「ジャッキー」 第11章 Jackie Ch.11 by Scribler 出所 第1章第2章第3章第4章 1/2 2/2第5章第6章第7章第8章第9章第10章
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これまでのあらすじ
ジャックは妻アンジーの浮気現場を見てショックを受け、彼女と知り合った頃を回想する。彼は法律事務所のバイト、アンジーはそこの上司。仕事を通じ親密になった二人は交際を始め、その過程でジャックは女装の手ほどきを受け、ジャッキーという呼び名をもらい、アンジーと一緒のときは女性になることになった。女装でデートし、外出もした。そして彼女はアンジーに初めてアナルセックスをされ、オーガズムに狂う。やがて二人は同棲を始めた。ジャッキーはバレンタインデーのサプライズとして、アンジーのためにメイド服の姿になることにした。

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寝室に入ると、アンジーは化粧台の前に座って、髪にブラシをかけていた。彼女は私を見て言った。

「あら、あなたそこにいたの。家のこと全部してくれた?」

私は彼女に近づき、唇に軽くキスをした。「全部したよ。今夜は一緒に外食に行く?」

「注文して家で食べるのはどう? 私、今日は大好きなガールフレンドと一緒にテレビの前でリラックスしたい気分なの」 と、アンジーは片手を上げ、私の尻頬を愛撫した。

そして、その夜は彼女の言うとおりのことをして終わった。

翌日、バレンタインデーの朝。

目が覚め、すぐにベッドから出ようとした。するとアンジーは私を引きもどして、両腕で抱き寄せた。

ふたり、互いにバレンタインデーおめでとうとあいさつを交わした。これは前夜の深夜すぎ前から数度行っていたこと。誤解してほしくないけど、何も不平を言っているわけではないし、見たところ、アンジーもそんな感じではなかった。

数分、抱き合い、キスを続けた後、私は彼女の腕の中から抜け出た。

私は、昨夜ベッドに入る前からずっと女モードになっていた。それは、目が覚めても続いていて、言葉もすっかり女性化したままだった。

「ちょっとサプライズがあるの。だから私が戻ってくるまでベッドの中にいて」 

「いいわ。でも、どのくらい? トイレに行きたくなってもダメ?」 とベッドから抜ける私に彼女は言った。

「多分、45分から1時間くらいかかるわ」

アンジーは、私が頭がおかしくなったのかと訝るような顔をして私を見ていた。

「おしっこしにベッドを出ても、構わないわよね? そんなに持ちそうもないわ」

「それはいいけど、でも私が戻ってくる前にはベッドに戻っていて、お願い」

アンジーはくすくす笑っていた。

この一週間、ずっとこの日の計画のことを練り上げてきた。予備の寝室に化粧品をいくつか用意しておいていたし、前の夜に、赤いスティレット・ヒールのスリングバック(参考)の靴を持ち出していた。完璧なフレンチ・メイドに変身するのに必要なものは全部、用意してあった。

すでに前夜のうちに、偽乳房は胸に装着していた。つけ爪もつけていたから、長い爪ができている。爪は明るい赤の色に塗った。その色なら赤いメイド服とマッチすると思った。足の爪も同じ赤にした。ストッキングとハイヒールになった時、足の爪も彼女に見てもらえる。

シャワーを浴びるのに5分、エネマをするのに5分使った。化粧をするのに、さらにもう5分で、服を着るのに10分使った。コルセットを締めたけど、二回やり直さなければならなかった。レース紐をちゃんときつく締めるのが難しかったから。

鏡を見て、これはかなりセクシーになれたと実感した。お店で見た時も良いと思ったけれど、今はお化粧もしてるし、乳房もあるので、完璧な姿になっていた。

鏡を見ながらもう一度チェックしてから、付属の小さな帽子をかぶり、テニス・ブレスレット(参考)が入ったケースを持って部屋を出て、階段を降りた。それからアンジーのための朝食を作るのに、約20分。調理をしながら、あれこれ、つまみ食いをして自分の朝食代わりとした。

寝室を出てからすでに1時間が経っていた。アンジーのための朝食をトレーに載せて寝室に入った。トレーには、小さな銅製のベルとブレスレットを入れたケースも置いておいた。

そのトレーを持って入っていったときの、アンジーの表情は何にも代えがたいものだった。目を文字通り皿のように大きく開き、口もあんぐり開けていた。

私はフランス語なまりを装って言った。「奥様、おはようございます。ぐっすりお眠りになられたかと。ご朝食の準備が整いました」

アンジーはすでにトイレを済ましていたばかりか、シャワーを浴び、お化粧も終えていたようだった。今は新しい赤のナイトガウンを着ていた。それはとてもシースルーの度合いが高く、ほとんど身体が丸見えになっているとも言えるものだった。私が彼女の膝に食事のトレーを乗せる間、彼女は唖然としてベッドに座ったまま、私の動作を逐一見続けていた。それでも、ようやく口がきけるようになったらしい。

「ジャッキー、とても素敵よ。その服、どこで手に入れたの?」

私は一歩引き下がって、ピルエット(参考)をして見せた。

「私の新しい制服、気に入ってくれましたか? ジャック様が私のために買ってくださったんです。ジャック様は、私にこれを一日じゅう着て、奥様のご命令をどんなことでも聞くようにとおっしゃっていました。ジャック様は、今日という素晴らしい日を祝うために奥様にプレゼントがあるようですよ」 とトレーの上のベルベットの箱を指差した。

アンジーは箱を手にし、開けた。プレゼントのブレスレットをとても喜んでいるのが見て取れた。

「ジャック様はほんとうに素敵なお方だわ。私に素晴らしいプレゼントを二つもくれた。フレンチ・メイドと綺麗なブレスレット。彼がここにいて、私からのプレゼントを受け取れないのだけが残念ね」

