェなどたくさん買って店を出た。それに、店を出るとき、ダニエルが今回買い求めたものを身につけてもう一度、近々店に買い物に来ることという約束もしてきた。ダニーは、ブラがすべてDDカップであることに少し驚いていた。自分はこのサイズを満たすような胸をしていないと言うのである。私は、そこは気にしなくていいと諭した。その容量が無駄にならないように取り計らってあげるからと。

ランジェリーのことに加えて、もう1つ命令したことがある。それは私自身の個人的な好みによるものでもあるのだが、それはダニエルには、パンティ・ストッキングではなくストッキングを履いてもらうということ。個人的に、パンストよりストッキングの方が、よりセクシーで、より女性的と思うからである。ダニーも、同じ好みであるといつも言っていた。だから、ダニエルがストッキングを履くのを義務付けるのは自然だったし、彼女自身、その条件を私と同じくらい喜んでいた。実際、私たちはストッキング類に関しては少し熱心になりすぎたと言ってよいかもしれない。様々な種類や色のストッキングを40本近く購入したのである。

私たちは、とあるモールにショッピングに来ていたわけだが、そこを出る前に、ダニーの耳にピアスの穴を開けさせた。これは、後から思いついたことと言ってよい。左右それぞれに2箇所ずつ、初心者用のスタッド・ピアス(参考)をつけた。穴あけの部分の傷が癒えたらイヤリングのコレクションを増やしていこうと思うし、多分ピアスの穴の数も増やそうと思っている。

ダニエルの「教育」には、ハイヒールのトレーニングが必須要素として入るだろう。彼女の長くて、細く、セクシーな脚を考慮すると、ストッキングで生脚を包むのが極めて自然であるのと同じく、スティレット(参考)を履くのが極めて自然といえる。私たちはそれらを買いに大通りの専門店を何軒か尋ねた。まずは6足から始めた。そのうち2足はパンプス(参考)で底はフラット(参考)、ヒール高は13センチ。別の2足はアンクル・ストラップ・サンダル(参考)で底はプラットフォーム(参考)、ヒール高は15センチ。最後の2足はフェチが嬉し泣きする、フラット底で針のように尖った15センチのスティレット・ヒールだった。ダニーも私もこれらの靴の見栄えを気に入ったが、「ダニエル」は歩きづらいと反論した。しかし2対1でダニーと私の意見が通ったのは言うまでもない。

でも、何も彼女独りでヒールを履いての歩き方を覚えなければならないわけではないのである。いつでも私がついて教えてあげよう。女性らしく繊細に、しかし誇らしげに堂々と、踵からつま先の順で足をつき、男性たちがうっとりと眺めるようにヒップを振って歩くのだ。もちろん、私は、靴が合うかどうか、お店にいたときに試しに履いてみるように命令した。ランジェリー・ショップでの経験のおかげで、私はシューズ・ショップでは前より簡単に彼女に対して支配者的振舞いをすることができた。多少はなだめすかす必要はあったが、ダニーに試足させ、お店の中を少し歩き回らせることができた。男性の姿のままヒールを履かされ、彼が多少恥ずかしい目に会ったのは確かだと思う。だが、それは一時的なものだ。同じように確かだと思うことに、次回、彼が女性に変わり、ヒールを履いて出かけるときは、誰も彼を恥ずかしい気持ちにさせることはなくなるだろうということだ。

ヒールのことを片づけたことで、私と彼女の初めての午後のお出かけでやり残したことが1つだけになった。体毛の問題である。ダニエルのための女性の身仕度をこれだけ揃えた以上、彼女の体毛のことを思うと、うんざりしてしまう。私自身はすでにレーザー脱毛を済ませてあった。そしてダニーの脱毛の予約も取っておいたのである。しようと思えば、シェービングやワックスによる毛抜き、あるいは専用の脱毛クリームを使うこともできた。特に、現時点のような、変身の初期の段階では、それがよかったのかもしれない。何と言っても、レーザーによる脱毛は永久的なのだ。まさにその点が重要だった。ダニーがどれほど「ダニエル」になる覚悟を決めているか、ダニーの変身は私の願いでもあるが、彼がそれをどれほど真剣に考えているか、それを確かめるもう一つのテストだったのである。

