「ポルノ・クイーンの誕生」 第7章 Making of a Porn Queen Ch. 07 by Scribler 第1章第2章、第3章第4章第5章第6章

この何ヶ月かの間に、私とヘレンとの間柄は、以前にも増して親密なものになっていた。毎週金曜日には一緒にデートに出て楽しむ。夜には、ヘレンをマークたちの家に連れ帰り、私と一緒に夜を過ごす。ヘレンは週末も泊まり続け、トレーシーとマークとも一緒に過ごし、日曜日の夜遅くに帰っていく。それが普通になっていた。

時々、私たち4人、時にはマリアも含めて5人で一緒に乱交することもあった。そういう時、カメラが1台かそれ以上用意されてて、撮影されるのも珍しくなかった。もちろん、そういう時に撮ったビデオは、ディスクにも焼きなおされる。

1月上旬になる頃には、私たちのホームメイド・ビデオのコレクションができていた。実際、12本以上。その編集は、マークが抱えている唯一の編集者であるビル・グラフトが、すべて行っていた。

ビリーは、たいてい、いつも仕事をする部屋にこもっているので、私はあまり彼に会うことはなかった。2回ほど、何か仕事のことでマークに連絡しに家に来たことはあったけれど、彼は長居することは決してなかった。スタジオでも私は2回くらいしかメインのオフィスに行ったことがない。だから、ビリーと顔を合わせたのは、それくらいしかなかった。

ビリーは、ルックスが悪い人ではない。プラスチックの縁の眼鏡をかけていて、ちょっとオタクっぽい感じ。体つきは痩せている方だと思うけれど、彼の服装だと、はっきりは分からなかった。たいてい、バギーのスウェット・シャツとジーンズの格好で、上もズボンも彼にはかなり大きすぎのサイズだった。

顔はとてもキュートで、瞳は明るい青。ポルノ映画に出てくるような、筋肉隆々の逞しい男でないのは確かだけど、その代わり、とても知的で、私と会うと、目は合わせてくれないけれど、いつも、こんにちはと声をかけてくれる。

2月上旬、ちょうどバレンタイン・デイの前の頃、ヘレンとクラブに行こうとしていたときだった。家から出ようとしたとき、マークから、メイン・オフィスに行って、ビリーが用意しているディスクを何枚かもらって来てくれと頼まれた。私は、マークの車を使わせてもらっていたので、断ることはできなかった。もっとも、断ることなど考えすらしないことだったけれど。

ヘレンの家はオフィスへ行く途中にあるので、まずはヘレンを拾いに彼女の家に行った。車にヘレンを乗せた後、オフィスに寄らなければいけないと伝えた。ヘレンは驚いたようだった。

「ええ、どうして? ビリーはまだオフィスにいるの? 金曜日の夜の8時なのよ。もっと良い場所に行っててもいいはずなのに?」

「オフィスに着いたら、そのことを訊いてみるべきかもね」 そう言いながら私は車を走らせた。

オフィスに着いたけれど、誰もいないような感じだった。2、3箇所、電気がついていたけれど、そこの電気は、誰もいないときでも常時灯っている明かりなのは知っている。

私のキーを使ってヘレンと一緒にオフィスに入り、奥へと進んだ。ビリーのオフィスは一番奥にある。そこはオフィスというよりも、作業場と言った方がふさわしいところで、ビリーは編集に使うコンピュータを何台かそこに置いていた。

オフィスのドアは開けっ放しで、ビリーはデスクに覆いかぶさるようにして、コンピュータのディスプレーを没頭して見ていた。最初は、別のTガールのビデオを編集しているのだろうと思ったのだけれど、すぐに、そのビデオは、マークが家で撮影したものだと分かった。私が映っているビデオ。

それを見て、あっという間に、私の気持ちは、怒りから嬉しさに変わっていた。なぜ怒りかと言うと、ビリーがコピーを持っていたから。そしてなぜ嬉しかったかと言うと、彼がそれを見ていたから。

間抜けなことを言ってるように聞こえるのは分かっている。だけど、このオフィスは文字通りあらゆるビデオでいっぱいで、ビリーならどんなビデオでも自由に選べるのに、その中から私のビデオを選んだということは、彼が私のビデオを好きなのかもしれないと思ったのだった。私は、それを見てドキドキした。

ビリーのところに近づいたら、ようやく彼は私たちが部屋にいたことに気づいたようだった。あっと声を上げ、飛び上がるようにして立ち上がった。だけど彼は椅子に足を取られて、尻餅をついて転んでしまったのだった。

彼は慌てて立ち上がり、片手を胸に当てて、息を急かせながら言った。

「ああ、驚かさないでくれよ。入ってきたのが聞こえなかったよ」

私はビリーのところに歩み寄り、彼の手を握った。手が震えているようだった。

「驚かせて、ごめんなさい。入ってくるとき、ちゃんと音を立てたと思ったんだけど。多分、あなたは、自分がしていたことに夢中になっていたんだろうと思うの」

ビリーはビデオがまだ再生中だったことに気づき、慌ててスイッチを切った。

「いや、ただ、新しい作品の編集をしていただけで、何も聞こえなかったんだ。確か、マークがこの作品を求めていたはずで・・・」

ビリーからビデオを受け取った後、私は彼に訊いてみた。

「それじゃあ、もう仕事は終わりで、家に帰れるわね。ガールフレンドがあなたの帰りを待っているんじゃない?」

「いや、まだやり残した仕事が山ほどあるんだ。それに、僕にはガールフレンドはいないよ」 ビリーは私たちから目を背けながら言った。

私は、言われる前からそうだろうと思っていた。

「ねえ、ヘレン? ビリーも私たちと一緒にクラブに連れて行くのはどうかしら? 彼、服は着替えなければならないと思うけど、そんなに時間が掛からないと思うの」

「それは素敵ね。ビリー、どう? 私たちと一緒に行かない? とっても楽しくなるって約束するわ」

ビリーにそう言うヘレンの瞳がきらきら輝くのが見えた。彼女も私と同じことを考えていると分かった。ビリーは、今夜、とっても運が良いことになりそう。

でも、これは、ビリーが望んでいたこと以上のことだったらしい。彼はおどおどしながら答えた。

「誘ってくれてありがとう。でも、僕には片付けなければいけない仕事がまだまだあるんだ。マークも、僕には、仕事が残っているのにパーティ遊びに浮かれて欲しくないと思うんじゃないかな」