「ジャック様は月曜日には戻ってこられるとおっしゃってました。でも、ジャック様が戻られるまで、私に奥様のお相手させてくださいませ」 と一礼した。

アンジーは礼をする私を見てくすくす笑った。

「そうねえ、ジャック様が戻ってきたら、とてもビッグなプレゼントをあげなくちゃいけないわね」

「その必要はないと思います。というのもジャック様は奥様をとても愛していらっしゃっていて、奥様の愛だけがお望みですから。さあ、どうか、料理が冷めないうちにお食べくださいませ」

アンジーの瞳に表れている愛情は、私が求めていた以上のものだった。

アンジーが朝食を食べている間、私は部屋の中を歩き回り、整理すべきものを拾い、片づけていた。また、脱ぎ捨てたままの衣類も集め、かごに入れた。後で時間がある時に洗濯しようと。

部屋の片づけをしている間ずっと、アンジーの視線を感じていた。彼女を振り向くといつも、アンジーは私のことを見ていて、片時も視線をはずしていないようだった。彼女がこんなに夢中に私を見ているのを感じ、私はアンジーが見えるようにして、いろいろな作業をした。たとえば、ストッキングの付け根が見えるように、わざと前かがみになったり、時にはパンティが見えるようにしたり。

寝室を片づけ終えた後、バスルームへと移動した。そこに入って何分もしないうちに、あの小さなベルが鳴る音が聞こえた。私はつま先歩きで素早く寝室に戻った。そして、お辞儀をして尋ねた。

「何か私めにご用でしょうか、奥様?」

アンジーは驚いた面持ちで、すぐにベルを朝食のトレーに戻した。

「ごめんなさい。このベル、何のためにあるのかと思って…」

「そのベルは私を呼び出すためにありますのよ、奥様。軽く鳴らしていただければ、すぐに参ります。ご朝食はお済でしょうか?」

「いいえ、まだ」 とアンジーはトーストを手にしながら言った。私はバスルームに戻り、掃除を始めた。

バスルームの掃除が終わりにさしかかった時、またベルが鳴り、トレーに置かれる音が聞こえた。再び、つま先歩きで寝室に戻り、お辞儀をして、尋ねた。

「はい、奥様。ご用は何でございましょうか?」

「うむ、トレーを片づけてちょうだい」

私がトレーを受け取りに手を出すと、アンジーは素早くベルベットの小箱とベルを取り上げた。その箱とベルを胸元に抱き寄せ、まるで「これは私のもの!」 と叫ばんばかりの少女のような顔をした。すでにブレスレットは彼女の手首についているので、ベルベットの箱のほうは、それほどの意味はない。むしろベルの方こそ、アンジーは気に入ったのだろうと思った。

トレーを回収した後、「奥様、バブルバスのご用意をいたしましょうか?」 と尋ねた。 「いいえ、その必要はありません。着替えをしてから階下に降りて、新聞を読むつもりだから」 とアンジーは答えた。

私はトレーを床に置き、手を差し伸べて、アンジーがベッドから出るのを手伝った。彼女はドレッサーに向かい、赤ワイン色のパジャマを出した。たぶんシースルーのナイトガウン姿は、フレンチ・メイド相手にはそぐわないと感じたのだろう。

アンジーは着替えをするのにクローゼットの中に入った。これは彼女には珍しいことだった。いつものアンジーなら、何のためらいもなく私の前で着替えをするからだ。アンジーがクローゼットに入っている間に、私はベッドメイキングをした。それから自分のクローゼットからお菓子が入ったハート型の箱を持ってきて、それをベッドの中央、枕の近くに置いた。

ちょうどお菓子箱を置いた時に、アンジーがクローゼットから出てきた。彼女はすぐに箱に気づき、ベッドに駆け寄り、それを手にした。

「ジャック、あなたって素敵な男性だわ。あなたを見つけ出せて、なんて私、運がよかったのかしら」 まるで私が部屋にいないような感じで彼女は独り言を言った。

アンジーはお菓子箱を持ったまま、私のほうを向いて言った。

「私はリビング・ルームにいます。あなたはここを掃除して。この部屋、しっかりお掃除したほうが良さそうね」

アンジーはきつい言い方で命令したが、口元がほころんでいたので、彼女がこのロールプレーにのっとって演じているのが分かった。

寝室の掃除は終わり、ベッドのシーツを剥がし、洗濯物入れに入れた。それから朝食のトレーを階下のキッチンに持っていき、それを洗い、その後、アンジーが待っているリビングルームに向かった。

リビングに入ると、アンジーはソファに座って新聞を読んでいた。土曜日の朝はいつも、アンジーはこうして朝刊を読む習慣になっている。アンジーは、いまや正規法律士になったので、これからは週末はもっとゆっくりできるようになるだろうと言っていた。部下として上級調査士が3名ついているので、これまで彼女と私がしていた仕事は彼らに任せられるのである。

コーヒーテーブルの上、読んでいない新聞の近くに羽毛のハタキが置いてあった。これまでそんなハタキは見たことがなく、そもそも、この家にあるとは知らなかった。

アンジーはそのハタキの方を顎で指し、「この部屋、ハタキを掛けた方が良さそうね」 と言った。

私はハタキを取り、テーブルのすすを払い始めた。テーブルすべてにハタキを掛けた後、棚やサイドボードにもハタキがけを始めたが、何かピカリと光るのを感じた。その光の方向へ顔を向けると、またフラッシュが光った。

アンジーがカメラを向けていたのだった。

「うふふ…。どうしてもこれを写真に撮っておきたくって。フレンチメイドは、これが最後かもしれないでしょ? だから、ちょっとだけでも保存しておきたいの」

それから30分ほど、アンジーはメイド姿の私の写真を撮りまくった。いろんなポーズを取らされ、顔が写っているもの、ストッキングやパンティが写っている姿も撮られた。アンジーがすごく興奮しているのが見て取れた。