思いやりと愛情をもって、彼に脱毛のことを提案した。永久脱毛をするかどうかは、彼自身の決定に委ねる。その点だけは、しっかりと伝えた。まだ、永久脱毛が不安ならば、肌をつるつるにし、無精ヒゲを失くすため、体毛に関しては週に2回、顔に関しては毎日2回、シェービングをするという風にしても、一向に構わない。ただし、その過程において必然的に、切り傷やかみそり負けに耐えなければならないだろう。

永久脱毛にするにせよ、シェービングにするにせよ、ダニエルには頭髪とまゆ毛を除いて、他のすべての点で無毛であることを要求した。さもなければ「ダニエル」はあり得ないと。こと彼女の容姿に関しては、私は自分の求めている姿をはっきりと知っていたし、ダニーに要求していた。この点に関しては、私は厳しく、寛容は一切見せなかったし、それをダニーに分からせていた。そして、この点に関しても、彼は私の指示に黙従してくれたのである。クリニックを出た時には、ダニーは少し日焼けした肌の色に変わり、頬から下、つま先まで、一切、無毛になっていた。

早く家に戻り、買い揃えたものその他を試してみたくてたまらない気持ちだった。もちろん、最初に包装紙を開くのはランジェリーとストッキングである。ダニーに、男性用の下着をすべてゴミ箱に捨てさせた。その後、衣装の引き出しに買って来た物を入れる。新しい靴は、クローゼットの中の、樹の形をした靴置きに飾らせた。樹の枝のところに靴を吊るして飾る靴置きだ。ランジェリーはハンガーに吊るさせた。

シャワーを浴びた後、ダニーにアロエを使って全身マッサージをしてあげた。脱毛のトリートメントによる肌のヒリヒリした痛みを和らげるためである。それが終われば、この夜のお楽しみが始まる。彼を「ダニエル」へと変える着せ替えのお楽しみ。

これから始まる夜に向けて準備しながら、私は愛する人のために2つ、ビックリするものを用意しておいた。一つは、本物そっくりのシリコン製の乳房である。それを取り出し、彼女の胸の適切な位置に左右一つ一つあてがい、位置に印をつけた。そして医療用の接着剤を用いて、印をつけた位置に固定した。今は彼女の肌は「日焼け」の色があるが、それが消えたら、この人工乳房の色合いは、彼女の肌と完璧にマッチすることだろう。人工乳房のふもとの部分は薄いひらひらの状態になっており、肌とも実に自然に解け合ってつながっている。少し化粧をすれば、つなぎ目の跡も見えなくなるだろう。サイズは、彼女のために買ったEカップのブラをぴったり満たす大きさである。その大きさ、張り具合、そして豊胸手術を受けたと思わせる突き出た外見があるにもかかわらず、誰もがこの乳房はダニエル自身の胸だと信じて疑わないだろう。

2つ目のビックリ・プレゼントは、革製の黒の編み上げ式コルセット(参考)である。これは、特別注文しておいた6点の衣類のうちの1つである。残りの5点も、これから次々に送られてくるだろう。ダニエルには、パンティ調教とヒール調教に加えて、体形変化の調教も受けることにさせた。女たちが憧れ、男たちがよだれを流す、完璧に砂時計を思わせる胴体を手に入れさせるのである。今は初めてなので、紐は最大限まできつく締めることはしないようにしよう。今回はウエストがだいたい5センチくらい細くなる程度にして、締めつけの感覚に慣れさせることにする。コルセットのデミカップは、彼女のEカップの胸を包み、持ち上げていた。まるで、それを見る者たちに、しっかりと見て鑑賞してもらうように、差し出しているように見えるだろう。