私は、素早く携帯電話を出して、家に電話した。呼び出し音の3回目でマークが出た。

「マーク? ヘレンと私で、ビリーをクラブに2、3軒ほど連れまわしても良いかしら? ビリーは、そんなことしたらあなたが怒るだろうだろうって言うの」

マークは笑っていた。「アハハ。ビリーを外に連れ出せるなら、ほんとにそうしてやってくれ。彼は働きすぎなんだよ。俺もいつも遊びに出かけた方が良いって言ってるんだ」

「マークから彼に言ってくれると助かるわ。彼、私が言っても信じない感じだから」

そう言って、携帯をビリーに渡した。

ビリーはしばらく話しを聞いた後、「でも、編集を求めていたあの作品はどうなるんですか?」と言い、それからまた話しを聞いて、「締め切りに間に合わなくても、本当に良いんですね?」と言った。そして、「ええ、本当に大丈夫なら、分かりました。行くと思います」と返事し、携帯を私に返した。

電話を受け取ると、マークが私宛に言った。

「君たち、ビリーにはお手柔らかにお願いするよ。彼がTガールに興味があるかどうかは知らないんだ。だから、彼が何か頼んでも、全部、してあげる必要はないからね」

「マーク? 私は一度も自分を無理強いして他の人に合わせることはしないというのを分かって欲しいわ」 ビリーに聞こえないように、小さな声で言った。

マークはくすくす笑っていた。「オーケー、分かってるよ。じゃあ、3人で楽しんできてくれ。それから、何かトラブルになった場合を除いて、家には電話してこなくても良いからね」

私はじゃあと挨拶をして電話を切った。それからビリーに向かって言った。

「さあ、ビリー、早速、今夜のために着替えをしましょう」

ビリーは困ったような顔をした。「それは、ちょっと問題かも。実は、僕はクラブに着ていけるような服を持っていないんだ。あんまり外に遊びに行ったりしないし」

私は時計を見た。

「そんなに簡単にあきらめないで。お店に行く時間はあるわ。閉まってしまわないうちに着けるから。だから急いで」

そう言って、彼の手をつかんでオフィスから引っ張り出した。

モールへと車を飛ばした。ためらわずに直行して運がよかったと思う。目に入った最初の店に入って、スラックスとボタンダウンのシャツを買った。服が決まった後は、靴とソックスを探し始めた。

ビリーは、ちゃんとドレスアップすると、ジーンズとスウェット・シャツの時より、ずっと素敵に見えた。ヘレンも私と意見は同じで、彼は女の子の目を惹くのは確かだし、努力の甲斐があったと思った。特に、彼の持ち物に目をやったときにそう感じた。バギーのジーンズでは分からないけど、新しいズボンだと、彼がかなり恵まれた持ち物を持っているのが分かる。

買い物の後、ちょっとレストランに立ち寄って食事をし、それからクラブに出かけた。予想したとおり、ビリーは上手にダンスはできなかったけれど、私とヘレンで教えてあげたら、かなりうまく踊れるようになった。

ヘレンと私は、多数派とは異なったライフスタイル、つまりオルタナティブ・ライフスタイルの人々に親切なクラブに通っている。だからと言って、普通のクラブには行かないというわけではない。オルタナティブなクラブだとリラックスできるからという、それだけの理由だ。男の人の中には、自分の足の間についてるモノが私の足の間にもついてると知ると怒り出す人がいる。だけど、オルタナティブなクラブでは、そういう人のことを心配する必要がない。こういうクラブなら、私のような人種が嫌だったら、単に他の人を探し始めるのが普通だから。それに、そもそも、私は、気に入った人と知り合っても、その人の車のバックシートで軽くおしゃぶりしてあげる程度で、一緒に家に連れていったりは決してしない。

ともかく、夜は半ばを過ぎていた。私たちはテーブルに座っていた。そして私は隣に座るビリーにキスをしていた。

どうしてキスをしたのか自分でも分からないけど、そうするのが当たり前のような気がしたのだった。ビリーは、私がしてあげたのと同じくらい熱っぽくキスを返してくれた。そして、それから間もなく、二人とも互いに舌を絡めあいながら、相手の体をまさぐりあうようになっていた。

彼の両手が私の脇の下から胸へと動いてくるのを感じ、私は唇を離した。

「ひとの目があるところでは、ダメ・・・」

ビリーは謝ろうとしたけど、私は再び唇で彼の唇を塞いで、謝ろうとする彼を止めた。そのキスが終わったとき、ヘレンが私の手を取るのを感じた。私のことを女子トイレへ連れて行こうとしている。