アンジーがもう充分写真を撮ったと思ったちょうどその時、玄関のベルが鳴った。私はアンジーの顔を見た。こんな衣装を着た姿で玄関に出るのは困ると思ったから。でも、アンジーは意地悪そうな笑みを浮かべて言った。

「何を待ってるの? 玄関に出なさい」

「でも、誰か知ってる人だったら…」 と泣きそうな声で言った。

もっとも、アンジーも私も、めったに来客はないので、知ってる人の可能性はほとんどないことを知っていた。

「あなたは可愛らしいフレンチメイドになりたいんでしょう? 誰かが来たら、その応対をするのはメイドの役目よ。でも、最初に覗き穴から見てみて、あなたを知ってるかもしれない人だったら私に言って。私が出るから」 と、アンジーは少しおまけをしてくれたが、私が望んだほどのおまけではなかった。

玄関に行き、覗き穴を見ると、そこには赤いバラの大きな花束を持った花屋の配達人が立っていた。私たちが知ってる人でもなければ、私を見て分かる人でもないのは確かだった。私は、自分が出迎える他、選択肢はほとんどないと観念した。

ドアを開けると、玄関前の地面にもう一つ花束が置いてあった。配達人は私を見ると、途端に、顔を崩した。

「見事に決めましたね、お嬢さん。あなたの彼氏がこんなにたくさん花を買ったのも、当然ですね」 

と、彼はどこかイヤらしい目つきで私を見ながら言い、ボードを差し出して、受け取りのサインを求めた。

サインをすると、彼は持っていた花束を差し出し、もうひとつの花束も拾い、差し出した。

「俺の女房もお嬢さんみたいな格好をしてくれたら、バラを何本も買ってやるんだが」

まあ、この人も、こんなイヤラシイ目つきをする人じゃなかったら、奥さんもそうしてくれるんじゃないかと思ったが、もちろん、そんなことは言わなかった。

両手に花束を抱え、足でドアを閉めながら、これは誰から送られたのだろうと思った。長い枝の赤バラ24本セットの方は自分が注文したものだと分かっていたが、もう一方の花束が分からなかった。こちらも長い枝のバラ24本セットだったけど、様々な色のセットになっていた。とても綺麗で、こんな花束をバレンタインデーにアンジーに送る人がいるとは、とちょっと嫉妬心を感じた。

花束を抱えてリビングに入ると、アンジーが立ちあがった。

「何て綺麗な花なの! 誰から誰への花かしら?」

花束をコーヒーテーブルに降ろすと、アンジーは赤バラの方についているカードを取って、読み上げた。

「私の人生で最も愛していて、私の世界を変えてくれた女性へ。アンジー、あなたを心から愛しています。ジャックより」

アンジーがカードを読みながら目に涙を浮かべているのが見えた。まばたきをして涙を振りはらい、彼女は言った。

「ジャックは本当に素敵な男性だわ。バレンタインデーに4つも素晴らしいプレゼントをしてくれた。美しいダイヤのブレスレットに、大きな箱のチョコレートに、24本の赤いバラの花束。それに、この日のために私専用のフレンチ・メイドまでつけてくれた。ジャックのような男性を愛せない女なんているのかしら? いつか彼に結婚してと頼まなければいけないと思わない? そうしなかったら、誰かに彼を盗まれてしまうかもしれないから」

アンジーが結婚のことを話したのを聞いてびっくりした。この話はこれまで一度も話題になったことがなかった。私自身は何度も考えていたけど、話題に出すとアンジーが離れてしまうのではないかと、恐れていた。アンジーが私に飽きるまで一緒に暮らせていられるなら、それで満足だと個人的には思っていた。

そんなことを思っていたが、元のメイドのシナリオに戻らなければと気持ちを切り替えた。

「ジャック様は奥さまから盗まれたりするようなお方ではないと思いますわ。いつも奥さまを愛していらっしゃると思います」

「そうだといいわね、ジャッキー。本当にそうだといいわ。さて、こちらの花束は誰宛なのかしら?」 と彼女はもう一方の花束についたカードを手にした。

彼女はカードを広げて「これはあなた宛てよ」 と言い、読み上げた。「女の子として生まれて初めてのバレンタインデーを迎えた、私の最高のガールフレンドへ。愛をこめて、アンジーより」

アンジーから花束をもらって、本当にワクワクした。「ありがとうございます、奥さま! とても嬉しいです」

そう言って彼女を抱こうと近寄った。するとアンジーは両手を前に突き出して、私を止めた。

「メイドとして、あなたはちょっと馴れ馴れしすぎているわね。そろそろお仕事に戻ったらどうなの? この花はダイニングのテーブルに飾って。それが済んだら、洗濯を始めなさい。用事がある時はベルを鳴らすから。さあ、出ていって!」

こんなふうに退散させられ、私は拒絶されたような気持ちになった。とはいえ、こういう役目を演じているのだから仕方ない。花束を抱え、ダイニングルームに行き、テーブルに綺麗に飾った。それから洗濯機のところに行き、タオルの山から始めた。洗濯機にスイッチを入れたとたん、ベルが鳴るのが聞こえた。

その時も、つま先歩きでいそいそとリビングルームに戻った。丁寧にお辞儀をしてから、「奥様、ご用は何でしょうか?」 と尋ねた。

アンジーは新聞から目を離さず、カップを指差し、「お代わり」とだけ言った。

早速コーヒーを継ぎ足し、再び家事に戻った。すると、2分くらいしてまたベルが鳴った。今度は、家具に指紋の跡が残ってるのを見つけたので、それを拭き直すようにとのことだった。