紐をしっかりと引き締め、結んで固定した後、今度は、ダニエルに色黒のストッキングを履くように指示した。片足ずつ、捲りながら履かせ、コルセットにつながってるガーターに止めさせる。その仕事が終わった後、ヒールを履かせた。新しく購入した、子牛の皮製の、アンクル・ストラップのサンダルである。靴底はプラットフォームで、15センチのスティレット・ヒールがついている。そのバックルを留めるのは、私が手伝ってあげた。それから、私の指示に従って、裾がロングのナイロン・レースのネグリジェを頭から被るようにして着せた。コルセットによってくびれた腰と豊かな胸。それが織り成す女性的な曲線の体を、ネグリジェが包み込む。まさに私の目から見ても誘惑的な姿だった。唇に深紅の口紅を塗り、香水の「オブセッション」を2回ほどスプレーしてあげる。とうとう、彼女は私と愛しあう準備が整った。

ダニエルの本当の意味での「デビュー」を祝して、私たちはベッドで軽い食事とシャンパンを味わった。その食事の時間は、実に官能的誘惑に満ちた時間だった。二人、交互に、一口サイズにちぎったスモーク・サーモンやブリー・チーズを乗せたクラッカー、ブドウの粒、時にはイチゴを互いの口に入れあった。いつになく二人とも体を寄せ合って、相手の体に自由に触っていた。食べ物を相手に差し出していない時はいつでも、二人とも指先で相手の体を触り続けていた。その触れ合いはいつしかキスに変わっていき、優しい、官能的な愛撫へと変わっていった。

私は、以前に女二人、男一人の3Pを経験したことがあった。だが、はっきりと女と女の行為の経験はしたことがなかった。ダニエルは、元々は男であるにしても、彼女との「デート」は、まさに女と女の関係なる。そして、私は、心からその行為に没頭できたのである。まる1時間、長々と、そしてゆったりと互いを喜ばせあった。口と舌と手と皮膚を使っての愛撫。

その間に私は4回、絶頂に達した。3回は、彼女の素晴らしい唇と舌によってもたらされ、4回目は手でクリトリスとあそこに刺激を与えられて達していた。ダニエルの方も、私の口の中にいってくれた。彼女の濃いクリームの愛液で私の口の中を一杯に溢れさせてくれたのである。だが、互いに絶頂に達したものの、まだ夜は始まったばかりだったし、私たちもまだ始まったばかりの気持ちだった。

口で彼女を舐め清めて、再び完全に勃起させた後、私は彼女を仰向けに寝かせ、その上にまたがった。そして乗馬の動きをしてオルガスムに達した。それが引き金になって数回、連続してオルガスムを感じた。ああ、私は彼女に対してすごくエッチに燃えている。その感覚があった。私は、容赦なく彼女を焦らし続けた。私自身はエクスタシーの荒波に悶え狂っているにもかかわらず、彼女がオルガスムに近づくとすぐに彼女の肉棒の根元を強く握って、射精させないようにしたのである。

実は、私はこの夜のためにダニエルにもう一つ、最後の、おまけの特別のビックリ・プレゼントを用意していた。だから、それを見せるまで、彼女には射精を求めて狂わんばかりに淫らになって欲しいと思っていたのである。その頂点に達する瞬間を求めて、彼女自身から私にお願いするようにさせたかった。彼女の上に乗って私が4回目のオルガスムに達した時だった。その夜では通算8回目のアクメだったと思う。ダニエルが、まさに私が望んでいたように、絶頂に達することを願って、私にお願いを言い始めたのだった。もちろん彼女はすっかり女になっていた。

「お願い、もう許して、早く私をいかせて・・・」

私はにっこり微笑んで、彼女の上から降り、身仕度を始めた。ストラップ・オン(参考)を装着したのである。

ダニエルは、私のストラップ・オンを見て驚きの溜め息をついた。ダニーと私は、以前から、セックス・プレーの時にディルドやバイブを利用していたけれど、それらの器具を用いられるのはいつも私の方だった。もし、もっと前に夫にそれらの器具を使ってみようと思っていたら、もっと前から私は「ダニエル」と楽しみ合えていたかもしれない。いくつものチャンスも無駄にしていたし、時間も無駄にしてしまっていたのだろう。その埋め合わせをしようとしているのだ。私は、愛する人に、口唇を使わせ20分以上たっぷりと私のペニスに対して敬意を払わせた。そうやって、彼女を、可愛い淫乱女のように口にペニスを含むことに慣れさせた。そして、とうとう、この夜のメイン・イベントの時間がやってくる。