トイレに入るとすぐにヘレンが訊いてきた。

「どうなっているの? 何て言うか、私たち、ここには、ただ遊びに来たのかと思ってたけど。それとも、今夜は彼と寝る予定でいるの? だったら、私、邪魔したくないわ」

私は両腕を彼女の首に絡めた。

「本当は、私、あなたと二人で彼を共有しようと思っていたの。ヘレンが嫌なら、話は別だけど」

ヘレンは私の唇にちゅっとキスをした。

「私は、ビリーを誘ったときから、そうなるだろうなって思っていたわ。あなたも私と同じ方向へ向かってるのか、確かめたかっただけ」

私は鏡の中を見ながら、ヘレンに言った。

「まさに同じ方向へ向かっているところ。ビリーもその方向へ進みたいと思ってくれればいいんだけど。ねえ、ヘレンも彼にキスをしてみたらどうかしら? 彼の反応を確かめてみるの」

ヘレンと私はお化粧を直した後、クラブへ戻った。ビリーはテーブルに座って、私たちが戻ってくるのを待っていた。ヘレンはビリーの手を取って、ダンスフロアに引っ張り出した。運良く、流れ出した曲はスローな曲で、ヘレンは両腕をビリーの首に回して、体を寄せ、踊り始めた。

それから間もなく、ヘレンは彼にキスを始めた。ビリーはちょっと困ったような様子だったけど、それでも彼女にキスを返していた。それと同時に私の方を見て反応を伺っている。私はにっこり笑顔を見せた。

曲が終わり、二人はテーブルに戻って来て、腰を降ろした。ビリーは私とヘレンの間に座った。私は彼の方を向いて、早速、再びキスをした。私が唇を離すとすぐに、今度はヘレンが彼の顔を引き寄せ、キスをした。ビリーの頭の中で何が起きていたか分からないけど、彼のズボンの前のところに手を当てると、そこがものすごく硬くなっているのが分かった。

午前3時になった頃、私はヘレンに言った。

「あなたはどうか分からないけど、私、もう帰ろうと思うの。眠たくなっちゃって」

「そうね。私も横になりたいわ。さあ、もう帰りましょう」

ヘレンはそう言って立ち上がり、ビルの手を取った。私も立ち上がって、ビルのもう一方の手を握った。

車は運転席と助手席が別々のシートになっているので、誰か一人は後ろに座らなければならない。ビルは、ヘレンがタイト・ドレスの姿なので、自分が後ろに乗り込む方が楽だと察して、自分から後部座席に乗り込んだ。

ヘレンの家に向かって車を走らせると、ビルが言った。

「僕をオフィスのところで降ろしてくれると嬉しいんだけど、いいかなあ? 車をそこに置いてあるんだ」

「ええ、いいわ。でも、最初にヘレンのところに行くわよ。行く途中にあるから」 正確には、これは事実ではなかったけれど、私は、そう思えるように道を選んで走った。

ヘレンの家に着いた。

「二人ともちょっと家に寄っていって? コーヒーを入れるから」

「オーケー。じゃあ、ヘレンとビルとで先に家に入っていて。私、トランクからちょっと荷物を取ってから、行くから」

車から降りながらそう言った。ヘレンは、私が家に戻らないときに備えて、いつも寝泊りの用意を車に置いているのを知っていた。

家に入ると、すでにヘレンとビルは、立ったまま熱っぽくディープ・キスをしていた。へレンがコーヒーを入れるふりをしようとしたり、ベッドに入って寝ようと思っていなかったのは、あきらか。

私は寝泊り用のバッグを玄関脇に置いて、ビルとヘレンのそばに寄った。ヘレンは、私が来たのに気づくと、ビルから唇を離して、私の方を向いた。今度は私とへレンがキスをする。私は口を大きく開いて、彼女と舌を絡めた。どちらかと言うと、見ているビルを楽しませるためのキス。

ひとしきりレスビアン風のキスをして見せた後、私は顔を離し、ヘレンに背中を見せた。ヘレンは私のドレスのチャックを降ろした。チャックが最後まで降ろされたのを受けて、私は肩をすぼめた。ドレスがするすると体を滑り降りて、足元に落ちた。床に落ちたドレスから踏み出し、今度はヘレンの方を向いて彼女のドレスのチャックを降ろした。何秒か後に、彼女のドレスも床に落ちていた。その後、ヘレンと二人でビルに注意を向ける。

ヘレンはシャツのボタンを外し始め、私は袖口のボタンを外し始めた。あっという間に、シャツはビルから剥ぎ取られ、椅子に掛けられた。

ビルの上半身を裸にすると、ヘレンは早速、彼の前に立ってキスを始めた。最初は唇に、その後は徐々に体を下げながら胸板にキスをしていた。私は彼の後ろの周り、後ろから両手を伸ばしてズボンのベルトを外した。

ズボンを下げた後、床に跪いて靴を脱がせてあげた。靴を脱いだおかげで、簡単にズボンから足を抜くことができる。私は、ビルが足を抜いたのを見届け、今度は白いコットンのブリーフを脱がせた。

ビルのお尻はうっすらと体毛で覆われていた。こういうお尻にはあまり慣れていなかったけれど、私は気にせず、左右の尻頬にキスを始めた。それから唇を這わせながら徐々に背中をあがり、やがて私の唇は彼の肩にキスをしていた。ビルは私よりかなり背が高いので、私にはそこまでしか届かない。

彼の背中にチュッチュッとキスを繰り返した後、今度は前に回り、ヘレンの背中と首筋にキスを始めた。それと同時に彼女のブラジャーのホックを外し、床に落とした。するとヘレンも私の方を向いて、唇にキスをし、同時に私のブラも外して、床に放り投げた。私とヘレンはキスをしたまま、ゆっくりと体を沈めて、ビルの前に膝をついた。