ひょっとして自分はアンジーを暴君にしてしまったのかもしれないと思い始めていた。仕事を言いつけられ、それを終えてリビングを出ると、2分も経たずに呼び出され新たな仕事を言いつけられたから。それを何度も。

一方のアンジーはこれをとても喜んでいるように見えた。私が深々とお辞儀をするのを見たり、私に仕事をさせたりすることで、興奮を得ているのは確かだった。私がメイド服を着ていそいそと歩くのを見て喜んでいる。

午後1時ごろ、アンジーの昼食を作り、食器を洗い終えた後、呼び出しのベルが鳴った。リビングルームに行くとアンジーが立っていた。まるでお腹が痛そうに下腹部に両手を当てて立っていた。でも顔を見ると腹痛を抱えているような表情にはなっていない。もっと言えば、その正反対のような表情をしている。

お辞儀をして、何かご用ですかと尋ねると、「私の前にひざまずきなさい」と彼女は言った。ちょっと変だなとは思ったけれど、特に険悪な雰囲気もなかったので、私はアンジーの前に行き、ひざまずき、そして顔を上げた。

アンジーは私を見下ろしていた。

「ええ、そういう格好がいいわね」

アンジーはそう言ってお腹の前から手をどけた。すると、まるで魔法を使ったかのように、私の前にペニスが現れた。

アンジーは、ナイトガウンからパジャマに着替えた時に、ストラップを履いていたのだろう。リビングに入り、適切な時が来たのを見て、そのストラップにディルドを装着し、私の目に見えないようにお腹のところに密着させていたに違いない。

彼女が手をどけると、私の顔の前に飛び出したのだった。ほとんど垂直に近い角度で立っている。それに、そのディルドの別の端はアンジーの体の中に入っているに違いなかった。ため息を漏らし、小さく震えていたから。

アンジーは、右手でディルドを握り、左手で私の頭をつかんで言った。

「淫乱なフレンチ・メイドに私の極太のちんぽをしゃぶらせてやりましょう」

これは私には変な命令だった。アンジーと付きあい始めてからの4か月、彼女は一度も私にディルドを吸うように言ったことはなかったから。考えてみれば、それまでこういうプレーをする態勢になったことがなかった。そのこと自体、かなり奇妙だと言えるけど、それでも、これは予想していないことだった。

私たちのような関係を考えれば、こういうことがあり得ると考えたことがなかったとは言い切れないけど、それまでアンジーがこの行為を求めたことがなかったので、私も話題にしていなかった。アンジーは、こういうことをしても彼女自身に快感があるわけじゃないので、興味がないのだろう。そう私は思っていた。

私はすぐには反応しなかったけど、反応する前に、ディルドの先端が私の唇に触れていた。アンジーが私の頭を引き寄せたからだった。私の頭をしっかり押さえつけ、ディルドの先端を私の唇に押してくる。アンジーのその行為は決して乱暴ではなく、優しかったけれども、その行為には、どこか、決して逃がさないといったような執拗さがあった。

私とアンジーの関係では、もうこの頃までには、私はアンジーが求めることを決して拒否しないのが普通になっていた。だから、これも拒まないことにしようと心の中では思っていた。

唇を軽く開けると、次の瞬間、アンジーは私の口の中にディルドを押し込んできた。

私の唇がアンジーのディルドを包み込むと、彼女はぶるぶると身体を震わし、ため息を漏らしながら言った。

「ずいぶん前から、私のちんぽをお前の赤い唇で包んでもらいたいと思っていたのよ。私のちんぽを口に突っ込まれているお前の姿、とても可愛いわよ」

口の中がいっぱいになっていたので、返事はできなかった。実際、こんな大きなペニスをどうしたら人が咥えることなどできるのだろうと不思議でならなかった。

でも、どういうわけか、私は次第に興奮してきていた。パンティの中、勃起が始まって、この日はギャフをつけていなくて良かったと思った。つけていたらかなり苦痛になっていただろう。私のペニスは脚の間から外へ何とかして出られ、最大の12センチに膨らんでいた。

2分ほど続けているうちに、ディルドを口に入れられることに慣れてきて、その後はもっと多くを口に入れ始めていた。やがて喉の奥に先端が触れるようになり、私は軽くむせ始めた。

口や喉がペニスに慣れた後は、自分から進んで吸うようになった。そして、どれだけ口の中にいているんだろうと、何度も視線を下に向けることがあった。でも、そうするたびに、アンジーに注意された。

「ちゃんと私を見なさい。お前の目を見がら、口を犯してあげるから。その赤い唇と可愛い青い瞳を見ながら、やりたいのよ」

上手にできてると感じた時、アンジーは私のテンポに合わせて腰を動かし始めた。だけど、それと同時に、私には無理と思われるほど奥へ突き入れてくる。それから間もなくして、ディルドの先端が喉の門を貫こうとしてるのを感じた。

それを受けて激しくむせ返り、私は逃れようと身体を引いた。だけどアンジーは私の頭をがっちりと押さえて動かなくした。

「力を抜いてリラックスしなさい、淫乱メイド。そうすれば全部、入れられるから」

そう言って彼女は私の喉を突き続け、とうとう先端部分が喉門の奥へと入るのを感じた。またも咳き込み、この時は吐きそうな気分になった。だけど、ありがたいことに、アンジーはいったん引き下がり、それを受けて私は呼吸をすることができた。でも、吐き気が収まるとすぐに、彼女はまたも突き入れ、前よりも多くを私の喉奥へ入れたのだった。

アンジーはこんな調子で私の喉を犯し続け、とうとう、ディルドのすべてを私の口の中に入れるまでになった。ディルドの根元が唇にくっつくまでになる。するとアンジーのあそこから彼女の愛液の匂いが立ち上ってくるのを感じた。ということはアンジーはとても興奮しているということなのだろう。でも、どうしてなのかははっきり分からなかった。私がこれをすることによって、彼女がそんなに快感を得ることができるとは思われなかったから。