最初は1本指で、KYゼリーをたっぷり使って彼女の狭そうなおちょぼ口に潤滑を与えた。丹念にじっくりと時間をかけて1本指で、そこを慣れさせた後、2本目も入れ、さらに後に3本目も入れる。執拗に、そして丹念に愛撫を繰り返したせいか、彼女のそこは程よくほぐれてきていた。それを受けて、私は自分のペニスにもたっぷりゼリーを塗り、彼女のお尻の下にまくらを入れた。最適の角度になるように、彼女のセックスの部位を差し出させる。そして彼女の両足を掲げ、私の肩の上に乗せた。ペニスの王冠部分を彼女の入り口にあてがい、ゆっくりと、優しく、彼女の中に入っていく。彼女のあそこのバージンを奪う瞬間だ。私は「ダブル・エンダー」(参考)を使っていた。ダニエルには見えないようにしていたが、彼女に入れるのと同じ形のものを、私自身のあそこの奥へ嵌めておいたのである。

彼女の目に浮かぶショックの表情が、たまらなくセクシーだ。唇を完全にアルファベットのOの字にして強く息を吐いている。私は、いったん侵入を休止し、彼女にここまでの挿入状態に慣れさせ、ちょっと軽く少しだけ腰を前後に動かし続けた。そして再びもう少しだけ彼女の中に入る。

このテクニックをずっと使い続け、ゆっくりと時間をかけて挿入を進め、とうとう彼女の中が行き止まりになるまで埋めこんだ。彼女の顔には痛みの表情がはっきりと現れていたが、この時までには、その表情も和らぎ始めていた。そして私は動き始めた。ゆっくりと、力を抜いた長いストロークで動く。ほとんど完全に抜けそうになるまで引いては、再び行き止まりになるまで押し込んでいく。耳には、彼女のあげる女性らしい喘ぎ声が響いていた。彼女の興奮のレベルに合わせて、私自身の興奮レベルも次第に高まっていった。

この抜き差しの動きに彼女が慣れてきたと感じ、私は次第に、より速く、より強く動き始めた。同時に、私は二人がつながった部分から直立して生えている彼女の大きな「クリトリス」を優しく擦っていた。いつしか彼女も腰をせり上げ、私に向かって突き上げていた。私のペニスで自分をより深く貫いてもらおうと動いている。

そして、私たちは一緒に頂点に達した。その瞬間、二人とも互いに相手の絶頂を求める淫らな言葉を叫んでいた。彼女のクリトリスは、彼女の顔の方向を向いていた。爆発的に、濃いクリームの塊を何発も噴射し、それは彼女の唇や口の中へと降りかかった。私は彼女に口に入ったものを飲み込むようにさせた。口の中に入らなかったものも人差し指ですくって、その指を彼女の口に差し入れ、ピストン運動の動きをさせて、私の指を舐め清めさせた。

二人ともぐったりと力が抜け、使い古されたぬいぐるみ人形のようになっていた。私の印象だが、二人の新しい「関係」の持つエロティックな魅力について残っていたいかなる疑念も、この時にはすっかり吹き飛んでいたと思う。私は、次のような言い方で、彼女に質問した。息が切れていた。

「これからどうする? ここから先に進む? このままでいる? それとも前のように戻る?」

彼女も乱れた呼吸をもとにしようと喘ぎながら、弱い声で答えた。

「前の状態で僕たちは幸せになれると思う?・・・今、二人でしたことを経験した後でも、そう思う?」

私は、微笑んだ。穏やかで、心が晴れきった笑みになっていたら嬉しいと思った。私は甘い声で気持ちを伝えた。

「私はあなたと一緒にいられて幸せ。それだけ。・・・そして、今ふたりでしたことを経験した後で、愛し合うことに関して以前の生活に戻って満足できるかどうかだけど・・・」