ヘレンと私は、膝をついて半立ちの姿のまま、ビルの方を向いた。彼のペニスが真ん前に来ていて、ピンと立って私たちをにらみつけていた。

想像したとおり、本当に素敵なペニス。長さは20センチ以上あるし、太さは6センチ以上。その亀頭は、とても美しい形をしていて、見たところ、今にも爆発しそうに膨張している。それにとても濃い体毛で、ごわごわの茶色の陰毛が股間から陰嚢にかけて覆っていた。鈴口からはプレカムが溢れそうになっていて、ビルが興奮していることが分かった。

でも、彼が本当のところどれだけ興奮していたのかは、私には、ペニスに手を触れるまで分からなかった。

なんと、勃起した美しいペニスに私が手を添えた瞬間、ビルは低いうなり声をあげ、射精を始めたのだった。湯気がのぼるほど熱い、白いロープが5本、連続して噴出してきた。大半はヘレンの顔に降り注いだけれど、私の乳房にも何滴か落ちた。

可哀想なビル。でも、その顔に浮かんだ表情はとても得がたい素敵なものだった。がっかりした表情と同時に、恥ずかしそうな表情も浮かんでいる。その顔はすぐに赤く染まった。

「二人とも、ごめん。自分でもどうしてこうなったか分からないんだ・・・」

「私には分かるわ、ビル」

私はそう言いながら、彼のペニスをゆっくり擦り続けた。

「あなたは、私たち二人に、とても興奮していたので出しちゃっただけ。でも、気にしないで。ヘレンも私も、これを使える状態に保つことにかけてはとても上手なの」

そう言って私は彼の亀頭を口に含んだ。

ビルの亀頭を口に含んだのは、残っている精液を吸うためだけだった。ヘレンはあの味が嫌いなのを知っていたから。それにヘレンの顔も舐め清めたいと思っていたし。

私はビルのペニスから残りを吸い取った後、ヘレンの方を向いて、見つけたものすべて舐め取った。そうしている間も、手ではビルのペニスを撫で続けた。

「ヘレン? 私、何か飲み物を用意してくるから、その間、ビルを勃起させててくれる?」

ヘレンは返事すらせずに、素早く顔をビルの股間に降ろして、口に咥えた。

口をすすぎたかったのが本当のところ。ビルが口の中にスペルマが残っている人とキスすることについて、どう思ってるか分からなかったから。それに、ヘレンは、私の精液は別として、他の人のは嫌がっていたから。今のところ、ヘレンがフェラをして射精する最後までいったのは私だけだった。このこと自体はとても嬉しい。自分が特別な存在だと感じられるから。

うがいをした後、ワインのボトルを開け、グラス3つに注ぎ、リビングへ運んだ。

ヘレンもビルも、私がいたときから位置を変えていなかった。ビルは立ったまま。その前にヘレンがひざまずいて、彼のペニスを咥えていた。彼のペニスは赤みを帯びて勃起していることから、ヘレンが、いつも通りに巧みな仕事をしていたのが分かった。でも、彼女が望まぬ限りは、決してビルをいかせないだろうということも私は知っている。

二人のそばに寄って、言葉を掛けた。

「みんなで寝室に行ったほうが、くつろげると思うけど、どう?」

ヘレンは、ポンと音を立てて口からビルのペニスを出し、「その方が良さそうね」と答えた。そして立ち上がり、私が差し出したワイングラスを取って、ビルの方を向いた。

「一緒に来て、ビル。そこで、あなたのコレをちゃんと使ってもらいましょう」

もう、この時点では、ビルは、私たちが望むことに何でも喜んで従うようになっていたようだ。彼はヘレンの手を取り、一緒に寝室に向かった。私は、床の上に散らかった衣類を拾い上げてから、寝室に行くことにした。

ようやくヘレンの寝室に入っていったけれど、ヘレンは私が来るのを待たないことにしていた様子。すでにビルを仰向けに倒して、彼の腰にまたがっている。ヘレンのあそこがビルの硬い勃起に魔法のような快感を与えているに違いない。経験してる私には、それが良く分かる。

私もベッドに上がり、ビルの横に並んで横たわって、彼にキスを始めた。ビルのキスはとても情熱的で、舌を私の口の中に入れて、中を自由に動き回った。自由に動き回ったのは舌ばかりでない。両手も、好きなところ、どこでも自由に触っていた。

彼の手が私のパンティの中に滑り込んできたときには、ちょっと驚いてしまった。彼がそうするとは予想外だったから。

私のクリトリスは、足の間にきっちりと拘束されているときは、勃起させるのは難しい。でも、これはありがたいこと。女の子になりきっているのに、みっともない盛り上がりが出て、目だってしまうと気持ちが削がれてしまうから。

ビルは、足の間から私のクリトリスを引っ張り出して、解放してくれた。その後は、みるみる硬くなってくるのが自覚できた。

ビルは、キスを続けながら、私のクリトリスを優しく撫で続けてくれた。一方、私も、指を使って、彼の小さな乳首をいじり始めた。その気になって愛撫すると、男性でも乳首がとっても敏感になることは、経験上、熟知していたし、ビルも例外じゃなかった。彼の乳首をつねったり、優しく焦らしたりしたら、ビルは、私の口で口を塞がれながらも、悩ましい声を上げ始めた。

どのくらい3人でそうしていたか分からない。でも、とうとう、ビルから離れなければいけなくなった。そうしなければ、彼の手を私が出す愛液クリームで汚してしまいそうになったから。

私が離れるのを受けて、ヘレンが動きのスピードを上げた。そして、その1分か2分後、ビルはうめき声を、ヘレンは悲鳴を上げて、二人同時にオーガズムに達した。

達した後、何分か、二人は抱き合って横になっていた。やがてヘレンは転がるようにしてビルのペニスから離れ、仰向けになった。

ヘレンがゆったりと横になって落ち着く前に、すでに私はビルのペニスを咥えて、舐めしゃぶっていた。ヘレンのクリームは、いつもながらに、素敵な味がする。それに、ビルのも、ちょっと苦いけど、美味しい。二人のが混ざると極上の味になる。