彼女はたっぷり10分以上は私の喉を攻撃し続けた。そしてようやく私の口から引き抜いた。

「そろそろいいわ。淫乱。今度は四つん這いになるのよ。お前のおまんこを犯してやるから」

ここでその体位でする? それは私には不慣れなことだった。確かにそれまで何度もアンジーに後ろから犯されたことがあったし、この4カ月ほどは週に5、6回は、その体位でされていたけど、リビング・ルームでするというのは珍しかった。テレビがある部屋でテレビを見ながらされたことは会ったけど、性行為をするのは寝室に限定するのが普通だった。

でも、私は拒否するつもりはなかったし、それに拒否してもアンジーは許さないだろうという感じがあった。

私は後ろ向きになって、アンジーにお尻を突き出した。アンジーが私の背中に手を当てるのを感じた。

「いまのお前の姿、言い表せないほど可愛いわ。赤いパンティがこっちを向いてる。それに赤いストッキングと赤いガーター。お前はまさにこういう服装になるように生れたのだし、こういう格好で私に犯されるようにできてるようね」

アンジーは「犯される」という語を言うのに合わせて、私の中に突き入れてきた。舌で私のあそこを濡らすこともなければ、指でそこを広げてくれることもなかった。今回は、まったく前戯なしでディルドを突っ込んできたのだった。

痛みを感じたのはこの時が初めてだった。もっと言えば、それまで一度も痛みを感じたことがなかったのは運が良かっただけかもしれないと思った。

でも、この時はいきなり突っ込まれ、苦痛を感じた。鋭い痛みが走り、思わず、腰を引き、同時に甲高い悲鳴を上げた。

アンジーは、逃れようとする私の腰をがっちり押さえ、ぐいっと引き寄せ、ペニスを突き刺した。

「これは、淫乱娘のような振る舞いをした当然の報いよ」

アンジーは本格的に私を犯し始めた。最初、私にはまったく快感がなかった。私はこの乱暴な扱いに耐えるのが精いっぱいだったのに、アンジーはそれにお構いなく、下腹部を叩きつけるよう激しく私を犯し続けた。

でも、ゆっくりとではあったけど彼女のペニスが気持ちよくなってきて、やがて、アンジーにされるときにいつもそうであるように、快感のよがり声を上げるようになっていた。

私が悩ましい声を出し始めるとすぐに、アンジーは打ちこみにあわせて私の尻頬を平手打ちし始めた。突っ込まれると同時に、ピシャリとお尻を叩かれる。

これも、私にはそんなに興奮できる行為ではなかったけど、これすら、だんだん気持ちよくなってくるのを感じた。乱暴に犯されながら、お尻にビンタされること。自分がそれを実際に喜んでいるなんて、自分でも信じられなかった。

アンジーは私を犯しながら、ひどい言葉で私を呼んでいた。メス犬とか娼婦とか淫乱とか…。ペニスを突っ込みながら何度もフレンチ淫乱と叫んでいた。それにそれを言うたび、ピシャリとお尻を叩いていた。

アンジーはオーガズムに数回達していたと思う。これまでの経験から、アンジーが大きな悲鳴を上げ、次に電撃ショックを受けたように身体を震わす場合、オーガズムに達しているのだと私には分かっていた。彼女は私を犯しながら、そういう時が数回あったし、普段の時より、強烈なオーガズムのようだった。

そういうオーガズムが5回目を数えた時、アンジーはいきなり私から抜け出て、私の身体を押した。私は身体を押されて、バランスを失い、床に横寝になる形で倒れた。

私は、今度はアンジーが私を正常位の体位で犯そうとしてると思った。犯しながら私のペニスを擦り、私をイカせてくれると。少なくとも、それまでいつもそういう形で終わるのが普通だった。

でも、この時は、違った。

彼女はハイヒールにお尻を乗せるような姿勢で座っていて、身体を起こしていた。呼吸を整えているようだった。私も横になったまま呼吸が戻るのを待ち、アンジーを見上げていた。するとアンジーはディルドを握り、ひねるように曲げて、ストラップから外した。そして、そのディルドを私に投げつけて、言った。

「それ、洗ってきなさい。洗ったら持ってくるように。すぐにまた使うつもりだから」

アンジーが言ったことは本当だった。彼女はそのディルドをすぐまた使ったし、しかも何度も使ったのだった。

1時間ごとにベルが鳴る音を聞いたように思う。毎回、呼び出されるたびに私は口で奉仕するか、お尻を差し出さなければならなかった。口での奉仕の場合、二つあって、そのどちらかだった。ひとつは、ディルドを深飲みすることで、充分に喉が慣れ、ディープスロートにも耐えられるようになるまで続けられた。もうひとつは、舌で彼女のあそこを舐めることで、私の舌が疲れ切ってしまうか、彼女のクリトリスが敏感になりすぎるかのどちらかになるまで続けられた。

夕食の準備をするときも、途中3回も呼び出され奉仕を強制されたので、なかなか仕事が進まなかった。この日のアンジーは本当に貪欲だった。

たぶん皆さんは、私がベルの音を嫌いになったのではと思うかもしれない。でも、それは真実とは全然異なる。あの音が好きになっていたのである。あのベルが鳴るということは、アンジーが私を必要としてたり私を求めていることを意味しているのだ。まさに彼女が私を必要としてると思ってくれるからこそ、私はいっそうアンジーに愛を感じるのである。求められていると感じられることこそ、誰もが本当に求めていることだから。