私は、文を最後まで言い切るのに必要な語彙の正しい組み合わせを探した。その間、できるだけ表情を中立的に保とうとした。ダニーは、たとえどのような姿になろうとも、頭が切れて察しがいいのは変わらない。彼は、いや彼女は、人の気持ちを読み取る達人だった。

私の可愛いダニエルは、私の気持ちを察して言った。

「まさにその点を考えていた。でも、実際には決断すべきことは何も残っていないんじゃないかと。僕たちはすでに進む方向を決めてしまっているんだから」

彼女はちょっと顔を背けた。目には涙が溢れそうになっていた。

「ただ・・・願うのは・・・その選択が正しいものだったということだけ」

彼女はそう言って言葉を終えた。私は、気持ちを込めて彼女にキスをした。

「分かってる・・・二人にとって未知の世界に大きく踏み出したわけだから。あなたにとっては、特に大きな一歩だったわけだし。本当に不安で恐怖を感じることでもあると思うわ。ねえ、答えて欲しいんだけど、私のことをまだ愛している?」

彼女は、啜り泣きを堪えながら、頷いた。

「心の底から」

私はダニエルに訊いた。

「私のことを信じてくれる?」

ダニエルは再び頷いた。多分、先よりは少し確信をもてなそうな頷き方で。

「信じなければならないのじゃ? つまり、信頼がなければ、何も得られないと」

「何を心配しているの?」

大きな一粒の涙が彼女の頬を転がり落ちた。それに続いて別の目からも同じく一粒、転がり落ちる。

「・・・恐れているのは、間違った選択をしてしまうこと。ほぼ5年近く一緒に暮らしてきたし、僕は、その毎日を大切にありがたく感じてきた。でも、これをしたら、僕たちは前とは同じではなくなる。僕自身が同じではなくなる。もし君が気持ちを変えてしまったら、どうなるのだろう? 僕のこんなくだらない馬鹿げた夢のために君を失ってしまうくらいだったら、死んでしまった方がましだと思う」

私は左手の手のひらで彼女の頬を優しく愛撫した。そして、その手を上に掲げて見せた。結婚指輪を彼女に見せる。

「見えるでしょう?」

「うん」 ダニーは鼻を啜りながら答えた。

私は右手を彼女の左手の下に差し込み、彼女の指輪を掲げて見せた。

「これも見える?」

彼女は頷いた。私は左手を彼女の左手の上に置き、二人の指を絡めた。

「これは永遠のことなの。この指輪を嵌めたときもそのつもりだったし、今もそのつもり。心の底からあなたを愛しているし、あなたが寄せてくれている信頼につけ入るくらいなら、私も死んでしまった方がましだと思ってるわ。これは認めなければならないことよ。つまり、さっきのセックスは、これまで二人でしてきたうちで一番良かったセックスだったということ。すべてが私たちのためになるように進めてきたのに、どうして間違った選択になりうるのかしら? このことについてあなたがとても感情的になっているという事実、女性のように感情的に揺さぶられているという、その事実こそ、私たちがまさに正しい選択をしているんだと伝えていると思うわ。全然、『くだらないこと』なんかには見えない。

「ダニエル? この5年間も素敵だったけど・・・本当にとても素敵だったけど・・・この何日かとか、今夜のこととか、そしてたった今ふたりで経験したことは、本当に魔法のようだったわ。そう感じるの。それにあなたもそう感じていると思う。私たちが経験したことを一度も経験せずに一生を終える人がたくさんいるわ。もし、あなたが私の人生にいなかったら、そしてあなたが、このような人でなかったなら、私も経験せずに一生を終えていたと思うわ。私たちにとっては、その魔法が始ったばかりなのよ。ダニエル? あなたに約束する。もしこれがうまく行かなかったら、2人とも幸せに感じられるような場所を探しに立ち戻ることにするって。その場所がどこであれ、お互いの相手に対する愛情は全然変わらないって。お願い、その魔法にチャンスをあげて! あなたのためにも、私のためにも、2人のためにも」