ビルのペニスを清めたら、彼はバスルームへ行くと言って、ベッドから降りた。そこで、今度はヘレンの方に移って、彼女のあそこを清め始めた。これは今までも何度もしてきたことで、ヘレンがセックスした後で、そばに私がいる場合は、いつも必ずやっている。ヘレンも、これをするのが大好きで、私が舐め清めをしている間に少なくとも1回はオーガズムに達っしてくれる。

今回も普段と同じで、両手で私の頭をあそこに押さえつけて、叫んでいた。

「ああ、いい! 私のあそこからビルの出したのをきれいにして!」

ヘレンのあそこをきれいにするばかりでなく、愛しさをこめて舐め続けた。ビルが再び準備ができるまではもうしばらくかかるはず。だから、その間にヘレンを何度かいかせておきたかった。

ビルも、私たちの行為を黙って見ている気はなかった様子。バスルームから戻ってくるとすぐに私の後ろにやって来た。彼の両手が私の腰に触れ、そのすぐ後に、パンティが引き降ろされるのを感じた。

ビルは私の下着を脱がした後、私の腰を抱え、後ろに引っ張った。私は、顔をヘレンの股間に埋めたまま、両膝をついてお尻を後ろに突き出している姿勢にされていた。

ビルが何をしようとしているのか、私には分からなかったけれど、彼の唇が私のお尻の頬に触れるのを感じ、ひょっとして、私のあそこを舐めてくれるのかもと期待し始めた。ひょっとして挿入しようとしてるのかもと思ったけれど、実際には、そこまではビルはしてくれないだろうと思っていた。

ビルの舌がお尻の頬の谷間に沿って上下するのを感じる。その焦らしにあって、私は、興奮のあまりどうしようもなくなり、彼に声に出して求めてしまった。猫が喉を鳴らすような声になっていたと思う。

「ああん、ビル・・・お願い・・・あそこを舐めて・・・私の穴を・・・あなたの舌で舐めて欲しいの」

彼の舌が尻頬の谷間の奥へと沈んできた。そして、彼の舌がアヌスに触れたとたん、私は悲鳴に近い声を上げていた。

「あっ! そこ! ああぁぁ・・そこ、そこ・・・舐めて」

ヘレンは、私がもはやクンニを止めたのを知って、体を離した。ビルの隣に並んでひざまずき、彼に声を掛けた。

「ステファニのそこ、美味しい味がするでしょう? 狭い穴なの。そこに舌を突っ込みたいと思わない?」

ビルが私の穴を舐め続けながら、頭を縦に振るのを感じた。それに、ヘレンの質問に、「ああ」と呟くのも聞こえた。ヘレンはさらに促す必要はなかった。すぐに、彼の舌が私の穴に滑り込んでくるのを感じた。

「ああん!!!」

口から出た悲鳴は、ビルには、痛みを訴える悲鳴に聞こえたかもしれない。彼がすぐに舌を引っ込めてしまったから。

「いや、いや、いや・・・違う、違うの・・・お願い、元に戻して! 舌を元に戻して!」 頭を横に振って、喘ぎながら訴えた。

すぐにビルの舌が戻ってきた。私はまたも悲鳴を上げた。でも、今回の悲鳴は、快感に彩られた悲鳴になってたはず。

ビルの舌は出し入れの動きを始めた。私もそれに合わせて彼の顔に向けてお尻を動かした。自然と溜息や喘ぎ声、悲鳴が出た。彼がしていることがどれだけ気持ち良いか彼に知ってもらいたかったので、いつもより大きな声を出していた。

その間、ヘレンはベッドから降りていたので、彼女が何をしていたかは分からなかった。でも、彼女のうめき声は聞こえていたから、私たちの近くにいたのは知っていた。

5分ほどビルに優しく舌で犯されていたけど、その後、ヘレンがビルに声を掛けるのが聞こえた。

「さあ、そろそろ彼女に突き刺してあげて。彼女もあなたを求めているのよ。あなたの逞しいモノであそこをいっぱいにされたいって思っているの」

「そうよ、お願い、ビル。おちんちん、私に入れて! ・・・すごく、欲しい・・・」

私たちが言ったことをビルが信じてくれたかどうかは分からない。というのも、彼は、ちょっと身を凍らせて動かなかったから。でも、何秒かした後、彼は位置を変えて、私の真後ろに両膝をついて構えた。ヘレンは彼のペニスを握って、私のあそこの入り口へ導いた。

ビルのペニスの頭が入ってきたときになって、それまでヘレンが彼にフェラをしていたことを知った。石のように硬くなっていたばかりでなく、とても湿っていたから。そのおかげで、最初の数センチが容易に私の中に滑り込んできた。

「うぐぅぅぅ・・・」

唸り声を出してしまい、ビルを怖気づかせてしまったかも知れないと思った。けれど、彼が引き抜こうとする前に、お尻を突き出し、自分から彼を奥まで取り込んだ。

根元まで取り込み、完全に貫かれた状態になった。これで、ビルにも、彼が与えたいと思っているものが何であれ、私は十分それに対応できるということが分かったはず。

ビルが出し入れの動きを始めた。全力をあげての動きだった。最初はゆっくりだったけど、何秒も経たないうちに、激しい打ち込みになっていた。

私は、ビルにできるだけ喜んでもらおうと思って、括約筋を使って彼のペニスを搾りたてた。それを受けてビルが苦しそうな唸り声を上げた。

「くうっっ! すごいよ、キツイ・・・ツタのように絡まってくる・・・これだと、どれだけ持続できるか分からないよ・・・」 彼が歯を食いしばって言ってるのが分かる。

私は返事をしなかった。持続時間は気にならなかったから。彼が私に出し入れを続けている。それを受けて私は快感を感じている。それで充分だった。確かに素敵なオーガズムを得られるまで持続してくれたら嬉しいけれど、そうならなくても、そんなに悪い気はしない。