でも、彼女に尽くすことによる喜びに加えて、私自身も性的満足を求めていて、それにより、いっそう欲望が高まっていた。その日、アンジーに初めてディルドのペニスをフェラさせられた時からずっと、私のペニスは勃起していた。その勃起は、その日いち日じゅう収まることはなかった。夕食の準備ができた頃までに、私のパンティは自分で出した先走り液でほとんどびちゃびちゃの状態になっていた。でも、ヌルヌルになったパンティにペニスを包まれている感覚はむしろ私には心地よいものだった。

アンジーと一緒に夕食を取ることは許されなかった。アンジーは、メイドは従業員であり、ディナー・テーブルに一緒に座れるような場所はないと言ったからだった。

夕食後、アンジーはバブルバスに入った。彼女がバスタブに入っている間、私は彼女の身体を洗う仕事をさせられた。アンジーは、私に、身体を洗う仕事ばかりでなく、彼女のあそこをソープの泡で擦る仕事もさせた。彼女がイクまでさせられた。

深夜、午前一時ごろ、アンジーは私に今日は仕事を終わってよいと告げた。私と彼女、ふたりで二階に上がった。私はてっきり二人でベッドに入るのだろうと思っていたが、そうはならなかった。アンジーは、私だけ廊下の奥にある予備の寝室に行くよう指示したのだった。その部屋は、その日の朝、私がメイド服に着替えた部屋だった。

その部屋に入るとすぐに、アンジーは私のメイド服のチャックを降ろし、それを脱ぐのを手助けしてくれた。メイド服をクローゼットにしまうと、アンジーはベッドのシーツを剥ぎ、私にベッドに横になるよう命令した。彼女が何をしようとしているのか、私には分からなかった。それまで主寝室のベッド以外の場所で愛し合ったことはなかった。

その日、何度もしたように、私は深々とお辞儀をし、それから命令通り、ベッドに横たわった。

アンジーは私の腰にまたがり、上半身を傾け、私にキスをした。両手で私の両手をつかみ、私の頭の上に引っぱり上げた。バンザイをするような姿勢だった。彼女は私にキスを続けていたが、その時、手首を何かで締められるような感じがした。すぐに、アンジーは私の両手をベッドに拘束したのだと気づいた。

最初、ちょっと怖かったけれど、すぐに、アンジーのことだから、私を傷つけるようなことはしないだろうから大丈夫だと思った。

アンジーは私の両手をしっかり拘束すると、私の上から降り、掛布を私の身体に掛けて言った。

「おやすみなさい。今日は素晴らしい一日だったわ。あなたのおかげで今年のバレンタインデーは忘れられない日になったわよ」

彼女はそう言って私の額にキスをし、部屋の電気を消し、出ていってしまった。

暗闇の中、拘束されたまま横たわっていた。これは何かの冗談だろうと思っていた。まさか、一晩中、ベッドに手錠で拘束されたままで放置するつもりはないだろうと。…でも、トイレに行きたくなったり、火事になったらどうするんだろう?

どれくらい長くそのままでいたか分からない。すぐにもアンジーが戻ってくるのではと思い続けていた。まるで永遠とも思える長い時間をそんなふうに過ごした後、彼女は戻ってこないのだと思うようになった。少なくとも朝になるまではずっとこのままなのだと。

最初は怖さが勝ったが、その後、怒りを感じた。それでも、大半は、淫らな気持ちになっていたと思う。今日は、ほぼ12時間近く、私はアンジーに奉仕を続け、彼女の性的欲求を満たし続けた。彼女は一度たりとも、私の奉仕にご褒美をくれることはなかった。一度も私はオーガズムを感じることを許されなかった。アンジーは、私のことを、まるで何でもやっていい娼婦のように扱った。

でも、結局、私はまさにそういう存在なのだ。その結論に達するのにはかなり時間がかかったけれど、でも、そうなのだ。私はメイドの服装になっていたわけだし、それはとりもなおさず、私はおカネをもらってご奉仕する召使ということ。彼女の欲求を満たすべくご奉仕する存在。その欲求は性的なものではあったけれど、アンジーの欲求であって私のではない。そして私は、彼女の欲求を満たすために最善を尽くして奉仕したのだ。

不思議な感じだったけど、未明の時間だというのに、そういう理屈で納得していた。でも、それも幻想かもしれない。

でも、そもそも、幻想しないわけがないとも思った。私は文字通り、疲労困憊していたのである。その日一日で、たぶんそれまでの半年間に働いたよりも、たくさん働いたと思う。一日中、こき使われ、身体を酷使され続けた。どういうわけか分からないけど、そうされることが、不思議に自分でも嬉しかった。そして、それに加えて、私は性的にずっと欲求不満の状態にさせられていた。ペニスは丸一日、ずっと勃起したままだったし、この身体は、ほとんどオモチャのように性的に使われ続けていたから。

そんな思いが頭の中を行き来し続けていた。どのくらいそうしていたか分からない、たった1時間だったかもしれないし、3時間くらいだったかもしれない。そもそも分かりようがなかった。部屋には時計がなかったし、自分の時計を見ることもできなかった。私はその日ずっと着っぱなしのコルセットとパンティとハイヒールを身につけたまま、寝慣れないベッドに拘束されていた。なかなか寝付けなかったのは事実だけども、疲労感が勝ったのだろう。やがて眠りに落ちていた。

目が覚めた時、部屋が明るくなっていたのに驚いた。ほんの数分しか目を閉じていなかったように思っていたから。窓から陽が差し込んでいる。

自分がどこにいるか分からなかった。いつもアンジーと共にしてる寝室ではない。寝返ってクローゼットの方を見ると、そこに私の赤いメイド服が掛っていた。それを見て、自分のいる部屋を理解し、そして、どうして自分がここにいるのか思い出した。