私は、いま言った言葉のすべてを、本心から正しいと信じて伝えていた。それでも、どこかセールスで売り込むような調子があったと思う。その時点では、私はお菓子屋に入った子供のようなものだった。別の「秘密の喜び」を発見していたのである。彼女との関係において、支配的な立場を持ち、彼女をコントロールすることに喜びを感じるという喜びである。ダニーのダニエルへの変身は、私のためばかりでなく、彼女のためになるようにと願って行っていたのは事実だが、私が、彼女の変身の道筋を選択し、実行させる立場になることを思うと、ゾクゾクするような興奮を感じたのである。ダニーを実際に変身させることは、確かにゾクゾクするようなスリルがあるが、私自身がこのような新しい感情を持っていると知ることにも、それよりもゾクゾクするようなスリルを感じていた。

私は、彼女に何かを求めるとき、その答えとして「ノー」の言葉は受け付けないようにした。時々、少し汚い手を使うときもあった。

「私たち、すでにずいぶん先まで進んでしまっていることを考えてみて」

これは嘘ではないが、誇張ではある。体毛を永久脱毛した点を除けば、私たちが行ったことはすべて、破棄可能なことや、取り返しが可能なことばかりだった。だが、私が述べたような言い方で言うと、ダニエルはすでに女性になる道のりをかなり進んできてしまっているといった印象を与えていた。実際には、まだ彼女は、ごく初期の2、3の段階を躊躇いがちに進んできただけなのである。これは、ありきたりのクローザーのトリック(Closer's trick)で、一種、手品師の小技のようなものである。だが、これが効果的なことも多い。

私はダニエルの瞳にある表情が浮かぶのを見た。ダニーが私にプロポーズした夜に彼が見せていた表情と同じだった。がけっぷちに立っていて、これから起きる長い長い落下について考えている。おかしなことに、私自身、まだ彼女は何も答えていないのに、彼女のことをすでに「女性」と見なしていた。これもまた、ありふれたクローサーのトリックだ。つまり、すでに商談はまとまったものと想像すること。売り込む方が、商談はまとまったものと信じてかかれば、相手の方も、その通りだと信じてしまう。そうすれば、期待した予言が、期待通りに実現するものなのだ。

彼女の見せた涙が私を納得させたのだと思っている。涙のせいで彼女はとても弱々しく見えた。とても・・・女性っぽく。ダニーが潜在的に持っていたM的で従属的な性格が、新しく登場したダニエルの女らしい外見と出合ったのだ。その2人の出会いがもたらした結果は目を見張るものだった。最初は、私は、彼女が素晴らしい女性になると確信しているようなフリをして見せなければならなかったが、今は、本物だと分かっている。私は何も言わなかった。単に彼女の、繊細で長い指をした細い両手を、私の両手で握り、晴れ晴れとした笑顔で見つめ、彼女に私に身を委ねるように願うだけだった。

彼女の方も一言もしゃべらなかった。そして、その瞬間が来た。彼女の頷く動作は、ほとんど知覚できない、かすかな動きだった。もし私が意識を集中させて彼女を見つめていなかったら、見過ごしていたかもしれない。でも、彼女の体と瞳を満たしていた緊張が一気に目に見えてほぐれていくところは、注意していなくても見逃さなかっただろう。ダニエルは、信頼の跳躍をしたのだ。崖から飛び降り、下で待つ私が彼女の落下を受け止めると信じてくれたのである。今や私は、2人のために魔法を起こすことが自由にできるようになった。そして、同時に、私は支配者的な力が体にみなぎるのを感じたのである。

「ほら大丈夫でしょう。今はあなたをこうして受け止めているから」

私はそう呟いた。


つづく
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