ヘレンは、私も確実にオーガズムに達するようにしようと考えたみたい。腰を上げている私の下にもぐってきて、私のクリトリスを吸い始めたから。ヘレンがこれをしてくれたのは、この時が初めてだった。というか、そもそも、これは私にとって初めての経験だった。普通はあそこにセックスされるだけで、頂点に行けていたから。

ヘレンの唇が私のクリトリスを包むのを感じたとき、すぐにいってしまいそうになったけれど、幸い、何とか堪えることができた。

ヘレンは口に含むと早速、上下に動かし始めた。温かく濡れた唇が私のあそこを這い回っている。

後ろから逞しい男根に貫かれ、同時に、クリトリスを舐め吸いされる。この夢のような快感に、私は、あっという間に天国の扉へと送り込まれていた。

後ろと前の両方を同時に攻められるとてつもない快感をどう伝えてよいか分からない。でも、私がサカリのついた淫乱女のように、喘ぎ、悲鳴をあげ、よがり泣きをしていたのは確か。

たった2分ほどしか持たなかったと思う。自分でも驚くほど甲高い声で、「もう、いくぅぅぅ・・・!」と叫んでいた。

ヘレンに射精が近いことを十分に警告できたと思うけれど、彼女は攻めをやめなかった。そして、次の瞬間、私は彼女の口に熱いクリームを次々に注ぎ込んでいた。

うんっ! うんっ! と唸り声が出て、その度に熱い白濁をヘレンの口に撃ち出していた。その時、後ろのビルも苦しそうな声で叫ぶのが聞こえた。

「ああ、もうダメだ。君たち二人、すごいよ。もう、出してしまう。いくよ、中に出すよ、ああっ・・・!」

普段なら私の方から、中に出してって言ったと思う。実際、中出ししてってお願いするつもりでいた。でも、興奮のあまり、言葉が出なかったし、自分がどうなっているかも分からない状態だった。

彼が叫ぶとすぐに、熱いものが私のお尻の奥に広がった。

「あああぁぁぁぁぁ・・・」

射精を受けて思わず唇から、うめき声が漏れた。純粋な快感だけがもたらす甘いうめき声。

四つんばいのままオーガズムに達していた。腰から下のところから力が抜けていく。このまま身体を崩したら、ヘレンをつぶしてしまう。

それを察したのか、ヘレンは素早く私の下から滑り出た。私はそのすぐ後に力をなくしてベッドに倒れ込んだ。顔を下にうつぶせに倒れ込む。ヘレンはかろうじて抜け出るのが間に合った。

ビルは、締め付けたままの私の温かいアヌスから抜け出るのがイヤだったのか、私が倒れ込むとすぐに、私と同じように倒れ込んだ。私の身体を覆うようにかぶさった。

「ステフィ、綺麗だよ、すごく綺麗だ・・・」

ビルは、うわごとのようにそう言いながら、私の背中や首筋にキスを繰り返した。

3人とも、10分ほど、そうやって抱き合ったままでいた。

その後、ようやく身体を起こし、シャワーを浴びることにした。

ヘレンとビルはシャワーに直行し、私はアヌスの洗浄をしてからシャワーに行くことにした。

シャワーに遅れて入ると、ビルはヘレンの前にひざまずいて、彼女の股間をむさぼっていた。私もビルのお手伝いをして、ヘレンの乳房をお口で愛撫した。何分も掛からないうちに、ヘレンもまたオーガズムに達していた。耳をつんざくような大きな声がシャワールームに響く。

シャワーを浴びてさっぱりした後、私とヘレンはネグリジェに着替え、3人でベッドに入った。ビルが真ん中。ヘレンと私は、二人とも頭をビルの肩に預け、彼のお腹の上で手を握り合って横になった。そしていつの間にか3人とも眠りに落ちた。

***

翌朝、陽の光が寝室に差し込んでいたけれど、私が目を覚ましたのは、そのためではない。私が目を覚ましたのは、何か温かくて、湿ったものが足の間を這い回っていたから。誰かが、私のあそこを舐めている。

とても気持ちよかった。こんな素敵なことをしてくれているのが誰であれ、その人のことを邪魔したくなかったので、私は目が覚めても身体を動かさないでいた。でも、ちょっとだけ頭を上げて、股間に目を向けてみた。

驚いた。ビルだ。

私は眠っているふりを続けた。ビルは私の睾丸やクリトリスを舐め続けている。いつの間にかパンティは太ももの中ごろまで降ろされていた。

多分、朝立ちをしていたのだと思うけど、すでに私のクリトリスは勃起していた。でもビルは、それを口には入れず、舌を股間全体に這わせるだけだった。

これを彼は5分以上続け、私はもう充分にしてもらったと感じていた。こんな素晴らしい特別のおもてなしをしてもらい、何かお礼をしたい。できれば、もう一度、私の中に入ってきて、私の身体を使って楽しんで欲しい。そう感じていた。