それと同時に、両手にはもはや手錠がはめられていないのに気がついた。掛布を剥ぐと、足からハイヒールも脱がされているのに気づいた。ただ、コルセットとストッキング、そしてパンティは昨日のままだった。

急にトイレに行きたくなり、起き上がった。身体じゅうの関節が、動くのを嫌がっているように感じた。床に足をつけたが、その足すらギシギシと痛みがあった。

バスルームに入ると、洗面台のところに清潔なナイトガウンと、それにマッチしたパンティがあった。すぐに、私が目覚める前にアンジーが部屋に来て、すべて揃えていたのだろうと気づいた。

おしっこをした。そうすれば、この勃起が収まるだろうと期待していた。あまりに長い間、勃起を続けていたので、かなり苦痛を感じていたのだった。だけど、残念ながら、膀胱を空にしても勃起は収まらなかった。

シャワーを浴びた。シャワーを浴びながら、一瞬だけ、自分で勃起を処理しようかと思った。だけど、アンジーならこの興奮状態を喜んで和らげてくれるはずと思い、考え直した。彼女はこれまで一度もそれを拒んだことがなかったから。いや、少なくとも昨日までは、そうだったから。私は、メイド仕事は昨日だけのことであってほしいと期待していた。

パンティを履き、ナイトガウンを羽織り、髪の毛を整え、軽く化粧をした。それから階下に降り、廊下を進み、アンジーがいるはずの寝室に行った。寝室の中に入った私は、中の光景に驚いた。

アンジーは窓の厚地のカーテンを閉めたままにしていた。そのカーテンに加えて、部屋を暗くする日よけのおかげで、部屋に差し込もうとする日差しがほとんどすべて遮られていた。だからと言って、寝室が真っ暗だったと言うわけではない。ベッドを取り囲むようにして、少なくとも30本はあるろうそくが灯っていて、ベッドを何か宗教的な神殿のように見せていた。ベッドは赤いサテンの柔らかな布できれいに整えられ、その表面にはバラの花びらが散らされていた。

入り口に立ったまま、部屋のロマンティックな美しさに見蕩れていたら、アンジーの両腕が私の腰に巻きついてくるのを感じた。彼女の乳房を感じた。彼女のいつも固くなったままの左右の乳首が背中に押しつけられている。それに耳たぶが優しく唇で挟まれるのも感じた。

「私のこと、怒ってる?」

私は彼女の方を向き、両腕を彼女の腰に巻きつけた。「どうして怒ってるなんて思うの?」

アンジーはくすくす笑った。「私が自分の快楽だけのために、あなたを性的に虐待したから。あなたを虫けらのように扱って、手錠で夜じゅうベッドに拘束したから」

昨日の夜の時点なら、確かに怒っていたかもしれないけど、今は彼女に優しく抱かれ、ほんの少しも腹を立てていなかった。

「いや、ぜんぜん怒っていないし、気分を害してもいない。昨日は私はあなたのメイドになったのだし、あなたはそういうふうに私を扱っただけ。あなたが昨日一日楽しんだなら、私はそれほど嬉しいことはないから」

アンジーは気持ちを込めて私にキスをし、そして言った。

「あなたは素敵な、本当に素敵な人だわ。私、ちょっと度を過ぎてしまったから、あなたが怒っているのじゃないかと気になって。どれだけ心配したか伝えきれないほど。あなたが、もうたくさんだと言うのをずっと待っていたの。でもあなたは決して言わなかった。それが、かえって私の淫らな気持ちに油を注いで、私はどんどん要求を増やしていったのだと思うの」

「ということは、全部、私のせいだと?」

アンジーは顔を真っ赤にさせた。

「違うわ。もちろんあなたのせいじゃない。私がもっと自分をコントロールすべきだったのよ。でも、あのメイド服を着てるあなたを見てると、どうしても興奮しちゃって。あのミニスカートを履いて、ストッキングの付け根をチラチラ見せて歩くあなたを見てると、あそこがじっとりと濡れてしまうの」

二人はまたキスをした。二分ほどキスをした後、アンジーが訊いた。

「ランチを作ってほしい? それとも、あなたのもう一つの問題のお世話をしてほしい? この10分ほど、私のお腹をつついている、こっちの方のことだけど?」

ナイトスタンドのところにある時計に目をやると、すでに午後2時を過ぎているのに気がついた。昨日は一日中、つまみ食い程度しかしていなかったので、ものすごくお腹がすいていた。だけど、もう一方の欲求の方が食欲よりもはるかに上回っていた。

「ランチは後回しにできるような気がする。ランチの代わりにディナーだけとしてもいいかも」

そう言うと、アンジーはくすくすと笑い、私をベッドに引っぱった。

「あなたがジャッキーになって初めてのバレンタインデーね? おめでとう」

「でもバレンタインデーは昨日だけど…」

「昨日は私のバレンタインデー。今日はあなたのバレンタインデーよ。あなたが私のバレンタインデーを素晴らしいものにしてくれたのと同じくらい、私もあなたのバレンタインデーを素晴らしいものにしてあげたいの」

そして、アンジーは、その言葉通りに私を喜ばそうとしてくれた。

顔じゅうにキスの雨を降らせた後、ゆっくりと私の身体の下方へと進んだ。私のナイトガウンを捲りあげ、お腹の肌に唇を這わせ、舐め、そしてキスをした。

パンティを降ろした後は、最初に睾丸を舐めはじめ、続いて、ペニスを口の中に入れた。残念ながら、前日の様々な行為の余韻で私はあまりに興奮しすぎていて、私はあっという間にアンジーの口の中に果ててしまった。

突然の射精にアンジーは驚いたかもしれないけど、彼女は驚いた顔は見せなかった。私のペニスをパンティの中に戻した後、また私の身体を這い上がり、唇にキスをしたのだった。