私が起きていることを教えようと思ったちょうどその時、ビルの唇が私のクリトリスの先端にぬるりと這ってきて、ぱっくりと咥えた。

「ああん!」

思わず声を出してしまい、それによって、ビルは私が目を覚ましたことに気づいた。

彼は行為をやめ、顔を上げて私を見た。

「ごめん、起こしちゃったね」

私は片手を差し出し、彼の頭に触れた。

「こんなふうに起こされるの、全然、かまわないのよ。できれば、続けてくれたらって思ってるの。あ、でも、したくないなら、しなくていいけど・・・」

ビルは、言葉で返事をする代わりに、私のクリトリスの頭を再び口に含んだ。

私は脚を広げ、彼のために、もっとスペースを作ってあげた。彼は両手を私の脚の下辺にあてがって体勢を整えた。

ビルは私を咥えたまま、いきなり最初から頭をとても速く上下させ始めた。これを見て、彼がこれまで他の男性やTガールを相手にしたことがないことが分かった。さらに、いきなりディープスロートをして、むせ返っている。確かに経験不足だけれども、その分、熱意で補っていた。

どんなフェラチオであれ、この世の中に、気持ち良くないフェラチオは存在しないとよく言われる。そして、確かに、ビルのフェラも決して悪いものではなかった。2分ほど受けているうちに、腰のところがジンジンとしてきて、私も彼のテンポに合わせて腰を動かすようになっていた。彼の顔に向けて股間を突き上げるのは、本当は、望んでいなかったのだけど、どうしても少しだけ動いてしまう。

私がビルの行為を喜んでいたのと同じくらい、彼の方も、この行為を楽しんでいるように見えた。

もっと長く、これを楽しんでいたいと思っていたのに、残念ながら、急にオーガズムが身体の中、じわじわと這い上がってくるのを感じた。すぐにビルをやめさせなければ、彼の口に発射してしまうことになる。

「ああ、ビル、とっても気持ちいいわ。でも、もう、やめた方がいいわ。私、もう我慢できなくなってるの」

でもビルは止めなかった。もっと言えば、彼はいっそう速く動き出している。

私は、ハアハアと息を荒げた。

「ああ、ほんとにもうやめて、お願い。じゃないと、あなたのお口に出しちゃう」

何の前触れもなく、ビルはいきなり私のアヌスを触れた。彼の指が中に入ってくる。

その瞬間、オーガズムが全身を襲った。

「あっ、いやっ! あ! い、いくぅぅ!!!」

身体がぶるぶる震えて、激しく達した。

こんな強烈なオーガズムは、しばらくなかったように思う。いったん始まったオーガズムは止めようにも止められず、私は次々にビルの口に濃いクリームを撃ち続けていた。

彼が一度むせる声が聞こえたけれど、その後はうまく制御できるようになったらしく、私の射精に歩調を合わせていた。

射精が終わり、オーガズムの波が引いた後、私はぐったりと横たわっていた。力が抜けて、頭の中が真っ白になっていた。呼吸を続けるのがやっと。それほど、良かった。

ビルはまだ私を舐め続けていた。

私はあまりに身体が敏感になりすぎていたので、彼の頭に手を当て、離れてもらった。それから彼を引き上げ、隣に並んで横になってもらい、キスをした。甘く、優しく、そして愛のこもったキス。

しばらくキスをした後、ヘレンがいないことに気がついた。

「ヘレンはどこに行ったの?」

「知らない。起きて、家を出て行ったんだ。ちょうど彼女が出て行くときに目が覚めたものだから、どこに行くか訊くチャンスがなかった」

彼はそう言った後、ちょっと子供っぽい感じで私に聞いた。

「僕、うまくできたかな?」

「ええ、もちろん。素敵だったわ。こんな形で目が覚めるのってとても素敵」

私はビルに抱きつきながら答え、キスをした。硬くなったペニスが私の脚に当たるのを感じた。

「私にもして欲しい?」

「そ、それもいいけど、・・・昨日の夜に僕たちがしたことも、いいな・・・」 ビルはためらいがちに言った。

「うん、私も同じ・・・でも、今度は、私、仰向けになってもいい?」

「どんな形でも、ステフィが楽と思う方で。君が気持ちよくなってもらうのが、僕には嬉しいから」

ビルが思いやってくれたと知っただけで、嬉しくなって、またキスをした。

「四つんばいになった方が楽なのはホントよ。でも、仰向けになった方が好きなの。そうすると、私を愛してくれてる人の顔が見えるから」

今回は、私たちが行ったのはファックではなかった。ファックではなく愛の行為。ビルは私を愛してくれた。ほとんど、ずっとキスを繰り返していたと思う。二人でゆっくりと揺れるように動いた。

ビルはじっくりと時間をかけて私を愛してくれて、彼が、愛の行為をする相手として素晴らしい能力をもった男性であることを私に示してくれた。

彼は、行為の間、私のクリトリスを優しく愛撫してくれさえした。愛しそうに撫で、私が再びオーガズムに達するまで、それを続けてくれた。私が出したものが、愛し合う私と彼の間に飛び散り、二人の肌を滑らかにつなぐ。そして、それから間をおかずに彼も私の中を満たしてくれた。

実際、この時のセックスが、私にとって、マリアを除くと、誰とした時よりも良かったと思う。マリアは別格で。彼女は、いつも私を愛されている気持ちにさせてくれる。

ちょうど私とビルがオーガズムに達したとき、ヘレンが部屋に戻ってきた。

「そこにいる色狂いのお二人さん、満足した? なら、もうすぐ朝食ができるから、起きて来て」

「どこに行ってたの?」 私はビルの首にしがみついたまま、訊いた。

「お店に行ってたの。ビルのような素敵な男性は、男らしい朝食を食べなければいけないの。ステフィや私が食べるような、鳥のえさみたいな食べ物じゃなくってね」 ヘレンは、そう言いながら、手でビルの頬を撫でた。

「ヘレン? できれば、あまり重くないのがいいわ。明日の朝は、マークが朝食を作ってくれる日でしょう? あまり重いのを二日連続で食べるなんてできないもの」

「大丈夫、私たちのは普通の朝食だから。でもビルには男サイズの朝食よ。さあ、そのエッチなお尻を上げて、シャワーを浴びてらっしゃい。ビルもよ!」

バスルームには私が先に入り、アヌスを洗浄する間、ビルを待たせた。洗浄の後、ビルを中に入れて、二人で一緒にシャワーを浴びた。

シャワーの間、何度もキスを繰り返したし、お互いの秘密の場所を洗いあったけれど、私も彼も、ほとんど勃起できなかった。シャワーの後、ビルは寝室に戻って着替えをし、私はバスルームに留まって、お化粧をし、着替えをした。

ヘレンは、ビルに、彼女が言う男性サイズの食事を作るかたわら、私たちには新鮮なフルーツ類を用意していた。

朝食を食べ始めると、ビルが言った。

「二人ともいつもマークと顔をあわせてるようなので言うんだけど、ちょっと頼みたいことがあるんだ」

「何でも言ってみて、気にせずに」

「できれば、マークには、僕たちがしたことを言わないで欲しいんだ。マークに、僕のことを変に思って欲しくないだけなんだけどね」

私は、こういう言葉を言って欲しくなかった。多分、ビルは、私たちとしたことについてちょっと不思議な感覚を持っているのだろう。それは分かる。ビルは何かゲイがすることをしてしまったと感じているのは確か。興奮の真っ最中にしたことは、熱が醒めると、別の角度から見えたりするものだから。

私はビルの気持ちを落ち着かせようと思った。

「ビル? あなたがしてくれたことは、全部、マークも前にしてくれたことと同じなのよ。私たちが撮影したビデオを見たでしょう。それにはマークも出ていたことも知ってるはず。信じて欲しいわ。マークは、単にビデオのためにああいうことをしているわけじゃないのよ。マークと私は何度もしているの。私がしたいと思ってるほどは頻繁じゃないけど、それでも、何度もしているのは変わらないわ。だから、マークがあなたのことを違った風に見るなんて、私には思えない」

「多分、その通りだとは思うよ。でも、それでも、マークが知ってると思うと、何だか、居心地が悪いんだ」

「私にできることと言ったら、マークに話さないことだけね。それが精一杯。マークには嘘はつかないわ。嘘はつけないし、つくつもりもないの。マークが訊いてきたら、多分、本当のことを言うと思う。マークなら分かってくれるわ。でも、仮に私が話さなかったとしても、当然、マークたちは私たちが一緒に寝たと考えるはずよ。どっちにしても同じだと思うの。ともかく、私には、話さないとこくらいしかできないわ」

ビルは私の説明が不満そうだった。でも、他に選択肢がないのも分かったようだった。

その後、みんな黙ったまま食事をすることになった。この会話でみんなの気持ちが重苦しくなってしまったから。食事の後、私は、食器を洗うのを手伝いながら、ヘレンに話した。

「私、ビルをオフィスに送った後、家に戻るわ。今夜、ヘレンも家に来る?」

ヘレンは笑い出した。

「この5ヶ月、私が週末にあなたのところに行かなかったことって、ある? もちろん、行くわよ。もっと言うと、あなたがビルをオフィスに送っていくのを見たら、やきもちを焼いて、今夜、あなたをぶん殴っちゃうかもしれないわ」

私は荷物をまとめ、ビルと一緒にヘレンの家を出た。オフィスに着き、ビルの車の隣に車を寄せた。ビルは私にキスをしようとした。私も本当はキスを受けたかったけれど、そして、ほとんど唇を近づけそうになったけれど、そんな自分を制止した。

ビルが困ったような顔をしたので、説明した。

「ビル? 私、あなたのこと好きよ。大好き。でも、もしあなたが、今のあるがままの私と一緒にいて居心地が悪いと思うなら、私、あなたと一緒にいることはできないわ。あなたが、私と一緒にいるところを誰かに見られないかと気にして、私もこそこそあなたと会う。そんなのはイヤなの。私は、自分の人生にとても満足しているし、どこも間違ったことはしていないと思っているの。だから、私にキスしようなんてしないで。電話をかけてくるのもやめて!」

ビルは不機嫌になったようだった。車から出て、ドアを乱暴に閉めて立ち去った。

家へ向かう車の中、私は泣きたい気持ちでいっぱいだった。本当にビルのことが好きだし、また会いたいと思っていた。私を愛してくれるやり方が好きだったし、できれば、もう一度、彼と愛し合いたいと思っていた。でも、私と付き合うことに後ろめたさを感じている人と一緒にいることはできない。

家に戻った後、誰もが、私に何かが起きたと察したようだった。ありがたいことに、ヘレンは何も言わなかったし、誰も、昨夜の出来事について訊いたりしなかった。

それから2週間ほど、ビルは何度か電話をかけてきたけれど、私は電話に出るのを断り続けた。

行為中に、マークはカメラを持ち出したけれど、その最初の2回ほど、私は身を縮こませたい気持ちになった。撮影されたとして、その編集にはビルが当たるだろう。最初、そういう私の姿をビルに見られたくないと思ったのだった。

でも、2本目のビデオを撮った後は、むしろ、ビルに見せ付けてやりたいと思うようになっていた。そして、むしろ自ら進んでカメラの前で淫らに燃えるようになった。

どうしてビルに腹を立てていたのか? それはビルが自分自身の性的嗜好を受け入れることができなかったからではない。 ビルのせいで、私が変人であるような気持ちにさせられたからだ。その時まで、誰も私をそういう気持ちにさせた人はいなかった。何か私が間違った存在であるような気持ち・・・。あるがままの私でいることを拒否されたのは、ビルが初めてだった。


つづく
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