私自身が出した精液を二人で分け合いながらねっとりとしたキスをした。最後には、飲み込むか、涎れと一緒に口端から流してしまうか、そのどちらかになるまで、精液のやり取りを続け、精液がなくなった後も、キスを数分続けた。

キスの合間に、アンジーが訊いた。

「昨日一日、あなたが私のメイドになってくれたこと、とても楽しんだわ。でも、あなたはどうだったの? 楽しんでいた? イヤになったんじゃない?」

アンジーと一緒にベッドに横たわりながら、彼女が私がメイドになったことを喜んでくれたと感じた。何度もそのことを話題に出すので、よほど嬉しかったのだろうと分かる。それに私も、アンジーが喜んでくれたのを知って、嬉しかった。アンジーが求めることなら、どんなことでも、私にはオーケーなのだ。メイド仕事は大変で、時に苦痛もあったけど、アンジーがこれほど興奮してくれたのは嬉しかった。

「嫌になったりはしなかったよ。あなたが楽しんでないのじゃと気になっただけ。あなたが喜んでくれたと分かったら、もうそれで大成功」

そう私が言うのを聞いて、アンジーは本当に満足そうな顔をした。そして、ためらいがちに言い始めた。

「じゃあ…、もしよかったらだけど…、何と言うか、またいつか私のためにメイド服を着てくれる? 今朝、あなたが眠っている間に、あの服を注意深く調べてみたのね? あの服、よくできてるわ。つまり、ぜんぜん遊びのコスチュームに見えないということ。週に何回か着ても簡単にヨレヨレになったりしないような作りだわ。それに、もしお望みなら、私がアレを着て、あなたのメイドになってもいいのよ」

それを聞いて、少し考えてみた。正直なところ、アンジーがメイド姿になるところを見てみたいとは思ったけれど、彼女は私がしたような役柄にぴったり嵌まることはできないだろうと思った。アンジーはメイドになるには、少し高圧的な性格だし、彼女にとって一番自然な行動は、仕切られる側になるより、仕切る側になることだと思うから。やっぱりダメだ。アンジーがメイド役を楽しめるとは思えないし、もし彼女が楽しんでないと思ったら、私も楽しめないと思う。

そういうことをアンジーに伝えると、彼女は、「ほんとに? あなたのためにしてあげてもいいのよ?」 と言った。

でも、その言い方からもアンジーは気が乗っていないと感じられた。

「いや、メイドになるなら、私の方が向いていると思う。それに、知っていると思うけど、私はお掃除が大好きだし…」

私が病的なほどきれい好きでないのは確かだけど、それは本当のことだった。私はあらゆる物をちゃんと整理するのが好きなのだ。

「確かに、あなたは物をきちんと整理するのが好きだわね。それに、私よりあなたの方がメイド役をうまくできるというのも本当だわ。知っての通り、私は気軽に命令されるのを受け入れるタイプの人間じゃないから」

アンジーは、彼女はメイドに向かないという私の意見に納得し、そう言った。

「でも、今日はあなたの日。だから、今日これから、私たちすることを、あなたが決めて…。それで? 次に何をしたい?」

答えを考える時間はほとんどいらなかった。「お口であなたを愛したい。それよりも良いことなんて、何も浮かんでこない」

アンジーはくすくす笑った。「うふふ。それだと、私が楽しむことになってしまうじゃない? 今日はジャッキーの日なの。私がジャッキーを喜ばせたいのよ」

私はアンジーの唇に優しくキスをして言った。

「アンジー? まだ分かっていないの? 私はあなたに快感を与えることで快感を得ているの。私がどれだけあなたのあそこを舐めることが好きか、知ってるはず。もし許されるなら一日中でも舐めていられる。今日は私の日なわけだから、自分がしたいことを自分で決められるはず。だったら、私は口と舌を使ってあなたを喜ばせたい」

「ウフフ…。分かったわ。でも、本当に自分の快楽を追い求めてね、お願いだから。今日は、これから後、あなたを止めたりしないから」

アンジーはそう言って私にねっとりとキスをした。

それから私は1時間以上、口を使ってアンジーの肉体を崇め続けた。「崇める」という言葉以外に、自分がしていたことを表す言葉が見つからない。最後にようやくペニスを彼女に差し込み、抜き差しをしつつ、彼女の中に激しく果てた。その後、アンジーは私にあそこを舐め清めできるよう、私の顔の上にまたがり、腰を降ろした。

その日、私たちは夕方の6時頃までベッドにいた。その時間になって、アンジーが夕食を作る時間がなくなってしまった。結局、宅配ピザを頼み、二人で出来たてのピザを食べながら、テレビを見て過ごした。

ピザを食べてる時、アンジーは私にバレンタインのプレゼントをくれた。最初のプレゼントはゴールドのブレスレットと、それにマッチした足首につけるブレスレットだった。次のプレゼントは、ゴールドのネックレスとイヤリング3つだった。イヤリングのひとつは、細いゴールドの鎖に半カラットのダイヤがぶら下がってついているペンダント型のイヤリングだった。食事の後、再び寝室に戻り、また愛し合った。

その夜10時。私はジャックに戻らなければならない時が来た。女性化した身体を戻すため、まずは、乳房の取り外しから始めた。これには割と時間がかかった。少しずつ溶剤を塗って、偽乳房の接着面が緩くなるのを待たなければならない。それが終わった後、今度は偽爪を剥がし始めた。それに手からマニキュアを全部落としていく。足の爪の方は、見られる可能性がほとんどなかったので、マニキュアを塗ったままにしておいた。顔のお化粧は簡単に落とせるので、朝に落とすことができる。夜のうちにしておかなければならないことをようやく終えた私は、ベッドに入り、アンジーの腕に抱かれて、安らかな眠りに落ちた。


つづく
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